Put on a happy face
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彼と思われる遺体はほとんどが黒焦げで、見るも無惨な状態だった。
司法解剖から頭を撃ち抜かれて殺されている事は分かった。
そして手が防炎加工されたズボンに突っ込まれていた事から、かろうじて指紋が採取出来て最後に触れた少年の携帯に残っていた指紋と照合した。
「照合出来ました。合致です。」
「…あぁ…。」目の前が暗くなった。
「しっかりしろ。」
「風見さん…ごめん。大丈夫。」
大きく息を吸って、遺体に手を合わせた。
"ありがとう…秀一君。貴方はもう過去の事だろうけど…あの時の5ヶ月間、私はとても幸せでした。それに、ライの時一度でも会えて良かった。"
そう言って遺体の顔を見せてもらった。
………?彼はこんな骨格だっただろうか。
ほんの少し頬骨は出ているが…若干顎が長い…?
いや、焼けて凹凸が酷いからそう見えているだけか?
赤井秀一が生きていると思いたいだけかもしれない。
それでも……。
そう思ってじっくり観察する。
監察医が困ったように声をかけた。
「あの…そろそろ出てもらえます?」
「いや、少し別れをさせてやってくれ。彼女は遺体の人物と知り合いだった。」
「…あと5分だけですよ…。」
「すまない。」
風見と監察医のやり取りは私には一切耳に入っていなかった。
そもそも…何故ポケットに手を突っ込んだ?
クセなのか?
そしてズボン。わざわざ耐火性の布で出来たものを…。後々指紋がとれるように仕組んだのか?
それにその指紋が残っていたという携帯の持ち主の小学生…。何故そんな子供と関わりが?
秀一君とはどういった関係なんだろうか。
更に直接の死亡原因である頭を撃ち抜かれた件。
何故この遺体は右側頭部を撃ち抜かれているんだ?
普通、向かい合って殺すなら確実に脳幹を狙う。
通常なら鼻先、あるいは真正面から頭を撃つはず…。
そう出来ない理由でもあったのか?
「おい、行くぞ。流石にこれ以上は待たせられない。」
「はい。すみません、ありがとうございました。」
監察医に深々と頭を下げて部屋を出た。
「もしもし、降谷さん。」
「そっちから電話とは珍しいな。どうした?」
「降谷さん…。赤井秀一が死んだ状況を詳しく教えて貰えますか?」
「あぁ。」
キールを組織から取り返した後、組織はキールを疑った。
NOCではないと証明させるため、赤井秀一を呼び出して殺せと命じた。
キールは赤井秀一が死んだ時の状況を録画していたらしく、動画があるらしい。
「見たいか?」
「見たいです。」
「…君は、赤井とは恋仲だったんだろう?」
「…何故それを…。」
「初めてライと会った時、お互い酷く動揺していた。ただの同級生にしては過剰な反応に見えた。
それに普通ならあの後君が何者か調べるだろう。
…それをしないということは巻き込みたくないか、君のことを詳しく知っているから必要ないと思っているかどちらか。
元々深い関係にあったんじゃないかと思ったまでだよ。」
「…その通りです…。でももうだいぶ前の事ですよ。きっと彼は調べるまでもない、どうでも良い女だと思っただけでしょう…。」
「アイツがどう思っていたのかは僕からしたらどうでも良いが…君自身がアイツが死ぬ所を見て動揺しないか心配なだけだ。」
「…心配してくれるんですね?」
「当たり前だろ。大事な部下だからな。」
「…ありがとうございます。私なら大丈夫です。むしろ、ちゃんと知っておきたいんです。」
「…分かった。今動画を送る。
それともう1つ言っておく。
僕は赤井秀一が生きていると思っている。」
その言葉に思わず喉が鳴った。
「…その反応、同じ事を考えていたな?」
「…はい。…あの後、楠田陸道は何処へ?」
「行方不明だそうだ。恐らくFBIが始末したんだろう。」
「あの遺体…。」
「赤井の遺体は楠田陸道かもしれない?」
「…はい。」
「こちらでも楠田陸道の事を調べてみる。またな。」
やっぱり…降谷さんも、同じ考えだった。
そして送られてきた動画を再生した。
司法解剖から頭を撃ち抜かれて殺されている事は分かった。
そして手が防炎加工されたズボンに突っ込まれていた事から、かろうじて指紋が採取出来て最後に触れた少年の携帯に残っていた指紋と照合した。
「照合出来ました。合致です。」
「…あぁ…。」目の前が暗くなった。
「しっかりしろ。」
「風見さん…ごめん。大丈夫。」
大きく息を吸って、遺体に手を合わせた。
"ありがとう…秀一君。貴方はもう過去の事だろうけど…あの時の5ヶ月間、私はとても幸せでした。それに、ライの時一度でも会えて良かった。"
そう言って遺体の顔を見せてもらった。
………?彼はこんな骨格だっただろうか。
ほんの少し頬骨は出ているが…若干顎が長い…?
いや、焼けて凹凸が酷いからそう見えているだけか?
赤井秀一が生きていると思いたいだけかもしれない。
それでも……。
そう思ってじっくり観察する。
監察医が困ったように声をかけた。
「あの…そろそろ出てもらえます?」
「いや、少し別れをさせてやってくれ。彼女は遺体の人物と知り合いだった。」
「…あと5分だけですよ…。」
「すまない。」
風見と監察医のやり取りは私には一切耳に入っていなかった。
そもそも…何故ポケットに手を突っ込んだ?
クセなのか?
そしてズボン。わざわざ耐火性の布で出来たものを…。後々指紋がとれるように仕組んだのか?
それにその指紋が残っていたという携帯の持ち主の小学生…。何故そんな子供と関わりが?
秀一君とはどういった関係なんだろうか。
更に直接の死亡原因である頭を撃ち抜かれた件。
何故この遺体は右側頭部を撃ち抜かれているんだ?
普通、向かい合って殺すなら確実に脳幹を狙う。
通常なら鼻先、あるいは真正面から頭を撃つはず…。
そう出来ない理由でもあったのか?
「おい、行くぞ。流石にこれ以上は待たせられない。」
「はい。すみません、ありがとうございました。」
監察医に深々と頭を下げて部屋を出た。
「もしもし、降谷さん。」
「そっちから電話とは珍しいな。どうした?」
「降谷さん…。赤井秀一が死んだ状況を詳しく教えて貰えますか?」
「あぁ。」
キールを組織から取り返した後、組織はキールを疑った。
NOCではないと証明させるため、赤井秀一を呼び出して殺せと命じた。
キールは赤井秀一が死んだ時の状況を録画していたらしく、動画があるらしい。
「見たいか?」
「見たいです。」
「…君は、赤井とは恋仲だったんだろう?」
「…何故それを…。」
「初めてライと会った時、お互い酷く動揺していた。ただの同級生にしては過剰な反応に見えた。
それに普通ならあの後君が何者か調べるだろう。
…それをしないということは巻き込みたくないか、君のことを詳しく知っているから必要ないと思っているかどちらか。
元々深い関係にあったんじゃないかと思ったまでだよ。」
「…その通りです…。でももうだいぶ前の事ですよ。きっと彼は調べるまでもない、どうでも良い女だと思っただけでしょう…。」
「アイツがどう思っていたのかは僕からしたらどうでも良いが…君自身がアイツが死ぬ所を見て動揺しないか心配なだけだ。」
「…心配してくれるんですね?」
「当たり前だろ。大事な部下だからな。」
「…ありがとうございます。私なら大丈夫です。むしろ、ちゃんと知っておきたいんです。」
「…分かった。今動画を送る。
それともう1つ言っておく。
僕は赤井秀一が生きていると思っている。」
その言葉に思わず喉が鳴った。
「…その反応、同じ事を考えていたな?」
「…はい。…あの後、楠田陸道は何処へ?」
「行方不明だそうだ。恐らくFBIが始末したんだろう。」
「あの遺体…。」
「赤井の遺体は楠田陸道かもしれない?」
「…はい。」
「こちらでも楠田陸道の事を調べてみる。またな。」
やっぱり…降谷さんも、同じ考えだった。
そして送られてきた動画を再生した。