Put on a happy face
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赤井秀一がNOCバレしてから降谷さんへの監視はしばらく厳しいものになった。
そのせいでほとんど連絡が取れなくなってしまった。
定期的に鳴るワンコールが彼の唯一の生存確認だった。
だから再びきちんと連絡が来たのは久しぶりだったと思う。
「キールがFBIに襲われた。怪我をして入院している。」
「何故そんな事に…。」
「赤井が組織を抜けた分内通者が欲しいんだろうな。」
キールがNOCである事は調べがついている。
「組織は今キール奪還に全力を挙げている。
現在キールが入院している病院に一人、楠田陸道という男をスパイに送り込んでいるとは聞いた。
スコッチを利用した挙句、キールまで…。
本当に憎らしい男だ。」
ギッと歯を食いしばる音が電話口から聞こえた。
やはり降谷さんにとっては憎むべき対象なんだな…。
悲しい気持ちを堪えて「私も、できる限りの事をします。」と言って電話を切った。
降谷さん、いや公安ならば普通は赤井秀一を憎むだろう。なのに私は…。
公安失格かもしれない。
プライベートをいつまでも引きずって。
このまま中立でいてもいつかは仕事に支障が出る。
…どうしたら良いんだろう。
そもそも、私は一方から聞いた情報だけで物事を判断するのは良くないと思っている。
だから赤井秀一から直接スコッチを自殺に追いやったと聞くまではとても信じられない。
だからいつか赤井の居場所を突き止めて、降谷さんと一緒に真実を聞こう。
そう思っていたのに。
「嘘…。」ガチャンと携帯の落下音が響いた。
身体が震えて思うように動けない。
上手く息が吸えない。涙が溢れる。
「おい、大丈夫か?」
風見さんが話しかけてくれるも、返事が出来なかった。
秀一君が…死んだ?
諸伏さんのように…秀一君も…?
次に目を覚ましたのは仮眠室だった。
きっと風見さんが意識を失った私をここまで運んでくれたんだろう。
申し訳なかったな…。
フラフラと部屋に戻ると風見だけが居た。
「目が覚めたか。大丈夫か?」
「すみません…仮眠室に運んでくれたんですね。」
「…赤井秀一と、ただの同級生ではなかったんだろ?」
「…。」
「降谷さんに報告はしない。真実をオレには教えてくれないか?」
「…はい…彼氏だったんです…。15の時。
しかもたった5ヶ月。彼は何も言わず、夏休みがあけたらアメリカへ引越しをしていました。
最後に指輪、くれたんです。牽制のためにって。
…バカみたいでしょう?その時の事をいつまでも引きずって…。こんな…良い歳して。」
「いつも身につけているそれか…。」
「たった5ヶ月だとしても、私にとってはあれが人生最高に幸せな時間でした。
私…どうしたらいいんでしょうか。
降谷さんは彼を酷く憎んだままになってしまった。
だけどもう、諸伏さんの死の真相はわからずじまい…。
だけど、私降谷さんに恨んだままにして欲しくない。」
「気持ちは分かるが、人の気持ちはそう簡単にどうにもならない。」
「……。」
「そして1つ勘違いしている。降谷さんが憎んでいるからといって、君が赤井秀一を憎む必要は別にないんじゃないか?」
「え…?」
「オレも諸伏さんが亡くなった事は本当にショックで、物凄く悔しい。赤井秀一への恨みは少なからずあるが…。
そもそも赤井秀一が諸伏さんを死に追いやった証拠は?」
「今のところは、自殺としか…。」
「諸伏さんが携帯を壊し、かつ赤井秀一を昇進させるためにわざとそうしたのかもしれないし、自決させる為本当に拳銃を渡したのかもしれない。
実際に血まみれの現場を見た降谷さんが彼に相当な憎しみを抱くのは当然だ。
降谷さんにとって昔からの友人だったから、尚更…。
そうかといって、君自身が降谷さんと同じ考えになる必要はない。素直に自分の気持ちは大切にしておくべきだと思う。仕事とプライベートは別に考えるべきだ。」
「…。そうだよね、ありがとう…。」
「オレは君とは唯一色々と話せる同僚。
それに楽しく飲める飲み友達だ。
良かったら、プライベートの時に赤井秀一との思い出話を聞かせてくれ。
話せば楽になる事もきっとある。
今までお互いそうしてきたように。
だから仕事中は降谷さんを全力でサポート出来るようにしよう。
我々は降谷さんを失ったら…。」
「ありがとう…。そうだよね。降谷さんの為にも、しっかりしないとね。」
ショックを受けている場合ではない。
拳を握りしめて赤井秀一と思われる遺体の司法解剖に立ち会った。
そのせいでほとんど連絡が取れなくなってしまった。
定期的に鳴るワンコールが彼の唯一の生存確認だった。
だから再びきちんと連絡が来たのは久しぶりだったと思う。
「キールがFBIに襲われた。怪我をして入院している。」
「何故そんな事に…。」
「赤井が組織を抜けた分内通者が欲しいんだろうな。」
キールがNOCである事は調べがついている。
「組織は今キール奪還に全力を挙げている。
現在キールが入院している病院に一人、楠田陸道という男をスパイに送り込んでいるとは聞いた。
スコッチを利用した挙句、キールまで…。
本当に憎らしい男だ。」
ギッと歯を食いしばる音が電話口から聞こえた。
やはり降谷さんにとっては憎むべき対象なんだな…。
悲しい気持ちを堪えて「私も、できる限りの事をします。」と言って電話を切った。
降谷さん、いや公安ならば普通は赤井秀一を憎むだろう。なのに私は…。
公安失格かもしれない。
プライベートをいつまでも引きずって。
このまま中立でいてもいつかは仕事に支障が出る。
…どうしたら良いんだろう。
そもそも、私は一方から聞いた情報だけで物事を判断するのは良くないと思っている。
だから赤井秀一から直接スコッチを自殺に追いやったと聞くまではとても信じられない。
だからいつか赤井の居場所を突き止めて、降谷さんと一緒に真実を聞こう。
そう思っていたのに。
「嘘…。」ガチャンと携帯の落下音が響いた。
身体が震えて思うように動けない。
上手く息が吸えない。涙が溢れる。
「おい、大丈夫か?」
風見さんが話しかけてくれるも、返事が出来なかった。
秀一君が…死んだ?
諸伏さんのように…秀一君も…?
次に目を覚ましたのは仮眠室だった。
きっと風見さんが意識を失った私をここまで運んでくれたんだろう。
申し訳なかったな…。
フラフラと部屋に戻ると風見だけが居た。
「目が覚めたか。大丈夫か?」
「すみません…仮眠室に運んでくれたんですね。」
「…赤井秀一と、ただの同級生ではなかったんだろ?」
「…。」
「降谷さんに報告はしない。真実をオレには教えてくれないか?」
「…はい…彼氏だったんです…。15の時。
しかもたった5ヶ月。彼は何も言わず、夏休みがあけたらアメリカへ引越しをしていました。
最後に指輪、くれたんです。牽制のためにって。
…バカみたいでしょう?その時の事をいつまでも引きずって…。こんな…良い歳して。」
「いつも身につけているそれか…。」
「たった5ヶ月だとしても、私にとってはあれが人生最高に幸せな時間でした。
私…どうしたらいいんでしょうか。
降谷さんは彼を酷く憎んだままになってしまった。
だけどもう、諸伏さんの死の真相はわからずじまい…。
だけど、私降谷さんに恨んだままにして欲しくない。」
「気持ちは分かるが、人の気持ちはそう簡単にどうにもならない。」
「……。」
「そして1つ勘違いしている。降谷さんが憎んでいるからといって、君が赤井秀一を憎む必要は別にないんじゃないか?」
「え…?」
「オレも諸伏さんが亡くなった事は本当にショックで、物凄く悔しい。赤井秀一への恨みは少なからずあるが…。
そもそも赤井秀一が諸伏さんを死に追いやった証拠は?」
「今のところは、自殺としか…。」
「諸伏さんが携帯を壊し、かつ赤井秀一を昇進させるためにわざとそうしたのかもしれないし、自決させる為本当に拳銃を渡したのかもしれない。
実際に血まみれの現場を見た降谷さんが彼に相当な憎しみを抱くのは当然だ。
降谷さんにとって昔からの友人だったから、尚更…。
そうかといって、君自身が降谷さんと同じ考えになる必要はない。素直に自分の気持ちは大切にしておくべきだと思う。仕事とプライベートは別に考えるべきだ。」
「…。そうだよね、ありがとう…。」
「オレは君とは唯一色々と話せる同僚。
それに楽しく飲める飲み友達だ。
良かったら、プライベートの時に赤井秀一との思い出話を聞かせてくれ。
話せば楽になる事もきっとある。
今までお互いそうしてきたように。
だから仕事中は降谷さんを全力でサポート出来るようにしよう。
我々は降谷さんを失ったら…。」
「ありがとう…。そうだよね。降谷さんの為にも、しっかりしないとね。」
ショックを受けている場合ではない。
拳を握りしめて赤井秀一と思われる遺体の司法解剖に立ち会った。