Put on a happy face
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あれから、私は社会人になっていた。
『降谷さん、確認お願いします。』
私は公安の警察庁警備局警備企画課、通称ゼロと呼ばれる所に所属している。
公安になったきっかけは親だ。
私の両親は元々イギリスのMI6に所属していた。
それからとある事情で苗字を変えて日本に来て、両親共に公安所属になった。
忙しくてろくに家にもいない親だったけど、少しでも理解してみたくてここまで頑張って登りつめた。
「どうした?大丈夫か?」
「あっ、大丈夫です。少し考え事を。」
「降谷さん、ナマエさんには優しいですよね…。」
「いや、常に神経を張り詰めている彼女が呆けているなんて珍しいと思っただけだ。風見も彼女を見習え。」
「はい…すみません。」
降谷というのは私の上司。三歳年下だがとても凄い人だ。
警察学校を優秀な成績で卒業するとすぐに公安のゼロに入ってきて、私達の上司になった。
現在黒の組織でバーボンというコードネームを与えられて潜入捜査をしている。
その為警視庁に来ることは少ないので、来た時は一気に書類等確認をしてもらっている。
なるべく降谷さんの仕事を減らせるように努力しているがそれでもかなりの量だ。
「降谷さん、ちゃんと寝れてます?」
思わず心配になる。組織の任務に警視庁の仕事。休みの日なんてほとんど無いんじゃないだろうか?
「僕なら大丈夫だ。君こそ疲れているんじゃないか?女性はテストステロンが少ないから寝不足になると身体の不調が顕著に出やすい。無理するなよ。」
「ありがとうございます。」
周囲は降谷さんが怖いとよく言っているが、本当は凄く優しいと思う。
きちんと仕事をやって成果を出していれば認めてくれるし、褒めてくれる人だ。
それを勘違いして私と降谷さんが付き合ってるんじゃないかと訝しんでいる人も一部居る。
断言出来る。そういう気持ちはお互いに全くない。
私は降谷さんに敬愛の念を抱いているだけ。
恋愛感情ではない。
ずっと秀一君のことを思い続けているというのも心のどこかにあるが、恋愛よりも仕事を優先したいと今は思っている。
結果、15歳のあの時から今まで誰とも付き合う事はなかった。
秀一君に最後に渡された指輪はネックレスに通して私の胸元で今でも光っている。
私にとってお守りみたいなものだ。
黒の組織では降谷零〈バーボン〉は諸伏景光〈スコッチ〉ともう1人の男の三人で行動している事が多いらしい。
そのもう1人の男に関して最近探りを入れているらしいが、全く何も情報が掴めていないとの事。
宮野明美という組織の女性を介して組織に入った事とライフルの腕が異常なまでに優れているという事しか現時点では分かっていない。
そこで私にハニートラップを使って探りを入れて欲しいとの事だった。
「降谷さん…私に出来るでしょうか…。」
「大丈夫だ。君は人を丸め込むのが上手い。それにそれだけの見た目なら男の大半は興味を持つだろう。
対象の写真は撮れないから僕がどの男か教える。
コードネームはライ。
組織内では諸星大と名乗っている。
本名ではないようだが。」
「諸星大…。分かりました。」
「何かトラブルが起きたら僕がフォローする。」
「分かりました。」
当日
離れたところから様子を伺う。
「あの黒髪で長髪の、グレーのスラックスに黒いロングジャケットを羽織った男だ。」
「分かりました。」
ハイヒールを履いてつかつかと歩く。
つまづいたフリをしてその男にぶつかった。
「いった…!!」
「おい、大丈夫か?」
対象の男が手を伸ばしてくれた。
タバコと香水の混ざった匂いがした。
「ご、ごめんなさい。ちょっと考え事してて。」
手を掴んで立ち上がり、潤んだ目で男を見上げた。
「………。お前…。」男が目を見開いた。
『降谷さん、確認お願いします。』
私は公安の警察庁警備局警備企画課、通称ゼロと呼ばれる所に所属している。
公安になったきっかけは親だ。
私の両親は元々イギリスのMI6に所属していた。
それからとある事情で苗字を変えて日本に来て、両親共に公安所属になった。
忙しくてろくに家にもいない親だったけど、少しでも理解してみたくてここまで頑張って登りつめた。
「どうした?大丈夫か?」
「あっ、大丈夫です。少し考え事を。」
「降谷さん、ナマエさんには優しいですよね…。」
「いや、常に神経を張り詰めている彼女が呆けているなんて珍しいと思っただけだ。風見も彼女を見習え。」
「はい…すみません。」
降谷というのは私の上司。三歳年下だがとても凄い人だ。
警察学校を優秀な成績で卒業するとすぐに公安のゼロに入ってきて、私達の上司になった。
現在黒の組織でバーボンというコードネームを与えられて潜入捜査をしている。
その為警視庁に来ることは少ないので、来た時は一気に書類等確認をしてもらっている。
なるべく降谷さんの仕事を減らせるように努力しているがそれでもかなりの量だ。
「降谷さん、ちゃんと寝れてます?」
思わず心配になる。組織の任務に警視庁の仕事。休みの日なんてほとんど無いんじゃないだろうか?
「僕なら大丈夫だ。君こそ疲れているんじゃないか?女性はテストステロンが少ないから寝不足になると身体の不調が顕著に出やすい。無理するなよ。」
「ありがとうございます。」
周囲は降谷さんが怖いとよく言っているが、本当は凄く優しいと思う。
きちんと仕事をやって成果を出していれば認めてくれるし、褒めてくれる人だ。
それを勘違いして私と降谷さんが付き合ってるんじゃないかと訝しんでいる人も一部居る。
断言出来る。そういう気持ちはお互いに全くない。
私は降谷さんに敬愛の念を抱いているだけ。
恋愛感情ではない。
ずっと秀一君のことを思い続けているというのも心のどこかにあるが、恋愛よりも仕事を優先したいと今は思っている。
結果、15歳のあの時から今まで誰とも付き合う事はなかった。
秀一君に最後に渡された指輪はネックレスに通して私の胸元で今でも光っている。
私にとってお守りみたいなものだ。
黒の組織では降谷零〈バーボン〉は諸伏景光〈スコッチ〉ともう1人の男の三人で行動している事が多いらしい。
そのもう1人の男に関して最近探りを入れているらしいが、全く何も情報が掴めていないとの事。
宮野明美という組織の女性を介して組織に入った事とライフルの腕が異常なまでに優れているという事しか現時点では分かっていない。
そこで私にハニートラップを使って探りを入れて欲しいとの事だった。
「降谷さん…私に出来るでしょうか…。」
「大丈夫だ。君は人を丸め込むのが上手い。それにそれだけの見た目なら男の大半は興味を持つだろう。
対象の写真は撮れないから僕がどの男か教える。
コードネームはライ。
組織内では諸星大と名乗っている。
本名ではないようだが。」
「諸星大…。分かりました。」
「何かトラブルが起きたら僕がフォローする。」
「分かりました。」
当日
離れたところから様子を伺う。
「あの黒髪で長髪の、グレーのスラックスに黒いロングジャケットを羽織った男だ。」
「分かりました。」
ハイヒールを履いてつかつかと歩く。
つまづいたフリをしてその男にぶつかった。
「いった…!!」
「おい、大丈夫か?」
対象の男が手を伸ばしてくれた。
タバコと香水の混ざった匂いがした。
「ご、ごめんなさい。ちょっと考え事してて。」
手を掴んで立ち上がり、潤んだ目で男を見上げた。
「………。お前…。」男が目を見開いた。