「暑い。溶ける。」
「もう夏だからな。」

出会いから3ヶ月。
あれから何度もデートを重ねた。
それでも一切手は出してこなかった。
軽くキスをする程度の健全なお付き合い。
大切にされていると分かって嬉しかった。

「アイス食べたい。コンビニ寄って良い？」
「好きなの買ってやる。」
「いいよ、お金あるし。」
「1度くらい貢がせてくれ。」
「なにそれ。」思わず吹き出した。

「ほら、どれがいい？」
「本当に買ってくれるの？悪いよ。」
「いいから早く選べ。」
「じゃあこのガリガリ君。」
「もっと高いものでもいいぞ。」
「これでいいの。」
「ﾁｯ…大人になったらクソ高い物を貢いでやる。
待ってろよ。」
「じゃあその時が来たら、ものすごーーーく高いアクセサリー買ってもらうわ。あっ、車でもいいな。なんなら土地でも。」
「言ったな？…覚えてろよ。」
お互い冗談めかして笑い、買い物をした。
ちなみに秀一君はコーヒーを買っていた。

「いただきます。…ん、アイス美味しい！秀一君、ありがとう。」
「どういたしまして。」
やばい、暑くて溶ける。手に垂れてきた。
「…なぁ、俺の少し後ろで食べててくれないか？」
「ん？分かった。」
食べているのを見るのが嫌なほどアイス嫌いなのかな…。

…クソ…アイス舐めてる姿、目に毒だ…。
思わず手を額に当てて溜息をついた。