Put on a happy face
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「はぁ……いい気持ち。」
ついつい温かさにそんな一言が漏れてしまう。
温泉最高。最早それしか言えない。
今入っているのは露天風呂。
しかも目の前には相模湾がこれでもかと広がっている。
まるで海に入っているみたいだった。
本当に綺麗。空も青いし、太陽もキラキラと輝いている。
空気が澄んでいるからだろうか?
いつもより空や雲がはっきりと見える気がする。
それに遠くの方には富士山が見えた。
あー、これぞまさに絶景。
降谷さん達は今頃凄く忙しいのに、自分はこんなゆっくりしていて良いのかな。
なんだか申し訳ないなぁ……。
けどせっかくの休みだし、しっかり温泉を堪能した。マッサージもバッチリ受けた。
これで明日からの激務にも耐えられるぞ!
「どうだ?良かったか?」
「最高だった!
連れてきて下さりありがとうございます!
赤井様〜ッ!!」
土下座せん勢いで拝むと軽く笑われた。
お風呂上がりでいつもより頬が赤らんでる気がする。
なんだろう、この色気。
やはり私の彼氏、イケメン過ぎでは??
大人の男って感じの色気に溢れているよね。
自分とは大違いだよ。
私本当に彼と同い年だよね?
一緒に高校生してたよね?
あれ?幻?
「ぼーっとしてないで行くぞ。」
あぁ、駐車場に戻らないと。
そう思いついて行くと、着いた先はコンビニだった。
喉でも乾いたのかな。
店から戻ってきた彼の手にはビニール袋。
随分と重たいモノが入っているのか、重力で袋の底が引っ張られているように下がっている。
「何買ったの?」
シュウは返答もせずに缶を取り出してプルタブを開けた。
「えっ、ちょ!!!」
何の缶なのか分かった瞬間にはもう既に中身は全てのまれていた。空になった缶は、ビールの缶。
「うわぁぁぁ!飲酒運転反対!!警察官の前で堂々と呑むなんて、逮捕してやる!!」
「運転はしないさ。」
「え!……うーん、私、マスタング運転出来るかな。左ハンドルでしょ……。
……頑張ればいける。うん。
……!?」
急に顎をぐっと持ち上げられたと思ったら唇に柔らかいものが触れた。
次の瞬間、冷たくて炭酸の液体を流し込まれた。驚いて飲み込むと甘さとアルコールのガツンとした刺激が襲った。
「!!!」
慌てて離れてシュウを見ると、手にはアルコール度数が高めな缶チューハイ。
「前にこれ呑みたいって言ってたろ?」
ニヤリとしながら中身がたっぷり入ったその缶を手渡された。
「あッ、あああーッ!!!どッ、どーすんの!!
明日!!仕事〜ッ!!」
「サボれば良いさ。もう一日位、降谷君ならなんとかなる。」
「馬鹿ァァァ!!
ただでさえ無理矢理休ませて貰ってるのに!
いや、1口くらいなら……でも度数高いしな……。
今から水飲んで少し時間が経てば……」
オロオロしている間に再びキスされる。
今度は舌も入ってくる濃厚なもの。
抵抗しようにも後ろから抱き締められていて逃げられない。
そしてまた口移しで流し込まれた。
甘い香りが鼻腔に広がる。
のみこんで数秒でだんだんと身体が熱くなり、力が入りにくくなる。
「……何か混ぜた?」
「大丈夫だ、副作用はない。
ただアルコールの分解を酷く遅くする薬だ。
志保に作らせた。」
「哀ちゃんに何作らせてんの!」
「普段ほとんど酒に酔わないから、少量呑むだけで酔うようにしたいと言ったら作ってくれた。
節約にもなるから良いんじゃないと言って喜んで作ってくれたよ。」
「哀ちゃんの気持ちを踏みにじるなんてサイテー!」
「まぁそう言うな。
……未だに彼女をそう呼んでいるのか。
もう元に戻ったというのに。」
組織が壊滅してから組織の建物内でAPTX4869に関する資料が見つかり、それを元に灰原哀もとい宮野志保により解毒剤が作られた。
今の所、彼女1人だけが元に戻った。
まだ薬が完璧であるか分からない為だ。
今は"灰原哀の親戚"として、入れ替わるように
FBI監視下のもと、阿笠博士の所で生活を送っている。
子供達も"哀ちゃんそっくりのお姉さん"にすっかり懐いている。
だけどそれも期間限定。
元に戻った身体が完全に問題がないと判断されれば、証人保護プログラムで先にアメリカにいる姉の元へ旅立つ予定だ。
(私も宮野明美さんがアメリカにいる事は最近知った。)
そして薬で小さくなった他の人達にも解毒剤を服用させる事になっている。
コナン君は特に早く戻りたがっているみたいだけど。
……って、そんな事よりも!!仕事!
「こうなったら……降谷さーん!!」
素早くスマホを取り出して降谷さんへと電話をかけた。
「もしもし!降谷さん!赤井!!秀一に!!
拉致られました!!助けて下さい!」
「なんだと!?赤井に代われ!」
「……やぁ、降谷君。
もう一日だけでいい、彼女を借りるぞ。」
「赤井秀一ィ!!お前ふざけるなよ!
こっちがどれだけ忙しいか分かってるだろ!
そもそもFBIだって暇じゃないだろ!」
「後でどうにかするさ。
こっちには大事な任務が1つ残っているんだ。
じゃあまたな。」
「おい、まて!今どこだ!俺が迎えに」
降谷さん、相当お怒りだ。"俺"って言っちゃってるもん。
そのまま電話を切られてスマホを取られてしまった。
電源も落とされた。あーもう。
これはもうどうしようもない。
そう思って肩を落とすと頭をポンと撫でられる。
見上げると優しく微笑んでいた。
こんな顔も出来るようになったんだ、などと思う。
今回の旅行だけで、彼のリラックスした表情をこれでもかと見せられた。
それに絆されている私も私だが。
「あーぁ。」
「そう落ち込むな。行こう。」
「どこに?」
着いていくと、近くのホテルに着いた。
「予約していた赤井だが。」
「赤井様ですね、お待ちしておりました。ご案内致します。」
予約!?最初からこのつもりで……!
「騙された!」
「言っておくが、俺は最初から"日帰り"とは一言も言ってない。」
確かに、日帰りと言ったのは私。
シュウは温泉としか言ってなかった。
「ほら、行くぞ。」
手を引かれてフロントを通り過ぎ、エレベーターは最上階へ。
部屋に着くとすぐに荷物を置いた。
部屋の窓からでも海が見える。
「こっちへ来てみろ。」
ついていった先は露天風呂だった。
部屋に露天風呂がついているだけでも凄いのに、そこから見える景色は凄いという言葉だけでは表せないくらい圧巻だった。
海と空を強く照らす橙色のグラデーション。
「綺麗……。」
「だろう?これを見せたかった。」
「……ありがとう。」
「まだ礼を言うのには早い。」
「え?」
シュウは悪戯っぽく笑いながら私の耳元で囁いた。
「そろそろ俺の望みを叶えてくれないか?」
「ッ!!」
一瞬にして全身が熱くなった。
「……シたいってこと?」
恥ずかしくなりながらも尋ねる。
「それは後でのお楽しみだ。」
そう言うとシュウは目を閉じ、深呼吸をした。
まるで狙撃を行う前のように。
ゆっくりと彼の美しいペリドットの瞳が開かれた。
「ナマエ。」
そのまま撃ち抜かれてしまうのではないかと思うくらい真剣な眼差しだった。
思わず息が止まる。
「ナマエ……俺と、結婚してくれないか?」
「……。」
言葉が出てこなかった。
驚きすぎて頭が真っ白になる。
今何と言われたのか理解できないまま、私は固まっていた。
「もう一度言おうか?」
彼はふっと笑った。
その笑顔を見て我に返る。
しかし言葉が出てこなかった。
「……返事を聞かせてくれないか?」
何も言わない私に、シュウは催促をする。
答えは決まっていた。
だけど口が動かない。
だって、ずっとこうなる事を願っていたから。
嬉しくて涙が出てきた。
「……はい、よろしくお願いします。」
精一杯の気持ちを込めて返事を返した。
そしてそのまま彼に抱きつく。
シュウは私を抱きしめたままその場で座り込んだ。
「……良かった……。
実は仕事を理由に断られるんじゃないかと思っていた。」
「まさか。遠距離になっても、何があっても私はもうシュウと離れる選択肢はないよ。」
「嬉しいことを言ってくれるな。」
そしてそのままキスをされた。
いつもより少し長めのキス。
唇が離れた瞬間にお互い見つめ合う。
夕日のせいか照れているせいか、彼の顔がいつもより赤く見えた。
「今度は絶対に手放さない。何があっても、絶対に幸せにする。」
「私も、秀一君を絶対に幸せにする。」
「懐かしい呼び方だな。」
「……ずっとこの呼び方が良い?」
「それは…やめてほしい…。」
それからお互いに吹き出して笑い合った。
公安に入ってから、自分の幸せというものは無いものだと諦めていた。
こんなにも幸せな時間を過ごせるなんて思っていなかった。
これから先、ずっと一緒に居られるんだ。
「I love you」
その言葉に答えるようにもう一度キスをした。
今日という日を忘れる事はないだろう。
大切な人と過ごす、最高の記念日となった。
ついつい温かさにそんな一言が漏れてしまう。
温泉最高。最早それしか言えない。
今入っているのは露天風呂。
しかも目の前には相模湾がこれでもかと広がっている。
まるで海に入っているみたいだった。
本当に綺麗。空も青いし、太陽もキラキラと輝いている。
空気が澄んでいるからだろうか?
いつもより空や雲がはっきりと見える気がする。
それに遠くの方には富士山が見えた。
あー、これぞまさに絶景。
降谷さん達は今頃凄く忙しいのに、自分はこんなゆっくりしていて良いのかな。
なんだか申し訳ないなぁ……。
けどせっかくの休みだし、しっかり温泉を堪能した。マッサージもバッチリ受けた。
これで明日からの激務にも耐えられるぞ!
「どうだ?良かったか?」
「最高だった!
連れてきて下さりありがとうございます!
赤井様〜ッ!!」
土下座せん勢いで拝むと軽く笑われた。
お風呂上がりでいつもより頬が赤らんでる気がする。
なんだろう、この色気。
やはり私の彼氏、イケメン過ぎでは??
大人の男って感じの色気に溢れているよね。
自分とは大違いだよ。
私本当に彼と同い年だよね?
一緒に高校生してたよね?
あれ?幻?
「ぼーっとしてないで行くぞ。」
あぁ、駐車場に戻らないと。
そう思いついて行くと、着いた先はコンビニだった。
喉でも乾いたのかな。
店から戻ってきた彼の手にはビニール袋。
随分と重たいモノが入っているのか、重力で袋の底が引っ張られているように下がっている。
「何買ったの?」
シュウは返答もせずに缶を取り出してプルタブを開けた。
「えっ、ちょ!!!」
何の缶なのか分かった瞬間にはもう既に中身は全てのまれていた。空になった缶は、ビールの缶。
「うわぁぁぁ!飲酒運転反対!!警察官の前で堂々と呑むなんて、逮捕してやる!!」
「運転はしないさ。」
「え!……うーん、私、マスタング運転出来るかな。左ハンドルでしょ……。
……頑張ればいける。うん。
……!?」
急に顎をぐっと持ち上げられたと思ったら唇に柔らかいものが触れた。
次の瞬間、冷たくて炭酸の液体を流し込まれた。驚いて飲み込むと甘さとアルコールのガツンとした刺激が襲った。
「!!!」
慌てて離れてシュウを見ると、手にはアルコール度数が高めな缶チューハイ。
「前にこれ呑みたいって言ってたろ?」
ニヤリとしながら中身がたっぷり入ったその缶を手渡された。
「あッ、あああーッ!!!どッ、どーすんの!!
明日!!仕事〜ッ!!」
「サボれば良いさ。もう一日位、降谷君ならなんとかなる。」
「馬鹿ァァァ!!
ただでさえ無理矢理休ませて貰ってるのに!
いや、1口くらいなら……でも度数高いしな……。
今から水飲んで少し時間が経てば……」
オロオロしている間に再びキスされる。
今度は舌も入ってくる濃厚なもの。
抵抗しようにも後ろから抱き締められていて逃げられない。
そしてまた口移しで流し込まれた。
甘い香りが鼻腔に広がる。
のみこんで数秒でだんだんと身体が熱くなり、力が入りにくくなる。
「……何か混ぜた?」
「大丈夫だ、副作用はない。
ただアルコールの分解を酷く遅くする薬だ。
志保に作らせた。」
「哀ちゃんに何作らせてんの!」
「普段ほとんど酒に酔わないから、少量呑むだけで酔うようにしたいと言ったら作ってくれた。
節約にもなるから良いんじゃないと言って喜んで作ってくれたよ。」
「哀ちゃんの気持ちを踏みにじるなんてサイテー!」
「まぁそう言うな。
……未だに彼女をそう呼んでいるのか。
もう元に戻ったというのに。」
組織が壊滅してから組織の建物内でAPTX4869に関する資料が見つかり、それを元に灰原哀もとい宮野志保により解毒剤が作られた。
今の所、彼女1人だけが元に戻った。
まだ薬が完璧であるか分からない為だ。
今は"灰原哀の親戚"として、入れ替わるように
FBI監視下のもと、阿笠博士の所で生活を送っている。
子供達も"哀ちゃんそっくりのお姉さん"にすっかり懐いている。
だけどそれも期間限定。
元に戻った身体が完全に問題がないと判断されれば、証人保護プログラムで先にアメリカにいる姉の元へ旅立つ予定だ。
(私も宮野明美さんがアメリカにいる事は最近知った。)
そして薬で小さくなった他の人達にも解毒剤を服用させる事になっている。
コナン君は特に早く戻りたがっているみたいだけど。
……って、そんな事よりも!!仕事!
「こうなったら……降谷さーん!!」
素早くスマホを取り出して降谷さんへと電話をかけた。
「もしもし!降谷さん!赤井!!秀一に!!
拉致られました!!助けて下さい!」
「なんだと!?赤井に代われ!」
「……やぁ、降谷君。
もう一日だけでいい、彼女を借りるぞ。」
「赤井秀一ィ!!お前ふざけるなよ!
こっちがどれだけ忙しいか分かってるだろ!
そもそもFBIだって暇じゃないだろ!」
「後でどうにかするさ。
こっちには大事な任務が1つ残っているんだ。
じゃあまたな。」
「おい、まて!今どこだ!俺が迎えに」
降谷さん、相当お怒りだ。"俺"って言っちゃってるもん。
そのまま電話を切られてスマホを取られてしまった。
電源も落とされた。あーもう。
これはもうどうしようもない。
そう思って肩を落とすと頭をポンと撫でられる。
見上げると優しく微笑んでいた。
こんな顔も出来るようになったんだ、などと思う。
今回の旅行だけで、彼のリラックスした表情をこれでもかと見せられた。
それに絆されている私も私だが。
「あーぁ。」
「そう落ち込むな。行こう。」
「どこに?」
着いていくと、近くのホテルに着いた。
「予約していた赤井だが。」
「赤井様ですね、お待ちしておりました。ご案内致します。」
予約!?最初からこのつもりで……!
「騙された!」
「言っておくが、俺は最初から"日帰り"とは一言も言ってない。」
確かに、日帰りと言ったのは私。
シュウは温泉としか言ってなかった。
「ほら、行くぞ。」
手を引かれてフロントを通り過ぎ、エレベーターは最上階へ。
部屋に着くとすぐに荷物を置いた。
部屋の窓からでも海が見える。
「こっちへ来てみろ。」
ついていった先は露天風呂だった。
部屋に露天風呂がついているだけでも凄いのに、そこから見える景色は凄いという言葉だけでは表せないくらい圧巻だった。
海と空を強く照らす橙色のグラデーション。
「綺麗……。」
「だろう?これを見せたかった。」
「……ありがとう。」
「まだ礼を言うのには早い。」
「え?」
シュウは悪戯っぽく笑いながら私の耳元で囁いた。
「そろそろ俺の望みを叶えてくれないか?」
「ッ!!」
一瞬にして全身が熱くなった。
「……シたいってこと?」
恥ずかしくなりながらも尋ねる。
「それは後でのお楽しみだ。」
そう言うとシュウは目を閉じ、深呼吸をした。
まるで狙撃を行う前のように。
ゆっくりと彼の美しいペリドットの瞳が開かれた。
「ナマエ。」
そのまま撃ち抜かれてしまうのではないかと思うくらい真剣な眼差しだった。
思わず息が止まる。
「ナマエ……俺と、結婚してくれないか?」
「……。」
言葉が出てこなかった。
驚きすぎて頭が真っ白になる。
今何と言われたのか理解できないまま、私は固まっていた。
「もう一度言おうか?」
彼はふっと笑った。
その笑顔を見て我に返る。
しかし言葉が出てこなかった。
「……返事を聞かせてくれないか?」
何も言わない私に、シュウは催促をする。
答えは決まっていた。
だけど口が動かない。
だって、ずっとこうなる事を願っていたから。
嬉しくて涙が出てきた。
「……はい、よろしくお願いします。」
精一杯の気持ちを込めて返事を返した。
そしてそのまま彼に抱きつく。
シュウは私を抱きしめたままその場で座り込んだ。
「……良かった……。
実は仕事を理由に断られるんじゃないかと思っていた。」
「まさか。遠距離になっても、何があっても私はもうシュウと離れる選択肢はないよ。」
「嬉しいことを言ってくれるな。」
そしてそのままキスをされた。
いつもより少し長めのキス。
唇が離れた瞬間にお互い見つめ合う。
夕日のせいか照れているせいか、彼の顔がいつもより赤く見えた。
「今度は絶対に手放さない。何があっても、絶対に幸せにする。」
「私も、秀一君を絶対に幸せにする。」
「懐かしい呼び方だな。」
「……ずっとこの呼び方が良い?」
「それは…やめてほしい…。」
それからお互いに吹き出して笑い合った。
公安に入ってから、自分の幸せというものは無いものだと諦めていた。
こんなにも幸せな時間を過ごせるなんて思っていなかった。
これから先、ずっと一緒に居られるんだ。
「I love you」
その言葉に答えるようにもう一度キスをした。
今日という日を忘れる事はないだろう。
大切な人と過ごす、最高の記念日となった。