Put on a happy face
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仲見世通りを戻って最初に見た青銅の鳥居の横道を入り真っ直ぐ行くと、目の前に広がるのは立派なスパ。
3階建てでベージュとブラウンを貴重にした洋風な建物で、円形の作りをしていた。
まるで古代ローマの象徴であるコロッセオを彷彿とさせる雰囲気だった。
受付のお姉さんに温泉施設の説明をしてもらい、バスタオルが入ったトートバッグを受け取った。
どうやらここは温泉だけでなく男女共用の温水プールもあり、水着を着用して入れるらしい。
入口には水着コーナーもあり、その品揃えは水着専門店並みだ。それにワンコイン程度でレンタルが出来る。せっかくだから水着を借りることにした。
「えー、どれにしよう。この花柄は派手だし……。」
「どれでも構わんが、この上着も一緒に借りてくれ。」ワンピースタイプのラッシュガードを指さした。
「それがグレーだから、中の水着もグレーにしようかな〜。シュウはもう決めた?」
「あぁ。」
膝丈で、ネイビーにバイナップル柄のスイムパンツ。
きっとサイズだけ見て適当に掴んだんだろうな。
ちょっと可愛い。
「じゃあまた後でね。」
そう言って更衣室で着替えを済ませ、いざプールへ!
扉を開けると広々したプールが目に入った。
手前には直径10m程の丸いプール。
真ん中の水底にはハイビスカスの絵が描かれており、天井の吹き抜けが照らす。
奥にはジャグジー機能のプールもあるようだ。
「うわー!……綺麗!」
「そうだな。それになかなか広い。」
着替え終わったシュウが隣に来た。
相変わらず筋肉質で彫刻のような身体。
腹筋も当然かのようにシックスパック。
無駄な贅肉は一切ない。
周りの人達もチラチラ見ている。
あれだけさっき海鮮丼ガッツリ食べたんだから、
少しくらいお腹出てても良くない?
貴方の胃はブラックホールですか?
じっと自分の腹部を見て絶望する。
「俯いてどうした?早く入ろう。」
「うん。」
足から浸かるとじんわりと温かかった。
ちなみに水深は1.2m。
シュウは腰くらいまでしか浸かれていない。
ゆっくりと中央のハイビスカスまで歩いた。
水の圧力が心地よい。
少し身体が水に慣れた所で、軽く泳ぐ事にした。
久しぶりに泳ぐけど、思ったよりちゃんと泳げてる。
「俺も泳ぐか。」
そう言うとザバッと勢いよく泳ぎ出した。
綺麗なフォームの平泳ぎ。
反対側まで10m。シュウはあっという間に泳いで向こうへ着いた。そのまま水中でくるりと方向転換すると、今度はこちらへ戻ってきた。
「ぷはっ」
シュウが勢いよく顔を上げ、水が滴り落ちた。
「久しぶりに泳いだよ。気持ちが良い。」
髪をかきあげながら少年のように笑う顔に目が離せなくなった。悔しいくらい"水も滴る良い男"を体現している。
「……かっこよすぎ。」
「それは、最高の褒め言葉だな。」
目を細めて笑った。
「そうだ、これを売店で買ってきた。」
「なにこれ?」
どう見てもカラフルなビニールが折りたたまれただけのもの。
広げるとぺっちゃんこのビーチボールだった。
「そもそもこれ、どこに隠し持ってたの?」
「最初から手に持っていたが。」
「うそ、持ったまま泳いでたの?」
「あぁ。これくらい持っていても別に泳ぎの妨げにはならんからな。
昔は死体を担いだまま泳いだ事もあるが、泳ぎに問題はなかった。」
「えっ、ちょっ……。あの……。ツッコミどころ満載なんだけど。死体?」
「その話はまたの機会にしよう。
もう10年位前の話だしな。
せっかくだからこれで遊ぼう。」
ビーチボールに口をつけて膨らましはじめた。みるみると空気が入り、バレーボール大の大きさになった。
それを片手で高く投げた。
「ほら、受け取れ。」
「えぇー!?いきなり?!」
きちんとコントロールして投げたらしく、腕を伸ばすとちょうど腕の中にボールが落ちてきた。
「おりゃ!」
勢いよくシュウに投げつけるが、当然のように軽々受け止められた。
「本気で投げてみろ。」
その言葉を受けて大きく振りかぶって全力投球をした。
しかしさすがと言うべきか、キャッチと同時に力を込めて打ち返してきた。
「うわ!!」
流石に受け止めきれずにボールは水面に着地した。
顔に当たらなくてよかった。
そうなったら恥ずかしすぎるし。
再びプールサイドで向かい合った。
「よし、次はもっと遠くから投げるぞ。」
「OK、どちらかが水面に落としたほうが負け。
後で何か1つ言うことをきく。」
「了解。」
こうしてプールでの遊びが始まった。
私は必死でプールを駆け回り、シュウはそれを笑いながらやすやすと打ち返した。
「そろそろ決着をつけよう。」
そう言ってまさかの、シュウはボールを真後ろに投げた。そしてプールに潜ると私を一緒に引き込んだ。
「!!」
勢いよく沈んだせいで驚いた為水はのまなかった。
それに仕事柄、突然の事態に対処は出来るので、
水中でシュウの腕を掴み返してなんとかすり抜ける事が出来た。
水面に上がろうとしたが、直前に腕を掴まれて唇に柔らかいものが触れた。
結局上手く抵抗出来ず水の中へと逆戻りした。
しかし流石に息が続かない。
シュウの胸を思い切り叩くとようやく解放してくれた。
「……ぷはぁっ!……ちょっと!死ぬかと思ったじゃん!あー……もう……息が。」
「すまん。だが流石公安だな。
これくらいでは動じていないな。」
「試すなんて最低!」
「悪かったよ。」全然悪いと思っていなさそうに笑うと近くにいたお姉さんからボールを受け取っていた。
「1つ言うことを聞く約束だったな。」
「はぁ!?さっきのはズルでしょ!」
「的確な判断と言って欲しいな。
俺は時にはどんな手を使ってでも勝ってきた。
そうしないと生きてこれなかったからな。」
「……。」
「はぁ……。じゃあ願い事は何?」
「それは後でだ。
神社での願い事と同じ事なんだが。」
心做しか不安そうな顔を浮かべた。
「えっ、そんなに叶えにくい事なの?
私そんな沢山はお金ないよ?公務員だし。」
「金がかかることでは無い。いや、場合によってはかかるものもあるが、それは俺が全て出すつもりだ。」
「えっ、じゃあどういうこと?」
「さて、プールも楽しんだし温泉へと入ろう。
一緒に入れないのは残念だが、楽しんでくるといい。
色々な種類の温泉があるようだし、マッサージも受けられるようだ。」
シュウの願い事、できる限り答えてあげたいな。そう思いながら更衣室に戻った。
3階建てでベージュとブラウンを貴重にした洋風な建物で、円形の作りをしていた。
まるで古代ローマの象徴であるコロッセオを彷彿とさせる雰囲気だった。
受付のお姉さんに温泉施設の説明をしてもらい、バスタオルが入ったトートバッグを受け取った。
どうやらここは温泉だけでなく男女共用の温水プールもあり、水着を着用して入れるらしい。
入口には水着コーナーもあり、その品揃えは水着専門店並みだ。それにワンコイン程度でレンタルが出来る。せっかくだから水着を借りることにした。
「えー、どれにしよう。この花柄は派手だし……。」
「どれでも構わんが、この上着も一緒に借りてくれ。」ワンピースタイプのラッシュガードを指さした。
「それがグレーだから、中の水着もグレーにしようかな〜。シュウはもう決めた?」
「あぁ。」
膝丈で、ネイビーにバイナップル柄のスイムパンツ。
きっとサイズだけ見て適当に掴んだんだろうな。
ちょっと可愛い。
「じゃあまた後でね。」
そう言って更衣室で着替えを済ませ、いざプールへ!
扉を開けると広々したプールが目に入った。
手前には直径10m程の丸いプール。
真ん中の水底にはハイビスカスの絵が描かれており、天井の吹き抜けが照らす。
奥にはジャグジー機能のプールもあるようだ。
「うわー!……綺麗!」
「そうだな。それになかなか広い。」
着替え終わったシュウが隣に来た。
相変わらず筋肉質で彫刻のような身体。
腹筋も当然かのようにシックスパック。
無駄な贅肉は一切ない。
周りの人達もチラチラ見ている。
あれだけさっき海鮮丼ガッツリ食べたんだから、
少しくらいお腹出てても良くない?
貴方の胃はブラックホールですか?
じっと自分の腹部を見て絶望する。
「俯いてどうした?早く入ろう。」
「うん。」
足から浸かるとじんわりと温かかった。
ちなみに水深は1.2m。
シュウは腰くらいまでしか浸かれていない。
ゆっくりと中央のハイビスカスまで歩いた。
水の圧力が心地よい。
少し身体が水に慣れた所で、軽く泳ぐ事にした。
久しぶりに泳ぐけど、思ったよりちゃんと泳げてる。
「俺も泳ぐか。」
そう言うとザバッと勢いよく泳ぎ出した。
綺麗なフォームの平泳ぎ。
反対側まで10m。シュウはあっという間に泳いで向こうへ着いた。そのまま水中でくるりと方向転換すると、今度はこちらへ戻ってきた。
「ぷはっ」
シュウが勢いよく顔を上げ、水が滴り落ちた。
「久しぶりに泳いだよ。気持ちが良い。」
髪をかきあげながら少年のように笑う顔に目が離せなくなった。悔しいくらい"水も滴る良い男"を体現している。
「……かっこよすぎ。」
「それは、最高の褒め言葉だな。」
目を細めて笑った。
「そうだ、これを売店で買ってきた。」
「なにこれ?」
どう見てもカラフルなビニールが折りたたまれただけのもの。
広げるとぺっちゃんこのビーチボールだった。
「そもそもこれ、どこに隠し持ってたの?」
「最初から手に持っていたが。」
「うそ、持ったまま泳いでたの?」
「あぁ。これくらい持っていても別に泳ぎの妨げにはならんからな。
昔は死体を担いだまま泳いだ事もあるが、泳ぎに問題はなかった。」
「えっ、ちょっ……。あの……。ツッコミどころ満載なんだけど。死体?」
「その話はまたの機会にしよう。
もう10年位前の話だしな。
せっかくだからこれで遊ぼう。」
ビーチボールに口をつけて膨らましはじめた。みるみると空気が入り、バレーボール大の大きさになった。
それを片手で高く投げた。
「ほら、受け取れ。」
「えぇー!?いきなり?!」
きちんとコントロールして投げたらしく、腕を伸ばすとちょうど腕の中にボールが落ちてきた。
「おりゃ!」
勢いよくシュウに投げつけるが、当然のように軽々受け止められた。
「本気で投げてみろ。」
その言葉を受けて大きく振りかぶって全力投球をした。
しかしさすがと言うべきか、キャッチと同時に力を込めて打ち返してきた。
「うわ!!」
流石に受け止めきれずにボールは水面に着地した。
顔に当たらなくてよかった。
そうなったら恥ずかしすぎるし。
再びプールサイドで向かい合った。
「よし、次はもっと遠くから投げるぞ。」
「OK、どちらかが水面に落としたほうが負け。
後で何か1つ言うことをきく。」
「了解。」
こうしてプールでの遊びが始まった。
私は必死でプールを駆け回り、シュウはそれを笑いながらやすやすと打ち返した。
「そろそろ決着をつけよう。」
そう言ってまさかの、シュウはボールを真後ろに投げた。そしてプールに潜ると私を一緒に引き込んだ。
「!!」
勢いよく沈んだせいで驚いた為水はのまなかった。
それに仕事柄、突然の事態に対処は出来るので、
水中でシュウの腕を掴み返してなんとかすり抜ける事が出来た。
水面に上がろうとしたが、直前に腕を掴まれて唇に柔らかいものが触れた。
結局上手く抵抗出来ず水の中へと逆戻りした。
しかし流石に息が続かない。
シュウの胸を思い切り叩くとようやく解放してくれた。
「……ぷはぁっ!……ちょっと!死ぬかと思ったじゃん!あー……もう……息が。」
「すまん。だが流石公安だな。
これくらいでは動じていないな。」
「試すなんて最低!」
「悪かったよ。」全然悪いと思っていなさそうに笑うと近くにいたお姉さんからボールを受け取っていた。
「1つ言うことを聞く約束だったな。」
「はぁ!?さっきのはズルでしょ!」
「的確な判断と言って欲しいな。
俺は時にはどんな手を使ってでも勝ってきた。
そうしないと生きてこれなかったからな。」
「……。」
「はぁ……。じゃあ願い事は何?」
「それは後でだ。
神社での願い事と同じ事なんだが。」
心做しか不安そうな顔を浮かべた。
「えっ、そんなに叶えにくい事なの?
私そんな沢山はお金ないよ?公務員だし。」
「金がかかることでは無い。いや、場合によってはかかるものもあるが、それは俺が全て出すつもりだ。」
「えっ、じゃあどういうこと?」
「さて、プールも楽しんだし温泉へと入ろう。
一緒に入れないのは残念だが、楽しんでくるといい。
色々な種類の温泉があるようだし、マッサージも受けられるようだ。」
シュウの願い事、できる限り答えてあげたいな。そう思いながら更衣室に戻った。