Put on a happy face
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私は中学2年生の時、イギリスから日本に引っ越して来た。
日本語を話すのは問題なかったが、私は日本の文化や様式、空気を読むだとかいう事が全く理解出来なかった。
言いたいことがあれば言えばいい。
こそこそするのは性にあわない。
そう思っていた。
自分としては別に自信満々な態度をとった訳でも、見下すような態度をとった訳でもないのだが、意見をはっきり言ってしまうクセと女子にしては高い身長から『高飛車だ』と思われてしまったらしい。
その上ハーフである私は顔が日本人離れしている。
協調性を大切にする日本人、特に子供にとって外見が自分達と違うという事はそれだけで"部外者"なのだ。
"外国人。目の色が気持ち悪い。
鼻が高すぎ。魔女みたいな顔しやがって。"
色々な要因が重なって転校早々容赦ないイジメを受けるようになった。
小学生みたいな悪口を毎日、しかも似たような事を言われ続けていい加減耳にタコが出来そうだった。大半が容姿に対する侮辱だ。
その上持ち物を壊される事は日常茶飯事だった。
日本人というのは特に群れや所属、協調性を大切にする人達だ。
群れて自信をつけて強くなる。
一緒というのが安心するのだろう。
しかしそれが良い面もあり悪い面もある。
その他にも日本人特有だと思う事がある。
日本人というのはよく笑う。
人に話をする時は顔に笑顔を貼り付けるのがデフォルトだ。
"愛想笑い"というやつだろう。
人間関係を円滑にする為だというのは分かったが、正直本当に必要ではない場面でも使われている気がする。
先生達にいじめの事を話しても、気のせいだよ。大丈夫だよ。と笑う。
理解が出来なかった。
何故笑う?何故まともに取り合ってくれない?
私からしたら真剣に話を聞いて貰っていると感じられなかった。
まぁ、今思うとその教師達がイジメがある事を認めたくなくて笑って誤魔化していたんだろうと分かるが。
そもそも、皆本心から笑っている訳では無い事が多い。
"相手からよく見られたい。
皆が笑っているから。
仲間意識から楽しんでいる振りをしている。
困った時は笑っていればなんとか誤魔化せるから"
…等のそういう理由だろう。
つまりは日本に来てから人間不信になっていった。
しかしそれでもここでやっていかなくてはならない。
中学3年になって、空気を読むということや愛想笑いの重要性が理解出来て、少しずつ上手くやれるようになった。
少ないが友人も出来た。…あくまで表面上は。
心を開くのは夢のまた夢だった。
どうしても自分自身の根底にあるのはイギリスでの楽しかった暮らし。
だからなのか、隣の席になった帰国子女の男の子と話をするうちにとても惹かれた。
話をして、私と価値観が近いものがあった。
いや、そう思いたかっただけなのかもしれない。
その男の子と仲良くなり付き合うまでは出会って1ヶ月も経たなかったと思う。
彼に好かれたい。もっと海外での生活の話がしたい。
その一心で彼に尽くした。できる限りなんでもした。
それから2ヶ月経った頃だろうか。
「しまった、ノート忘れた。」
帰りに忘れ物をして教室に取りに戻ったら彼氏と友人の会話を聞いてしまった。
「あー、ナマエの事?美人だしスタイルは最高だよ。ただ、あいつ全然濡れねぇし反応もいつも同じでつまんねぇ。あーあ。顔が派手だしもっと遊んでる女かと思ってたぜ。」
「すげーなー。お前ホント口上手いもんな。口説き方教えてほしいぜ。飽きたら彼女を俺に回してくれよ!」
「いいよ。なんならもう飽きてきたし。」
「よっしゃ!」
信じられなかった。
初めて出来た彼氏は…身体目当てだった。
足が震えた。冷や汗が吹き出して目の前が真っ暗になった。
そこから動けないでいると教室から出てきた彼氏とその友人が目の前に来てしまった。
「んだよ、聞いてたのかよ。盗み聞きとは趣味悪ぃな。聞いてたなら分かっただろ。お前はもう用済み。
Bye!」
返事も出来ずに立ちすくむ。
通りすがりに笑いながらその友人が
"今度は俺のしゃぶってくれよ"と吐き捨て去っていった。
その後はどうやって帰ったのか覚えてない。
ただ、思った事は一つだけ。
「男を見返してやりたい。上に立ちたい。
男を手のひらで転がすくらいの女になってやる。」と。
そこからは"笑顔"や"女らしさ"というものを武器にした。
Slut(尻軽)と呼ばれても良いくらい、来るもの拒まず去るもの追わずだった。
ただ表面上は品行方正にしていたから大人にバレることはなかった。
根は真面目だし先生に怒られるのが面倒だから。
スカートの丈も極端に短くはしていないし勉強は割と出来た。
大人からはきちんとした生徒だと思われていたと思う。
この日本では笑顔を絶やさず、相手をよく褒め、意味ありげな目線を時々送るだけで男達は寄ってきた。
そんな私に愛想をつかし顰蹙を買い、数少ない友人すら居なくなったが、もう別にどうでも良かった。
心を許せる友人なんて初めからいなかったのだから。
日本語を話すのは問題なかったが、私は日本の文化や様式、空気を読むだとかいう事が全く理解出来なかった。
言いたいことがあれば言えばいい。
こそこそするのは性にあわない。
そう思っていた。
自分としては別に自信満々な態度をとった訳でも、見下すような態度をとった訳でもないのだが、意見をはっきり言ってしまうクセと女子にしては高い身長から『高飛車だ』と思われてしまったらしい。
その上ハーフである私は顔が日本人離れしている。
協調性を大切にする日本人、特に子供にとって外見が自分達と違うという事はそれだけで"部外者"なのだ。
"外国人。目の色が気持ち悪い。
鼻が高すぎ。魔女みたいな顔しやがって。"
色々な要因が重なって転校早々容赦ないイジメを受けるようになった。
小学生みたいな悪口を毎日、しかも似たような事を言われ続けていい加減耳にタコが出来そうだった。大半が容姿に対する侮辱だ。
その上持ち物を壊される事は日常茶飯事だった。
日本人というのは特に群れや所属、協調性を大切にする人達だ。
群れて自信をつけて強くなる。
一緒というのが安心するのだろう。
しかしそれが良い面もあり悪い面もある。
その他にも日本人特有だと思う事がある。
日本人というのはよく笑う。
人に話をする時は顔に笑顔を貼り付けるのがデフォルトだ。
"愛想笑い"というやつだろう。
人間関係を円滑にする為だというのは分かったが、正直本当に必要ではない場面でも使われている気がする。
先生達にいじめの事を話しても、気のせいだよ。大丈夫だよ。と笑う。
理解が出来なかった。
何故笑う?何故まともに取り合ってくれない?
私からしたら真剣に話を聞いて貰っていると感じられなかった。
まぁ、今思うとその教師達がイジメがある事を認めたくなくて笑って誤魔化していたんだろうと分かるが。
そもそも、皆本心から笑っている訳では無い事が多い。
"相手からよく見られたい。
皆が笑っているから。
仲間意識から楽しんでいる振りをしている。
困った時は笑っていればなんとか誤魔化せるから"
…等のそういう理由だろう。
つまりは日本に来てから人間不信になっていった。
しかしそれでもここでやっていかなくてはならない。
中学3年になって、空気を読むということや愛想笑いの重要性が理解出来て、少しずつ上手くやれるようになった。
少ないが友人も出来た。…あくまで表面上は。
心を開くのは夢のまた夢だった。
どうしても自分自身の根底にあるのはイギリスでの楽しかった暮らし。
だからなのか、隣の席になった帰国子女の男の子と話をするうちにとても惹かれた。
話をして、私と価値観が近いものがあった。
いや、そう思いたかっただけなのかもしれない。
その男の子と仲良くなり付き合うまでは出会って1ヶ月も経たなかったと思う。
彼に好かれたい。もっと海外での生活の話がしたい。
その一心で彼に尽くした。できる限りなんでもした。
それから2ヶ月経った頃だろうか。
「しまった、ノート忘れた。」
帰りに忘れ物をして教室に取りに戻ったら彼氏と友人の会話を聞いてしまった。
「あー、ナマエの事?美人だしスタイルは最高だよ。ただ、あいつ全然濡れねぇし反応もいつも同じでつまんねぇ。あーあ。顔が派手だしもっと遊んでる女かと思ってたぜ。」
「すげーなー。お前ホント口上手いもんな。口説き方教えてほしいぜ。飽きたら彼女を俺に回してくれよ!」
「いいよ。なんならもう飽きてきたし。」
「よっしゃ!」
信じられなかった。
初めて出来た彼氏は…身体目当てだった。
足が震えた。冷や汗が吹き出して目の前が真っ暗になった。
そこから動けないでいると教室から出てきた彼氏とその友人が目の前に来てしまった。
「んだよ、聞いてたのかよ。盗み聞きとは趣味悪ぃな。聞いてたなら分かっただろ。お前はもう用済み。
Bye!」
返事も出来ずに立ちすくむ。
通りすがりに笑いながらその友人が
"今度は俺のしゃぶってくれよ"と吐き捨て去っていった。
その後はどうやって帰ったのか覚えてない。
ただ、思った事は一つだけ。
「男を見返してやりたい。上に立ちたい。
男を手のひらで転がすくらいの女になってやる。」と。
そこからは"笑顔"や"女らしさ"というものを武器にした。
Slut(尻軽)と呼ばれても良いくらい、来るもの拒まず去るもの追わずだった。
ただ表面上は品行方正にしていたから大人にバレることはなかった。
根は真面目だし先生に怒られるのが面倒だから。
スカートの丈も極端に短くはしていないし勉強は割と出来た。
大人からはきちんとした生徒だと思われていたと思う。
この日本では笑顔を絶やさず、相手をよく褒め、意味ありげな目線を時々送るだけで男達は寄ってきた。
そんな私に愛想をつかし顰蹙を買い、数少ない友人すら居なくなったが、もう別にどうでも良かった。
心を許せる友人なんて初めからいなかったのだから。