If story … 別ルート【完結】
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家に着くと彼女の部屋に入り、赤井秀一の痕跡を手当り次第見つけ出した。
アルバムに婚約指輪・結婚指輪・写真立ての写真等を引っ張り出し、全てダンボールに入れて自分の部屋のクローゼットの高い所に仕舞った。
これで大丈夫なはずだ。
しばらく沖矢昴として生活しなければならない。
工藤邸に住んでいた時の事を思い出す。
あの時は夜中は変装を解いていたから良いものの、今度はほとんど変装を外す時間はないと言える。
覚悟をしなければ。
しばらく赤井秀一はこの世界から居なくなる。
安室君にもFBIの方にも事情を説明してしばらく休ませて貰おう。
いつ彼女の記憶が戻るかは分からないが、望むまま一緒にいよう、沖矢として。
次の日、夕方には退院になると電話があった。
驚くほどの治癒力で、頭の傷は治っていたらしい。
恐らく夜中こっそり来たハティかスコールが治していったんだろう。
こっちから伝えなくても彼らなら爆発に巻き込まれた事は知っているはずだ。
そうだ、あの二人なら記憶を戻せるかもしれない。
「ハティ、スコール、来てくれないか?」部屋の玄関に向かって言うとインターホンが鳴った。
「こんにちは。」ハティが来た。
「スコールは手が離せずすみません。私だけ来ました。」いつも笑顔を絶やさないハティが見たことない位無表情だった。
「忙しかったか…。ハティ、すまない。」
「いえ、スコールはちょっと荒れてまして。」
「…俺に対して怒っているんだろう。何故守れなかったかと。」
「いいえ、彼は単純にナマエ様が記憶喪失になった事が悔しいだけです。」
「魔法で記憶を戻す事は出来ないのか?」
「魔法界ですら記憶を戻す事はとても難しい事です。それに魔法で記憶を失ったわけではありませんので、貴方と一緒にいた方がよっぽど記憶を戻せるでしょう。」
「そうか…。」
「本当は貴方が記憶喪失になるハズだったんです。鉄板を彼女自身の方に魔法で方向を変えて…庇ったんですよ、貴方を。」
ハティに胸ぐらを掴まれた。
「絶対に記憶を戻させて下さい。赤井秀一。」
ハティの目は赤く光り、強い怒りを向けられた。
その怒りは当然だろう。
「全力を尽くす。」
「彼女の伴侶は赤井秀一だ。沖矢昴じゃない。
…それを忘れるな。」
そう言うと目の前から消えた。
「俺を庇ったせいで…。俺が記憶喪失になれば良かった。大切な人一人守れないのになにがFBIだ…。」
FBIの手帳を雑に金庫に放り込んだ。
後悔から自暴自棄になりそうだった。
いっそ、彼女の前から姿を消した方がー
…電話だ。
「赤井?」
「安室…君…。」
「お前…大丈夫か?今家か?」
「家にいる。」
「動くなよ。何もするなよ。」
そう言うと5分くらいでインターホンが鳴った。
「安室君。」
「赤井ィ!!」思い切り頬をビンタされた。
「安室くん、急に何するんだ。」
「嫌な予感がしたんだ。案の定、電話で今にも死にそうな声出して!なんて顔してんだ。」
「……。」
「自暴自棄になるなよ。」
「自暴自棄にでもなるさ。彼女は沖矢に関する記憶しかない。沖矢を選んだということだろう?」
「記憶喪失っていうのは割と直近の記憶を失いやすいらしい。だからたまたま沖矢昴として接していた時を覚えていただけなんじゃないのか?
そもそも赤井だろうが沖矢だろうが記憶を取り戻すことが先だろ。しっかりしろ。」
「…そうだな。安室君の言う通りだ。これからは沖矢として生活する。悪いが公安の仕事はしばらく手伝えない。FBIの仕事もしばらくは休むつもりだ。」
「こっちは別にお前が居なくても大丈夫だ。そもそも公安の仕事を手伝わせたのが間違いだったかもしれない。悪かった、赤井。」
「いや、手伝うと言ったのは俺だ。あの時工具を受け取ったらすぐにでも帰すべきだった。俺のせいだ。だからきちんと後始末はするよ。」
「何かあれば連絡してくれ。…そうだ、これやる。どうせ何も食ってないんだろ?コンビニのおにぎりだけど腹に入れとけ。」
「助かるよ。昨日からコーヒーと酒しか口にしていなかった。」
「最低な生活だな。…またな、赤井。」
「ありがとう。」
安室君からもらったコンビニのおにぎりを食べて少し仮眠し、沖矢になって病院へ迎えに行った。
アルバムに婚約指輪・結婚指輪・写真立ての写真等を引っ張り出し、全てダンボールに入れて自分の部屋のクローゼットの高い所に仕舞った。
これで大丈夫なはずだ。
しばらく沖矢昴として生活しなければならない。
工藤邸に住んでいた時の事を思い出す。
あの時は夜中は変装を解いていたから良いものの、今度はほとんど変装を外す時間はないと言える。
覚悟をしなければ。
しばらく赤井秀一はこの世界から居なくなる。
安室君にもFBIの方にも事情を説明してしばらく休ませて貰おう。
いつ彼女の記憶が戻るかは分からないが、望むまま一緒にいよう、沖矢として。
次の日、夕方には退院になると電話があった。
驚くほどの治癒力で、頭の傷は治っていたらしい。
恐らく夜中こっそり来たハティかスコールが治していったんだろう。
こっちから伝えなくても彼らなら爆発に巻き込まれた事は知っているはずだ。
そうだ、あの二人なら記憶を戻せるかもしれない。
「ハティ、スコール、来てくれないか?」部屋の玄関に向かって言うとインターホンが鳴った。
「こんにちは。」ハティが来た。
「スコールは手が離せずすみません。私だけ来ました。」いつも笑顔を絶やさないハティが見たことない位無表情だった。
「忙しかったか…。ハティ、すまない。」
「いえ、スコールはちょっと荒れてまして。」
「…俺に対して怒っているんだろう。何故守れなかったかと。」
「いいえ、彼は単純にナマエ様が記憶喪失になった事が悔しいだけです。」
「魔法で記憶を戻す事は出来ないのか?」
「魔法界ですら記憶を戻す事はとても難しい事です。それに魔法で記憶を失ったわけではありませんので、貴方と一緒にいた方がよっぽど記憶を戻せるでしょう。」
「そうか…。」
「本当は貴方が記憶喪失になるハズだったんです。鉄板を彼女自身の方に魔法で方向を変えて…庇ったんですよ、貴方を。」
ハティに胸ぐらを掴まれた。
「絶対に記憶を戻させて下さい。赤井秀一。」
ハティの目は赤く光り、強い怒りを向けられた。
その怒りは当然だろう。
「全力を尽くす。」
「彼女の伴侶は赤井秀一だ。沖矢昴じゃない。
…それを忘れるな。」
そう言うと目の前から消えた。
「俺を庇ったせいで…。俺が記憶喪失になれば良かった。大切な人一人守れないのになにがFBIだ…。」
FBIの手帳を雑に金庫に放り込んだ。
後悔から自暴自棄になりそうだった。
いっそ、彼女の前から姿を消した方がー
…電話だ。
「赤井?」
「安室…君…。」
「お前…大丈夫か?今家か?」
「家にいる。」
「動くなよ。何もするなよ。」
そう言うと5分くらいでインターホンが鳴った。
「安室君。」
「赤井ィ!!」思い切り頬をビンタされた。
「安室くん、急に何するんだ。」
「嫌な予感がしたんだ。案の定、電話で今にも死にそうな声出して!なんて顔してんだ。」
「……。」
「自暴自棄になるなよ。」
「自暴自棄にでもなるさ。彼女は沖矢に関する記憶しかない。沖矢を選んだということだろう?」
「記憶喪失っていうのは割と直近の記憶を失いやすいらしい。だからたまたま沖矢昴として接していた時を覚えていただけなんじゃないのか?
そもそも赤井だろうが沖矢だろうが記憶を取り戻すことが先だろ。しっかりしろ。」
「…そうだな。安室君の言う通りだ。これからは沖矢として生活する。悪いが公安の仕事はしばらく手伝えない。FBIの仕事もしばらくは休むつもりだ。」
「こっちは別にお前が居なくても大丈夫だ。そもそも公安の仕事を手伝わせたのが間違いだったかもしれない。悪かった、赤井。」
「いや、手伝うと言ったのは俺だ。あの時工具を受け取ったらすぐにでも帰すべきだった。俺のせいだ。だからきちんと後始末はするよ。」
「何かあれば連絡してくれ。…そうだ、これやる。どうせ何も食ってないんだろ?コンビニのおにぎりだけど腹に入れとけ。」
「助かるよ。昨日からコーヒーと酒しか口にしていなかった。」
「最低な生活だな。…またな、赤井。」
「ありがとう。」
安室君からもらったコンビニのおにぎりを食べて少し仮眠し、沖矢になって病院へ迎えに行った。