If story … 別ルート【完結】
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「赤井秀一さんの事、なんで何も覚えてないんだろ。なんだか脳がストップをかけているような感覚なんだよね。大事なものってきちんと鍵、かけるでしょ?
それがね、何重にも鍵がかかってるみたいな感覚。
まるで記憶に何重にも蓋をかけてるみたい。」
「何故でしょうね。もしかしたら思い出したくないのかもしれませんね。」
「うーん…。そんな事はないと思うんだけどなぁ。」
「お昼ご飯、どこかで食べていきましょうか?」
「うん!」
「近くにショッピングモールがあるのでそこに入りましょう。」
「何にしましょうか?」
「どうしようかなー。うーん…。パスタにするか…和食にするか…ベトナム料理も良いなぁ…うーん。」
「こういうの、なかなか決められないタイプですよね。」
「あ、やっぱりいつもこうだった?ごめん。」
「良いんですよ、好きなだけ迷って下さい。」
「昴は何が良い?」
「僕はあまり食への執着がないので…なんでも良いという雑な答えしか出せません。」
「…そうだった、お酒とタバコがあれば良いタイプだって言ってたもんね。
見た目は王子様感あるというか、きちっとしてそうなのに放っておいたら酷く不健康な生活してるタイプだよね。」
「そうかもしれません。」
「ちょっと、そこは開き直らないでよ…笑」
「ほら、早く決めないとお店混みますよ。」
「話そらしたな。…じゃあパスタ。」
店内に入ったものの、メニューを手にまた悩む羽目になった。
「僕は決めました。」
「早っ!うーん。」
「どれで迷ってるんですか?」
「この、梅肉ときのこのオイルパスタ大葉風味か、
ぷりぷり海老のカルボナーラ。」
「では両方頼んで半分こしましょう。僕のは別に良いですから。」
「え、食べたいもの食べなよ?」
「言ったでしょう?あまり執着していないと。どちらも食べたいのでしょう?二つ頼んで半分ずつにすればどちらも食べられます。」
「なんか申し訳ないなぁ…。」
「大丈夫ですよ。僕はコーヒーさえ飲めれば良いです。飲み物は?」
「この水で大丈夫。」
店員を呼んで注文した。
「コーヒー、先にお願いします。」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
「昴、ありがとう。」
「良いんですよ、貴女が美味しそうに食べている姿が好きですから。」そう言って微笑むとナマエが照れて動揺した。
…ナマエは沖矢の笑顔が好きなのか。
本来の自分があまりしない笑い方だ。
そう思うと腹の奥底から醜い嫉妬心が湧き上がる。
あんなに沖矢として生活していた頃はなんとも思わなかったのに今は腹立たしくて仕方がない。
「昴、ぼーっとして…大丈夫?コーヒー来たよ?」
「…えぇ、大丈夫です。」
「やっぱり、私がうなされて起こしちゃったから…。」
「違いますよ、ちょっと考え事をしていました。どうしたら記憶を戻せるのかと…。」
「うーん…一応誰かに会うと、会った人の事は思い出せるみたいなんだよね。
ねぇ、もう一度秀一さんに会えないかな?もう一度会えば何か思い出すかも。」
「彼は…今アメリカにいてすぐには帰ってきません。忙しい人ですから。」
赤井秀一と会う間、沖矢昴がいない事に不審がられるかもしれない。かといって海外にいる工藤優作さんに協力してもらうのは厳しいものがある。
同じ位の背格好の人物を探すのはなかなか骨が折れるだろう。
そもそも、彼女がこんなにも記憶に蓋をしているのには何か理由があるはず。
それを無理やりこじ開けるような事をしたくなかった。それは言い訳かもしれない。
もう一度会って何も思い出せないと言われたら。
もしも赤井秀一と沖矢昴が同一人物だと知られたら。
単純に自分が…赤井秀一を否定される事が怖い。
病院で目を覚ました時、俺の事を恐怖に満ちた目を向けられた事が忘れられなかった。
またあの目を向けられたら耐えられそうにない。
俺はナマエに関する事になるとこんなに臆病な人間だったのかと呆れる。
「そっか…。もし帰ってくる事が分かったら教えてね。」
「…もちろんですよ。」笑みを顔に貼り付けてコーヒーを飲んだ。
その後もパスタを食べたもののこれからの事を考えると食べた気がしなかった。
それがね、何重にも鍵がかかってるみたいな感覚。
まるで記憶に何重にも蓋をかけてるみたい。」
「何故でしょうね。もしかしたら思い出したくないのかもしれませんね。」
「うーん…。そんな事はないと思うんだけどなぁ。」
「お昼ご飯、どこかで食べていきましょうか?」
「うん!」
「近くにショッピングモールがあるのでそこに入りましょう。」
「何にしましょうか?」
「どうしようかなー。うーん…。パスタにするか…和食にするか…ベトナム料理も良いなぁ…うーん。」
「こういうの、なかなか決められないタイプですよね。」
「あ、やっぱりいつもこうだった?ごめん。」
「良いんですよ、好きなだけ迷って下さい。」
「昴は何が良い?」
「僕はあまり食への執着がないので…なんでも良いという雑な答えしか出せません。」
「…そうだった、お酒とタバコがあれば良いタイプだって言ってたもんね。
見た目は王子様感あるというか、きちっとしてそうなのに放っておいたら酷く不健康な生活してるタイプだよね。」
「そうかもしれません。」
「ちょっと、そこは開き直らないでよ…笑」
「ほら、早く決めないとお店混みますよ。」
「話そらしたな。…じゃあパスタ。」
店内に入ったものの、メニューを手にまた悩む羽目になった。
「僕は決めました。」
「早っ!うーん。」
「どれで迷ってるんですか?」
「この、梅肉ときのこのオイルパスタ大葉風味か、
ぷりぷり海老のカルボナーラ。」
「では両方頼んで半分こしましょう。僕のは別に良いですから。」
「え、食べたいもの食べなよ?」
「言ったでしょう?あまり執着していないと。どちらも食べたいのでしょう?二つ頼んで半分ずつにすればどちらも食べられます。」
「なんか申し訳ないなぁ…。」
「大丈夫ですよ。僕はコーヒーさえ飲めれば良いです。飲み物は?」
「この水で大丈夫。」
店員を呼んで注文した。
「コーヒー、先にお願いします。」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
「昴、ありがとう。」
「良いんですよ、貴女が美味しそうに食べている姿が好きですから。」そう言って微笑むとナマエが照れて動揺した。
…ナマエは沖矢の笑顔が好きなのか。
本来の自分があまりしない笑い方だ。
そう思うと腹の奥底から醜い嫉妬心が湧き上がる。
あんなに沖矢として生活していた頃はなんとも思わなかったのに今は腹立たしくて仕方がない。
「昴、ぼーっとして…大丈夫?コーヒー来たよ?」
「…えぇ、大丈夫です。」
「やっぱり、私がうなされて起こしちゃったから…。」
「違いますよ、ちょっと考え事をしていました。どうしたら記憶を戻せるのかと…。」
「うーん…一応誰かに会うと、会った人の事は思い出せるみたいなんだよね。
ねぇ、もう一度秀一さんに会えないかな?もう一度会えば何か思い出すかも。」
「彼は…今アメリカにいてすぐには帰ってきません。忙しい人ですから。」
赤井秀一と会う間、沖矢昴がいない事に不審がられるかもしれない。かといって海外にいる工藤優作さんに協力してもらうのは厳しいものがある。
同じ位の背格好の人物を探すのはなかなか骨が折れるだろう。
そもそも、彼女がこんなにも記憶に蓋をしているのには何か理由があるはず。
それを無理やりこじ開けるような事をしたくなかった。それは言い訳かもしれない。
もう一度会って何も思い出せないと言われたら。
もしも赤井秀一と沖矢昴が同一人物だと知られたら。
単純に自分が…赤井秀一を否定される事が怖い。
病院で目を覚ました時、俺の事を恐怖に満ちた目を向けられた事が忘れられなかった。
またあの目を向けられたら耐えられそうにない。
俺はナマエに関する事になるとこんなに臆病な人間だったのかと呆れる。
「そっか…。もし帰ってくる事が分かったら教えてね。」
「…もちろんですよ。」笑みを顔に貼り付けてコーヒーを飲んだ。
その後もパスタを食べたもののこれからの事を考えると食べた気がしなかった。