暮らして3ヶ月、お互いの食の好みなど分かってきて段々過ごしやすくなってきた。
思ったより食の好みは近くて助かった。
お世辞かもしれないけど、大体何でも旨いと言ってくれる。

それとシュウは適応能力が高いのか、はたまた人智を超えた魔法というものの理解を諦めたのか色々と魔法を使っても段々驚かなくなった。
「出来ないことは本当にないんだな。」と呟く程度だ。
家事は面倒な時は多少魔法を使うものの、マグル学トップだった私。
家電製品好きなのもあって非魔法族と同じ手順で家事を行う。
シュウは料理は出来ないものの、食器を用意したり運んだり、掃除や食器洗いなどできる範囲は自主的にやってくれていた。
良い旦那さんになるだろうなぁ、と勝手に思っているのはここだけの話。

シュウと住んで意外だったのが庭の手入れをきちんとする事。
雑草を取るのはもちろん、時折花も植えたりしていた。何を植えたいか聞かれることもあった。
お花、好きなのかな…。

洗濯に関しては私の下着等干されたくないし、かといって2人で別々に洗濯するのは非効率なのでまとめて私がやる事にした。

「すまないな、若い女性に俺のまで干させるのは心苦しいのだが…。」
「大丈夫よ、お父さんのも干してたから。」
「お父さん…か…」そういうと横を向いて吹き出し、笑っていた。
小声で「俺はまだまだだな…。」と言っていたのは
ナマエの耳に届いていない。

家事を一段落終えるとラフな服に着替えて庭に出た。
「今日も手合わせ頼む。」
「今日も本気でね。」

ナマエは、格闘技はFBIに入る前から長期休みの際父やジェイムズなどに教わっていた。
そこにナマエの魔法で身体強化、
身体防御にスピード付加、
空間察知能力(どこに何があるか、相手の動きを全方位察知出来る)
など付け加えた後シュウと素手で手合わせをする。
身体防御をしているので、どんなにぶつかろうと怪我はしない。
これを相手にかけることも出来るので、一応シュウにも断りを入れて安全の為毎回かけている。
2時間程手合わせをするともうお互い汗だくだった。
シャワーを浴びるとリビングへと戻った。

「アイス食べよーっと！」
「ナマエは元気だな。俺は1歩も動きたくない。」
「普通、私と2時間もやり合ったら死んでるわ。」
シュウが如何に凄いか説明していたらシュウの頬と耳がほんのり赤くなっている。
「そんなに褒めないでくれ。まだナマエの足元にも及ばん。」
「やーい、照れてる〜。」
ニヤニヤと顔を近づけるとギロリと睨まれた。
「怖い顔してるとモテないよ。
…いや、充分モテてるのか。失礼。」
「くだらん事を言っていないで捜査資料見るぞ。」
こんな日々を繰り返している。