第2章<完結>
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次の日、以前泊まっていると聞いていたホテルを調べた。ホテルに直接部屋番号を聞く訳にはいかないので、カラスに協力してもらっている。
おかげである一室に真純ちゃんを見つけた。
どうやら誰かに電話をしているらしい。
空間把握魔法を使って盗聴する。
「吉兄、シュウ兄が生きているかもしれないんだよ!調べたいから手伝ってよ。ママったら全然協力してくれないんだよ!」
"真純、兄さんは亡くなったんだよ。現実を見なさい。"
「沖矢昴っていう人がいて、目が緑で截拳道が出来て背格好もなんとなく似てるんだ!」
"顔や声は違うんだろう?雰囲気が似てるのはたまたまだよ。截拳道が出来て目が緑なのは、なにも兄さんだけじゃない。"
「そうだけど、可能性があるなら調べてみてもー」
"それでその彼にも…僕らにも何かあったらどうするんだい?…せめて様子を見て泳がせておくのも手だよ。あ、ごめん呼ばれちゃった。またね、真純。"
「吉兄のバカっ!…なんで皆して…っ。」
泣きながら壁をドンドンと叩く。
そのうちブランケットにくるまってベッドに突っ伏してしまった。
…やはり生存を疑っていたか。
言ってあげたい…けど、真実を知って真純ちゃんに何かあったら私達は絶対に後悔する。
どうするべきだろうか。改めて昴に相談しよう。
次の日の朝、インターホンが鳴った。
まだシュウのままだったのでとりあえずすぐに沖矢昴にさせ、私がインターホンに出た。
「あ、真純ちゃんおはよう!朝からどうしたの?
この間はちゃんと帰れた?」
「ナマエ姉、この間は急に帰ってごめんね。…昴さん、居る?」
いつもニコニコしている真純ちゃんが、何かを決心したような顔をして話をした。
「いるよ。中に入って。」
「お邪魔します。」
リビングに案内してソファーに座ってもらった。
「今お茶持ってくるね。」
キッチンの方へ移動し話をこっそりと聞く。
「単刀直入に聞くけど、赤井秀一って人知ってる?」
「赤井…秀一?僕の知っている限り大学院生では居ないなぁ。」
「貴方と同じ目が緑で、截拳道が得意なんだ。」
「そうですか…。でもそんな人探せば世界中に居ますよ。そもそも彼と僕は似ているんですか?顔とか。」
「顔は変装、声は隣の家の博士の発明品で変えているんじゃないのか?」
「じゃあ僕の顔、触ってみてくださいよ。変装なんてしてませんし地毛です。」
ペタペタ…「ほんとだ…。」
「貴女は赤井秀一という亡霊を追いかけているに過ぎない。」
「か、顔なんて変えようと思えば変えられる!髪型だって。」
「えぇ。そうかもしれませんね?
…で、もしも生きていたらどうするんですか?」
「アンタまでそんな事を!僕の家族だぞ!
生きていると分かったらどんなに嬉しいか!
そんな事も分からないのか!」
「…もしもその人が生きていて…変装をしていたとする。もしもその正体を知った事で、今度は君に何らかの被害がきたらどうする?」
「ボクだって截拳道やってるし強いから大丈夫!」
この妹は組織の怖さを分かっていない。
俺たちに不用意に近寄せるべきではない。
「真純ちゃんお茶どうぞ!」
「ねぇ、ナマエ姉は知ってるの?沖矢昴が赤井秀一だって!」
「どうしたの?急に。昴は昴だよ。赤井秀一って誰?」
「ナマエ姉の事まで騙してるのか!
見損なった!絶対にアンタの事を調べあげてやる。」
そのまま出ていってしまった。
「……どうするのが正解なんだ…。」
「勝手に記憶を消す訳には行かないし…記憶を改ざんすると蘭ちゃん達との整合性が取れなくなる。」
「それは駄目だな…。」
「…コナン君に相談してみない?」
「あのボウヤなら何か良い案があるかもしれん。」
「…もしもしコナン君?朝からごめんねー。今日お昼食べに来ない?1人で。…待ってるね。」
そして昼くらいにコナン君が来た。
「世良の姉ちゃんの事だよね?」
「そうなの…。バレそうで。」
「安室の兄ちゃんの時みたいにするとか?
赤井秀一=沖矢昴だって分からせないように。」
「それだと、どちらにしろ生存がバレてしまう。」
「うーん。そもそもなんでバラしたくないの?
羽田さんには言ってるのに?…家族でしょ?」
「秀吉は俺とかなり見た目が似ているというわけではないし、直接的な接触も少ない。
アイツなら被害に遭いにくいと思ったからだ。
それに秀吉の能力ならなんとかなるだろう。」
「でもさー、こうやって疑われてるんなら余計に危険じゃない?意地でも正体を知ろうとして色々調べて危険な目にあったり、しょっちゅうこの家に出入りしていたら逆に変に思われるかもよ!」
「確かに、コナン君の言う通りね…。」
「正体を伝えて今まで通り振舞ってもらった方が良いと言うことか?ジョディやキャメルのように。」
「うん…。」
「…ねぇ、昴。私も真純ちゃんを守るから、教えてあげようよ…。部屋でとっても悲しんでた。
一人で意地でも昴の事を調べようとしてたよ…。」
「…秀吉にも聞いてみよう…。」
「秀吉君と電話終わった?」
「真純は頑固だから、意地でも調べようとするだろう。下手に近づかれるより真実を言って距離を取ってもらった方が良いんじゃないかと。」
「そう…。じゃあ明日、また来てもらおうか。
私から連絡してみる。」
次の日
再び朝からインターホンが鳴る。
ドアを開けると案の定真純ちゃんが居る。
「おはよう。…待ってたよ。入って。」
「…お邪魔します。」
何を言われるのか不安そうな顔をしている。リビングへ案内し昨日と同じくソファーに座らせた。
「…なんだ、呼び出して。真実を言う気になったか?」
「あぁ、そうだ。」否定せず昴は変装のマスクを外し、変声機のスイッチを切る。
「真純、すまなかった。」
「シ……シュウ兄………ホンモノ?」
「こんな偽物がいてたまるか。」
「し…しゅうにいぃぃ!!」
真純ちゃんが大泣きしてシュウに抱きつく。
「よ゛がっだ〜!!生゛ぎでだ〜!!」
「…酷い顔だな。鼻水つけるなよ。」
頭をポンポンと撫でてやり、困ったような嬉しそうな顔をして抱きしめていた。
シュウ、お兄ちゃんって顔してるなぁ。
なんだか私もうるうるしちゃった…。良かったねぇ。
30分くらい泣き止まなかったが、お茶を飲みながらようやく少し落ち着いてきた。
「ナマエ姉は、シュウ兄と本当に付き合ってるのか?それともカモフラージュ?」
「本当に付き合ってるよ。もう9年の付き合い。」
「そんなに長く…。という事は同じFBIなのか?」
「うん。黙っていてごめんね。」
「…ううん。じゃあいつか、本当にボクのお姉ちゃんになってよね!」
「俺はそのつもりだ。だが組織を壊滅させなければ俺の戸籍を復活させる訳にはいかない。それからだな。」
「ナマエ姉をあんまり長く待たせないでよね!兄貴に愛想つかして居なくなっちゃうかもしれないよ!」
「それは困るな。」
その後遺体すり替えトリックや沖矢昴として変装する経緯等、色々と話をした。
「そういえば、昨日は変声機なかったし顔も髪も本物みたいだった…。」
「ナマエの変装技術のおかげだ。
あっという間に変装させてくれる。変声機も不要だ。
海でも同じ変装術を使っていたんだ。」
「すごい、ボクの見た目も変えられる?」
「やろうと思えばだけど、決まった人しかやらないの。ある決まりでね。」
「ふーん。怪盗キッドみたいなものかな…。アイツボクに変装してたし。あの時は大変だったな。服は持っていかれたし、勝手に変装されるし最悪だった。
そもそも男だと思ってたみたいだし。」
「ホォー?」殺気が漂う。
「待ってシュウ、キッドを狙撃しないであげて。」
「まぁボクが間違われるのは今に始まったことじゃないからね。」
「真純はもう少しその粗雑さを直した方が良い。
ナマエの女性らしさを見習え。」
「まぁまぁ、真純ちゃんはこれで可愛いんだから大丈夫だよ!真純ちゃんはそのままで十分!」
「それは兄貴の好みだろ!ボクだっていずれ!」
真純ちゃん自身の胸をチラッと見て悔しそうな顔をする。
「もう、喧嘩しないの!ねぇ、真純ちゃん。今回の事は色々内緒にしててね。…まぁ、あの小さなお母様には言っても大丈夫だけど。」
「!?ママの事も知ってるのか?」
「ごめんね、私が勝手に調べた事だから。詳しい事は何も分からないけど…。」
本当は真純ちゃんに開心術をかけて知っただけ。
「流石だね…。」
「真純、たまに来る分には構わないがあまり頻繁に来るのはよせ。来るならなるべく他の人と一緒に来い。」
「分かった。ねぇ、吉兄にも教えていい?」
「あいつは知ってる。」
「酷いじゃないか!吉兄は知ってて何も教えてくれなかったのか!もう!」
「本当はお前を巻き込みたくなかったんだ…。海では油断してしまった。つい目を開けてしまったからな。」
「ボクが気づいたのはそこじゃない。海に飛び込んだ時さ!昔、皆で海に行ったことを思い出したんだ。あの時も飛び込んで人を助けてた。」
「あの時計屋の強盗犯か。」
「そうそう!かっこよかったなー。」
「あんな小さい時の事覚えていたのか。」
「当たり前だよ!色々覚えてる。ボク、シュウ兄の事笑わそうと必死だったのに、新一君の一言で凄い笑ったじゃないか!」
「あの時はお前が色々と危なっかしくて心配で、笑う所ではなかっただけだ。その前に母さんの手刀を食らって目が痛かったしな。」
「…なんだ、そうだったんだ。
ねぇ、今度ナマエ姉を連れてママに会ってよ。」
「その時が来たらな。」
「その時っていつだよ?」
「組織を壊滅させて母さんが元に戻ってからだ。」
「…そうだね…。とりあえず今日は帰るよ。」
「そうだ、真純ちゃん、これ。」
「ドッグタグ…。」真純ちゃんが受け取る。
「2枚組のうち1枚だけなんだけど…私が貰っちゃってたから。」
「そんなのまだ持っていたのか。」
「うん。もう1枚は理由があって渡せないんだけど。これだけでも返しておきたくて。本当に家族に返す決まりだったんだけど…私が受け取っちゃってたから。」
「ありがとう…貰っておくね。」
来た時は一変してとても嬉しそうな顔をして帰っていった。
「言えてよかったね。」
「…そうだな。あんなに悲しませていたとは。」
「それはそうだよ。家族が亡くなったって聞いたらどんなに覚悟をしていても悲しむよ。
…さ、もう一度変装させておくね。さっき変装剥がしちゃったから。」
「助かるよ。」
おかげである一室に真純ちゃんを見つけた。
どうやら誰かに電話をしているらしい。
空間把握魔法を使って盗聴する。
「吉兄、シュウ兄が生きているかもしれないんだよ!調べたいから手伝ってよ。ママったら全然協力してくれないんだよ!」
"真純、兄さんは亡くなったんだよ。現実を見なさい。"
「沖矢昴っていう人がいて、目が緑で截拳道が出来て背格好もなんとなく似てるんだ!」
"顔や声は違うんだろう?雰囲気が似てるのはたまたまだよ。截拳道が出来て目が緑なのは、なにも兄さんだけじゃない。"
「そうだけど、可能性があるなら調べてみてもー」
"それでその彼にも…僕らにも何かあったらどうするんだい?…せめて様子を見て泳がせておくのも手だよ。あ、ごめん呼ばれちゃった。またね、真純。"
「吉兄のバカっ!…なんで皆して…っ。」
泣きながら壁をドンドンと叩く。
そのうちブランケットにくるまってベッドに突っ伏してしまった。
…やはり生存を疑っていたか。
言ってあげたい…けど、真実を知って真純ちゃんに何かあったら私達は絶対に後悔する。
どうするべきだろうか。改めて昴に相談しよう。
次の日の朝、インターホンが鳴った。
まだシュウのままだったのでとりあえずすぐに沖矢昴にさせ、私がインターホンに出た。
「あ、真純ちゃんおはよう!朝からどうしたの?
この間はちゃんと帰れた?」
「ナマエ姉、この間は急に帰ってごめんね。…昴さん、居る?」
いつもニコニコしている真純ちゃんが、何かを決心したような顔をして話をした。
「いるよ。中に入って。」
「お邪魔します。」
リビングに案内してソファーに座ってもらった。
「今お茶持ってくるね。」
キッチンの方へ移動し話をこっそりと聞く。
「単刀直入に聞くけど、赤井秀一って人知ってる?」
「赤井…秀一?僕の知っている限り大学院生では居ないなぁ。」
「貴方と同じ目が緑で、截拳道が得意なんだ。」
「そうですか…。でもそんな人探せば世界中に居ますよ。そもそも彼と僕は似ているんですか?顔とか。」
「顔は変装、声は隣の家の博士の発明品で変えているんじゃないのか?」
「じゃあ僕の顔、触ってみてくださいよ。変装なんてしてませんし地毛です。」
ペタペタ…「ほんとだ…。」
「貴女は赤井秀一という亡霊を追いかけているに過ぎない。」
「か、顔なんて変えようと思えば変えられる!髪型だって。」
「えぇ。そうかもしれませんね?
…で、もしも生きていたらどうするんですか?」
「アンタまでそんな事を!僕の家族だぞ!
生きていると分かったらどんなに嬉しいか!
そんな事も分からないのか!」
「…もしもその人が生きていて…変装をしていたとする。もしもその正体を知った事で、今度は君に何らかの被害がきたらどうする?」
「ボクだって截拳道やってるし強いから大丈夫!」
この妹は組織の怖さを分かっていない。
俺たちに不用意に近寄せるべきではない。
「真純ちゃんお茶どうぞ!」
「ねぇ、ナマエ姉は知ってるの?沖矢昴が赤井秀一だって!」
「どうしたの?急に。昴は昴だよ。赤井秀一って誰?」
「ナマエ姉の事まで騙してるのか!
見損なった!絶対にアンタの事を調べあげてやる。」
そのまま出ていってしまった。
「……どうするのが正解なんだ…。」
「勝手に記憶を消す訳には行かないし…記憶を改ざんすると蘭ちゃん達との整合性が取れなくなる。」
「それは駄目だな…。」
「…コナン君に相談してみない?」
「あのボウヤなら何か良い案があるかもしれん。」
「…もしもしコナン君?朝からごめんねー。今日お昼食べに来ない?1人で。…待ってるね。」
そして昼くらいにコナン君が来た。
「世良の姉ちゃんの事だよね?」
「そうなの…。バレそうで。」
「安室の兄ちゃんの時みたいにするとか?
赤井秀一=沖矢昴だって分からせないように。」
「それだと、どちらにしろ生存がバレてしまう。」
「うーん。そもそもなんでバラしたくないの?
羽田さんには言ってるのに?…家族でしょ?」
「秀吉は俺とかなり見た目が似ているというわけではないし、直接的な接触も少ない。
アイツなら被害に遭いにくいと思ったからだ。
それに秀吉の能力ならなんとかなるだろう。」
「でもさー、こうやって疑われてるんなら余計に危険じゃない?意地でも正体を知ろうとして色々調べて危険な目にあったり、しょっちゅうこの家に出入りしていたら逆に変に思われるかもよ!」
「確かに、コナン君の言う通りね…。」
「正体を伝えて今まで通り振舞ってもらった方が良いと言うことか?ジョディやキャメルのように。」
「うん…。」
「…ねぇ、昴。私も真純ちゃんを守るから、教えてあげようよ…。部屋でとっても悲しんでた。
一人で意地でも昴の事を調べようとしてたよ…。」
「…秀吉にも聞いてみよう…。」
「秀吉君と電話終わった?」
「真純は頑固だから、意地でも調べようとするだろう。下手に近づかれるより真実を言って距離を取ってもらった方が良いんじゃないかと。」
「そう…。じゃあ明日、また来てもらおうか。
私から連絡してみる。」
次の日
再び朝からインターホンが鳴る。
ドアを開けると案の定真純ちゃんが居る。
「おはよう。…待ってたよ。入って。」
「…お邪魔します。」
何を言われるのか不安そうな顔をしている。リビングへ案内し昨日と同じくソファーに座らせた。
「…なんだ、呼び出して。真実を言う気になったか?」
「あぁ、そうだ。」否定せず昴は変装のマスクを外し、変声機のスイッチを切る。
「真純、すまなかった。」
「シ……シュウ兄………ホンモノ?」
「こんな偽物がいてたまるか。」
「し…しゅうにいぃぃ!!」
真純ちゃんが大泣きしてシュウに抱きつく。
「よ゛がっだ〜!!生゛ぎでだ〜!!」
「…酷い顔だな。鼻水つけるなよ。」
頭をポンポンと撫でてやり、困ったような嬉しそうな顔をして抱きしめていた。
シュウ、お兄ちゃんって顔してるなぁ。
なんだか私もうるうるしちゃった…。良かったねぇ。
30分くらい泣き止まなかったが、お茶を飲みながらようやく少し落ち着いてきた。
「ナマエ姉は、シュウ兄と本当に付き合ってるのか?それともカモフラージュ?」
「本当に付き合ってるよ。もう9年の付き合い。」
「そんなに長く…。という事は同じFBIなのか?」
「うん。黙っていてごめんね。」
「…ううん。じゃあいつか、本当にボクのお姉ちゃんになってよね!」
「俺はそのつもりだ。だが組織を壊滅させなければ俺の戸籍を復活させる訳にはいかない。それからだな。」
「ナマエ姉をあんまり長く待たせないでよね!兄貴に愛想つかして居なくなっちゃうかもしれないよ!」
「それは困るな。」
その後遺体すり替えトリックや沖矢昴として変装する経緯等、色々と話をした。
「そういえば、昨日は変声機なかったし顔も髪も本物みたいだった…。」
「ナマエの変装技術のおかげだ。
あっという間に変装させてくれる。変声機も不要だ。
海でも同じ変装術を使っていたんだ。」
「すごい、ボクの見た目も変えられる?」
「やろうと思えばだけど、決まった人しかやらないの。ある決まりでね。」
「ふーん。怪盗キッドみたいなものかな…。アイツボクに変装してたし。あの時は大変だったな。服は持っていかれたし、勝手に変装されるし最悪だった。
そもそも男だと思ってたみたいだし。」
「ホォー?」殺気が漂う。
「待ってシュウ、キッドを狙撃しないであげて。」
「まぁボクが間違われるのは今に始まったことじゃないからね。」
「真純はもう少しその粗雑さを直した方が良い。
ナマエの女性らしさを見習え。」
「まぁまぁ、真純ちゃんはこれで可愛いんだから大丈夫だよ!真純ちゃんはそのままで十分!」
「それは兄貴の好みだろ!ボクだっていずれ!」
真純ちゃん自身の胸をチラッと見て悔しそうな顔をする。
「もう、喧嘩しないの!ねぇ、真純ちゃん。今回の事は色々内緒にしててね。…まぁ、あの小さなお母様には言っても大丈夫だけど。」
「!?ママの事も知ってるのか?」
「ごめんね、私が勝手に調べた事だから。詳しい事は何も分からないけど…。」
本当は真純ちゃんに開心術をかけて知っただけ。
「流石だね…。」
「真純、たまに来る分には構わないがあまり頻繁に来るのはよせ。来るならなるべく他の人と一緒に来い。」
「分かった。ねぇ、吉兄にも教えていい?」
「あいつは知ってる。」
「酷いじゃないか!吉兄は知ってて何も教えてくれなかったのか!もう!」
「本当はお前を巻き込みたくなかったんだ…。海では油断してしまった。つい目を開けてしまったからな。」
「ボクが気づいたのはそこじゃない。海に飛び込んだ時さ!昔、皆で海に行ったことを思い出したんだ。あの時も飛び込んで人を助けてた。」
「あの時計屋の強盗犯か。」
「そうそう!かっこよかったなー。」
「あんな小さい時の事覚えていたのか。」
「当たり前だよ!色々覚えてる。ボク、シュウ兄の事笑わそうと必死だったのに、新一君の一言で凄い笑ったじゃないか!」
「あの時はお前が色々と危なっかしくて心配で、笑う所ではなかっただけだ。その前に母さんの手刀を食らって目が痛かったしな。」
「…なんだ、そうだったんだ。
ねぇ、今度ナマエ姉を連れてママに会ってよ。」
「その時が来たらな。」
「その時っていつだよ?」
「組織を壊滅させて母さんが元に戻ってからだ。」
「…そうだね…。とりあえず今日は帰るよ。」
「そうだ、真純ちゃん、これ。」
「ドッグタグ…。」真純ちゃんが受け取る。
「2枚組のうち1枚だけなんだけど…私が貰っちゃってたから。」
「そんなのまだ持っていたのか。」
「うん。もう1枚は理由があって渡せないんだけど。これだけでも返しておきたくて。本当に家族に返す決まりだったんだけど…私が受け取っちゃってたから。」
「ありがとう…貰っておくね。」
来た時は一変してとても嬉しそうな顔をして帰っていった。
「言えてよかったね。」
「…そうだな。あんなに悲しませていたとは。」
「それはそうだよ。家族が亡くなったって聞いたらどんなに覚悟をしていても悲しむよ。
…さ、もう一度変装させておくね。さっき変装剥がしちゃったから。」
「助かるよ。」