第2章<完結>
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【※ヴォルデモート卿は存在しません。】
起きて、リビングへ行くと昼食が用意されていた。
「よく眠れました。ありがとうございました。」
「それは良かった。秀一君、自分の家みたいに寛いでくれて良いからね!ここは君の家といっても過言ではないよ。気を使わないでね。」
「ありがとうございます。」
日系人である母が料理をする時は大抵和食だが、今回はシュウに合わせたのか洋食だった。
「昼から随分張り切ったね。
シュウは和食も好きだから大丈夫だよ。」
「あら、そうなの?秀一君、FBIだからてっきりアメリカ出身かと思ったわ。」
「FBIに入る為にアメリカ国籍を取りましたが、元々はイギリス国籍です。父は日本人ですが、母の両親が日本とイギリスなので。」
「あら、以前はイギリスにいたのね。
なんだか嬉しいわ。じゃあ皆出身地は同じという事ね。」
「ほらほら、話は後にしよう。美味しそうな料理が冷めてしまうよ。話の続きは食べてからにしよう。
秀一君、食べて!」
食べ終わると父が魔法で食器洗いを始めた。
勝手に皿とスポンジが浮いて洗われていく様子を面白そうにシュウは眺めていた。
「凄いな。ああいった魔法も使えるのか?」
「出来るよ。けど手洗いの方がなんか良い気がして、普段は魔法で洗わないけどね。」
話をしていると父がフクロウ便片手に戻ってきた。
「今日はどこか行くのかい?」
「どこ行こうかな…。」
「そういえば、スネイプ教授が数年前新しく著書を出したよ。"魔法薬学における繊細さと緻密さ"、"日常で使える魔法薬学"の二冊だったかな。」
「そうなの?!読みたいな。そういえばしばらく連絡取ってないなー。」
「僕はたまにフクロウ便をもらうよ。
開発して欲しい薬などを頼んでいるからね。
…僕は彼ほど魔法薬学が得意ではなくて。
そうそう。
ナマエが久々に今日来るって言ったからだと思うけど、今スネイプ教授からさっきフクロウ便でプレゼントが届いたよ。
はい、これ。」
「えっ、これフェリックス・フェリシス!
…こんな貴重なもの貰って良いのかな…。」
「お礼にこれの原材料をお返ししておくよ。
彼ならまたすぐに作れるだろう。」
「すっっごく作るの面倒臭いのに。なんだか申し訳ないなー。」
「いつかの為に、とっておきなさい。
お礼の手紙でも送ったらどうだい?」
「…うん。そうしようかな。」
「それはどういったものなんだ?」
「凄く調合が面倒臭いんだけど、飲むと必ず飲んだ人に幸運をもたらす薬。」
「それは凄いな。」
「大切に保管しておかないと。
じゃあせっかくだからスネイプ教授の本を買いに
ダイアゴン横丁へ行こうかな〜。」
「二人で一緒に行っておいで。
どうせなら漏れ鍋から入ると良い。」
「そうだね。シュウ、着替えたら出掛けよう。」
「あぁ。」
庭から漏れ鍋近くの横道に姿現しをした。
「ここが漏れ鍋。ここの裏庭からダイアゴン横丁に行けるの。」
「ナマエに言われなかったら素通りする所だった。そのダイアゴン横丁とは商店街のようなものか?」
「うん、そんな所。この漏れ鍋は普通の人は本来見えないから素通りするのは当然だよ。」
漏れ鍋へ入ると店主のトムが声をかけてきた。
「やぁナマエさん!」
「トム!久しぶり〜。」
「おや、お連れ様も御一緒に。恋人ですかな?」
「そうなの。久々にイギリスに帰ってきたからダイアゴン横丁に行こうと思って。」
「そうでしたか。お二人共どうぞごゆっくり。
後でお茶しに来てくださいよ。」
「そうするね。じゃあ後で。」
「ええ。では裏庭へどうぞ。」
裏口はレンガの壁に囲まれた狭いスペースだ。
奥のレンガの壁に向かう。
「…ドアはないようだが?」
「はっっ!やば!杖忘れちゃった。
いつも使わないからつい…。
誰かに開けてもらわないと。」
「…ナマエちゃん?」
「!あれ、リーマス?久しぶり〜!!」
「やっぱりそうだ。さっき後ろ姿が見えてね。
手ぶらで裏口へ行ったから気になってしまって。
…お連れの方がいるんだね。はじめまして。」
リーマスはにこやかに握手するがシュウは反対に浮かない顔だ。
「どうも。」
「…婚約者かい?」
「そうなの。」
「そうか。それは良かった。」
「リーマスは?」
「あぁ、最近結婚したんだ。妻は割と年下なんだ。」
「そっか、おめでとう。」
「ありがとう。セブルスと君のおかげだよ。君達が薬を作ってくれなかったら今頃どうなっていたか。」
「大袈裟よ。そうそう、今日スネイプ教授の本買おうと思ってて。」
「そうか、ゆっくり色々と見てくるといいよ。
僕はまだ漏れ鍋にいるから、また会えたらね。」
「後で漏れ鍋行くわ。またね。」
リーマスは杖で壁をコンコンと叩き、通路を開けると去っていった。
レンガが勝手に動き、人一人通れるスペースが出来たことにシュウは驚いている。
「何を見ても信じられない気持ちになる。」
「こっちはもっと凄いよ。」
ダイアゴン横丁へ入ると賑やかなお店が沢山あり、
シュウはまるで子供のようにキョロキョロと見てはあれは何だと逐一聞いてくる。
「好奇心が疼くな。」
「私も初めて来た時は同じ反応だった。色々面白いよね。」
「それで、さっきのリーマスとかいう男は誰なんだ?随分親しげだったようだが。」
「あっ…えーっと、元彼…。」
「やはりな。あの男が君を見る目はただの友人を見るような目ではなかったからな。」
「うーん。ほんとにちょっとの期間だけどね。
リーマスは元々魔法学校の先生だったの。とある病気に苦しんでいて、毎月発作が出るんだけど、元々開発されていた薬だとあまり効果がなくてね。
スネイプ教授と一緒によく効く薬を開発したの。
おかげで症状は出なくなって、最終的には結婚できたようで良かった。
その薬はね、結局ハティとかスコールの毛を入れるのが1番良かったの。」
「毛…。でもそれだと永遠には薬が作れないだろう。」
「換毛期とかで色々抜けた毛を綺麗にして大量に保管して時々魔法省の魔法生物規制管理部に保管して貰っているの。いつかは尽きるかもしれないけど…かなりの量があるから、まぁ半永久的だと思う。
そもそもあの二人死なないから。
あ、魔法省っていうのはアメリカ合衆国連邦行政部みたいなもの。」
「ハティとスコールが凄いのはよく分かった。
…それで、なぜアイツと別れたんだ?」
「薬を作ってもらってるっていうのがなんか向こうには負い目だったのかも…。気付いたら自然消滅してたかな。それに友達といたり薬の研究の方が楽しくなっちゃっていつしか気持ちが離れていったかな…。」
「そうか。」
「シュウだってジョディと付き合ってたでしょ。
…なんで別れたの?」
「あの時の俺は本当に自分勝手だった。
似たような理由だ。俺も仕事に熱中するあまりジョディと付き合い続ける余裕がなかった。
アイツには悪いと思っている。」
「なるほど。」
「…この話題はよそう。つい嫉妬をして色々不躾な事を聞いてしまった。すまない。」
「大丈夫。私もついジョディの事聞いちゃったし、過失は50:50だよ。」
「フッ…そうだな。」
話しているうちに本屋へ着いた。
店内の魔法薬学のコーナーへ行くとすぐにお目当ての本を見つけた。
うん、流石はセブルススネイプ教授の本。
とても調合方法が分かりやすい!
購入してシュウの元へ戻るとなにやら呪文集を読んでいた。
「魔法が使えたら楽しそうだな…。」
「そうだね。魔法便利だし。」
「この本には杖を使って呪文を唱える様子が書かれているが…。ナマエは普段杖も無ければ呪文も言わないな。」
「うん、私はなくても大丈夫だから。
他の人は皆杖を持って呪文を唱えるけどね。」
「あれ、ナマエちゃん!?」
「あっ!オリビア!久しぶり〜!!」
オリビアはホグワーツの学生時代からの親友だ。
「元気してたー?アメリカに行ったっていうのは聞いてたけど…。本当にFBIになれたの?」
「なれたよ!」
「隣は婚約者?すっっごいイケメン!その人もFBIの人?」
「そうだよー。オリビアはどうなの?」
「彼氏はいるよ。そろそろ結婚…だとは思うんだけど。まぁお互い忙しいから、おいおいね。」
「そっかー…。」
「それより、まだ買い物してるんでしょ?せっかくだから後で漏れ鍋で落ち合いましょ!
グレースも呼ぼうかしら。
…あっ、でもさっきルーピン先生居たわよ。」
「さっき会ってるし事情は言ったから大丈夫よ。」
「そう、ならいいんだけど。じゃあ二人とも後でね!」
「うん!」
「さっきから何故婚約者かと聞かれるんだ?」
「本当は、婚約者か配偶者以外魔法使いだって言っちゃダメだからよ。」コソッと耳打ちする。
「なるほど。」
歩いていたらホグズミード村のハニーデュークスのお店が期間限定で出店していた。
蛙チョコ、バーディーボッツの百味ビーンズ、炭酸入りキャンディ(舐めている間、地上から数センチ浮き上がる)を買った。
二人でキャンディを舐めながら歩く。
「微妙に浮きながら歩くのも不思議な感覚だな。スケートみたいだ。」
シュウは目を輝かせながら歩いている。なかなか魔法を体験する機会はないから新鮮なんだろう。
いつもはクールだけれど、今日は時折少年のようだ。
舐め終わると次は蛙チョコを開けた。
流石は赤井秀一、逃げようと高く跳んだ蛙を一瞬で掴んで口に入れた。
「随分甘いな…。しかも噛んだ瞬間動かなくなる。」
「大半の人達はよくチョコを逃がしちゃうんだよ。
捕まえるのも凄いけど、抵抗なく食べるシュウも凄い。」
「そうは言ってもチョコだからな。お、カードが入っているぞ。しかも動いている…面白いな。」
カードの中のダンブルドアがウインクしてきた。
「それ、ホグワーツの校長先生だよ。」
シュウの適応力がほんと凄い…。
百味ビーンズも気になっていたようだが外で吐かれても困るので家に帰ってからにする。
これは変な味が多いから正直大半マズイ。
マズイけど面白半分で買っちゃうんだよね。
そうこうしているうちに夕方になってきた。
漏れ鍋へ向かおう。
起きて、リビングへ行くと昼食が用意されていた。
「よく眠れました。ありがとうございました。」
「それは良かった。秀一君、自分の家みたいに寛いでくれて良いからね!ここは君の家といっても過言ではないよ。気を使わないでね。」
「ありがとうございます。」
日系人である母が料理をする時は大抵和食だが、今回はシュウに合わせたのか洋食だった。
「昼から随分張り切ったね。
シュウは和食も好きだから大丈夫だよ。」
「あら、そうなの?秀一君、FBIだからてっきりアメリカ出身かと思ったわ。」
「FBIに入る為にアメリカ国籍を取りましたが、元々はイギリス国籍です。父は日本人ですが、母の両親が日本とイギリスなので。」
「あら、以前はイギリスにいたのね。
なんだか嬉しいわ。じゃあ皆出身地は同じという事ね。」
「ほらほら、話は後にしよう。美味しそうな料理が冷めてしまうよ。話の続きは食べてからにしよう。
秀一君、食べて!」
食べ終わると父が魔法で食器洗いを始めた。
勝手に皿とスポンジが浮いて洗われていく様子を面白そうにシュウは眺めていた。
「凄いな。ああいった魔法も使えるのか?」
「出来るよ。けど手洗いの方がなんか良い気がして、普段は魔法で洗わないけどね。」
話をしていると父がフクロウ便片手に戻ってきた。
「今日はどこか行くのかい?」
「どこ行こうかな…。」
「そういえば、スネイプ教授が数年前新しく著書を出したよ。"魔法薬学における繊細さと緻密さ"、"日常で使える魔法薬学"の二冊だったかな。」
「そうなの?!読みたいな。そういえばしばらく連絡取ってないなー。」
「僕はたまにフクロウ便をもらうよ。
開発して欲しい薬などを頼んでいるからね。
…僕は彼ほど魔法薬学が得意ではなくて。
そうそう。
ナマエが久々に今日来るって言ったからだと思うけど、今スネイプ教授からさっきフクロウ便でプレゼントが届いたよ。
はい、これ。」
「えっ、これフェリックス・フェリシス!
…こんな貴重なもの貰って良いのかな…。」
「お礼にこれの原材料をお返ししておくよ。
彼ならまたすぐに作れるだろう。」
「すっっごく作るの面倒臭いのに。なんだか申し訳ないなー。」
「いつかの為に、とっておきなさい。
お礼の手紙でも送ったらどうだい?」
「…うん。そうしようかな。」
「それはどういったものなんだ?」
「凄く調合が面倒臭いんだけど、飲むと必ず飲んだ人に幸運をもたらす薬。」
「それは凄いな。」
「大切に保管しておかないと。
じゃあせっかくだからスネイプ教授の本を買いに
ダイアゴン横丁へ行こうかな〜。」
「二人で一緒に行っておいで。
どうせなら漏れ鍋から入ると良い。」
「そうだね。シュウ、着替えたら出掛けよう。」
「あぁ。」
庭から漏れ鍋近くの横道に姿現しをした。
「ここが漏れ鍋。ここの裏庭からダイアゴン横丁に行けるの。」
「ナマエに言われなかったら素通りする所だった。そのダイアゴン横丁とは商店街のようなものか?」
「うん、そんな所。この漏れ鍋は普通の人は本来見えないから素通りするのは当然だよ。」
漏れ鍋へ入ると店主のトムが声をかけてきた。
「やぁナマエさん!」
「トム!久しぶり〜。」
「おや、お連れ様も御一緒に。恋人ですかな?」
「そうなの。久々にイギリスに帰ってきたからダイアゴン横丁に行こうと思って。」
「そうでしたか。お二人共どうぞごゆっくり。
後でお茶しに来てくださいよ。」
「そうするね。じゃあ後で。」
「ええ。では裏庭へどうぞ。」
裏口はレンガの壁に囲まれた狭いスペースだ。
奥のレンガの壁に向かう。
「…ドアはないようだが?」
「はっっ!やば!杖忘れちゃった。
いつも使わないからつい…。
誰かに開けてもらわないと。」
「…ナマエちゃん?」
「!あれ、リーマス?久しぶり〜!!」
「やっぱりそうだ。さっき後ろ姿が見えてね。
手ぶらで裏口へ行ったから気になってしまって。
…お連れの方がいるんだね。はじめまして。」
リーマスはにこやかに握手するがシュウは反対に浮かない顔だ。
「どうも。」
「…婚約者かい?」
「そうなの。」
「そうか。それは良かった。」
「リーマスは?」
「あぁ、最近結婚したんだ。妻は割と年下なんだ。」
「そっか、おめでとう。」
「ありがとう。セブルスと君のおかげだよ。君達が薬を作ってくれなかったら今頃どうなっていたか。」
「大袈裟よ。そうそう、今日スネイプ教授の本買おうと思ってて。」
「そうか、ゆっくり色々と見てくるといいよ。
僕はまだ漏れ鍋にいるから、また会えたらね。」
「後で漏れ鍋行くわ。またね。」
リーマスは杖で壁をコンコンと叩き、通路を開けると去っていった。
レンガが勝手に動き、人一人通れるスペースが出来たことにシュウは驚いている。
「何を見ても信じられない気持ちになる。」
「こっちはもっと凄いよ。」
ダイアゴン横丁へ入ると賑やかなお店が沢山あり、
シュウはまるで子供のようにキョロキョロと見てはあれは何だと逐一聞いてくる。
「好奇心が疼くな。」
「私も初めて来た時は同じ反応だった。色々面白いよね。」
「それで、さっきのリーマスとかいう男は誰なんだ?随分親しげだったようだが。」
「あっ…えーっと、元彼…。」
「やはりな。あの男が君を見る目はただの友人を見るような目ではなかったからな。」
「うーん。ほんとにちょっとの期間だけどね。
リーマスは元々魔法学校の先生だったの。とある病気に苦しんでいて、毎月発作が出るんだけど、元々開発されていた薬だとあまり効果がなくてね。
スネイプ教授と一緒によく効く薬を開発したの。
おかげで症状は出なくなって、最終的には結婚できたようで良かった。
その薬はね、結局ハティとかスコールの毛を入れるのが1番良かったの。」
「毛…。でもそれだと永遠には薬が作れないだろう。」
「換毛期とかで色々抜けた毛を綺麗にして大量に保管して時々魔法省の魔法生物規制管理部に保管して貰っているの。いつかは尽きるかもしれないけど…かなりの量があるから、まぁ半永久的だと思う。
そもそもあの二人死なないから。
あ、魔法省っていうのはアメリカ合衆国連邦行政部みたいなもの。」
「ハティとスコールが凄いのはよく分かった。
…それで、なぜアイツと別れたんだ?」
「薬を作ってもらってるっていうのがなんか向こうには負い目だったのかも…。気付いたら自然消滅してたかな。それに友達といたり薬の研究の方が楽しくなっちゃっていつしか気持ちが離れていったかな…。」
「そうか。」
「シュウだってジョディと付き合ってたでしょ。
…なんで別れたの?」
「あの時の俺は本当に自分勝手だった。
似たような理由だ。俺も仕事に熱中するあまりジョディと付き合い続ける余裕がなかった。
アイツには悪いと思っている。」
「なるほど。」
「…この話題はよそう。つい嫉妬をして色々不躾な事を聞いてしまった。すまない。」
「大丈夫。私もついジョディの事聞いちゃったし、過失は50:50だよ。」
「フッ…そうだな。」
話しているうちに本屋へ着いた。
店内の魔法薬学のコーナーへ行くとすぐにお目当ての本を見つけた。
うん、流石はセブルススネイプ教授の本。
とても調合方法が分かりやすい!
購入してシュウの元へ戻るとなにやら呪文集を読んでいた。
「魔法が使えたら楽しそうだな…。」
「そうだね。魔法便利だし。」
「この本には杖を使って呪文を唱える様子が書かれているが…。ナマエは普段杖も無ければ呪文も言わないな。」
「うん、私はなくても大丈夫だから。
他の人は皆杖を持って呪文を唱えるけどね。」
「あれ、ナマエちゃん!?」
「あっ!オリビア!久しぶり〜!!」
オリビアはホグワーツの学生時代からの親友だ。
「元気してたー?アメリカに行ったっていうのは聞いてたけど…。本当にFBIになれたの?」
「なれたよ!」
「隣は婚約者?すっっごいイケメン!その人もFBIの人?」
「そうだよー。オリビアはどうなの?」
「彼氏はいるよ。そろそろ結婚…だとは思うんだけど。まぁお互い忙しいから、おいおいね。」
「そっかー…。」
「それより、まだ買い物してるんでしょ?せっかくだから後で漏れ鍋で落ち合いましょ!
グレースも呼ぼうかしら。
…あっ、でもさっきルーピン先生居たわよ。」
「さっき会ってるし事情は言ったから大丈夫よ。」
「そう、ならいいんだけど。じゃあ二人とも後でね!」
「うん!」
「さっきから何故婚約者かと聞かれるんだ?」
「本当は、婚約者か配偶者以外魔法使いだって言っちゃダメだからよ。」コソッと耳打ちする。
「なるほど。」
歩いていたらホグズミード村のハニーデュークスのお店が期間限定で出店していた。
蛙チョコ、バーディーボッツの百味ビーンズ、炭酸入りキャンディ(舐めている間、地上から数センチ浮き上がる)を買った。
二人でキャンディを舐めながら歩く。
「微妙に浮きながら歩くのも不思議な感覚だな。スケートみたいだ。」
シュウは目を輝かせながら歩いている。なかなか魔法を体験する機会はないから新鮮なんだろう。
いつもはクールだけれど、今日は時折少年のようだ。
舐め終わると次は蛙チョコを開けた。
流石は赤井秀一、逃げようと高く跳んだ蛙を一瞬で掴んで口に入れた。
「随分甘いな…。しかも噛んだ瞬間動かなくなる。」
「大半の人達はよくチョコを逃がしちゃうんだよ。
捕まえるのも凄いけど、抵抗なく食べるシュウも凄い。」
「そうは言ってもチョコだからな。お、カードが入っているぞ。しかも動いている…面白いな。」
カードの中のダンブルドアがウインクしてきた。
「それ、ホグワーツの校長先生だよ。」
シュウの適応力がほんと凄い…。
百味ビーンズも気になっていたようだが外で吐かれても困るので家に帰ってからにする。
これは変な味が多いから正直大半マズイ。
マズイけど面白半分で買っちゃうんだよね。
そうこうしているうちに夕方になってきた。
漏れ鍋へ向かおう。