第4章
夢小説設定
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「俺は…FBIに入ったのは父が巻き込まれた事件の真相を知りたいと思ったからだ。
そもそも15の時、日本に来たのは父親が原因だ。知り合いの家族に頼まれて事件の捜査をしていたんだが…それが黒の組織による犯行だった。家族にも危険が及ぶ可能性が高くて日本に逃げてきたんだが…
父が最後の別れ際、1冊の手帳を寄越した。
そこには黒の組織に関する情報が書かれていた。かなり重要な機密情報だった。まぁ周囲は15のガキがまさかそんな手帳を持っていると思わないだろうな。
母すら知らなかった。
父は俺を情報の隠れ蓑にした上で…俺なら真相に辿り着くだろうと賭けていたのかもしれない。
日本にいる母にバレないようにアメリカへ勉強がしたいと理由をつけて渡米した。バイトをしながら学生をしてFBI捜査官になった。
最終的にこうやって、本当に組織を潰せて良かったよ。」
「そうか…。お父さんも見つかったし、本当に良かったな。」
「あぁ。安室君は何故公安に入ったか聞いても?」
「……笑わないで聞いてくれるか?」
「もちろんだ。」
私も無言で頷く。
「これが確実な理由、という訳ではないんだが…ある人を探したくて。僕の憧れの人だったんだ。
初恋とか、そういうのではなくて…僕の存在を初めてきちんと認めてくれた人というか。
赤井、お前も知っているはず…"宮野エレーナ"という人を。お前が組織に入るためにアプローチした宮野明美の母親、そしてAPTX4869の研究者だ。
まぁ…組織に入った時点で亡くなっていたけどな。」
「宮野…エレーナ…?…まさか、その人を探すために?」
「あぁ。どこをどう間違えたか、組織に騙されて研究者にさせられたようだった。助け出そうと…思ってたのにな。」
「宮野エレーナは…俺の叔母だ。」
「は?…嘘だろ…。」
「…宮野エレーナは母親の妹だった。
7歳位の時に明美が産まれたからと会っただけで、ほとんど面識はなかった。あまりお喋りな人ではなかったし印象は強くなかったが、母親と同じ金髪で同じ目の色だったのは覚えている。
彼女は俺と同じ、緑の目の色をしていただろう?」
「……。」
安室はショックなのかなんなのか、動揺を隠せない。
「そんな…。」ようやく絞り出した声は蚊の鳴くような声だった。
「…安室君、落ち着け。そんなに狼狽える事か?」
「赤井…。ごめん。」
「何故謝る?」
「赤井に…無意識に…エレーナさんを…重ねていたんだと思う。同じ、目の色をしていたから…。
それもあって組織にいる時…赤井に全幅の信頼を寄せていたんだと思う。
だからつい…。薄々お前がNOCだとは気付いていたのもあるが…スコッチの事、絶対になんとかしてくれるって過剰に期待を膨らませてしまった。
自害したのは分かっていたが、何故助けなかったんだろうと…勝手に裏切られたと勘違いをして…恨んでしまったんだ。」
「前も言ったはず。あれは俺が悪かったと。」
「違う…。言いたい事はそこじゃない。
俺が、お前を…エレーナさんの代わりにしようとしていたと気付いたんだ…たった今…。」
「…"降谷…零"君。構わない。叔母の代わりにしてくれても。叔母は君の事、大切に思っていたはず。
…俺にとっても、君は大切な友人だ。」
「赤井…。」下を向いていたが声が震えていた。
グレーのスラックスに涙がこぼれて色を黒くする。
「クサイセリフだな。」そう言って泣きながら笑った。
「思った事を言っただけだ。
零君…俺と一緒にスコッチを呑んでくれないか?
俺は君と一緒でないと罪悪感でスコッチが呑めない身体になってしまった。」
困ったような、少し嬉しそうな顔でメニュー表を手渡した。
その後は特に昔の話をする事もなく、最近の事件の事等取り留めもない話をした。
帰り際、園子から余分にもらっていたサバゲーホテルのチケットを2枚手渡した。
「もし余裕があったら風見君辺りでも誘って来てくれ。たまには気分転換も良いだろ。」
「へぇー。2人は参加するのか?」
「あぁ。行くつもりだ。」
「…赤井、絶対お前を倒す。」
「悪いが負ける気はさらさらない。」
お互いニヤリと笑うと別れを告げて帰路に着いた。
そもそも15の時、日本に来たのは父親が原因だ。知り合いの家族に頼まれて事件の捜査をしていたんだが…それが黒の組織による犯行だった。家族にも危険が及ぶ可能性が高くて日本に逃げてきたんだが…
父が最後の別れ際、1冊の手帳を寄越した。
そこには黒の組織に関する情報が書かれていた。かなり重要な機密情報だった。まぁ周囲は15のガキがまさかそんな手帳を持っていると思わないだろうな。
母すら知らなかった。
父は俺を情報の隠れ蓑にした上で…俺なら真相に辿り着くだろうと賭けていたのかもしれない。
日本にいる母にバレないようにアメリカへ勉強がしたいと理由をつけて渡米した。バイトをしながら学生をしてFBI捜査官になった。
最終的にこうやって、本当に組織を潰せて良かったよ。」
「そうか…。お父さんも見つかったし、本当に良かったな。」
「あぁ。安室君は何故公安に入ったか聞いても?」
「……笑わないで聞いてくれるか?」
「もちろんだ。」
私も無言で頷く。
「これが確実な理由、という訳ではないんだが…ある人を探したくて。僕の憧れの人だったんだ。
初恋とか、そういうのではなくて…僕の存在を初めてきちんと認めてくれた人というか。
赤井、お前も知っているはず…"宮野エレーナ"という人を。お前が組織に入るためにアプローチした宮野明美の母親、そしてAPTX4869の研究者だ。
まぁ…組織に入った時点で亡くなっていたけどな。」
「宮野…エレーナ…?…まさか、その人を探すために?」
「あぁ。どこをどう間違えたか、組織に騙されて研究者にさせられたようだった。助け出そうと…思ってたのにな。」
「宮野エレーナは…俺の叔母だ。」
「は?…嘘だろ…。」
「…宮野エレーナは母親の妹だった。
7歳位の時に明美が産まれたからと会っただけで、ほとんど面識はなかった。あまりお喋りな人ではなかったし印象は強くなかったが、母親と同じ金髪で同じ目の色だったのは覚えている。
彼女は俺と同じ、緑の目の色をしていただろう?」
「……。」
安室はショックなのかなんなのか、動揺を隠せない。
「そんな…。」ようやく絞り出した声は蚊の鳴くような声だった。
「…安室君、落ち着け。そんなに狼狽える事か?」
「赤井…。ごめん。」
「何故謝る?」
「赤井に…無意識に…エレーナさんを…重ねていたんだと思う。同じ、目の色をしていたから…。
それもあって組織にいる時…赤井に全幅の信頼を寄せていたんだと思う。
だからつい…。薄々お前がNOCだとは気付いていたのもあるが…スコッチの事、絶対になんとかしてくれるって過剰に期待を膨らませてしまった。
自害したのは分かっていたが、何故助けなかったんだろうと…勝手に裏切られたと勘違いをして…恨んでしまったんだ。」
「前も言ったはず。あれは俺が悪かったと。」
「違う…。言いたい事はそこじゃない。
俺が、お前を…エレーナさんの代わりにしようとしていたと気付いたんだ…たった今…。」
「…"降谷…零"君。構わない。叔母の代わりにしてくれても。叔母は君の事、大切に思っていたはず。
…俺にとっても、君は大切な友人だ。」
「赤井…。」下を向いていたが声が震えていた。
グレーのスラックスに涙がこぼれて色を黒くする。
「クサイセリフだな。」そう言って泣きながら笑った。
「思った事を言っただけだ。
零君…俺と一緒にスコッチを呑んでくれないか?
俺は君と一緒でないと罪悪感でスコッチが呑めない身体になってしまった。」
困ったような、少し嬉しそうな顔でメニュー表を手渡した。
その後は特に昔の話をする事もなく、最近の事件の事等取り留めもない話をした。
帰り際、園子から余分にもらっていたサバゲーホテルのチケットを2枚手渡した。
「もし余裕があったら風見君辺りでも誘って来てくれ。たまには気分転換も良いだろ。」
「へぇー。2人は参加するのか?」
「あぁ。行くつもりだ。」
「…赤井、絶対お前を倒す。」
「悪いが負ける気はさらさらない。」
お互いニヤリと笑うと別れを告げて帰路に着いた。