第4章
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「見つけちゃった…爆弾。」
「…そうか。実はその爆弾解除のマニュアルがある。どうやら犯人が警視庁直々に送り付けてきたものらしい。画像を送るよ。」
「実はね…さっきスマホ落として画面割れちゃって…。指示して貰うしかないかも。」
「直せないのか?」
「画面割れてるの小五郎さんに見られちゃってるし、それはちょっと…。」
不用意に一般人に魔法を見せる訳にはいかない。
「残り時間は?」
「30分。」
「急いでそっちへ向かいながら指示する。」
「やった事ないタイプだし、ちょっと怖い…。」
「大丈夫だ。きちんと指示する。俺を信じろ。」
「うん。コードがあるけどハサミがない。」
「オレ、ハサミ持ってますよ。」
トイレに一緒に閉じ込められていた男が声をかけてきた。
「オレ、美容師なんス。ハサミならいくつか持ってるんで使って下さい。」
「助かります!ありがとうございます。」
「俺も協力したい所だが…爆弾は専門外だ。すまん。」小五郎さんが項垂れている。
「1人で大丈夫です。小五郎さんは万が一を考えて窓から脱出する方法を考えて下さい。」
「分かった!」
「まず、いま見える限りは前面に4つのモジュール、裏面に4つ。後は蓋がしてある。」
「モジュールを解除する順番は特にないそうだ。
どれから始めても構わないとの事だがこちらで決めさせてもらう。
まず、大きくて丸いボタンはあるか?」
「ある。青色。」
「ボタンに中止と書いてあるか?」
「ない。何も。」
「青はカウントダウンタイマーに数字が出るそうだ。4が表示されているときに離せ。」
言われた通り、まずボタンを押した。
カウントダウンの所に数字が出てきたので4で離すとピッと音が鳴った。これで良いのか?
「次だな。4つ妙な文字がかかれているボタンはあるか?」
「ある。左上にAみたいなやつに下に棒が引いてある。右上にCに中に点がついていて向きが逆。左下はニコちゃんマークみたいな…顔みたいに見える。
右下はRの左の棒がないみたいな形。」
「左上、右上、右下、左下の順だ。」
「OK。ピッて言った。」
「次だな。周波数を設定し送信するボタンと、左上に光っているボタンはあるか?」
「あるよ。」
「光っているのはモールス信号を表しているらしい。読めるな?」
恐らく長く光るのはー、短いのは・を表すのだろう。
「うん。待ってて…。」
ー はT
・ー・はR
・・はI
ー・ー・はC
ー・ーはK
「つまり"trick"」
「周波数は3.532MHZ。」
「3.532…っと。OK、ピッと鳴った。」
「次は迷路だそうだ。
6×6のボタンが付いているモジュールはあるか?」
「ある。」
「その中で白く光るのがstart、赤がgoalだそうだ。startからgoalまで道のりを順番にボタンを押せば良い。光るボタンは何番目だ?」
「白が左1・上から5番目。赤は右3・上から2番目。」
「言うぞ。順番に押せよ。
上に2つ、そこから右に2つ、さらに1つ上だ。」
「…OK。大丈夫そう。」
「今度は裏面だな。」
裏面も協力してシュウと共に解除していく。
分かりやすい指示の仕方に安堵しながら最後のモジュールに到達した。
ちょうど小五郎さん達の用意も終わったらしい。
「小五郎さん、下まで降りられそうですか?」
「あぁ。見苦しい格好で悪ぃな。2人分の服を裂いてなんとか縄を作ったぞ。これでなんとか下まで降りれる。」
小五郎さんと居合わせた男性の服を使って上手く縄を作ったらしい。流石だ。
「先に降りていて貰えます?」
「おい、皆今頃避難してるだろうし、爆弾なんて放っておいて一緒に逃げよう!」
「いえ、なるべく被害は最小にしたいので全て解除してから私は後で降ります。ここは日本とはいえ、私はFBI捜査官ですから。
小五郎さん、早くそちらの方を連れて逃げて。」
「分かった…。だが…絶対に死ぬなよ!旦那が待ってるんだろ!」
「分かってます。私は大丈夫ですよ!プレゼント、しっかり持って下に行ってくださいね。また後で。」
「シュウ…後はコード類を切れば終わるよ。」
「残り時間は?」
「1分30秒。」
「これで最後か。長かったな。落ち着いて切れよ。
まずは 緑」
「はい。切った。」
「黒」
パチッ
「青」
パチン
シュウの声…落ち着くな。なんて呑気にしている場合では無いんだけど。
真下辺りからマスタングのエンジンを吹かす音が聞こえてきた。
「今現場に着いた。すぐ下にいる。最後は赤か白だな。赤を切れ。」
「赤?」
「赤だ。」
なんだか嫌な予感がした。
赤井秀一の苗字にも入っている"赤"を切りたくないという気持ちになった。
「何をしている。急げ。時間がないんだ!」
珍しくシュウが焦っている声が聞こえる。
「シュウ…もし…もし失敗して、死んだらごめんね?」
「馬鹿…その時は俺も後で行くから安心しろ。そんな事より早く切ってくれ。…時間がない。」
「うん………ごめん。白、切るね。」
「は?」
パチッ
案の定、白を切った時タイマーが止まった。
残り時間、5秒。
「……はぁー…良かったー。止まった。」
心臓がバクバクしてる。手の震えが止まらない。
白を切ったのは正直勘だった。
何故か赤を切っては行けない気がした。
さーて、私も降りますか。
少し深呼吸をして立ち上がった時、窓から黒い影が見えた。
「このッ馬鹿!」
どうやら縄を登ってトイレに入ってきたらしい。
酷く怖い形相で走り込んでくると思いっきり胸ぐらを掴まれた。
「シュ…ゴホッ…。苦し…やめ…て。」
「10回位殺してやりたい気分だ!何故指示とは違うコードを切った!止まったから良かったものの、死ぬ所だったんだぞ!お前が!!」
「ごめん。赤は…大事な色だから…。切っちゃいけない気がして…。ね?"赤"井さん?」
「なんだと…。そんな事で…。まったく君は…。」
呆れたように項垂れると手を離してくれた。
よく見るとシュウの顔が白を通り越して青ざめている上に手が震えている。
「怖かった…。例え一緒に死ぬ運命だとしても…君が死んでしまうのは本当に…怖かった…。肝が冷えたぞ。」
「ごめん…本当にごめんなさい。心配かけちゃったね。」
「はーー…。もうこんな事は二度とするなよ。俺もあまり指示通りに動くタイプではないが、爆弾解除に関しては別だぞ!」
「はい…。」
「降りよう。縄は結構丈夫に出来ている。念の為俺に掴まれ。」
「うん。」
シュウが先に縄を掴んで壁に足をかけた。
私も後に続こうと窓枠に足をかけた瞬間、カチッという音がした。
と思った瞬間爆風で身体が吹き飛ばされた。
何がなんだか分からなかった。
爆弾は解除したはず…。やっぱり赤を切るべきだったのか?
視界には青空しか見えない。
が次の瞬間、目の前が何かに覆われて真っ暗になり急に落ちる感覚に襲われパニックになった。
必死に手を伸ばし何かを掴んだ。
どうやらこれはシュウのシャツらしい。目の前が暗くなった原因はシュウに抱きしめられているからのようだ。
冷静に分析しているがせめて魔法で落下速度を落とさなければ。
だが前が見えない。適当に魔法をかけるしかなかった。
「ッ!」シュウが息を飲む音が頭上から聞こえた。
枝と木の幹がバキバキと何度も折れる音がする。
「イタッ!」時々枝が私の背中を引っ掻く。
なんとか軽く尻餅をついて地面に落ちた。
下が土なのが幸いだ。
慌てて起き上がりシュウを確認する。
「怪我はないか?」
「何言ってんの!シュウの方が怪我してるよ!」
シュウは冷静に声をかけてくるが明らかに大怪我をしている。
脇腹に枝が1本刺さってており、右腕は枝や幹で切ったのかズタズタに切れていた。
そして口の中を噛んだのか、口の端からも血が滴っている。
小五郎さんと警察官達が慌てて駆け寄ってきたので自分が羽織っていたカーディガンをかけて脇腹だけは治療した。
治している所を見られる訳にはいかないので、申し訳ないが帰るまでは腕の怪我は我慢してもらうしかない。
「2人とも大丈夫か!沖矢…じゃなかった、赤井の方ひでぇな!血だらけじゃねぇか!救急車は何処だ?」
小五郎さんは流石に下着姿ではなく警察官の服を借りたらしい。慌てて警官達からタオルを受け取りシュウの腕にぐるぐる巻いて止血をしようとしてくれていた。
「これくらい大した事ありません。大丈夫です。」
「大丈夫って…おいおい、脇腹に血が!おい、もっとタオルと包帯寄越してくれ!止血!」
「切っただけです。救急車はいりません。病院には自分で行きますからご心配なく。」
「そ、そうか…。本当に大丈夫か?
ちゃんと治してもらうんだぞ。
まったく…驚いたぜ。まさか爆風で吹き飛んだナマエちゃんを空中で掴んで庇いながら、木に向かってすげー勢いで落ちたからよ…。
死んだかと思ってヒヤッとしたぜ…。
そういえば…その姿で会うのは初めてだな。
前にFBIの手帳を見せてもらった事があったが…。
写真より男前だな!沖矢とは本当に別人みてぇだ。」
きっと小五郎さんなりに場を和ませようと気を使って話をしてくれているんだろうな。優しい…。
「それに… ナマエちゃんが着けているネックレス、お前の目の色そっくりだ。」
「ちょっ、小五郎さん!それ言わないでよ!恥ずかしい…。」
「そうか…。そのネックレス、俺を思って買ってくれたのか。それは嬉しいな。」
「う…。だって…一緒に居られない時でも、これがあれば傍に居てくれてるみたいだなって…。」
「今日は一緒に警視庁に連れて行ってやるべきだった。…すまなかったな。」
「ううん。それより早く病院行こ。車乗って!私が運転するから。あ、私の車…。
あの、小五郎さん…。これ私の車の鍵です。私の車の車種、ベントレーコンチネンタルGTですのですぐ見て分かると思います!よろしくお願いします。」
さっとマスタングに乗り込んで走らせた。
「えっ?おい、それってすげぇ高級車!俺がそんなの運転でき……行っちまった…。」
「…そうか。実はその爆弾解除のマニュアルがある。どうやら犯人が警視庁直々に送り付けてきたものらしい。画像を送るよ。」
「実はね…さっきスマホ落として画面割れちゃって…。指示して貰うしかないかも。」
「直せないのか?」
「画面割れてるの小五郎さんに見られちゃってるし、それはちょっと…。」
不用意に一般人に魔法を見せる訳にはいかない。
「残り時間は?」
「30分。」
「急いでそっちへ向かいながら指示する。」
「やった事ないタイプだし、ちょっと怖い…。」
「大丈夫だ。きちんと指示する。俺を信じろ。」
「うん。コードがあるけどハサミがない。」
「オレ、ハサミ持ってますよ。」
トイレに一緒に閉じ込められていた男が声をかけてきた。
「オレ、美容師なんス。ハサミならいくつか持ってるんで使って下さい。」
「助かります!ありがとうございます。」
「俺も協力したい所だが…爆弾は専門外だ。すまん。」小五郎さんが項垂れている。
「1人で大丈夫です。小五郎さんは万が一を考えて窓から脱出する方法を考えて下さい。」
「分かった!」
「まず、いま見える限りは前面に4つのモジュール、裏面に4つ。後は蓋がしてある。」
「モジュールを解除する順番は特にないそうだ。
どれから始めても構わないとの事だがこちらで決めさせてもらう。
まず、大きくて丸いボタンはあるか?」
「ある。青色。」
「ボタンに中止と書いてあるか?」
「ない。何も。」
「青はカウントダウンタイマーに数字が出るそうだ。4が表示されているときに離せ。」
言われた通り、まずボタンを押した。
カウントダウンの所に数字が出てきたので4で離すとピッと音が鳴った。これで良いのか?
「次だな。4つ妙な文字がかかれているボタンはあるか?」
「ある。左上にAみたいなやつに下に棒が引いてある。右上にCに中に点がついていて向きが逆。左下はニコちゃんマークみたいな…顔みたいに見える。
右下はRの左の棒がないみたいな形。」
「左上、右上、右下、左下の順だ。」
「OK。ピッて言った。」
「次だな。周波数を設定し送信するボタンと、左上に光っているボタンはあるか?」
「あるよ。」
「光っているのはモールス信号を表しているらしい。読めるな?」
恐らく長く光るのはー、短いのは・を表すのだろう。
「うん。待ってて…。」
ー はT
・ー・はR
・・はI
ー・ー・はC
ー・ーはK
「つまり"trick"」
「周波数は3.532MHZ。」
「3.532…っと。OK、ピッと鳴った。」
「次は迷路だそうだ。
6×6のボタンが付いているモジュールはあるか?」
「ある。」
「その中で白く光るのがstart、赤がgoalだそうだ。startからgoalまで道のりを順番にボタンを押せば良い。光るボタンは何番目だ?」
「白が左1・上から5番目。赤は右3・上から2番目。」
「言うぞ。順番に押せよ。
上に2つ、そこから右に2つ、さらに1つ上だ。」
「…OK。大丈夫そう。」
「今度は裏面だな。」
裏面も協力してシュウと共に解除していく。
分かりやすい指示の仕方に安堵しながら最後のモジュールに到達した。
ちょうど小五郎さん達の用意も終わったらしい。
「小五郎さん、下まで降りられそうですか?」
「あぁ。見苦しい格好で悪ぃな。2人分の服を裂いてなんとか縄を作ったぞ。これでなんとか下まで降りれる。」
小五郎さんと居合わせた男性の服を使って上手く縄を作ったらしい。流石だ。
「先に降りていて貰えます?」
「おい、皆今頃避難してるだろうし、爆弾なんて放っておいて一緒に逃げよう!」
「いえ、なるべく被害は最小にしたいので全て解除してから私は後で降ります。ここは日本とはいえ、私はFBI捜査官ですから。
小五郎さん、早くそちらの方を連れて逃げて。」
「分かった…。だが…絶対に死ぬなよ!旦那が待ってるんだろ!」
「分かってます。私は大丈夫ですよ!プレゼント、しっかり持って下に行ってくださいね。また後で。」
「シュウ…後はコード類を切れば終わるよ。」
「残り時間は?」
「1分30秒。」
「これで最後か。長かったな。落ち着いて切れよ。
まずは 緑」
「はい。切った。」
「黒」
パチッ
「青」
パチン
シュウの声…落ち着くな。なんて呑気にしている場合では無いんだけど。
真下辺りからマスタングのエンジンを吹かす音が聞こえてきた。
「今現場に着いた。すぐ下にいる。最後は赤か白だな。赤を切れ。」
「赤?」
「赤だ。」
なんだか嫌な予感がした。
赤井秀一の苗字にも入っている"赤"を切りたくないという気持ちになった。
「何をしている。急げ。時間がないんだ!」
珍しくシュウが焦っている声が聞こえる。
「シュウ…もし…もし失敗して、死んだらごめんね?」
「馬鹿…その時は俺も後で行くから安心しろ。そんな事より早く切ってくれ。…時間がない。」
「うん………ごめん。白、切るね。」
「は?」
パチッ
案の定、白を切った時タイマーが止まった。
残り時間、5秒。
「……はぁー…良かったー。止まった。」
心臓がバクバクしてる。手の震えが止まらない。
白を切ったのは正直勘だった。
何故か赤を切っては行けない気がした。
さーて、私も降りますか。
少し深呼吸をして立ち上がった時、窓から黒い影が見えた。
「このッ馬鹿!」
どうやら縄を登ってトイレに入ってきたらしい。
酷く怖い形相で走り込んでくると思いっきり胸ぐらを掴まれた。
「シュ…ゴホッ…。苦し…やめ…て。」
「10回位殺してやりたい気分だ!何故指示とは違うコードを切った!止まったから良かったものの、死ぬ所だったんだぞ!お前が!!」
「ごめん。赤は…大事な色だから…。切っちゃいけない気がして…。ね?"赤"井さん?」
「なんだと…。そんな事で…。まったく君は…。」
呆れたように項垂れると手を離してくれた。
よく見るとシュウの顔が白を通り越して青ざめている上に手が震えている。
「怖かった…。例え一緒に死ぬ運命だとしても…君が死んでしまうのは本当に…怖かった…。肝が冷えたぞ。」
「ごめん…本当にごめんなさい。心配かけちゃったね。」
「はーー…。もうこんな事は二度とするなよ。俺もあまり指示通りに動くタイプではないが、爆弾解除に関しては別だぞ!」
「はい…。」
「降りよう。縄は結構丈夫に出来ている。念の為俺に掴まれ。」
「うん。」
シュウが先に縄を掴んで壁に足をかけた。
私も後に続こうと窓枠に足をかけた瞬間、カチッという音がした。
と思った瞬間爆風で身体が吹き飛ばされた。
何がなんだか分からなかった。
爆弾は解除したはず…。やっぱり赤を切るべきだったのか?
視界には青空しか見えない。
が次の瞬間、目の前が何かに覆われて真っ暗になり急に落ちる感覚に襲われパニックになった。
必死に手を伸ばし何かを掴んだ。
どうやらこれはシュウのシャツらしい。目の前が暗くなった原因はシュウに抱きしめられているからのようだ。
冷静に分析しているがせめて魔法で落下速度を落とさなければ。
だが前が見えない。適当に魔法をかけるしかなかった。
「ッ!」シュウが息を飲む音が頭上から聞こえた。
枝と木の幹がバキバキと何度も折れる音がする。
「イタッ!」時々枝が私の背中を引っ掻く。
なんとか軽く尻餅をついて地面に落ちた。
下が土なのが幸いだ。
慌てて起き上がりシュウを確認する。
「怪我はないか?」
「何言ってんの!シュウの方が怪我してるよ!」
シュウは冷静に声をかけてくるが明らかに大怪我をしている。
脇腹に枝が1本刺さってており、右腕は枝や幹で切ったのかズタズタに切れていた。
そして口の中を噛んだのか、口の端からも血が滴っている。
小五郎さんと警察官達が慌てて駆け寄ってきたので自分が羽織っていたカーディガンをかけて脇腹だけは治療した。
治している所を見られる訳にはいかないので、申し訳ないが帰るまでは腕の怪我は我慢してもらうしかない。
「2人とも大丈夫か!沖矢…じゃなかった、赤井の方ひでぇな!血だらけじゃねぇか!救急車は何処だ?」
小五郎さんは流石に下着姿ではなく警察官の服を借りたらしい。慌てて警官達からタオルを受け取りシュウの腕にぐるぐる巻いて止血をしようとしてくれていた。
「これくらい大した事ありません。大丈夫です。」
「大丈夫って…おいおい、脇腹に血が!おい、もっとタオルと包帯寄越してくれ!止血!」
「切っただけです。救急車はいりません。病院には自分で行きますからご心配なく。」
「そ、そうか…。本当に大丈夫か?
ちゃんと治してもらうんだぞ。
まったく…驚いたぜ。まさか爆風で吹き飛んだナマエちゃんを空中で掴んで庇いながら、木に向かってすげー勢いで落ちたからよ…。
死んだかと思ってヒヤッとしたぜ…。
そういえば…その姿で会うのは初めてだな。
前にFBIの手帳を見せてもらった事があったが…。
写真より男前だな!沖矢とは本当に別人みてぇだ。」
きっと小五郎さんなりに場を和ませようと気を使って話をしてくれているんだろうな。優しい…。
「それに… ナマエちゃんが着けているネックレス、お前の目の色そっくりだ。」
「ちょっ、小五郎さん!それ言わないでよ!恥ずかしい…。」
「そうか…。そのネックレス、俺を思って買ってくれたのか。それは嬉しいな。」
「う…。だって…一緒に居られない時でも、これがあれば傍に居てくれてるみたいだなって…。」
「今日は一緒に警視庁に連れて行ってやるべきだった。…すまなかったな。」
「ううん。それより早く病院行こ。車乗って!私が運転するから。あ、私の車…。
あの、小五郎さん…。これ私の車の鍵です。私の車の車種、ベントレーコンチネンタルGTですのですぐ見て分かると思います!よろしくお願いします。」
さっとマスタングに乗り込んで走らせた。
「えっ?おい、それってすげぇ高級車!俺がそんなの運転でき……行っちまった…。」