第1章<完結>
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潜入から2年が経過していた。
あれから一度もナマエと会う事はなかった。
本日もなんとか任務を遂行し帰宅しようとしていた時、突然組織から配られている携帯に連絡が来た。
どうやら一斉送信で連絡が来たらしい。
連絡の内容に目を疑った。
"スコッチはNOCだった。
見つけ次第連れ戻せ。"
何があったのか全く分からないがどうやらスパイであったのがバレたようだった。
まずい、スコッチが危ない。
隠れられそうな空き家やバー、ホテルなど可能な限り探し回ったものの、全くもって手がかりは掴めなかった。時刻は17時半。空が暗くなってきた。
「どこに行った…。」広大な土地から探すのは本当に厳しいものがあった。
「お兄さん、探し物?」
横目で見ると小学生くらいの小さい黒髪の女の子がちょこんといた。
「手伝ってあげる!」
こんな急いでいる時になんだ、このガキ。
「スコッチを探す手伝いをさせて。」
探している人物の名前を言われドキッとする。
よく顔をよく見ると、小さくなったものの見知った顔だった。
「なんだお前か。久しぶりだな。」
「スコッチがバレたのね。探し物は、私の方がきっと得意。」
そういうと近くにいたカラスを呼び、足にリボンを結ぶ。
「このカラスを追って!私も探すけど、下からと上から両方で探した方が良いでしょ。」
そういうとナマエもすぐにカラスの姿になり飛び去っていった。
とにかく言われた通りリボンのついたカラスを追う。
1時間ほど走ると、急にカラスが止まり、当たりを見回す。少し遠くでカラスの鳴き声が聞こえた。
目の前のカラスも同様にカーと一言鳴くと、こちらを見て着いてこいと言わんばかりに飛んだ。
10分ほどカラスを追って走ると、1つのビルの屋上に止まった。
ここは建設したばかりのビルで、数日後にお披露目予定という場所であった。
急いで柵を超えて中に入り、階段をかけ上る。
屋上のドアを開けるとスコッチが驚いた顔をして
来るなと叫んだ。
大丈夫だと言おうと近づいた瞬間、スコッチが掴みかかってきた為に揉み合いになる。
どうしようも無くて咄嗟に投げ飛ばした。
「来るなと言っただろ!」
銃口をこちらに向けられ、両手を上げた。
しまった、まさか胸元にしまった銃を抜き取られるとは。誤算だった。
「スコッチ、命乞いをする訳では無いが少々話を聞いてくれないか?」
「こいつはお前を殺すためじゃない。
こうするためだ!」
「!……悪いな。俺がシリンダーを掴んでいる間は人間の力では引き金を引くことは出来ない。
聞いてくれ。俺はFBIの赤井秀一だ。
自殺をするのはよせ。
お前1人を逃がす事など造作もないのだから。
こちらには優秀な人物がいるんだ。
そいつに任せれば絶対に逃げることが出来る。」
その時、後ろから誰かが階段を登る音がした。
この時俺は人生最悪の誤ちを2回も犯してしまった。
1つは銃をとられたこと。
もう1つは、後ろから来る足音に気を取られ、シリンダーの手を緩めてしまった事。
気づいた時には発砲音が聞こえ、頬や腕に生ぬるい液体がかかった。
鉄のような臭いが鼻を突く。
後から来たのはバーボンだった。
「裏切りには制裁を持って答える…だったよな?」
「おいスコッチ!スコッチ!ライおまえ…っ!!」
「心臓の鼓動を聞いても無駄だ。死んでるよ、拳銃で心臓をブチ抜いてやったからな。聞いてないのか?そいつは日本の公安の犬だぞ。残念なのは奴の胸のポケットに入っていた携帯ごとブチ抜いてしまった事。おかげでそいつの身元はわからずじまい、幽霊を殺したようで気味が悪いぜ…。」
あんなに仲が良かったんだ。
ショックを受けるのは当然だろう。
バーボンもNOCなのかもしれないが、確証はない。
だからこうして黒の組織としての態度を取らなければならない。
全て俺の責任だ。
銃を取られなければ。
組織の人間が来たかもしれないと、気を取られてシリンダーの手を緩めなければ。
そうすれば死なずに済んだ。
悪いのは俺だ。お前じゃない。
スコッチは俺を巻き込むことを恐れたのだろう。
俺と2人で死ぬ事になったら、それこそFBI・公安諸共潜入調査はお終いだ。
俺に託したのだろう。
NOCとしての使命を全うしてくれと。
スコッチは本当に凄い男だ。
「…あとは任せたぞ、バーボン。」
あれから一度もナマエと会う事はなかった。
本日もなんとか任務を遂行し帰宅しようとしていた時、突然組織から配られている携帯に連絡が来た。
どうやら一斉送信で連絡が来たらしい。
連絡の内容に目を疑った。
"スコッチはNOCだった。
見つけ次第連れ戻せ。"
何があったのか全く分からないがどうやらスパイであったのがバレたようだった。
まずい、スコッチが危ない。
隠れられそうな空き家やバー、ホテルなど可能な限り探し回ったものの、全くもって手がかりは掴めなかった。時刻は17時半。空が暗くなってきた。
「どこに行った…。」広大な土地から探すのは本当に厳しいものがあった。
「お兄さん、探し物?」
横目で見ると小学生くらいの小さい黒髪の女の子がちょこんといた。
「手伝ってあげる!」
こんな急いでいる時になんだ、このガキ。
「スコッチを探す手伝いをさせて。」
探している人物の名前を言われドキッとする。
よく顔をよく見ると、小さくなったものの見知った顔だった。
「なんだお前か。久しぶりだな。」
「スコッチがバレたのね。探し物は、私の方がきっと得意。」
そういうと近くにいたカラスを呼び、足にリボンを結ぶ。
「このカラスを追って!私も探すけど、下からと上から両方で探した方が良いでしょ。」
そういうとナマエもすぐにカラスの姿になり飛び去っていった。
とにかく言われた通りリボンのついたカラスを追う。
1時間ほど走ると、急にカラスが止まり、当たりを見回す。少し遠くでカラスの鳴き声が聞こえた。
目の前のカラスも同様にカーと一言鳴くと、こちらを見て着いてこいと言わんばかりに飛んだ。
10分ほどカラスを追って走ると、1つのビルの屋上に止まった。
ここは建設したばかりのビルで、数日後にお披露目予定という場所であった。
急いで柵を超えて中に入り、階段をかけ上る。
屋上のドアを開けるとスコッチが驚いた顔をして
来るなと叫んだ。
大丈夫だと言おうと近づいた瞬間、スコッチが掴みかかってきた為に揉み合いになる。
どうしようも無くて咄嗟に投げ飛ばした。
「来るなと言っただろ!」
銃口をこちらに向けられ、両手を上げた。
しまった、まさか胸元にしまった銃を抜き取られるとは。誤算だった。
「スコッチ、命乞いをする訳では無いが少々話を聞いてくれないか?」
「こいつはお前を殺すためじゃない。
こうするためだ!」
「!……悪いな。俺がシリンダーを掴んでいる間は人間の力では引き金を引くことは出来ない。
聞いてくれ。俺はFBIの赤井秀一だ。
自殺をするのはよせ。
お前1人を逃がす事など造作もないのだから。
こちらには優秀な人物がいるんだ。
そいつに任せれば絶対に逃げることが出来る。」
その時、後ろから誰かが階段を登る音がした。
この時俺は人生最悪の誤ちを2回も犯してしまった。
1つは銃をとられたこと。
もう1つは、後ろから来る足音に気を取られ、シリンダーの手を緩めてしまった事。
気づいた時には発砲音が聞こえ、頬や腕に生ぬるい液体がかかった。
鉄のような臭いが鼻を突く。
後から来たのはバーボンだった。
「裏切りには制裁を持って答える…だったよな?」
「おいスコッチ!スコッチ!ライおまえ…っ!!」
「心臓の鼓動を聞いても無駄だ。死んでるよ、拳銃で心臓をブチ抜いてやったからな。聞いてないのか?そいつは日本の公安の犬だぞ。残念なのは奴の胸のポケットに入っていた携帯ごとブチ抜いてしまった事。おかげでそいつの身元はわからずじまい、幽霊を殺したようで気味が悪いぜ…。」
あんなに仲が良かったんだ。
ショックを受けるのは当然だろう。
バーボンもNOCなのかもしれないが、確証はない。
だからこうして黒の組織としての態度を取らなければならない。
全て俺の責任だ。
銃を取られなければ。
組織の人間が来たかもしれないと、気を取られてシリンダーの手を緩めなければ。
そうすれば死なずに済んだ。
悪いのは俺だ。お前じゃない。
スコッチは俺を巻き込むことを恐れたのだろう。
俺と2人で死ぬ事になったら、それこそFBI・公安諸共潜入調査はお終いだ。
俺に託したのだろう。
NOCとしての使命を全うしてくれと。
スコッチは本当に凄い男だ。
「…あとは任せたぞ、バーボン。」