第3章〈完結〉
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次の日
朝方、スマホが鳴った。朝食のデザートでリンゴが食べたくて切ろうと思ってたのに。
しぶしぶ電話に出ると警察からだった。
用件は昨日捕まった男達に関してだそう。
射的の件以外にもトラブルを起こしていたらしくお祭りの屋台をいくつか傷つけ、店員を一人殴っていたらしい。その後追いかけたものの、人が多くて男達の居場所が分からなかったが私のおかげで捕らえることが出来たと感謝された。今日事情聴取の為に警察の方へ行かなければならないらしい。
それと一応昴にも事情を聴きたいとの事だった。
電話を切るとリンゴの皮むきをしてくれているシュウに声をかけた。
「シュウ…あの、ちょっと一緒に昴の姿で警察の方へ行ってくれない…?」
「警察?何かあったのか?」
「ほら、昨日お祭りで絡んできた男達いたでしょ?
あの後また暴れてたから捕まえたんだけどさ…。」
「あ゛?」
いつも以上に低いシュウの声をかき消すようにバキッと太い枝が折れたような鈍い音と、果汁が飛び散る音がしてリンゴが砕け散った。…いや、粉砕した。
下にボウルがあったのは不幸中の幸いか。
片手でリンゴを握りつぶすなんて握力化け物ですか?
成人男性の平均握力は50kg。リンゴを握りつぶすには80kg以上必要らしいと何かで見た。
粉砕したという事はそれ以上の握力か。
…なーんて現実逃避をしているが、
我が旦那様は確実に怒ってらっしゃる。後ろにどす黒いオーラを放ち、恐い顔をしている。
あれ、私は魔王と結婚したんだっけか。
「1人で、か?」
「は…はい。」
「丸腰でか?」
「…はい。」
「相手が何か武器を持っている可能性もあったのにか?」
「ソウデスネ。でも多分あれだけでかい声で威嚇するくらいだからそこまでの度胸はないかと思いまして…。」
「そういう問題じゃない。」
リンゴでベトベトになった手を洗い流し拭き取ると両肩をガッチリ掴まれた。
「絶対に、今度から何かあったらすぐに俺を呼べ。いいか?絶対にだ。」
「えっ、私だってFBI捜査官だよ?そんな、過保護な…。」
「過保護にもなる。…俺の大切な妻を傷つけられたらと思うと。」そっと抱きしめられた。
「ごめん。でも私、そこら辺の女性より強いよ?」
「…前に銀行強盗の事件があっただろう?」
「…うん。」
「亡くなった人質の女性の背格好が、少し君に似ていた。それから色々考えてしまってな。
少し臆病になっているのかもしれない。
別に俺が一緒に死ぬ事は怖くない。
ただ、もし君が…俺が助けられないような所で1人で辛い思いをして息絶えたら…とつい思ってしまった。」
抱きしめる腕が少し強まった。
「でも、捜査官は死のリスクがあるよ…。」
「分かっている。だがもし死ぬならせめて俺の傍で死んで欲しい。全力で守ってもお互い死んだら納得が出来るだろう?…これは単なる俺のワガママだ。
仕事や任務以外で君が死ぬリスクは少しでも避けたい。」
「…分かった。心配してくれてありがとう。」
「こんな事なら最初に絡んできた時点でどうにかすべきだった。判断を誤ったな。」
ブツブツ言いながら砕け散ったリンゴを無造作に皿にいれてミキサーを用意した。
「すまない、リンゴを砕いてしまった。ジュースでも良いか?」
「あっ、うん。りんごジュース好き。」
今度からなるべく怒りを買わないようにしよう…。
その後昴と共に警察で事情聴取をされて帰宅する途中で警視庁の近くを通った。
その時並走して走っていたのは白のRX-7、安室の車だった。
道路の路肩に車を止めたのを見てこちらも安室の後ろに車を止めた。
「やぁ、安室君。」
「赤井。こんな所で何してる。ナマエちゃんもいるのか。」
私も車から降りて声をかけた。
「久しぶり〜。えっ?あむ兄、隈ヤバくない?大丈夫…?しかもやつれた?」
「大丈夫。ここの所大きい事件が立て続けに起きていたから書類が山積みなだけだよ。」
「何か手伝うか?」
「FBIの力は必要ない。」
「そんな顔して言われても。ちょっと休まないと体調崩すよ?」
「そうだぞ安室君。公安の極秘資料以外であれば出来ることはある。他にも優秀な人材がいるのは分かっているが、1番のブレーンである君がそんな状態では皆気を使ってゆっくり休めんよ。
どうせ他の人は休ませて君だけが一番無理をしているんだろ?いい加減その癖やめろ。
周りに少しは頼る癖をつけろと昔から言ってるだろ。」
「…。」
「降谷さん!…と、赤井さんにナマエさん。何故ここに…。」
「あぁ、風見君。丁度良い。安室君を今日は休みにさせてくれないか?その代わり俺たちが手伝おう。」
「分かりました。お願いします。」
「風見!勝手なことを!」
「降谷さん、本当に休んでください!何度言わせれば気が済むんですか!いい加減私達が頼りないのは分かりますが我々部下をもっと頼って下さい!」
風見の怒号が辺りに響いた。
「…分かった。ありがとう。…休みだと自覚した途端急に眠くなるなんて、僕もまだまだだな…。」
「安室君、車の鍵をかしてくれ。家まで送ってやる。そんな状態で運転しても危険なだけだからな。
ナマエ、悪いが俺の車を駐車場に入れておいてくれ。」
「分かった。」
2人共RX-7に乗り込んだ事を確認して、昴をシュウの姿に戻しておいた。
そうしないと警視庁に入る時困るだろうから。
瞬時に顔が変わったのを見て安室がポツリと
"中国の変面かよ…"とツッコミを入れていた。
朝方、スマホが鳴った。朝食のデザートでリンゴが食べたくて切ろうと思ってたのに。
しぶしぶ電話に出ると警察からだった。
用件は昨日捕まった男達に関してだそう。
射的の件以外にもトラブルを起こしていたらしくお祭りの屋台をいくつか傷つけ、店員を一人殴っていたらしい。その後追いかけたものの、人が多くて男達の居場所が分からなかったが私のおかげで捕らえることが出来たと感謝された。今日事情聴取の為に警察の方へ行かなければならないらしい。
それと一応昴にも事情を聴きたいとの事だった。
電話を切るとリンゴの皮むきをしてくれているシュウに声をかけた。
「シュウ…あの、ちょっと一緒に昴の姿で警察の方へ行ってくれない…?」
「警察?何かあったのか?」
「ほら、昨日お祭りで絡んできた男達いたでしょ?
あの後また暴れてたから捕まえたんだけどさ…。」
「あ゛?」
いつも以上に低いシュウの声をかき消すようにバキッと太い枝が折れたような鈍い音と、果汁が飛び散る音がしてリンゴが砕け散った。…いや、粉砕した。
下にボウルがあったのは不幸中の幸いか。
片手でリンゴを握りつぶすなんて握力化け物ですか?
成人男性の平均握力は50kg。リンゴを握りつぶすには80kg以上必要らしいと何かで見た。
粉砕したという事はそれ以上の握力か。
…なーんて現実逃避をしているが、
我が旦那様は確実に怒ってらっしゃる。後ろにどす黒いオーラを放ち、恐い顔をしている。
あれ、私は魔王と結婚したんだっけか。
「1人で、か?」
「は…はい。」
「丸腰でか?」
「…はい。」
「相手が何か武器を持っている可能性もあったのにか?」
「ソウデスネ。でも多分あれだけでかい声で威嚇するくらいだからそこまでの度胸はないかと思いまして…。」
「そういう問題じゃない。」
リンゴでベトベトになった手を洗い流し拭き取ると両肩をガッチリ掴まれた。
「絶対に、今度から何かあったらすぐに俺を呼べ。いいか?絶対にだ。」
「えっ、私だってFBI捜査官だよ?そんな、過保護な…。」
「過保護にもなる。…俺の大切な妻を傷つけられたらと思うと。」そっと抱きしめられた。
「ごめん。でも私、そこら辺の女性より強いよ?」
「…前に銀行強盗の事件があっただろう?」
「…うん。」
「亡くなった人質の女性の背格好が、少し君に似ていた。それから色々考えてしまってな。
少し臆病になっているのかもしれない。
別に俺が一緒に死ぬ事は怖くない。
ただ、もし君が…俺が助けられないような所で1人で辛い思いをして息絶えたら…とつい思ってしまった。」
抱きしめる腕が少し強まった。
「でも、捜査官は死のリスクがあるよ…。」
「分かっている。だがもし死ぬならせめて俺の傍で死んで欲しい。全力で守ってもお互い死んだら納得が出来るだろう?…これは単なる俺のワガママだ。
仕事や任務以外で君が死ぬリスクは少しでも避けたい。」
「…分かった。心配してくれてありがとう。」
「こんな事なら最初に絡んできた時点でどうにかすべきだった。判断を誤ったな。」
ブツブツ言いながら砕け散ったリンゴを無造作に皿にいれてミキサーを用意した。
「すまない、リンゴを砕いてしまった。ジュースでも良いか?」
「あっ、うん。りんごジュース好き。」
今度からなるべく怒りを買わないようにしよう…。
その後昴と共に警察で事情聴取をされて帰宅する途中で警視庁の近くを通った。
その時並走して走っていたのは白のRX-7、安室の車だった。
道路の路肩に車を止めたのを見てこちらも安室の後ろに車を止めた。
「やぁ、安室君。」
「赤井。こんな所で何してる。ナマエちゃんもいるのか。」
私も車から降りて声をかけた。
「久しぶり〜。えっ?あむ兄、隈ヤバくない?大丈夫…?しかもやつれた?」
「大丈夫。ここの所大きい事件が立て続けに起きていたから書類が山積みなだけだよ。」
「何か手伝うか?」
「FBIの力は必要ない。」
「そんな顔して言われても。ちょっと休まないと体調崩すよ?」
「そうだぞ安室君。公安の極秘資料以外であれば出来ることはある。他にも優秀な人材がいるのは分かっているが、1番のブレーンである君がそんな状態では皆気を使ってゆっくり休めんよ。
どうせ他の人は休ませて君だけが一番無理をしているんだろ?いい加減その癖やめろ。
周りに少しは頼る癖をつけろと昔から言ってるだろ。」
「…。」
「降谷さん!…と、赤井さんにナマエさん。何故ここに…。」
「あぁ、風見君。丁度良い。安室君を今日は休みにさせてくれないか?その代わり俺たちが手伝おう。」
「分かりました。お願いします。」
「風見!勝手なことを!」
「降谷さん、本当に休んでください!何度言わせれば気が済むんですか!いい加減私達が頼りないのは分かりますが我々部下をもっと頼って下さい!」
風見の怒号が辺りに響いた。
「…分かった。ありがとう。…休みだと自覚した途端急に眠くなるなんて、僕もまだまだだな…。」
「安室君、車の鍵をかしてくれ。家まで送ってやる。そんな状態で運転しても危険なだけだからな。
ナマエ、悪いが俺の車を駐車場に入れておいてくれ。」
「分かった。」
2人共RX-7に乗り込んだ事を確認して、昴をシュウの姿に戻しておいた。
そうしないと警視庁に入る時困るだろうから。
瞬時に顔が変わったのを見て安室がポツリと
"中国の変面かよ…"とツッコミを入れていた。