第3章〈完結〉
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ポアロを含めた商店街で毎年催される夏祭りがある。
商店街の各店が屋台を出すのも魅力の1つだ。
ポアロは屋台の数を増やすために2つ出店するらしい。
1つはポアロの料理を提供するお店。
もう1つは主に子供向けに射的をやるらしい。
しかも、なんとその店員は昴が担当。
初めて聞いた時は想像したら面白すぎてしばらく笑いが止まらなかった。
今日は待ちに待ったその夏祭りがあるので、阿笠博士と少年探偵団の子供達と一緒に行く事にした。
会場は思いの外沢山食べ物のお店が多くて誘惑が多いけど、まずは最初に昴を探す事にした。
歩いていると奥側の方に店があった。
人より頭が飛び抜けている昴を見つける事は容易い。
「昴!」
「「こんにちは!」」
「昴の兄ちゃん!久しぶりだな!」
「皆さん来てくださったんですね!良かったらやっていきませんか?射的。」
「歩美やりたーい!」
「僕も!あっ、仮面ヤイバーのフィギュアがありますよ!」「おおっ!俺もやりてー!」
阿笠博士が支払いをして子供達にやらせていた。
私は少し遠目から眺める。
「ナマエはしないんですか?」
「子供達が終わったらやろうかな。」
その言葉を聞くと昴は子供達に手取り足取り撃ち方を教えた。
「そう、構え方上手いですよ。光彦君、もっと肩を落として、リラックスしましょう。元太君、今よりもう少し上を狙うと良いですよ。」
指導のおかげか子供達は欲しかった景品が取れたらしい。初めて射的で景品が取れたと大喜びしていた。
「次は、ナマエの番ですね。」
ニコニコと昴が射的のコルク弾と銃を渡してきた。
「私あの緋色の捜査官のアクリルスタンドが欲しい!…というかなんであれがここに…。結構なレア物なんだけど。」
「特別に仕入れておきました。」
「……。」
多分優作さんのコネクションで手に入れたんだろうな…。優作さん、申し訳ない…。
「ナマエお姉さんも昴のお兄さんに撃ち方教えてもらいなよ!教え方すっごく上手なんだよ!」
「そうですよ!ね、元太君!」
「おう!絶対教わった方がいいぜ!」
「そ、そう…?」
「それでは教えて差し上げますね?」
後ろから抱きしめるように腕を回され、
銃を持つ手にそっと添えられた。
身体がぐっと密着する。
ずっと外にいた為なのか昴の体温はいつもより随分高く感じた。
「構え方、上手ですよ。そのまま、肩を落として…。」
耳元で優しく囁く昴の声につい集中が出来ずにいた。
髪をあげているため、うなじに直接吐息がかかる。
「こら、集中しなさい。」
いや、集中出来ないです!!!
なんでそんな色気たっぷりに耳元で喋るんですかッ!
思わず言いたくなったが子供達の手前、射的に集中した。
「このまま狙って…。」
若干変な気持ちになりそうになりながらも欲しかった景品を撃ち落とす事に成功した。
「素晴らしいですね。」
「わぁー!すごーい!上手!」
「あ、ありがとう。」
私絶対、今顔ひきつってたな。
「後は自分で出来ますよね。」
そう言うと何事も無かったような顔で離れていった。
その澄ました顔が少し憎らしい。
その後1発はよく分からないうさぎのキーホルダーを取り、もう一発はわざと外した。うさぎのキーホルダーは歩美ちゃんにあげることにした。
「ありがとう!大事にするね!」
キーホルダーをギュッと握りしめている姿が可愛い。
私もアクリルスタンドを大切にカバンの奥底にしまった。
さーて、食べ物でも何か買おうかな…。
昴にも何か買っておこうかな。
そう思って声をかけようとした時、柄が悪そうな男3人組が近付いてきた。
「なー、兄ちゃん。これ景品土台とくっついてないよな?」
「えぇ、くっついてはいませんが。
ほら、そこの子供達景品取っているでしょう?」
「じゃあやってみっか。ほら、500円。」
「ありがとうございます。弾をどうぞ。」
何かあっても子供達に被害がないよう少し離れた所に居させ、庇えるように目の前に立った。
阿笠博士も不安そうに眺める。
「んッだよクソが!全然当たんねぇじゃねぇか!」
イラついて射的の銃がある台を蹴飛ばした。
即座に昴が机を掴んだため少しズレた位だった。
「やめていただけますか?警察呼びますよ。」
「あ゛ぁ?!呼んでみろよ!俺らも射的が当たんねーって訴えてやるよ!」
「そちらが下手なだけでしょう?見ていてください。」
昴がコルク弾を手に3つ握るとすごい速さで撃ち、一番上の大きい商品を3つ共後ろに落とした。
「ほら…簡単でしょう?」
銃を持ったままの昴の威圧感に気圧されて、舌打ちをしながら男達は去っていった。他の店でも同様に荒らしをするかもしれない。お祭りの警備をする警察官が数名いたはずだから、後で声をかけておこう。
「昴のお兄さんカッコイイ!」
歩美ちゃんが声を輝かせて昴の元にかけて行った。
光彦君と元太君も同じように昴の元へ走った。
「ありがとうございます。でも大した事ではありませんよ。」
「去年も景品取ってたもんね!昴のお兄さん本当に射的得意なんだね!」
「えぇ、まぁ…特技なんです。」
少し苦笑いをしながら少しズレた机を元に戻した。
「昴、何か買っておいて欲しいものある?食べ物とか。」
「いえ、ポアロの商品を賄いとしてもらう予定になっているので大丈夫です。」
その後私の耳もとに近づくと"煙草が吸えないのが辛い"とボヤいたので思わず笑ってしまった。
昴と別れて子供達と食べ物を買いに行った。
相変わらず元太君はすごい量を買って食べている。
見ているだけでお腹がいっぱいになりそう。
私は焼きそばとチョコバナナだけでいいかな。
食べ終えて、ヨーヨーすくいや輪投げ等楽しんだ。
他にも射的の店があるんだなーと眺めているとさっきの柄の悪い男達がまたいた。
同じようにまた絡んでいるのを見て思わず後ろから一人の男の首元を掴んで引っ張った。
「あなた達、また店員に絡んでいるんですか?」
「なんだよ、さっき射的にいた姉ちゃんじゃねぇか。手ぇ離せよ!」
手を離して二・三歩後ろに下がり子供達が離れた所にいるか確認をした。大丈夫だ。阿笠博士が連れて行ってくれている。
博士はキョロキョロと見回しているので恐らく警備員を探しているんだろう。
「お前、さっきの射的のにーちゃんの女か?」
「そうですが。」
「やっぱりな。知り合いだから景品を取らせて貰ってたんだろ。そうじゃねぇかと思ってたんだよ!」
「違います。撃ち方を教わった事は確かですが自分達で一応取りましたよ。子供達も。」
「それが不公平って言ってんの!」
でかい声で威圧するように騒いでいる。
「なぁねぇちゃん、この店の射的で俺らが勝ったら一緒にお祭り回ろうぜ〜。その後いい所連れてってやるよ。」ゲスい笑い方をする男達に反吐が出そうだ。
「いいですよ。」わざとらしい笑みを浮かべて店員にお金を払い弾を受け取った。
子供達が不安そうにこっちを見ている。
安心させるために笑顔で手を振って弾をこめた。
残りの弾も手に握るとさっきの昴と同じように三発とも瞬時に撃つ。
狙い通り中くらいの景品を三つ撃ち落とした。
「おめでとうございます!」
店員の思わず出てしまったであろう明るい声が男達の怒りに火をつけたようだ。
「てめぇまでバカにしやがって!」
1人の男がカッとなって殴りかかってきたので銃の柄をみぞおちにいれた。
上手く息が出来なくなったようで口を金魚のようにパクパクしながら地べたに転がり悶絶していた。
他2人も同じように襲いかかってきたので首に手刀をいれる振りをして魔法で気絶させた。
首に手刀、というのは結構危険な技だ。
下手すると首を折って殺しかねない。
何かの犯人というほどではないのでこんな所で怪我をさせる訳にはいかない…。
その時丁度警備をしていた警察官が来て三人とも連れていかれた。博士が呼んでくれたらしい。
射的のお店の人からはお礼に景品をさらに三つ貰えることになった。
子供達は遠慮がちだったが店主に促され欲しいものを1つずつゲットしたようだ。
「ありがとうおじさん、ナマエお姉さんも!」
「姉ちゃん強ぇんだな!射的もすげぇ上手かったし!」
「さっきの、まるで昴さんみたいでしたよね!」
「ありがとう!前にも撃ち方を教わった事あったからね。」まぁ本物で、だけど。
「ナマエお姉さんって格闘技されていたんですか?」
「あー…うん、截拳道をちょっと。」
私と昴の正体を知っている阿笠博士が後ろで苦笑していた。
「そろそろ帰ろうかの?もうかなり暗くなってきた事だし。」
博士が声をかけると子供達はしぶしぶ了承した。
「ナマエ君はどうするんじゃ?」
「私は昴と合流するから大丈夫。
皆またね!とっても楽しかったよ!」
走り去るビートルの後ろ姿を眺めた。
いつまでも手を振ろうとしてくれる子供達が可愛らしい。
あーあ、もう来年からは一緒にこうして子供達とお祭りに来れないな。少し残念。
お祭りの景品とはいえお土産を沢山渡せたのは幸い。
きっと昴も同じ気持ちだったから仮面ヤイバーのグッズを多めに仕入れたんだろう。
来年の夏はアメリカで何をしているのかなー。
片付けをしている昴の元へ行くと思いの外景品ははけたようだ。
「子供達にだけ撃ち方を教えたんです。…内緒ですよ。」人差し指を口元に当ててニヤリと笑った。
片付けはだいぶ終わっていたので大して手伝う事もなかった。
ポアロの屋台の方へ行くとこちらも丁度片付けを終えた所だった。
「梓ちゃんお疲れ様!」
「ナマエちゃん来てたのね!
昴さんもお疲れ様でした!どうでした?」
「景品はほとんど無くなりました。」
「そうでしたか!こちらもほとんど売り切れました。昨日言ったように屋台自体は商店街の皆さんが後で撤去して下さるみたいなのでそのままで大丈夫です。」
「はい。…梓さんももう帰られますか?良ければ送っていきますが。」
「あっ、いえ。この後約束があるので。」
少し照れたような、はにかんだ笑顔を見て恐らく風見と会うのだろうと察した。
「風見さんとはどうですか?」
思わず聞くと少し顔を赤らめて"実は先月から付き合う事になって"、と答えてくれた。
風見になら梓さんを安心して任せられる。
いつか、彼の上司が"安室透"だと知ったら驚くだろうな。
商店街の各店が屋台を出すのも魅力の1つだ。
ポアロは屋台の数を増やすために2つ出店するらしい。
1つはポアロの料理を提供するお店。
もう1つは主に子供向けに射的をやるらしい。
しかも、なんとその店員は昴が担当。
初めて聞いた時は想像したら面白すぎてしばらく笑いが止まらなかった。
今日は待ちに待ったその夏祭りがあるので、阿笠博士と少年探偵団の子供達と一緒に行く事にした。
会場は思いの外沢山食べ物のお店が多くて誘惑が多いけど、まずは最初に昴を探す事にした。
歩いていると奥側の方に店があった。
人より頭が飛び抜けている昴を見つける事は容易い。
「昴!」
「「こんにちは!」」
「昴の兄ちゃん!久しぶりだな!」
「皆さん来てくださったんですね!良かったらやっていきませんか?射的。」
「歩美やりたーい!」
「僕も!あっ、仮面ヤイバーのフィギュアがありますよ!」「おおっ!俺もやりてー!」
阿笠博士が支払いをして子供達にやらせていた。
私は少し遠目から眺める。
「ナマエはしないんですか?」
「子供達が終わったらやろうかな。」
その言葉を聞くと昴は子供達に手取り足取り撃ち方を教えた。
「そう、構え方上手いですよ。光彦君、もっと肩を落として、リラックスしましょう。元太君、今よりもう少し上を狙うと良いですよ。」
指導のおかげか子供達は欲しかった景品が取れたらしい。初めて射的で景品が取れたと大喜びしていた。
「次は、ナマエの番ですね。」
ニコニコと昴が射的のコルク弾と銃を渡してきた。
「私あの緋色の捜査官のアクリルスタンドが欲しい!…というかなんであれがここに…。結構なレア物なんだけど。」
「特別に仕入れておきました。」
「……。」
多分優作さんのコネクションで手に入れたんだろうな…。優作さん、申し訳ない…。
「ナマエお姉さんも昴のお兄さんに撃ち方教えてもらいなよ!教え方すっごく上手なんだよ!」
「そうですよ!ね、元太君!」
「おう!絶対教わった方がいいぜ!」
「そ、そう…?」
「それでは教えて差し上げますね?」
後ろから抱きしめるように腕を回され、
銃を持つ手にそっと添えられた。
身体がぐっと密着する。
ずっと外にいた為なのか昴の体温はいつもより随分高く感じた。
「構え方、上手ですよ。そのまま、肩を落として…。」
耳元で優しく囁く昴の声につい集中が出来ずにいた。
髪をあげているため、うなじに直接吐息がかかる。
「こら、集中しなさい。」
いや、集中出来ないです!!!
なんでそんな色気たっぷりに耳元で喋るんですかッ!
思わず言いたくなったが子供達の手前、射的に集中した。
「このまま狙って…。」
若干変な気持ちになりそうになりながらも欲しかった景品を撃ち落とす事に成功した。
「素晴らしいですね。」
「わぁー!すごーい!上手!」
「あ、ありがとう。」
私絶対、今顔ひきつってたな。
「後は自分で出来ますよね。」
そう言うと何事も無かったような顔で離れていった。
その澄ました顔が少し憎らしい。
その後1発はよく分からないうさぎのキーホルダーを取り、もう一発はわざと外した。うさぎのキーホルダーは歩美ちゃんにあげることにした。
「ありがとう!大事にするね!」
キーホルダーをギュッと握りしめている姿が可愛い。
私もアクリルスタンドを大切にカバンの奥底にしまった。
さーて、食べ物でも何か買おうかな…。
昴にも何か買っておこうかな。
そう思って声をかけようとした時、柄が悪そうな男3人組が近付いてきた。
「なー、兄ちゃん。これ景品土台とくっついてないよな?」
「えぇ、くっついてはいませんが。
ほら、そこの子供達景品取っているでしょう?」
「じゃあやってみっか。ほら、500円。」
「ありがとうございます。弾をどうぞ。」
何かあっても子供達に被害がないよう少し離れた所に居させ、庇えるように目の前に立った。
阿笠博士も不安そうに眺める。
「んッだよクソが!全然当たんねぇじゃねぇか!」
イラついて射的の銃がある台を蹴飛ばした。
即座に昴が机を掴んだため少しズレた位だった。
「やめていただけますか?警察呼びますよ。」
「あ゛ぁ?!呼んでみろよ!俺らも射的が当たんねーって訴えてやるよ!」
「そちらが下手なだけでしょう?見ていてください。」
昴がコルク弾を手に3つ握るとすごい速さで撃ち、一番上の大きい商品を3つ共後ろに落とした。
「ほら…簡単でしょう?」
銃を持ったままの昴の威圧感に気圧されて、舌打ちをしながら男達は去っていった。他の店でも同様に荒らしをするかもしれない。お祭りの警備をする警察官が数名いたはずだから、後で声をかけておこう。
「昴のお兄さんカッコイイ!」
歩美ちゃんが声を輝かせて昴の元にかけて行った。
光彦君と元太君も同じように昴の元へ走った。
「ありがとうございます。でも大した事ではありませんよ。」
「去年も景品取ってたもんね!昴のお兄さん本当に射的得意なんだね!」
「えぇ、まぁ…特技なんです。」
少し苦笑いをしながら少しズレた机を元に戻した。
「昴、何か買っておいて欲しいものある?食べ物とか。」
「いえ、ポアロの商品を賄いとしてもらう予定になっているので大丈夫です。」
その後私の耳もとに近づくと"煙草が吸えないのが辛い"とボヤいたので思わず笑ってしまった。
昴と別れて子供達と食べ物を買いに行った。
相変わらず元太君はすごい量を買って食べている。
見ているだけでお腹がいっぱいになりそう。
私は焼きそばとチョコバナナだけでいいかな。
食べ終えて、ヨーヨーすくいや輪投げ等楽しんだ。
他にも射的の店があるんだなーと眺めているとさっきの柄の悪い男達がまたいた。
同じようにまた絡んでいるのを見て思わず後ろから一人の男の首元を掴んで引っ張った。
「あなた達、また店員に絡んでいるんですか?」
「なんだよ、さっき射的にいた姉ちゃんじゃねぇか。手ぇ離せよ!」
手を離して二・三歩後ろに下がり子供達が離れた所にいるか確認をした。大丈夫だ。阿笠博士が連れて行ってくれている。
博士はキョロキョロと見回しているので恐らく警備員を探しているんだろう。
「お前、さっきの射的のにーちゃんの女か?」
「そうですが。」
「やっぱりな。知り合いだから景品を取らせて貰ってたんだろ。そうじゃねぇかと思ってたんだよ!」
「違います。撃ち方を教わった事は確かですが自分達で一応取りましたよ。子供達も。」
「それが不公平って言ってんの!」
でかい声で威圧するように騒いでいる。
「なぁねぇちゃん、この店の射的で俺らが勝ったら一緒にお祭り回ろうぜ〜。その後いい所連れてってやるよ。」ゲスい笑い方をする男達に反吐が出そうだ。
「いいですよ。」わざとらしい笑みを浮かべて店員にお金を払い弾を受け取った。
子供達が不安そうにこっちを見ている。
安心させるために笑顔で手を振って弾をこめた。
残りの弾も手に握るとさっきの昴と同じように三発とも瞬時に撃つ。
狙い通り中くらいの景品を三つ撃ち落とした。
「おめでとうございます!」
店員の思わず出てしまったであろう明るい声が男達の怒りに火をつけたようだ。
「てめぇまでバカにしやがって!」
1人の男がカッとなって殴りかかってきたので銃の柄をみぞおちにいれた。
上手く息が出来なくなったようで口を金魚のようにパクパクしながら地べたに転がり悶絶していた。
他2人も同じように襲いかかってきたので首に手刀をいれる振りをして魔法で気絶させた。
首に手刀、というのは結構危険な技だ。
下手すると首を折って殺しかねない。
何かの犯人というほどではないのでこんな所で怪我をさせる訳にはいかない…。
その時丁度警備をしていた警察官が来て三人とも連れていかれた。博士が呼んでくれたらしい。
射的のお店の人からはお礼に景品をさらに三つ貰えることになった。
子供達は遠慮がちだったが店主に促され欲しいものを1つずつゲットしたようだ。
「ありがとうおじさん、ナマエお姉さんも!」
「姉ちゃん強ぇんだな!射的もすげぇ上手かったし!」
「さっきの、まるで昴さんみたいでしたよね!」
「ありがとう!前にも撃ち方を教わった事あったからね。」まぁ本物で、だけど。
「ナマエお姉さんって格闘技されていたんですか?」
「あー…うん、截拳道をちょっと。」
私と昴の正体を知っている阿笠博士が後ろで苦笑していた。
「そろそろ帰ろうかの?もうかなり暗くなってきた事だし。」
博士が声をかけると子供達はしぶしぶ了承した。
「ナマエ君はどうするんじゃ?」
「私は昴と合流するから大丈夫。
皆またね!とっても楽しかったよ!」
走り去るビートルの後ろ姿を眺めた。
いつまでも手を振ろうとしてくれる子供達が可愛らしい。
あーあ、もう来年からは一緒にこうして子供達とお祭りに来れないな。少し残念。
お祭りの景品とはいえお土産を沢山渡せたのは幸い。
きっと昴も同じ気持ちだったから仮面ヤイバーのグッズを多めに仕入れたんだろう。
来年の夏はアメリカで何をしているのかなー。
片付けをしている昴の元へ行くと思いの外景品ははけたようだ。
「子供達にだけ撃ち方を教えたんです。…内緒ですよ。」人差し指を口元に当ててニヤリと笑った。
片付けはだいぶ終わっていたので大して手伝う事もなかった。
ポアロの屋台の方へ行くとこちらも丁度片付けを終えた所だった。
「梓ちゃんお疲れ様!」
「ナマエちゃん来てたのね!
昴さんもお疲れ様でした!どうでした?」
「景品はほとんど無くなりました。」
「そうでしたか!こちらもほとんど売り切れました。昨日言ったように屋台自体は商店街の皆さんが後で撤去して下さるみたいなのでそのままで大丈夫です。」
「はい。…梓さんももう帰られますか?良ければ送っていきますが。」
「あっ、いえ。この後約束があるので。」
少し照れたような、はにかんだ笑顔を見て恐らく風見と会うのだろうと察した。
「風見さんとはどうですか?」
思わず聞くと少し顔を赤らめて"実は先月から付き合う事になって"、と答えてくれた。
風見になら梓さんを安心して任せられる。
いつか、彼の上司が"安室透"だと知ったら驚くだろうな。