第3章〈完結〉
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
行きと同じように帰りも由美タンと話をしながら帰宅した。
「ーって事があってさー。」
「何それ!流石由美タンカッコイイ!あー、是非とも彼女になりたいわー。」
「チュウ吉から乗り換えちゃおうかしら!お兄さーん、ナマエちゃん下さい!」
「絶対に駄目だ。例え"由美タン"であってもな。」
「ダメだってー。」
「お兄さんケチー。」
2人で顔を見合わせながら腹の底から笑った。
時折毒舌だけどしっかりしてて頼もしくて、優しくて愛に溢れた由美タンとの話は本当に楽しすぎて会話が止まらなかった。
こんな良い人を見つけて秀吉君ラッキーだよ、と内心思った。
喧嘩の原因はなんだろう。普通に会話している中で探りを入れても全く分からない。
これはダイレクトに聞くしかないかなー。
夕食を終えて部屋着に着替え、お菓子をつまみながらスーパーで買ったシャンパンを開けた。
ほろ酔いになった時を見計らって直接聞いた。
「ねぇ、由美タン。今回の喧嘩の原因は何?」
「うーん…喧嘩、っていうか…。」
珍しくごにょごにょと言葉を濁らせた。
「何かあったの?」
「アイツ…浮気してるのかも…。」
「浮kモゴッ」
「ちょっと!隣に聞こえちゃうでしょ!
そんな大きい声で言わないで!」
「ごめん。」 塞がれた手を離して謝罪した。
「…前はジャージに無精髭、丸メガネでだっっっさい格好してたのに…。最近身だしなみに気を使いはじめたのよ。髭を生やすこともほとんどないし、穴のあいたジャージは処分してたし。」
「…気を抜いてくれてたのにきちんとしすぎて寂しいって事?」
「ち、違うわよ!そんなんじゃ!」
「仕事終わってすぐに帰ってきてる?」
「地方でなければね…。地方だとしても対局が終わってすぐホテルについたら電話かかってきているけど…。」
「テレビ番組出たり普段から大忙しでしょ?
そんな、浮気なんてする暇ないんじゃない?」
「それは…そうかもしれないけど、合間を縫ってとか?ずっと一緒にいる訳ではないから分からないじゃない。
あーあ、なるべく自分磨きしたりしてちょっとは頑張ってるんだけど。」
「秀吉君に限ってまさか…。ねぇ、由美タンが自分磨き頑張ってるから、秀吉君もちゃんとしなきゃって思って身なりを気にしてるんじゃないの?」
「…。」
「由美タンは、ちゃんとした格好の秀吉君、好き?」
「っ…好きに、決まってるでしょ…!」
「由美タン顔赤い!可愛いー!」
「からかわないでよ!シャンパンのせいよ!」
「秀吉君、イケメンだもんね。」
「い、いつも腑抜けた秀吉が…テレビに出てる時みたいにずっとかっこよくて…なんか急に恥ずかしくなっちゃってさ…。
ってもう私何言ってんだろ!今の、忘れて!」
照れてシャンパンを一気に飲み干すと新しく注ぎ直していた。
「そんなペースで呑んでたら潰れるよ!」
「水も一緒に飲むから大丈夫よ!」
「…だって、秀吉君。」
隣の部屋のドアが開きシュウと秀吉君が部屋に入ってきた。
「由美タン、そんなふうに思っててくれたんだね…!
僕嬉しいよ!」秀吉君が涙ぐんでいる。
「何!盗み聞き!?」
「悪いな、盗聴器をつけさせて貰った。ナマエのイヤリングが盗聴器になっているんだ。」
「ず…ずるい!皆して!」
「ほら、由美タン、ちゃんと話してみなよ。素直に。
私たち向こうに行ってるから。」
ーーー
「由美さんが…いや…由美が結婚してから色々自分磨きしていたのは気付いてたよ。髪型を変えてみたり、メイクもいつもと違う時が増えたし。
昨日だって美容院でトリートメントしてたみたいだし。
それに今日のその口紅、今月の雑誌に載ってた新作でしょ?雑誌のページ、めくった回数が多かった所だもんね。実はアイシャドウも気になってるんでしょ?
今度買いに行こう。」
「アンタ…そんな所まで見てるの…?ちょっと引く。」
「引かれるくらい愛してるって事だよ?僕は他の人なんてどうでも良い。由美さえいてくれれば…。
僕も、由美に負けてられないって思って…。愛想を尽かされたくない、由美の隣に相応しい男になろうと思って努力してたつもりだったんだけど。
逆に不安にさせてたんだね。気付かなくてごめん。」
「っ…。チュウ吉、私といる時は無精髭で丸メガネで穴のあいたジャージを着てるくらいダッッサくしてなさい!アンタただでさえ忙しいんだから、リラックスした格好していなさいよ。ちゃんとしてると、妙に意識しちゃうのよ!アンタ顔が良いんだから。」
「…僕がかっこよくて意識してくれてたの?嬉しいなー。まぁ由美タンにそう言われたら、家にいる間はジャージで過ごすよ。
けど、ベッドの中では…かっこよく居させてね。」
「秀吉、ここでは止めてくれよ。
流石に弟の情事は見たくない。」
「に、兄さん!いたっ!」
慌てて由美タンが秀吉を突き飛ばした。
それでもなお、秀吉君はニコニコしていた。
「良かったね、仲直り出来て。」
「さて、解決した所でお引き取り願おうか。
俺はまだ呑んでいないから車で送ってやろう。」
「兄さん、ありがとう。あ、持ってきたワイン呑んで良いから。またちゃんとお礼するからね!」
「お礼なんか良い。もう喧嘩して家に来なければな。」
「もう大丈夫だよ。ナマエちゃんも協力ありがとう!」
その後シュウは2人を送り届けて帰ってきた。
「おかえりー。」
「ただいま。」
お菓子を貪ってテレビを見ているとするりと腰に手を回された。
「ずっとお預けをくらっていたんだ。いいだろう?」
食べていたポッキーの反対側から齧り付くとキスをされた。
「…甘ったるい。」
「もう!」急なポッキーゲームに思わず照れてシュウの肩を小突いた。
「さて、ソファーが良いか?ベッドが良いか?選ばせてやる。」
選ばせてやると言いつつそのまま押し倒され、見ていたテレビの結末は分からずじまいだった。
「ーって事があってさー。」
「何それ!流石由美タンカッコイイ!あー、是非とも彼女になりたいわー。」
「チュウ吉から乗り換えちゃおうかしら!お兄さーん、ナマエちゃん下さい!」
「絶対に駄目だ。例え"由美タン"であってもな。」
「ダメだってー。」
「お兄さんケチー。」
2人で顔を見合わせながら腹の底から笑った。
時折毒舌だけどしっかりしてて頼もしくて、優しくて愛に溢れた由美タンとの話は本当に楽しすぎて会話が止まらなかった。
こんな良い人を見つけて秀吉君ラッキーだよ、と内心思った。
喧嘩の原因はなんだろう。普通に会話している中で探りを入れても全く分からない。
これはダイレクトに聞くしかないかなー。
夕食を終えて部屋着に着替え、お菓子をつまみながらスーパーで買ったシャンパンを開けた。
ほろ酔いになった時を見計らって直接聞いた。
「ねぇ、由美タン。今回の喧嘩の原因は何?」
「うーん…喧嘩、っていうか…。」
珍しくごにょごにょと言葉を濁らせた。
「何かあったの?」
「アイツ…浮気してるのかも…。」
「浮kモゴッ」
「ちょっと!隣に聞こえちゃうでしょ!
そんな大きい声で言わないで!」
「ごめん。」 塞がれた手を離して謝罪した。
「…前はジャージに無精髭、丸メガネでだっっっさい格好してたのに…。最近身だしなみに気を使いはじめたのよ。髭を生やすこともほとんどないし、穴のあいたジャージは処分してたし。」
「…気を抜いてくれてたのにきちんとしすぎて寂しいって事?」
「ち、違うわよ!そんなんじゃ!」
「仕事終わってすぐに帰ってきてる?」
「地方でなければね…。地方だとしても対局が終わってすぐホテルについたら電話かかってきているけど…。」
「テレビ番組出たり普段から大忙しでしょ?
そんな、浮気なんてする暇ないんじゃない?」
「それは…そうかもしれないけど、合間を縫ってとか?ずっと一緒にいる訳ではないから分からないじゃない。
あーあ、なるべく自分磨きしたりしてちょっとは頑張ってるんだけど。」
「秀吉君に限ってまさか…。ねぇ、由美タンが自分磨き頑張ってるから、秀吉君もちゃんとしなきゃって思って身なりを気にしてるんじゃないの?」
「…。」
「由美タンは、ちゃんとした格好の秀吉君、好き?」
「っ…好きに、決まってるでしょ…!」
「由美タン顔赤い!可愛いー!」
「からかわないでよ!シャンパンのせいよ!」
「秀吉君、イケメンだもんね。」
「い、いつも腑抜けた秀吉が…テレビに出てる時みたいにずっとかっこよくて…なんか急に恥ずかしくなっちゃってさ…。
ってもう私何言ってんだろ!今の、忘れて!」
照れてシャンパンを一気に飲み干すと新しく注ぎ直していた。
「そんなペースで呑んでたら潰れるよ!」
「水も一緒に飲むから大丈夫よ!」
「…だって、秀吉君。」
隣の部屋のドアが開きシュウと秀吉君が部屋に入ってきた。
「由美タン、そんなふうに思っててくれたんだね…!
僕嬉しいよ!」秀吉君が涙ぐんでいる。
「何!盗み聞き!?」
「悪いな、盗聴器をつけさせて貰った。ナマエのイヤリングが盗聴器になっているんだ。」
「ず…ずるい!皆して!」
「ほら、由美タン、ちゃんと話してみなよ。素直に。
私たち向こうに行ってるから。」
ーーー
「由美さんが…いや…由美が結婚してから色々自分磨きしていたのは気付いてたよ。髪型を変えてみたり、メイクもいつもと違う時が増えたし。
昨日だって美容院でトリートメントしてたみたいだし。
それに今日のその口紅、今月の雑誌に載ってた新作でしょ?雑誌のページ、めくった回数が多かった所だもんね。実はアイシャドウも気になってるんでしょ?
今度買いに行こう。」
「アンタ…そんな所まで見てるの…?ちょっと引く。」
「引かれるくらい愛してるって事だよ?僕は他の人なんてどうでも良い。由美さえいてくれれば…。
僕も、由美に負けてられないって思って…。愛想を尽かされたくない、由美の隣に相応しい男になろうと思って努力してたつもりだったんだけど。
逆に不安にさせてたんだね。気付かなくてごめん。」
「っ…。チュウ吉、私といる時は無精髭で丸メガネで穴のあいたジャージを着てるくらいダッッサくしてなさい!アンタただでさえ忙しいんだから、リラックスした格好していなさいよ。ちゃんとしてると、妙に意識しちゃうのよ!アンタ顔が良いんだから。」
「…僕がかっこよくて意識してくれてたの?嬉しいなー。まぁ由美タンにそう言われたら、家にいる間はジャージで過ごすよ。
けど、ベッドの中では…かっこよく居させてね。」
「秀吉、ここでは止めてくれよ。
流石に弟の情事は見たくない。」
「に、兄さん!いたっ!」
慌てて由美タンが秀吉を突き飛ばした。
それでもなお、秀吉君はニコニコしていた。
「良かったね、仲直り出来て。」
「さて、解決した所でお引き取り願おうか。
俺はまだ呑んでいないから車で送ってやろう。」
「兄さん、ありがとう。あ、持ってきたワイン呑んで良いから。またちゃんとお礼するからね!」
「お礼なんか良い。もう喧嘩して家に来なければな。」
「もう大丈夫だよ。ナマエちゃんも協力ありがとう!」
その後シュウは2人を送り届けて帰ってきた。
「おかえりー。」
「ただいま。」
お菓子を貪ってテレビを見ているとするりと腰に手を回された。
「ずっとお預けをくらっていたんだ。いいだろう?」
食べていたポッキーの反対側から齧り付くとキスをされた。
「…甘ったるい。」
「もう!」急なポッキーゲームに思わず照れてシュウの肩を小突いた。
「さて、ソファーが良いか?ベッドが良いか?選ばせてやる。」
選ばせてやると言いつつそのまま押し倒され、見ていたテレビの結末は分からずじまいだった。