第3章〈完結〉
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スマホの目覚ましの音で目が覚めた。
止めようと腕をバタバタさせていたがなかなか止められず、結局シュウが操作してくれた。
「ねっむ…目が開かない。」
うっすらとしか開かない目で前を見ると、頬杖をついて寝転がるシュウと目が合った。
いや、目が合ったというか…見つめられているというか…。
綺麗なグリーンの目が朝日に照らされて輝いていた。
「…ねぇ、近くない?」
顔の距離15cmもないよ。
視界のほとんどがシュウの綺麗な瞳で埋め尽くされていた。
「これだけ近づいても綺麗だしカッコイイし…。」
思わず本音が漏れた。
「寝ぼけてるのか?」
「…上着着てない…。」
視界に肌色が占める割合が多い。
「引っ付いてきたのは君の方だ。
あまりに暑くて上着脱がざるをえなかった。」
「えっ、ごめん!」
「構わないさ。ただ暑いだけで。」
ようやく開いた目でシュウを見ると額がうっすら汗ばんで前髪が少し張り付いていた。
「朝ごはん作るから、シャワー浴びてきたら?」
「あぁ、そうさせてもらう。すぐに出るよ。」
私の頭をくしゃくしゃと撫でると上着を手に風呂場へと入っていった。
起き上がって伸びをしてようやく少し頭が働いた。
部屋着に着替えると4人分の朝食の支度をした。
食パンの上にスライスしたトマト、チーズをのせてトースターで焼いて仕上げにブラックペッパー。
後は目玉焼きとウィンナーかな。
レタスが全員分ないので皆には野菜ジュースを出すことにした。
「早いな、運ぶ以外に手伝う事は無さそうだ。」
「こっちは大丈夫。二人を起こしてもらっても良い?」
「行ってくる。」
部屋に入って数秒後、蘭ちゃんと新一君がバタバタとこちらの部屋に走ってきた。
「ナマエちゃん、朝食までごめんね!しかも何も手伝ってない!」
「悪い。本当にぐっすり寝ちまって…。」
二人とも少し寝癖がついていて今起きましたというのを物語っていた。
「全然大丈夫。大したものじゃないけど顔洗ってきたらゆっくり食べて。」
2人はお礼を言うと遠慮がちに洗面所へと入っていった。
待つ間コーヒーを沸かすことにした。
ちらりと横目で見るとシュウが新聞をひろげて隅々見ていた。
4人分用意された食卓で新聞を読んでいるのがいかにも"日本の父"という雰囲気が出ていてちょっと面白い。
「そうしてると日本の家庭の"お父さん"みたいね。
漫画でよくあるシーンじゃない?」
そう言ってコーヒーを出すと「ありがとう、母さん。」と言ってニヤリと笑った。
子供が出来たらこうやって父さん、母さんと呼び合うのだろうか。なんだか気恥ずかしくなって軽く背中に八つ当たりした。
「「おまたせしました!」」
ちょうど良いタイミングで蘭ちゃん達が来たので2人にもコーヒーを置き椅子に座った。
全員あっという間に完食し蘭ちゃんと一緒に皿洗いをする。
後ろを見るとシュウと新一君は新聞に載っている事件の話を熱心にしているようだった。
「2人は本当に事件になると集中力凄いよね。」
「うん。でも私、そんな真剣な新一がやっぱり好きみたい。事件があって振り回されてもあの顔を見たら何も言えなくなっちゃう。
ナマエちゃん、今回は本当にありがとう。なかなか2人きりだと素直になれなくて…。」
「また何かあったらいつでも連絡して。今回みたいに突撃してくれても大丈夫だから。」
「ありがとう。…二人は、喧嘩する事ある?」
「んー…最近は無いかな。
そもそもあんまり喧嘩する事も無いんだよね…。
何かある前にお互い話し合いをよくするから。
…なーんて言ってるけど、多分シュウが色々我慢したり受け入れてくれてるからだと思う。
私自身しっかりしないとって思うけど…つい甘えちゃうんだよね。」
「え?ナマエちゃんは十分しっかりしてると思うけど?」
「そうでもない…。寝相が悪かったり色々面倒くさがったり、お菓子もよく沢山買っちゃうし。」
思わず蘭ちゃんが吹き出した。
「ごめん、可愛いって思っちゃった。それくらい誰でもあるよ。」
「寝相が悪いのも昨日初めてやんわり言われたし。
もう10年以上一緒にいるのに。」
「昨日言ったこと、気にしていたのか?別に大した事ではないから今まで言ってなかっただけだが…。」
「シュウ!」
急に背後から声がしてびっくりした。
「ジェームズから電話をくれとメールが来たんだが、何か伝える事はあるか?」
「何もないよ。ジェームズによろしく。」
「分かった。電話してくる。」
「赤井さん、私達そろそろ帰ります。お邪魔しました!」
「送ろう。」
「大丈夫です!新一とゆっくり帰るので。」
「そうか。またいつでも来い。」
新一君にも声をかけてからベランダに出ていった。
多分タバコ吸いたいのもあるんだろうな。
「…赤井さんって本当によくナマエちゃんの事、見てるよね。さっきも新一と話をしたり新聞読んでたのに時々ナマエちゃんに視線を向けてたもの。」
「えっ、そう?」
「私もそうだけど…新一の事、無意識に目で追っちゃうの。何してるのかな、何かできる事はあるかなって。一緒にいて我慢する事もあるけど…ううん、我慢じゃないな…新一の好きにさせてあげたいなって思う。」
「蘭ちゃん…。」
きっと蘭ちゃん、後ろにいる新一君に気付いていないんだろうな。新一君が茹でダコみたいに赤くなっている。
「良かったね、新一君!
これだけ愛されてるんだから喧嘩は程々にね!」
「えっ?」蘭ちゃんが強ばった顔で振り返り、聞かれた事が分かると同じように茹でダコみたいに赤くなった。
「そろそろ、帰ります。ありがとうございました。」
「また遊びに来てね。今度はシュウと一緒にホームズ話でもしてあげて。」
「是非。」
新一君と蘭ちゃんがベランダにいるシュウに軽く会釈すると、少し微笑んで軽く手を振り返していた。
玄関を出て一緒にエレベーターを待っている間、新一君が突然口を開いた。
「赤井さんってナマエさんといる時はよく笑うよな。…カッコイイし破壊力が凄い。」
新一君が急に真顔で言うので思わず咳き込んだ。
「ゴホゴホ!えっ?急に何!?」
「うん。最初は正直怖いと思っちゃったけど…多分顔が整いすぎてるからかも。俳優とか見るような感覚。」
「すげぇ分かる!」
「2人して…!」
「私、ナマエちゃんとだから上手くいってるんじゃないかなって思う。赤井さんとナマエちゃんみたいな夫婦、理想だなー。」
「ありがとう…。でも、夫婦ってそれぞれの形があるから新一君と蘭ちゃんらしくいれば良いと思うよ。
あっ、エレベーター来た。じゃあ、またね!」
二人に別れを告げて部屋へと戻った。
シュウは電話が終わっていたらしい。ソファーで新聞の続きを読んでいた。
「ねぇ、シュウ…。」
「ん?」
「他に不満とかない?細かい事でも良いから…。たまに炊飯器洗い忘れてたりとか…。」
シュウが呆れたように笑って溜息をついた。新聞をテーブルに雑に置くと手招きされた。
シュウの隣に座ると両手で頬をムギュっと潰される。
「君は本当に真面目というか、完璧主義過ぎるな。」
「むー。」
「いいか?死ぬまで…いや、死んでからもずっと一緒に居ると決めたんだ。そんな細かい事どうでも良い。こうやって一緒に居られれば何も不満はない。
寝相が悪い所も、甘い物が好きな事も、俺の前では時々だらしなくなる所も全て含めて好ましく思っている。だから気にするな。
逆に俺に直して欲しいところは?」
「…カッコよすぎる所。」
「それは……。」
冗談なのに思ったより動揺された。
「…そのままで良いです!何もないです!」
「一瞬服装をダサくすべきかと思ってしまった。」
「シュウなら何でも着こなせちゃいそう。」
今年度末、イギリスのクリスマスで着るようなめちゃくちゃダサいセーター、"アグリークリスマスセーター"でも着せてみようか。
そう思っていると急に押し倒された。
「昨日は二人がいて出来なかったからな。」
シュウの顔が段々近づいて、唇が触れようとした時インターホンが鳴った。
「忘れ物かな?」慌てて押しのけるとシュウが目に見えてイラついた。
インターホンに返答すると…
「ナマエちゃん!お義兄さん!」
「ナマエちゃん!兄さん!」
「「喧嘩したから今日泊めて!」」
シュウがドアを壊しかねない勢いで開けるといつも以上に低い声で怒った。
「由美さんは良いが秀吉、お前は帰れ。」
「なんで!?兄さーん!酷いよ!僕も入れてよぉ〜!」
「嫌だ。」
シュウを何とかなだめて2人を迎え入れる事になった。
止めようと腕をバタバタさせていたがなかなか止められず、結局シュウが操作してくれた。
「ねっむ…目が開かない。」
うっすらとしか開かない目で前を見ると、頬杖をついて寝転がるシュウと目が合った。
いや、目が合ったというか…見つめられているというか…。
綺麗なグリーンの目が朝日に照らされて輝いていた。
「…ねぇ、近くない?」
顔の距離15cmもないよ。
視界のほとんどがシュウの綺麗な瞳で埋め尽くされていた。
「これだけ近づいても綺麗だしカッコイイし…。」
思わず本音が漏れた。
「寝ぼけてるのか?」
「…上着着てない…。」
視界に肌色が占める割合が多い。
「引っ付いてきたのは君の方だ。
あまりに暑くて上着脱がざるをえなかった。」
「えっ、ごめん!」
「構わないさ。ただ暑いだけで。」
ようやく開いた目でシュウを見ると額がうっすら汗ばんで前髪が少し張り付いていた。
「朝ごはん作るから、シャワー浴びてきたら?」
「あぁ、そうさせてもらう。すぐに出るよ。」
私の頭をくしゃくしゃと撫でると上着を手に風呂場へと入っていった。
起き上がって伸びをしてようやく少し頭が働いた。
部屋着に着替えると4人分の朝食の支度をした。
食パンの上にスライスしたトマト、チーズをのせてトースターで焼いて仕上げにブラックペッパー。
後は目玉焼きとウィンナーかな。
レタスが全員分ないので皆には野菜ジュースを出すことにした。
「早いな、運ぶ以外に手伝う事は無さそうだ。」
「こっちは大丈夫。二人を起こしてもらっても良い?」
「行ってくる。」
部屋に入って数秒後、蘭ちゃんと新一君がバタバタとこちらの部屋に走ってきた。
「ナマエちゃん、朝食までごめんね!しかも何も手伝ってない!」
「悪い。本当にぐっすり寝ちまって…。」
二人とも少し寝癖がついていて今起きましたというのを物語っていた。
「全然大丈夫。大したものじゃないけど顔洗ってきたらゆっくり食べて。」
2人はお礼を言うと遠慮がちに洗面所へと入っていった。
待つ間コーヒーを沸かすことにした。
ちらりと横目で見るとシュウが新聞をひろげて隅々見ていた。
4人分用意された食卓で新聞を読んでいるのがいかにも"日本の父"という雰囲気が出ていてちょっと面白い。
「そうしてると日本の家庭の"お父さん"みたいね。
漫画でよくあるシーンじゃない?」
そう言ってコーヒーを出すと「ありがとう、母さん。」と言ってニヤリと笑った。
子供が出来たらこうやって父さん、母さんと呼び合うのだろうか。なんだか気恥ずかしくなって軽く背中に八つ当たりした。
「「おまたせしました!」」
ちょうど良いタイミングで蘭ちゃん達が来たので2人にもコーヒーを置き椅子に座った。
全員あっという間に完食し蘭ちゃんと一緒に皿洗いをする。
後ろを見るとシュウと新一君は新聞に載っている事件の話を熱心にしているようだった。
「2人は本当に事件になると集中力凄いよね。」
「うん。でも私、そんな真剣な新一がやっぱり好きみたい。事件があって振り回されてもあの顔を見たら何も言えなくなっちゃう。
ナマエちゃん、今回は本当にありがとう。なかなか2人きりだと素直になれなくて…。」
「また何かあったらいつでも連絡して。今回みたいに突撃してくれても大丈夫だから。」
「ありがとう。…二人は、喧嘩する事ある?」
「んー…最近は無いかな。
そもそもあんまり喧嘩する事も無いんだよね…。
何かある前にお互い話し合いをよくするから。
…なーんて言ってるけど、多分シュウが色々我慢したり受け入れてくれてるからだと思う。
私自身しっかりしないとって思うけど…つい甘えちゃうんだよね。」
「え?ナマエちゃんは十分しっかりしてると思うけど?」
「そうでもない…。寝相が悪かったり色々面倒くさがったり、お菓子もよく沢山買っちゃうし。」
思わず蘭ちゃんが吹き出した。
「ごめん、可愛いって思っちゃった。それくらい誰でもあるよ。」
「寝相が悪いのも昨日初めてやんわり言われたし。
もう10年以上一緒にいるのに。」
「昨日言ったこと、気にしていたのか?別に大した事ではないから今まで言ってなかっただけだが…。」
「シュウ!」
急に背後から声がしてびっくりした。
「ジェームズから電話をくれとメールが来たんだが、何か伝える事はあるか?」
「何もないよ。ジェームズによろしく。」
「分かった。電話してくる。」
「赤井さん、私達そろそろ帰ります。お邪魔しました!」
「送ろう。」
「大丈夫です!新一とゆっくり帰るので。」
「そうか。またいつでも来い。」
新一君にも声をかけてからベランダに出ていった。
多分タバコ吸いたいのもあるんだろうな。
「…赤井さんって本当によくナマエちゃんの事、見てるよね。さっきも新一と話をしたり新聞読んでたのに時々ナマエちゃんに視線を向けてたもの。」
「えっ、そう?」
「私もそうだけど…新一の事、無意識に目で追っちゃうの。何してるのかな、何かできる事はあるかなって。一緒にいて我慢する事もあるけど…ううん、我慢じゃないな…新一の好きにさせてあげたいなって思う。」
「蘭ちゃん…。」
きっと蘭ちゃん、後ろにいる新一君に気付いていないんだろうな。新一君が茹でダコみたいに赤くなっている。
「良かったね、新一君!
これだけ愛されてるんだから喧嘩は程々にね!」
「えっ?」蘭ちゃんが強ばった顔で振り返り、聞かれた事が分かると同じように茹でダコみたいに赤くなった。
「そろそろ、帰ります。ありがとうございました。」
「また遊びに来てね。今度はシュウと一緒にホームズ話でもしてあげて。」
「是非。」
新一君と蘭ちゃんがベランダにいるシュウに軽く会釈すると、少し微笑んで軽く手を振り返していた。
玄関を出て一緒にエレベーターを待っている間、新一君が突然口を開いた。
「赤井さんってナマエさんといる時はよく笑うよな。…カッコイイし破壊力が凄い。」
新一君が急に真顔で言うので思わず咳き込んだ。
「ゴホゴホ!えっ?急に何!?」
「うん。最初は正直怖いと思っちゃったけど…多分顔が整いすぎてるからかも。俳優とか見るような感覚。」
「すげぇ分かる!」
「2人して…!」
「私、ナマエちゃんとだから上手くいってるんじゃないかなって思う。赤井さんとナマエちゃんみたいな夫婦、理想だなー。」
「ありがとう…。でも、夫婦ってそれぞれの形があるから新一君と蘭ちゃんらしくいれば良いと思うよ。
あっ、エレベーター来た。じゃあ、またね!」
二人に別れを告げて部屋へと戻った。
シュウは電話が終わっていたらしい。ソファーで新聞の続きを読んでいた。
「ねぇ、シュウ…。」
「ん?」
「他に不満とかない?細かい事でも良いから…。たまに炊飯器洗い忘れてたりとか…。」
シュウが呆れたように笑って溜息をついた。新聞をテーブルに雑に置くと手招きされた。
シュウの隣に座ると両手で頬をムギュっと潰される。
「君は本当に真面目というか、完璧主義過ぎるな。」
「むー。」
「いいか?死ぬまで…いや、死んでからもずっと一緒に居ると決めたんだ。そんな細かい事どうでも良い。こうやって一緒に居られれば何も不満はない。
寝相が悪い所も、甘い物が好きな事も、俺の前では時々だらしなくなる所も全て含めて好ましく思っている。だから気にするな。
逆に俺に直して欲しいところは?」
「…カッコよすぎる所。」
「それは……。」
冗談なのに思ったより動揺された。
「…そのままで良いです!何もないです!」
「一瞬服装をダサくすべきかと思ってしまった。」
「シュウなら何でも着こなせちゃいそう。」
今年度末、イギリスのクリスマスで着るようなめちゃくちゃダサいセーター、"アグリークリスマスセーター"でも着せてみようか。
そう思っていると急に押し倒された。
「昨日は二人がいて出来なかったからな。」
シュウの顔が段々近づいて、唇が触れようとした時インターホンが鳴った。
「忘れ物かな?」慌てて押しのけるとシュウが目に見えてイラついた。
インターホンに返答すると…
「ナマエちゃん!お義兄さん!」
「ナマエちゃん!兄さん!」
「「喧嘩したから今日泊めて!」」
シュウがドアを壊しかねない勢いで開けるといつも以上に低い声で怒った。
「由美さんは良いが秀吉、お前は帰れ。」
「なんで!?兄さーん!酷いよ!僕も入れてよぉ〜!」
「嫌だ。」
シュウを何とかなだめて2人を迎え入れる事になった。