第3章〈完結〉
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夜8時頃。食器を洗い一息ついていると突然通知音が鳴った。
「あれ、蘭ちゃんからLINEだ。」
スマホを操作していると数秒後に今度はシュウのスマホから通知音が鳴った。
「俺はボウヤからだ。」
「…新一くんと喧嘩したからこっちに泊まりたいって〜。」
「ボウヤもこちらに泊まりたいらしい。」
「お互い同じ場所を逃げ道に選ぶのは仲が良いというかなんというか…。」
お互い顔を見合わせて苦笑いした。
「ナマエ、俺は男二人で同じベッドに寝る気は無い。寝るまでに決着をつけさせて俺の部屋で二人とも寝かせる。」
「うーん…頑張るけど無理だったら私は蘭ちゃんと寝る!」
「嫌だ。俺はナマエと寝たい。」
そう言って猫のように首元に擦り寄ってきた。
「んっ、あっ、ちょっ…くすぐったい!」
「そんな声出すな。…抑えられなくなる。」
「やめてよ!今から二人来るのに!」
「はぁー…分かっている。」
"待て"をされた犬のような顔でしぶしぶ離れていった。
しばらくすると2人揃って大きめの手提げを持ち玄関に現れた。
「いらっしゃい。二人とも汗だくだけど大丈夫?」
「ここに来るまでに言い争いをしてたら汗だくになっちまった。」
「そもそもなんで新一までここに来るのよ!」
「オメーこそ!」
「ほら、そこで争ってないで入って。」
「ボウヤは俺の部屋に来い。」
「「お邪魔します…。」」
気まずそうに部屋に入ってきた。
とりあえず蘭ちゃんにお風呂入ってもらお。
【赤井&工藤】
「暑かっただろ。風呂使って良いぞ。」
「赤井さん、すみません。急に来ちゃって。」
「構わんよ。話は後でしっかり聞かせてもらう。
バスタオルはカゴに入れてある。吸水性は悪いかもしれないが新品だ。」
「すみません。使わせてもらいます。」
少しして新一が風呂から出てきた。
タオルで髪をクシャクシャと拭きながらなんとも言えない悲壮感が漂っている。
俺の隣に浅く座るとポツリポツリと話をはじめた。
「最近お互い忙しくて…すれ違っているのは分かっていたんです。
でもデートに行くとしょっちゅう事件に巻き込まれて…。
この間、蘭の父さんの誕生日プレゼントを買いに行ったんですが…また事件に巻き込まれて…。
結局プレゼントを買えなかったんです。
流石に蘭にものすごく怒られて…。
当然ですよね。
でも上手く謝れなくて…。事件の解決の為には仕方がない所もあるし。それが原因で1週間位あんまり会話がなかったんですけど…。」
明らかに動揺した新一にお茶をすすめた。
お茶を一気に飲み干すと意を決したように言った。
「……昨日蘭が……合コンに行ってたのを見ちまって…。」声が震えている。
「それは…見たのはどういった場面だったんだ?」
「居酒屋から友人と男数人が出てきていて…。
蘭のやつ、ニコニコして男と話してて…。」
「なるほど。
…いつも君に向けられていた笑顔が別の男に向けられていて嫉妬したわけか?」
「いや、そんなんじゃ…!
でも彼氏がいるのに合コンって酷くないですか?!」
「そもそも本当に合コンだったのか?」
「直接聞いてないけど…女3、男3で店から出てきたら誰だって…。」
「そんなに嫌ならその場で連れ去れば良かったんじゃないのか?」
「だって喧嘩してたんですよ!そんなこと…。」
「喧嘩していようが君は彼女の彼氏だろう?
そんな事をしていたら他の男に取られるぞ。」
「…。」
「まぁこれは俺の見解だ。
1つの考えだと思ってくれ。
…喧嘩したら、とにかく謝れ。
もちろん色々思う所があるのは分かる。
だが恋人を何かしらの要素で傷付けたり不信感を持たせたことは事実だろう?」
「俺から謝るんですか?」
「君は今回の事、どちらに過失があると思う?」
「自分が7割くらい…。」
「ほら、君の方が悪いときちんと思っている。」
「…分かってるんです。事件につい首を突っ込む所も、デートがきちんと出来てなくて、プレゼントが買えなかった事も。でも…」
「事件だから、解決の為には仕方がないと?」
「…はい。」
「まだ若いからな、そう思う気持ちも分かる。
だが、事件を取って彼女を手放しても後悔しないか?」
「それは…嫌です…。」
「そうだろう?まず事件の捜査をする時、彼女に一言でも何か声をかけてやったか?
デートを台無しにしてすまないと言ったことは?」
「ありません…。赤井さんは、言ってました?」
「昔はボウヤのように恋人に一々声はかけなかった。だが歳をとったのもあって考え方は随分丸くなった。
お互いFBIという職業柄、そういう事は言わないが…。その代わり行きたがっていた店に連れていったり、次に予約する店をグレードアップした。
しかしボウヤはまだ学生の身分。
別に良い店に連れていく必要はないぞ。
ただ、思いやって声をかけてやるだけで随分変わる。」
「そういうもんですかね…。
でもずっと一緒にいたから…言わなくても分かってくれてると思ってたんですけどね。」
「おい。良いか?長く付き合ったからといって彼女の心が離れていかない保証は何処にもないぞ。
恋人と一緒に居られる事は奇跡と思うべきだ。
幼なじみだからといってなんでも知っている、何も努力せずずっと一緒に居てくれると思ったら大間違いだ。何事にも当たり前はない。
結婚後ももちろんそうだ。
まずは隣に居てくれることに感謝すべきだろう。」
「はい…。」
「俺達だって付き合いは長い。
だがお互い死にそうな場面は何度もあった。何度も傷だらけになった。
そうして手に入れた現在がある。
それがきちんと分かっている。当たり前ではないと。
ボウヤ、君もそうだろう?お互い何度も死にそうな場面に遭遇しただろう?」
「そうですね…。蘭が生きてさえ居てくれればって…思った事は何度も…。オレも、新一に戻れてようやくホッとしてるのは事実です。」
「今、何の不安もなく一緒にいる時間が増えて気が緩む気持ちも分かる。
忙しいのも当然で、多少のすれ違いは仕方がない事だ。けど恋人を疎かにするのは関心しないな。」
「疎かになんて…!」
「そもそも何故お互いすれ違いっているのに分かった時点で補正しなかった?」
「っ…。」
「同じ部屋にいても何か一緒にやるとか、一言感謝を伝える事位は出来ただろう?したか?」
「…出来ていませんでした…。
オレの家で一緒にいる時間が増えて…当たり前みたいになってました…。
だから呆れて合コンにも行ったのかも…。」
「ボウヤは猪突猛進タイプだからな。安室君と同じで。
事件の事だけではなく普段の事も、もっと周りを見渡せるようになると良いんじゃないか。
まぁ俺が偉そうに言う事ではないが…。」
「ほんと、そうですよね。」
「恋人をよく観察しろ。きちんと好みを把握しておけ。それを生かすか殺すかは自分次第だ。」
「はい。…オレ、蘭に甘えすぎてました。ずっとコナンの感覚だったのかも知れません…。
きちんと話をしてみます。
合コンの事も。」
「それが良い。今日は2人でこの部屋を使ってくれ。ベッドもリネン類は新しく変えた。」
「何から何まですみません。」
その後2人は無事に仲直りが出来た。
合コンだと思っていたのも違ったらしい。
ただ一緒にいた友人が彼氏とその友人達とたまたま店内で遭遇しただけだったらしく、蘭さんはその友人の彼氏と一言話をしただけのようだ。
「あれ、蘭ちゃんからLINEだ。」
スマホを操作していると数秒後に今度はシュウのスマホから通知音が鳴った。
「俺はボウヤからだ。」
「…新一くんと喧嘩したからこっちに泊まりたいって〜。」
「ボウヤもこちらに泊まりたいらしい。」
「お互い同じ場所を逃げ道に選ぶのは仲が良いというかなんというか…。」
お互い顔を見合わせて苦笑いした。
「ナマエ、俺は男二人で同じベッドに寝る気は無い。寝るまでに決着をつけさせて俺の部屋で二人とも寝かせる。」
「うーん…頑張るけど無理だったら私は蘭ちゃんと寝る!」
「嫌だ。俺はナマエと寝たい。」
そう言って猫のように首元に擦り寄ってきた。
「んっ、あっ、ちょっ…くすぐったい!」
「そんな声出すな。…抑えられなくなる。」
「やめてよ!今から二人来るのに!」
「はぁー…分かっている。」
"待て"をされた犬のような顔でしぶしぶ離れていった。
しばらくすると2人揃って大きめの手提げを持ち玄関に現れた。
「いらっしゃい。二人とも汗だくだけど大丈夫?」
「ここに来るまでに言い争いをしてたら汗だくになっちまった。」
「そもそもなんで新一までここに来るのよ!」
「オメーこそ!」
「ほら、そこで争ってないで入って。」
「ボウヤは俺の部屋に来い。」
「「お邪魔します…。」」
気まずそうに部屋に入ってきた。
とりあえず蘭ちゃんにお風呂入ってもらお。
【赤井&工藤】
「暑かっただろ。風呂使って良いぞ。」
「赤井さん、すみません。急に来ちゃって。」
「構わんよ。話は後でしっかり聞かせてもらう。
バスタオルはカゴに入れてある。吸水性は悪いかもしれないが新品だ。」
「すみません。使わせてもらいます。」
少しして新一が風呂から出てきた。
タオルで髪をクシャクシャと拭きながらなんとも言えない悲壮感が漂っている。
俺の隣に浅く座るとポツリポツリと話をはじめた。
「最近お互い忙しくて…すれ違っているのは分かっていたんです。
でもデートに行くとしょっちゅう事件に巻き込まれて…。
この間、蘭の父さんの誕生日プレゼントを買いに行ったんですが…また事件に巻き込まれて…。
結局プレゼントを買えなかったんです。
流石に蘭にものすごく怒られて…。
当然ですよね。
でも上手く謝れなくて…。事件の解決の為には仕方がない所もあるし。それが原因で1週間位あんまり会話がなかったんですけど…。」
明らかに動揺した新一にお茶をすすめた。
お茶を一気に飲み干すと意を決したように言った。
「……昨日蘭が……合コンに行ってたのを見ちまって…。」声が震えている。
「それは…見たのはどういった場面だったんだ?」
「居酒屋から友人と男数人が出てきていて…。
蘭のやつ、ニコニコして男と話してて…。」
「なるほど。
…いつも君に向けられていた笑顔が別の男に向けられていて嫉妬したわけか?」
「いや、そんなんじゃ…!
でも彼氏がいるのに合コンって酷くないですか?!」
「そもそも本当に合コンだったのか?」
「直接聞いてないけど…女3、男3で店から出てきたら誰だって…。」
「そんなに嫌ならその場で連れ去れば良かったんじゃないのか?」
「だって喧嘩してたんですよ!そんなこと…。」
「喧嘩していようが君は彼女の彼氏だろう?
そんな事をしていたら他の男に取られるぞ。」
「…。」
「まぁこれは俺の見解だ。
1つの考えだと思ってくれ。
…喧嘩したら、とにかく謝れ。
もちろん色々思う所があるのは分かる。
だが恋人を何かしらの要素で傷付けたり不信感を持たせたことは事実だろう?」
「俺から謝るんですか?」
「君は今回の事、どちらに過失があると思う?」
「自分が7割くらい…。」
「ほら、君の方が悪いときちんと思っている。」
「…分かってるんです。事件につい首を突っ込む所も、デートがきちんと出来てなくて、プレゼントが買えなかった事も。でも…」
「事件だから、解決の為には仕方がないと?」
「…はい。」
「まだ若いからな、そう思う気持ちも分かる。
だが、事件を取って彼女を手放しても後悔しないか?」
「それは…嫌です…。」
「そうだろう?まず事件の捜査をする時、彼女に一言でも何か声をかけてやったか?
デートを台無しにしてすまないと言ったことは?」
「ありません…。赤井さんは、言ってました?」
「昔はボウヤのように恋人に一々声はかけなかった。だが歳をとったのもあって考え方は随分丸くなった。
お互いFBIという職業柄、そういう事は言わないが…。その代わり行きたがっていた店に連れていったり、次に予約する店をグレードアップした。
しかしボウヤはまだ学生の身分。
別に良い店に連れていく必要はないぞ。
ただ、思いやって声をかけてやるだけで随分変わる。」
「そういうもんですかね…。
でもずっと一緒にいたから…言わなくても分かってくれてると思ってたんですけどね。」
「おい。良いか?長く付き合ったからといって彼女の心が離れていかない保証は何処にもないぞ。
恋人と一緒に居られる事は奇跡と思うべきだ。
幼なじみだからといってなんでも知っている、何も努力せずずっと一緒に居てくれると思ったら大間違いだ。何事にも当たり前はない。
結婚後ももちろんそうだ。
まずは隣に居てくれることに感謝すべきだろう。」
「はい…。」
「俺達だって付き合いは長い。
だがお互い死にそうな場面は何度もあった。何度も傷だらけになった。
そうして手に入れた現在がある。
それがきちんと分かっている。当たり前ではないと。
ボウヤ、君もそうだろう?お互い何度も死にそうな場面に遭遇しただろう?」
「そうですね…。蘭が生きてさえ居てくれればって…思った事は何度も…。オレも、新一に戻れてようやくホッとしてるのは事実です。」
「今、何の不安もなく一緒にいる時間が増えて気が緩む気持ちも分かる。
忙しいのも当然で、多少のすれ違いは仕方がない事だ。けど恋人を疎かにするのは関心しないな。」
「疎かになんて…!」
「そもそも何故お互いすれ違いっているのに分かった時点で補正しなかった?」
「っ…。」
「同じ部屋にいても何か一緒にやるとか、一言感謝を伝える事位は出来ただろう?したか?」
「…出来ていませんでした…。
オレの家で一緒にいる時間が増えて…当たり前みたいになってました…。
だから呆れて合コンにも行ったのかも…。」
「ボウヤは猪突猛進タイプだからな。安室君と同じで。
事件の事だけではなく普段の事も、もっと周りを見渡せるようになると良いんじゃないか。
まぁ俺が偉そうに言う事ではないが…。」
「ほんと、そうですよね。」
「恋人をよく観察しろ。きちんと好みを把握しておけ。それを生かすか殺すかは自分次第だ。」
「はい。…オレ、蘭に甘えすぎてました。ずっとコナンの感覚だったのかも知れません…。
きちんと話をしてみます。
合コンの事も。」
「それが良い。今日は2人でこの部屋を使ってくれ。ベッドもリネン類は新しく変えた。」
「何から何まですみません。」
その後2人は無事に仲直りが出来た。
合コンだと思っていたのも違ったらしい。
ただ一緒にいた友人が彼氏とその友人達とたまたま店内で遭遇しただけだったらしく、蘭さんはその友人の彼氏と一言話をしただけのようだ。