第3章〈完結〉
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車を走らせ廃ビルに到着した。
ビルのドアを開けて1歩踏み出した瞬間、足に何かが引っかかった。
マズいと思い急いで身体を引くと目の前をナイフが横切った。
髪の毛が数本持っていかれた。
「トラップとは…随分用意周到だ。」
拳銃を構えてトラップにかからないよう慎重に進んだ。
1階は特にこれといって何も無い。
随分と建物内は広かった。
阿笠博士発明のバッジのGPSは反応してはいるがずっと電波は弱かった。
もしかしたら地下かもしれない。
ゆっくり階段を降りた。
階段の途中に防犯カメラが仕掛けてある。
やはり地下にいるのか。
カメラの死角はなさそうだ。
トラップに気をつけながら、一気に駆け下りた。
地下一階は恐らく駐車場だ。
その一角にオモチャやお菓子のダンボール、恐らくアニメのDVDが業者かのように天井まで積み上げられていた。
しかし誰もいない。
更に地下2階まで降りた。
子供達の声が微かに聞こえる。
部屋に突入しようとした瞬間、背後からカチリという音が聞こえた。拳銃か。
「おや、ネズミが入ってきてしまった。どこのネズミちゃんかな?」
相手の足音が1歩…2歩とゆっくり近づく。
相手が更に進もうとした瞬間を見計らって急いでドアを開けて部屋の中に身体を滑り込ませた。
そのまますぐに身体を低くさせるとドアの窓が割れて頭上からガラス片が頭に降り注いだ。
ガラス片を払いながらドアから離れて部屋の真ん中に立ち、目を開いてドアの方向に銃を構えた。
「昴!」
「ナマエ、怪我はないか?」
「大丈夫…。」
ドアが凄い勢いで開く。
「警察か?…いや、その目…見た事があるな。
もしかして…赤井秀一か?」
昴が驚いて目を見開いた瞬間銃声が響いた。
「グウッ!」
「昴!」
昴の左肩が撃ち抜かれた。その弾みで拳銃が手元から大きく離れた。
「その反応、やはりそうか。お前は確かレフティーだったな。その左肩で正確に俺を撃てるかな?」
犯人が心底楽しそうに笑った。
「お前は…!」
「俺の事を覚えていたか?そりゃあ忘れられてたら悲しいよ。何せ元々お前の教育係だったからな。
FBIに入った当初は可愛かったが随分しっかりした顔つきになったな?」
「なんでこんな事を…他の国でも誘拐していたのはお前か?」
「そんな所まで知られてるのか。まいったな。
最初はな、FBIとして責務を全うしていた。
だけどある時、犯人を1発で仕留める事が出来ずにな…ちょっと急所を外して撃ったら犯人がそれはもうもがき苦しんで死んだ。
それが思った以上に快感だったんだよ。
それで気付いた…
"俺は人を殺す側の人間だった"って事を。
それからは自衛隊に入って医療を学んだよ。
人体の構造を勉強して、どうしたら1発で殺さずに苦しんで死なせられるか研究した。
その後、どうせなら人生最高の環境で相手が楽しんでいる所を無惨に殺す方がより良いんじゃないかと気付いちまった。
しかし大人はそう簡単に絆されない。だから子供を狙った。案の定1年もかけて育てた10人もの子供を手にかける時は…楽しかったなああぁ!」
「クソだな。完全にサイコパス野郎だ。」
「そうだよ。」
笑顔のまま犯人はノーモーションでまた発砲した。
今度は昴に当たらなかったが弾を避けた瞬間、犯人の拳が懐に入った。
しかしなんとか倒れず昴も截拳道で反撃を始めた。
初めは互角だったが撃たれた部分からボタボタと出血して昴がふらつき始めた。
服と床が徐々に血で染まる。
まずい。このままだと出血性ショックを起こしてしまう。
しかし奥には子供達がいる。
不用意に手を出しては子供達を巻き込みかねないので魔法は使えないし、使ったとしても見られる訳にもいかなかった。
昴の手から大きく離れた拳銃をこっそり魔法でたぐり寄せた。
あと少しと言うところで昴の身体が地面に叩きつけられた。
「そのカツラはなんだ?変装のつもりか?」
ウィッグとメガネを外され首のチョーカー型変声機も引きちぎられた。
「これで声を変えられるのか、便利な世の中になったものだ。
なぁ?赤井秀一?」
肩をグリグリと足で踏みつけられて完全に赤井秀一の姿になったシュウが悶絶した。
少しすると出血と痛みで完全に意識がなくなった。
もう床が血の海だ。
私の魔力もありすぐに死ぬ事はないだろうが、このまま放置しては流石に危険だ。
拳銃に手が届いた瞬間、子供たちに
「目をつぶって耳を塞ぎなさい!」と叫ぶと犯人は驚いてこちらを見た。
その瞬間犯人の鼻先、つまり脳幹を狙って撃った。
部屋に銃声が木霊した。
しかも二つの。
気付いたら犯人は倒れたものの、腹部に強烈な痛みが走った。
痛みで冷や汗が出た。
自分の腹部を見ると血が溢れていた。
あぁ…撃たれたな…。
手錠がかかって天井からぶら下がったままの現状、手を腹部に持っていく事ができない。つまりは自分の腹部を治療するのは無理だった。
意識が少しずつぼんやりする…
と思っていたら歩美ちゃんと光彦君が犯人の腰から外した鍵を使って檻の鍵を開け、手錠の鎖をどこから見付けたのか斧を使って叩き切ろうとしていた。
「2人とも…犯人…みちゃ…だめ…。」
「大丈夫です、僕達少年探偵団ですから、少し位死体は見慣れています。」
2人で振りかぶってなんとか片手の鎖がちぎれた。
その片手で腹部を素早く治療した。
「その人をここに引っ張ってきて!」
シュウを指さすと、歩美ちゃんと光彦君はなんとか腕を掴んで引っ張ろうとしてくれた。
しかし昴は重いので小柄な子供2人ではほとんど動かない。私ももう、あまり意識が持ちそうにない。
既に結構な出血をしている。
大人は全血液量の約20%以上が短時間で失われると出血性ショックとなり、さらに30%以上の出血で生命の危険がある。
しかし子どもは、血液量が体重の約19分の1と少なく、少ない出血量でもショックを起こす。
子供の身体は不便だ…。
朦朧としていると昴を引きずる音が聞こえた。
なんとか頭を上げると子供達全員でシュウを運んでいた。
引きずられた後の床はシュウの血で線が描かれている。
なんとか手を伸ばしてシュウの肩に触れて傷を塞いだものの、限界が来て意識を手放した。
ビルのドアを開けて1歩踏み出した瞬間、足に何かが引っかかった。
マズいと思い急いで身体を引くと目の前をナイフが横切った。
髪の毛が数本持っていかれた。
「トラップとは…随分用意周到だ。」
拳銃を構えてトラップにかからないよう慎重に進んだ。
1階は特にこれといって何も無い。
随分と建物内は広かった。
阿笠博士発明のバッジのGPSは反応してはいるがずっと電波は弱かった。
もしかしたら地下かもしれない。
ゆっくり階段を降りた。
階段の途中に防犯カメラが仕掛けてある。
やはり地下にいるのか。
カメラの死角はなさそうだ。
トラップに気をつけながら、一気に駆け下りた。
地下一階は恐らく駐車場だ。
その一角にオモチャやお菓子のダンボール、恐らくアニメのDVDが業者かのように天井まで積み上げられていた。
しかし誰もいない。
更に地下2階まで降りた。
子供達の声が微かに聞こえる。
部屋に突入しようとした瞬間、背後からカチリという音が聞こえた。拳銃か。
「おや、ネズミが入ってきてしまった。どこのネズミちゃんかな?」
相手の足音が1歩…2歩とゆっくり近づく。
相手が更に進もうとした瞬間を見計らって急いでドアを開けて部屋の中に身体を滑り込ませた。
そのまますぐに身体を低くさせるとドアの窓が割れて頭上からガラス片が頭に降り注いだ。
ガラス片を払いながらドアから離れて部屋の真ん中に立ち、目を開いてドアの方向に銃を構えた。
「昴!」
「ナマエ、怪我はないか?」
「大丈夫…。」
ドアが凄い勢いで開く。
「警察か?…いや、その目…見た事があるな。
もしかして…赤井秀一か?」
昴が驚いて目を見開いた瞬間銃声が響いた。
「グウッ!」
「昴!」
昴の左肩が撃ち抜かれた。その弾みで拳銃が手元から大きく離れた。
「その反応、やはりそうか。お前は確かレフティーだったな。その左肩で正確に俺を撃てるかな?」
犯人が心底楽しそうに笑った。
「お前は…!」
「俺の事を覚えていたか?そりゃあ忘れられてたら悲しいよ。何せ元々お前の教育係だったからな。
FBIに入った当初は可愛かったが随分しっかりした顔つきになったな?」
「なんでこんな事を…他の国でも誘拐していたのはお前か?」
「そんな所まで知られてるのか。まいったな。
最初はな、FBIとして責務を全うしていた。
だけどある時、犯人を1発で仕留める事が出来ずにな…ちょっと急所を外して撃ったら犯人がそれはもうもがき苦しんで死んだ。
それが思った以上に快感だったんだよ。
それで気付いた…
"俺は人を殺す側の人間だった"って事を。
それからは自衛隊に入って医療を学んだよ。
人体の構造を勉強して、どうしたら1発で殺さずに苦しんで死なせられるか研究した。
その後、どうせなら人生最高の環境で相手が楽しんでいる所を無惨に殺す方がより良いんじゃないかと気付いちまった。
しかし大人はそう簡単に絆されない。だから子供を狙った。案の定1年もかけて育てた10人もの子供を手にかける時は…楽しかったなああぁ!」
「クソだな。完全にサイコパス野郎だ。」
「そうだよ。」
笑顔のまま犯人はノーモーションでまた発砲した。
今度は昴に当たらなかったが弾を避けた瞬間、犯人の拳が懐に入った。
しかしなんとか倒れず昴も截拳道で反撃を始めた。
初めは互角だったが撃たれた部分からボタボタと出血して昴がふらつき始めた。
服と床が徐々に血で染まる。
まずい。このままだと出血性ショックを起こしてしまう。
しかし奥には子供達がいる。
不用意に手を出しては子供達を巻き込みかねないので魔法は使えないし、使ったとしても見られる訳にもいかなかった。
昴の手から大きく離れた拳銃をこっそり魔法でたぐり寄せた。
あと少しと言うところで昴の身体が地面に叩きつけられた。
「そのカツラはなんだ?変装のつもりか?」
ウィッグとメガネを外され首のチョーカー型変声機も引きちぎられた。
「これで声を変えられるのか、便利な世の中になったものだ。
なぁ?赤井秀一?」
肩をグリグリと足で踏みつけられて完全に赤井秀一の姿になったシュウが悶絶した。
少しすると出血と痛みで完全に意識がなくなった。
もう床が血の海だ。
私の魔力もありすぐに死ぬ事はないだろうが、このまま放置しては流石に危険だ。
拳銃に手が届いた瞬間、子供たちに
「目をつぶって耳を塞ぎなさい!」と叫ぶと犯人は驚いてこちらを見た。
その瞬間犯人の鼻先、つまり脳幹を狙って撃った。
部屋に銃声が木霊した。
しかも二つの。
気付いたら犯人は倒れたものの、腹部に強烈な痛みが走った。
痛みで冷や汗が出た。
自分の腹部を見ると血が溢れていた。
あぁ…撃たれたな…。
手錠がかかって天井からぶら下がったままの現状、手を腹部に持っていく事ができない。つまりは自分の腹部を治療するのは無理だった。
意識が少しずつぼんやりする…
と思っていたら歩美ちゃんと光彦君が犯人の腰から外した鍵を使って檻の鍵を開け、手錠の鎖をどこから見付けたのか斧を使って叩き切ろうとしていた。
「2人とも…犯人…みちゃ…だめ…。」
「大丈夫です、僕達少年探偵団ですから、少し位死体は見慣れています。」
2人で振りかぶってなんとか片手の鎖がちぎれた。
その片手で腹部を素早く治療した。
「その人をここに引っ張ってきて!」
シュウを指さすと、歩美ちゃんと光彦君はなんとか腕を掴んで引っ張ろうとしてくれた。
しかし昴は重いので小柄な子供2人ではほとんど動かない。私ももう、あまり意識が持ちそうにない。
既に結構な出血をしている。
大人は全血液量の約20%以上が短時間で失われると出血性ショックとなり、さらに30%以上の出血で生命の危険がある。
しかし子どもは、血液量が体重の約19分の1と少なく、少ない出血量でもショックを起こす。
子供の身体は不便だ…。
朦朧としていると昴を引きずる音が聞こえた。
なんとか頭を上げると子供達全員でシュウを運んでいた。
引きずられた後の床はシュウの血で線が描かれている。
なんとか手を伸ばしてシュウの肩に触れて傷を塞いだものの、限界が来て意識を手放した。