第3章〈完結〉
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帰宅後、一瞬で小学校の宿題を片付けて夕食の支度をした。この歳でこんなことを…。
「それで、今日子供達を早く帰らせたのには他にも理由があるんでしょ?」
「よく分かったな。」隣で人参を切りながらシュウが答えた。
「今朝怪しい人物を見かけた。一見するとただのランニングをしている男だったが小学生を物色しているようにも見えた。」
「そう…。」
「恐らく次の狙いは予想通り帝丹小学校だと思われる。気をつけろよ。」
「了解。…シュウ、それ段々太くなってる。サラダにするんだからもう少し細く切ってね。」
「あっ…すまない。」
次の日
小学校へ向かっていると昨日シュウが怪しいと言っていた男を見かけた。
ちらりと見ると男と目が合った。
男は少し微笑むと走り去った。
「なんか嫌な感じがする男だな…。」
しかしその次の日、更にその次の日もその男を見かけることはなかった。
何事もなく気付いたら1ヶ月は経過していた。
気のせいだったのか?
そう思いながら光彦君、歩美ちゃん、元太くんと帰り道を歩いていた。
この1ヶ月何も無さすぎて完全に油断していたんだと思う。
一瞬で横付けされた車に光彦君、歩美ちゃんと共に突っ込まれ車は発進した。
車に入った瞬間車の中にあったホースからガスが噴出した。運転席とは仕切りがある為あちら側はなんともないらしい。
光彦君と歩美ちゃんは一瞬で意識を失った。
恐らく睡眠作用のあるガスだろう。
ハンカチで口元をおさえながら、ぼんやりする頭で2人の脈をとった。大丈夫、生きてる。
ハンカチで抑えていても限界があった。意識を失う直前に昴に電話をかけることしか出来なかった。
【沖矢視点】
ポアロで接客をしていると電話が鳴った。
慌てて梓さんに代わってもらい電話に出た。
「ナマエ?どうした?」
声をかけるも何も音がしない。いや…微かにエンジン音がする。まさかー
そう思った瞬間元太が店内に駆け込んできた。
「歩美と光彦とナマエが!誘拐されちまった!」相当走ってきたのだろう。涙目で息を切らしている。
その声を聞いた瞬間エプロンを脱ぎ捨て「出てきます!」と叫んで元太と共に駐車場に向かった。
車に急いで乗り込み車を急発進させた。
スキール音が辺りに響く。
「ボウヤ、車は見たか?」
「見た!ナンバーも見たぜ!新宿の8888!」
「色は?」
「黒い車だった。後ろに荷物が積めるような。」
「黒いセダンか。」
ワイヤレスのイヤホンマイクを着けて電話をかけた。
「やぁ、降谷君。緊急配備をして欲しい。
誘拐犯の恐れがある。黒いセダン、新宿の8888。
もしかしたらもう車を乗り換えているかもしれない。
…あぁ、頼んだよ。」
「兄ちゃん、何者…?」
「…さぁ、何者でしょうかね?」
少し走ると目当ての車が見えた。
今の所ナマエのスマホのGPSは作動している。
「ボウヤ、舌を噛むなよ。シートベルトはしているな?…よし…。」
車を加速させて車に追いつく。
「目をつぶって耳を塞いでいてくれないか?」
「分かった。」
懐から出した拳銃で相手の車のタイヤを撃った。
ーはずだった。
「チッ…かわされた。」
もしかしたら、こいつはかなりの手練かもしれない。
厄介だな。
少しすると車は急に曲がって路地に入っていった。
慌てて追いかけたが見失った。
GPSの場所から探るとコインパーキングにさっきの車が止まっていた。
「ここにいてくれ。かがんで頭を下げていてくれないか?」
「大丈夫かよ、兄ちゃん…。」
「心配するな。絶対に助け出すよ。」
少し笑みを浮かべると元太が頷いて頭を下げた。
車から降りて鍵をかけた。
拳銃を片手に車を覗き込んだが中は空だった。
「…逃げられたか。」
スマホまで落ちている。
降谷君に急いでコインパーキングの場所を伝えた。
再度車に乗り込み、既に居なかった事を伝えた。
「マジかよ…。俺が…一番体格良い俺がきちんと守ってやるべきだったのに…。」
「泣かないで下さい。大丈夫です、元太くんが無事で、誘拐を伝えてくれただけで十分ですよ。怖かったのによく頑張りましたね。
犯人から皆を取り返した暁には皆でうな重食べましょうね。」
「うっ…絶対だぞ。約束だからな!」
「勿論ですよ。さ、ポアロに一旦連れて帰りますから親御さんに迎えに来てもらって下さい。」
「兄ちゃんはどうするんだ?」
「皆を取り返しに行きますよ。家で待っていて下さい。」
「…分かった。頼んだぞ!昴の兄ちゃん!
これとこれ、持っていてくれ!」
「これは…少年探偵団のバッジとメガネ?」
「連絡が取れて、メガネがあれば場所も分かるスグレモノなんだぜ!博士の発明品だからな!」
「…では遠慮なくお借りします。車を出しますよ。」
元太をポアロに置いて車を走らせた。
まだ手はある。
元々毎日ナマエに錠剤タイプのGPSを飲ませていた。
…よし、作動している。
GPSを元に追跡した。
しかし突然追跡が出来なくなった。
GPSが恐らく下水道を通り始めた。
「ッ…なんなんだ、この犯人。」
子供に対して胃洗浄か腸洗浄を行ったんだろう。
「まさかここまでとはな。」
GPSが最後に途切れた場所へ行くと公園の公衆トイレだった。
周囲には誰もいない。
こんなに寂れた場所だ、目撃者もいないだろう。
あとは防犯カメラ頼りか…。
車に戻ると元太に借りた探偵団のバッジが見えた。
借りたメガネを使って場所を確認すると隣町の廃ビルを指していた。
「ここか。ナマエ…無事でいてくれ。」
【ナマエ視点】
目が覚めると妙に身体の中がスッキリしていた。
「目が覚めたかな?可愛い子供達。
あぁ、怖がらないで、僕はサンタクロースの親戚さ!沢山オモチャがあるから是非遊んでいってもらおうと思って、君達を夢の場所に連れてきたんだよ!
ここはテレビも映画もアニメも見放題、一人一つテレビがあるんだ。それにたーくさんオモチャがある。
ゴメラや仮面ヤイバーのオモチャもあるよ!
それにお菓子が食べ放題!ケーキもなんでもあるよ!欲しいものがあったら言ってね!」
歩美ちゃんや光彦君はオモチャに目が輝いている。
「ダメよ、2人とも。」
「…やはり君は、顔は可愛いのに性格は可愛くないね。連れてきたのは失敗だったかな。ビジュアルは完璧なのに。仕方がない。」
そう言うと犯人は私を一瞬で手錠をかけて牢屋のようなケージに入れた。
コイツ…動きが異常に早い。
「皆、逆らったらこうだよ?」
腹部にスタンガンが押し込まれた。
「ああああ!」
気を失う程の電流ではないもののかなり痛い。
「次は熱した金属押し付けるからね?」
そうか、1人を見せしめに皆をまとめあげているのか。
「2人とも、名前は?一緒に遊ぼうよ!おもちゃもお菓子もいっぱいあるよ!」
元々居た誘拐されてきた子、計7名が部屋に入ってきた。
皆洗脳されているのか、絆されているのか誘拐犯に従順だった。
オモチャやお菓子があって娯楽には困らない、子供達にとって最高の環境を作っているのだろう。
しかしこれは1年だけの偶像だ。
他の国でも誘拐した犯人と同一ならば、
犯人は誘拐した子供を1年かけて飼い慣らして1年経った頃に全員同じようなメイド服を着せて無惨に殺していた。
恐らく今回も放っておけば同じ末路を辿るだろう。
手錠を外すにも鍵穴がないタイプだ。
例え手錠を壊して元の姿に戻った所で一人で立ち向かえる相手ではなさそうだった。
子供達がいる前で不用意に魔法は使えない。
子供が9名も居るのだ。下手をすると巻き込んでしまう。
そもそも犯人の相当鍛え上げられた身体、常に警戒している目線、素早い身のこなし…
全くといって良いほど隙はなかった。
恐らく元々自衛隊員か警察関係か…かなり強い。
「大人しくしていれば君も遊ばせてあげるよ。
全く体にGPSを仕込まれていたなんて…君はどこかのお嬢様なのかな?
特別警戒しておいて良かったよ。」
この身体がスッキリしているのは吐かされたか下から出されたかだな…。いや、両方かもしれない。
明るく喋る犯人だが顔は全く笑っていない。
素直に"怖い"と思った。
私の命に代えても子供を守らなくてはならないかもしれない。しかし私が死んだらシュウも死ぬ事になる。それだけは避けたいが一番に子供達を助けたい。
ごめんね…シュウ。
「それで、今日子供達を早く帰らせたのには他にも理由があるんでしょ?」
「よく分かったな。」隣で人参を切りながらシュウが答えた。
「今朝怪しい人物を見かけた。一見するとただのランニングをしている男だったが小学生を物色しているようにも見えた。」
「そう…。」
「恐らく次の狙いは予想通り帝丹小学校だと思われる。気をつけろよ。」
「了解。…シュウ、それ段々太くなってる。サラダにするんだからもう少し細く切ってね。」
「あっ…すまない。」
次の日
小学校へ向かっていると昨日シュウが怪しいと言っていた男を見かけた。
ちらりと見ると男と目が合った。
男は少し微笑むと走り去った。
「なんか嫌な感じがする男だな…。」
しかしその次の日、更にその次の日もその男を見かけることはなかった。
何事もなく気付いたら1ヶ月は経過していた。
気のせいだったのか?
そう思いながら光彦君、歩美ちゃん、元太くんと帰り道を歩いていた。
この1ヶ月何も無さすぎて完全に油断していたんだと思う。
一瞬で横付けされた車に光彦君、歩美ちゃんと共に突っ込まれ車は発進した。
車に入った瞬間車の中にあったホースからガスが噴出した。運転席とは仕切りがある為あちら側はなんともないらしい。
光彦君と歩美ちゃんは一瞬で意識を失った。
恐らく睡眠作用のあるガスだろう。
ハンカチで口元をおさえながら、ぼんやりする頭で2人の脈をとった。大丈夫、生きてる。
ハンカチで抑えていても限界があった。意識を失う直前に昴に電話をかけることしか出来なかった。
【沖矢視点】
ポアロで接客をしていると電話が鳴った。
慌てて梓さんに代わってもらい電話に出た。
「ナマエ?どうした?」
声をかけるも何も音がしない。いや…微かにエンジン音がする。まさかー
そう思った瞬間元太が店内に駆け込んできた。
「歩美と光彦とナマエが!誘拐されちまった!」相当走ってきたのだろう。涙目で息を切らしている。
その声を聞いた瞬間エプロンを脱ぎ捨て「出てきます!」と叫んで元太と共に駐車場に向かった。
車に急いで乗り込み車を急発進させた。
スキール音が辺りに響く。
「ボウヤ、車は見たか?」
「見た!ナンバーも見たぜ!新宿の8888!」
「色は?」
「黒い車だった。後ろに荷物が積めるような。」
「黒いセダンか。」
ワイヤレスのイヤホンマイクを着けて電話をかけた。
「やぁ、降谷君。緊急配備をして欲しい。
誘拐犯の恐れがある。黒いセダン、新宿の8888。
もしかしたらもう車を乗り換えているかもしれない。
…あぁ、頼んだよ。」
「兄ちゃん、何者…?」
「…さぁ、何者でしょうかね?」
少し走ると目当ての車が見えた。
今の所ナマエのスマホのGPSは作動している。
「ボウヤ、舌を噛むなよ。シートベルトはしているな?…よし…。」
車を加速させて車に追いつく。
「目をつぶって耳を塞いでいてくれないか?」
「分かった。」
懐から出した拳銃で相手の車のタイヤを撃った。
ーはずだった。
「チッ…かわされた。」
もしかしたら、こいつはかなりの手練かもしれない。
厄介だな。
少しすると車は急に曲がって路地に入っていった。
慌てて追いかけたが見失った。
GPSの場所から探るとコインパーキングにさっきの車が止まっていた。
「ここにいてくれ。かがんで頭を下げていてくれないか?」
「大丈夫かよ、兄ちゃん…。」
「心配するな。絶対に助け出すよ。」
少し笑みを浮かべると元太が頷いて頭を下げた。
車から降りて鍵をかけた。
拳銃を片手に車を覗き込んだが中は空だった。
「…逃げられたか。」
スマホまで落ちている。
降谷君に急いでコインパーキングの場所を伝えた。
再度車に乗り込み、既に居なかった事を伝えた。
「マジかよ…。俺が…一番体格良い俺がきちんと守ってやるべきだったのに…。」
「泣かないで下さい。大丈夫です、元太くんが無事で、誘拐を伝えてくれただけで十分ですよ。怖かったのによく頑張りましたね。
犯人から皆を取り返した暁には皆でうな重食べましょうね。」
「うっ…絶対だぞ。約束だからな!」
「勿論ですよ。さ、ポアロに一旦連れて帰りますから親御さんに迎えに来てもらって下さい。」
「兄ちゃんはどうするんだ?」
「皆を取り返しに行きますよ。家で待っていて下さい。」
「…分かった。頼んだぞ!昴の兄ちゃん!
これとこれ、持っていてくれ!」
「これは…少年探偵団のバッジとメガネ?」
「連絡が取れて、メガネがあれば場所も分かるスグレモノなんだぜ!博士の発明品だからな!」
「…では遠慮なくお借りします。車を出しますよ。」
元太をポアロに置いて車を走らせた。
まだ手はある。
元々毎日ナマエに錠剤タイプのGPSを飲ませていた。
…よし、作動している。
GPSを元に追跡した。
しかし突然追跡が出来なくなった。
GPSが恐らく下水道を通り始めた。
「ッ…なんなんだ、この犯人。」
子供に対して胃洗浄か腸洗浄を行ったんだろう。
「まさかここまでとはな。」
GPSが最後に途切れた場所へ行くと公園の公衆トイレだった。
周囲には誰もいない。
こんなに寂れた場所だ、目撃者もいないだろう。
あとは防犯カメラ頼りか…。
車に戻ると元太に借りた探偵団のバッジが見えた。
借りたメガネを使って場所を確認すると隣町の廃ビルを指していた。
「ここか。ナマエ…無事でいてくれ。」
【ナマエ視点】
目が覚めると妙に身体の中がスッキリしていた。
「目が覚めたかな?可愛い子供達。
あぁ、怖がらないで、僕はサンタクロースの親戚さ!沢山オモチャがあるから是非遊んでいってもらおうと思って、君達を夢の場所に連れてきたんだよ!
ここはテレビも映画もアニメも見放題、一人一つテレビがあるんだ。それにたーくさんオモチャがある。
ゴメラや仮面ヤイバーのオモチャもあるよ!
それにお菓子が食べ放題!ケーキもなんでもあるよ!欲しいものがあったら言ってね!」
歩美ちゃんや光彦君はオモチャに目が輝いている。
「ダメよ、2人とも。」
「…やはり君は、顔は可愛いのに性格は可愛くないね。連れてきたのは失敗だったかな。ビジュアルは完璧なのに。仕方がない。」
そう言うと犯人は私を一瞬で手錠をかけて牢屋のようなケージに入れた。
コイツ…動きが異常に早い。
「皆、逆らったらこうだよ?」
腹部にスタンガンが押し込まれた。
「ああああ!」
気を失う程の電流ではないもののかなり痛い。
「次は熱した金属押し付けるからね?」
そうか、1人を見せしめに皆をまとめあげているのか。
「2人とも、名前は?一緒に遊ぼうよ!おもちゃもお菓子もいっぱいあるよ!」
元々居た誘拐されてきた子、計7名が部屋に入ってきた。
皆洗脳されているのか、絆されているのか誘拐犯に従順だった。
オモチャやお菓子があって娯楽には困らない、子供達にとって最高の環境を作っているのだろう。
しかしこれは1年だけの偶像だ。
他の国でも誘拐した犯人と同一ならば、
犯人は誘拐した子供を1年かけて飼い慣らして1年経った頃に全員同じようなメイド服を着せて無惨に殺していた。
恐らく今回も放っておけば同じ末路を辿るだろう。
手錠を外すにも鍵穴がないタイプだ。
例え手錠を壊して元の姿に戻った所で一人で立ち向かえる相手ではなさそうだった。
子供達がいる前で不用意に魔法は使えない。
子供が9名も居るのだ。下手をすると巻き込んでしまう。
そもそも犯人の相当鍛え上げられた身体、常に警戒している目線、素早い身のこなし…
全くといって良いほど隙はなかった。
恐らく元々自衛隊員か警察関係か…かなり強い。
「大人しくしていれば君も遊ばせてあげるよ。
全く体にGPSを仕込まれていたなんて…君はどこかのお嬢様なのかな?
特別警戒しておいて良かったよ。」
この身体がスッキリしているのは吐かされたか下から出されたかだな…。いや、両方かもしれない。
明るく喋る犯人だが顔は全く笑っていない。
素直に"怖い"と思った。
私の命に代えても子供を守らなくてはならないかもしれない。しかし私が死んだらシュウも死ぬ事になる。それだけは避けたいが一番に子供達を助けたい。
ごめんね…シュウ。