第3章〈完結〉
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「コーヒーが飲みたい。」
朝食が終わって私がベッドの上でゴロゴロ寝ながら雑誌を見ていると、シュウが突然言葉を放った。
「え、淹れたらいいんじゃない?」
「コンビニのコーヒーが飲みたい。」
「あぁ、最近シュウのお気に入りのやつ?あの機械操作して出てくるコーヒー。」
「…コンビニ行ってくる。何か買ってくる物はあるか?」
「いや、特にないよ。コンビニの商品基本高いし。」
「そうか。」
財布を手に意気揚々と行ったのに、帰ってきたら何故かもの凄い機嫌が悪かった。
背景が黒い。もの凄いオーラを放っていた。
「チッ…。」舌打ちしてるし。
「シュウ、何があったの…?顔が凶悪過ぎて怖い。」
「職質された。」
「…職質?しょくしつ?シュウが?アハハハ!
…ごめん、笑う事ではないよね。
そもそもなんで?何したの?」
「…知らん。コーヒー買おうとコンビニに向かっていたら後ろから肩を叩かれてな。
何処に行くんだとか職業は、とか細かく聞かれた。
初めFBIだと言ったら物凄い馬鹿にしたような顔をされた。その顔に俺がキレ気味に対応していたら応援を呼ばれて大騒ぎだった。」
「その長髪にキレ気味のシュウの凶悪顔見たら怪しいと思うだろうし、そもそも日本にFBI捜査官が歩いてるとは思わないから仕方ないんじゃない?
…それでどうしたの?」
「免許証見せて、警視庁に赤井秀一だと言えば分かると言ったら問い合わせをしていた。
それで本当に俺がFBIだと分かると土下座せん勢いで謝られた。」
「解放されて何より。コーヒーは買ったのね。」
「当たり前だ。職質されただけで目的を果たせないのは悔しいからな。」
「でもなんでこんな朝から職質?」
「この間ニュースでやっていた誘拐が多発しているという事件のせいかもしれんな。
今小学生は登校時間だろう。」
「あー、なるほどね。」
「冗談じゃない…さっさと誘拐犯を捕まえてやる。」
珍しくシュウがやる気だ。
正しくは"殺る気"を出しているのかもしれないが。
「ナマエ、いい加減長髪から元に戻してくれないか?」
「良いけど、どちらにしろその凶悪な顔をしてたらまた職質されかねないよ。」
「…沖矢に変装して行動する。」
「変装させようか?」
「いや、元に戻すだけで良い。場合によっては変装を解かなくてはならないかもしれない。」
「あぁ、昴の姿で銃を持ってたら警察にFBIだという身分証提示出来ないもんね。
とりあえず、髪の毛戻すよ。」
「…頭が軽くなった。襟足が涼しい。もう髪を伸ばすのは御免だ。」
「それで、どうするの?」
「小学生といえばあの子供達に聞くのが手っ取り早い。何かと事件に首を突っ込むのが好きそうだからな。毎日何かしらの情報を聞き出していれば何か掴めるかもしれん。」
「毎日小学生に声をかけていたら、傍から見たら怪しいと思われない?今このご時世に。」
「良い考えがある。」
そう言うとどこかへ電話をかけ始めた。
安室にかけているらしい。
その後変声機をつけてまたどこかへ電話をかけ始めた。
「えぇ、では明日から。よろしくお願いします。
… ナマエ、明日から早朝は留守にする。
夕方には帰る。」
「分かった。」
「今から少し出てくる。」
何をするのか疑問だったがそのうち教えてくれるだろうと思ったので聞かなかった。