第3章〈完結〉
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
次の日目を覚ますと隣にシュウが座っていた。
「やっとお目覚めかな?今朝食を持ってきてやる。」
そう言うとパンとミルクティーをお盆に乗せて持ってきた。
「食べさせてやる。口を開けろ。」
食べさせてもらうなんて気恥ずかしくて躊躇った。
「は、恥ずかしいから自分で食べる…。」
「駄目だ。」
仕方がない、黙って食べる事にした。
食後ミルクティーも飲まされた。
「…なんともないか?」
「何入れたの?」
「君のベッドの下にあるアタッシュケースから拝借した薬だ。媚薬と書いてあった。」
「…悪いけど、そこに入ってるものは全部私耐性あるから。」
アタッシュケースの存在はバレていたらしい。私が避妊薬を飲んだあと雑にベッドの下に隠したのは失敗だったな。
避妊薬にはラベルを貼っていなくて本当に良かった。
「やはりそうか。残念だ。」
「またするの?」
「もちろんだ。今は食後だからな、落ち着いてからだ。」
「やめにしない…?」
「やめたければ沖矢の居場所を言え。」
「だから…」
「これを見ろ。」
「それ、結婚式のアルバム?それがどうかしたの?」
「どうかしただと?…ここになんで沖矢と俺が写っているんだ?」
「あぁ、それ?それ私のお父さんだよ。近所の人とか友達のお父さんさんとかはシュウが沖矢昴だって知らせてないから、そういう人に写真を見せられるように昴の格好をさせたお父さんに協力してもらったの。
だからほら、その一枚だけシュウのタキシード着てるでしょ?」
「…信じられん。」
「もー!そんなに言うんだったらマスタングのトランクの下めくってみてよ!
アタッシュケースが入ってて変装道具入ってるから!
鍵の番号は昴の車のナンバーの2080!」
「取りに行ってくる。」
しばらくしてアタッシュケースを開けて本当に入っている事に驚いていた。
「…しかし君は俺の車を好きに使えただろう。仕込むことなんていくらでも出来る。」
「本当に信用してないのね。最終手段を出すか…。
ハティ、スコール!」
すぐに現れたスコールがシュウを押さえ込んで動けなくした。
「誰だ!離せ!」暴れるも魔法の紐状のもので縛り付けてあった。動くのは首と口くらいだろう。
「ナマエ、大丈夫ですか?」
「ハティ、悪いけど手錠外して。」
バキッ
「これで良いですか?」
「あーうん…粉砕することはなかったけど。
悪いけどホグワーツに連れて行ってくれる?
校長室の前に。」
急いで服を身につけた。
「かしこまりました。秀一さんもですか?」
「うん。」
「移動するぜ。」
一瞬でホグワーツについた。
校長室をノックする。
「ダンブルドア校長!ベルナドットです!」
ドアが開いて出てきたのは…
「…あれ?セブルス?」
「ナマエ、スネイプ教授と呼びたまえ。
今はスネイプ校長だが。」
「校長になったの?おめでとー!」
「ダンブルドアはもう高齢だ、今年から我輩が引き継いだ。
それにしても、いきなり来たかと思ったら…ハティにスコールに…その男は誰だ?」
「あっ、私の旦那です。あの…記憶喪失になっちゃって、憂いの篩(うれいのふるい)を借りたくて。」
「あぁ、お前の記憶を見せたいのか。仕方がない。」
「急にごめん。」
憂いの篩、別名ペンシーブとは人や魔法生物の過去の記憶を見たり人に見せる事が出来る石の水盆の魔法道具。
杖で頭から記憶を引き出して、銀の糸状の出てきたものを盆の中に入れて使う。
「ファーストネームで呼ぶ程仲が良い男が他にもいるのか!一体何人の男を誑かしているやら。」
「小僧、我輩はそう言った関係ではない。強いて言うなら研究仲間や友人と言ったところだ。
…お前の旦那は嫉妬心が随分強いな。」
「普段はそんな感じじゃないんだけどね、色々勘違いされてて。」
「まったく、早く入れ。さっさと憂いの篩を使って家に帰れ。」
「ははは…申し訳ない。お邪魔します。」
「杖は持ってきているのか?」
「あっっ!」
「貴様、普段から杖を持ち歩かない癖は変わらんな!」
「いや…だって私杖なくても魔法使えるもん。」
「…はぁ…我輩の杖を使いたまえ。」
「お借りします…。」
杖で記憶をいくつか引き出した。
シュウが自分で変装している姿や私が魔法で変装させた所。
昴の姿をしているが目を開けていつもの隈が見えている所。
昴の姿で変声機を外して話をしている所。
最後は結婚式の前撮りの時、昴をお父さんと呼んでいる所など、見れば信用して貰えそうな記憶を厳選した。
記憶を見せるために杖で引き出しても頭にある記憶は特に消えないから、何度でも見せる事は可能だ。
いやー、憂いの篩便利だな。
「スコール、シュウの頭を水盆に突っ込んで。」
「何するんだ、水責めか!?」
「私の記憶を見てきてね。」
スコールがシュウの顔を盆に突っ込むとシュウは大人しくなった。
「…お前の旦那はマグルか?」
「そうだよー。」
「マグル好きだったお前らしい。」
セブルスが苦笑した。
「アメリカのFBIなんだよー。」
「FBI?」
「警察…闇払いみたいなやつ。」
「そうか。…早く記憶が戻ると良いな。」
「ありがとう…セブルス。そういえばだいぶ前にフェリックスフェリシスをありがとう。
作るの大変だったでしょう…?」
「大した事ではない。必要だったらふくろう便を送ってくれたまえ。貴様の父親に材料は貰ってある。」
「あぁ、なんか送ったとか言ってた。セブルスは使わないの?」
「我輩は不要だ。今現在不幸ではない上にこれ以上の幸福は特に求めていない。」
「セブルスは本当に欲がないよね。研究さえ出来ればって感じ。」
「欲が深いと人間、闇に走る。適度が大切だ。」
「…そうだね。」
紅茶を入れてもらいゆっくり味わった。
しばらく経つとシュウが盆から顔を上げた。
魔法道具の水なので特に濡れたりはしない。
「見えた?」
「あぁ… ナマエ、悪かった。ずっと疑って…。俺は本当に沖矢だったようだ…。」
「さっさとここから出ていってくれ。夫婦喧嘩に巻き込まれてはこっちもたまったものではない。」
「お邪魔しました、スネイプ校長先生。」
「今度来る時は事前に連絡しろ。」
「はーい、じゃあね!」
家へと戻ってスコールがシュウを解放し、ハティとスコールの二人はさっさと帰宅した。
「俺は…なんて事を。本当にすまなかった。」
「分かって貰えればもういいよ。」
「今からアフターピル貰いに行こう。車を出す。」
「大丈夫、こっそり避妊薬飲んだから。」
「本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫よ。」
その時玄関のドアが突然開いた。
「二人して連絡を返さないとは何事か!」
「誰だお前。」シュウが戦闘態勢をとった。
「母親の顔を忘れるとはこの馬鹿!」
「母親?…言われれば俺に似ている…。」
「日本に来て正解だったな。父さんだよ、秀一。」
「俺の親…?」
「何があったんだ?」
「シュウが頭を打って記憶を無くしちゃって…。」
「もしやと思うがナマエちゃんに変なことしてないな?無理やり襲ったりとか。」
メアリーお母さんが睨んだ。
「…。」
「この馬鹿息子!」
「メアリー、ここは任せてくれ。」
「務武さん…。」
「秀一、ちょっと来い。」
ニコニコと笑いながら隣の部屋に連れていった。
…かと思うと数秒後壁になにかトラックでも突っ込んだのかと思うくらい轟音がした。
「…あっちは任せておいて大丈夫だ。
…言いづらい事かもしれないが、アフターピルだとか聞こえてきてしまった。良ければ私が病院に一緒についていこうか?女同士の方がましだろう。」
「大丈夫です、こっそり薬は飲んでいたので…。」
「そうか、本当に愚息がすまなかった…。」
「お母さんが謝ることではないですよ!」
「昔、務武さんも薬で錯乱した時に私を無理矢理襲った事があった。まぁ、その時既に結婚していたけど…その時出来たのが秀一だ。
今でもその時の事を務武さんは後悔している。
私は別になんとも思っていないが
…私達のようになって欲しくないの。」
「お母さん…私の薬は失敗はありません。魔法薬なので。心配しないで下さい。」
「そう…。それなら良いんだけど。」
少しすると務武さんがニコニコしながら部屋にシュウを引きずってきた。
お父さんの秀吉君そっくりの笑顔が今はとても怖い。
「ナマエちゃん、すまない。ちょっと壁を傷つけてしまった。後で魔法で直せるか?」
「あ、大丈夫ですお父さん。そのままにしておいて下さい。後で直しますから。」
「悪いな。」
何をしたのか想像がつく。
シュウが完全に意識を失っている。
胸ぐら掴んで頭を……
想像しただけで怖い。あんな凄い音、普通出せないよ…。
「愚息が申し訳なかった。離婚するなり煮るなり焼くなり好きにしてくれ。」
お父さんが土下座をした。
「やめてください!そんな、大丈夫ですから!別れる気なんて1ミリもありません!」
「…優しいお嫁さんで秀一は命拾いしたな。ありがとう。」
少しすると床に転がされていたシュウが頭を抑えながら目を覚ました。
「ん…俺は………なんで母さんと父さんがここに居るんだ?」
「馬鹿息子!」メアリーお母さんがシュウに思いっきりビンタを食らわした。
「愛する妻の記憶をなくして無理矢理襲うなど笑止千万!お前は男しても人間としても最低だ!」
「ッ……!」思い出したらしくシュウの顔が青くなり冷や汗がどっと出た。
「ナマエ、すまない!本当にすまない!俺はなんて事を…。最低だ。俺を殺してくれ!」
「もういいよ…シュウ、おかえり。」
「ナマエ…。」床に座り込んでいるシュウをそっと抱きしめる。腕の中で涙声でただいま、とくぐもった声が聞こえた。
「無事も分かったし私達は帰るわ。」
「仲良くな、二人とも。」
「わざわざありがとうございました。」
「悪かったな…。」バツが悪そうな顔で謝った。
「…シュウ、お昼食べようか?」
「あぁ、俺の金で好きなものをいくらでも食ってくれ…。」
「…2つ罰を与える。」
「なんでも受け入れよう。」
「これから1週間ライの姿で生活する事。
もう1つは、1週間夕食作りよろしく。」
「…そんな事で良いのか。分かった。」
「さて、ご飯食べに行こ。とびっきり高い回らない寿司食べさせて貰おうかなー♪」
後で壁を見たのだが、完全に穴が空いていた。
数ミリを残して私の部屋まで貫通を免れていた。
いや…お父さん怖すぎる。
絶対に怒らせたくない人ナンバーワンかもしれない。
「やっとお目覚めかな?今朝食を持ってきてやる。」
そう言うとパンとミルクティーをお盆に乗せて持ってきた。
「食べさせてやる。口を開けろ。」
食べさせてもらうなんて気恥ずかしくて躊躇った。
「は、恥ずかしいから自分で食べる…。」
「駄目だ。」
仕方がない、黙って食べる事にした。
食後ミルクティーも飲まされた。
「…なんともないか?」
「何入れたの?」
「君のベッドの下にあるアタッシュケースから拝借した薬だ。媚薬と書いてあった。」
「…悪いけど、そこに入ってるものは全部私耐性あるから。」
アタッシュケースの存在はバレていたらしい。私が避妊薬を飲んだあと雑にベッドの下に隠したのは失敗だったな。
避妊薬にはラベルを貼っていなくて本当に良かった。
「やはりそうか。残念だ。」
「またするの?」
「もちろんだ。今は食後だからな、落ち着いてからだ。」
「やめにしない…?」
「やめたければ沖矢の居場所を言え。」
「だから…」
「これを見ろ。」
「それ、結婚式のアルバム?それがどうかしたの?」
「どうかしただと?…ここになんで沖矢と俺が写っているんだ?」
「あぁ、それ?それ私のお父さんだよ。近所の人とか友達のお父さんさんとかはシュウが沖矢昴だって知らせてないから、そういう人に写真を見せられるように昴の格好をさせたお父さんに協力してもらったの。
だからほら、その一枚だけシュウのタキシード着てるでしょ?」
「…信じられん。」
「もー!そんなに言うんだったらマスタングのトランクの下めくってみてよ!
アタッシュケースが入ってて変装道具入ってるから!
鍵の番号は昴の車のナンバーの2080!」
「取りに行ってくる。」
しばらくしてアタッシュケースを開けて本当に入っている事に驚いていた。
「…しかし君は俺の車を好きに使えただろう。仕込むことなんていくらでも出来る。」
「本当に信用してないのね。最終手段を出すか…。
ハティ、スコール!」
すぐに現れたスコールがシュウを押さえ込んで動けなくした。
「誰だ!離せ!」暴れるも魔法の紐状のもので縛り付けてあった。動くのは首と口くらいだろう。
「ナマエ、大丈夫ですか?」
「ハティ、悪いけど手錠外して。」
バキッ
「これで良いですか?」
「あーうん…粉砕することはなかったけど。
悪いけどホグワーツに連れて行ってくれる?
校長室の前に。」
急いで服を身につけた。
「かしこまりました。秀一さんもですか?」
「うん。」
「移動するぜ。」
一瞬でホグワーツについた。
校長室をノックする。
「ダンブルドア校長!ベルナドットです!」
ドアが開いて出てきたのは…
「…あれ?セブルス?」
「ナマエ、スネイプ教授と呼びたまえ。
今はスネイプ校長だが。」
「校長になったの?おめでとー!」
「ダンブルドアはもう高齢だ、今年から我輩が引き継いだ。
それにしても、いきなり来たかと思ったら…ハティにスコールに…その男は誰だ?」
「あっ、私の旦那です。あの…記憶喪失になっちゃって、憂いの篩(うれいのふるい)を借りたくて。」
「あぁ、お前の記憶を見せたいのか。仕方がない。」
「急にごめん。」
憂いの篩、別名ペンシーブとは人や魔法生物の過去の記憶を見たり人に見せる事が出来る石の水盆の魔法道具。
杖で頭から記憶を引き出して、銀の糸状の出てきたものを盆の中に入れて使う。
「ファーストネームで呼ぶ程仲が良い男が他にもいるのか!一体何人の男を誑かしているやら。」
「小僧、我輩はそう言った関係ではない。強いて言うなら研究仲間や友人と言ったところだ。
…お前の旦那は嫉妬心が随分強いな。」
「普段はそんな感じじゃないんだけどね、色々勘違いされてて。」
「まったく、早く入れ。さっさと憂いの篩を使って家に帰れ。」
「ははは…申し訳ない。お邪魔します。」
「杖は持ってきているのか?」
「あっっ!」
「貴様、普段から杖を持ち歩かない癖は変わらんな!」
「いや…だって私杖なくても魔法使えるもん。」
「…はぁ…我輩の杖を使いたまえ。」
「お借りします…。」
杖で記憶をいくつか引き出した。
シュウが自分で変装している姿や私が魔法で変装させた所。
昴の姿をしているが目を開けていつもの隈が見えている所。
昴の姿で変声機を外して話をしている所。
最後は結婚式の前撮りの時、昴をお父さんと呼んでいる所など、見れば信用して貰えそうな記憶を厳選した。
記憶を見せるために杖で引き出しても頭にある記憶は特に消えないから、何度でも見せる事は可能だ。
いやー、憂いの篩便利だな。
「スコール、シュウの頭を水盆に突っ込んで。」
「何するんだ、水責めか!?」
「私の記憶を見てきてね。」
スコールがシュウの顔を盆に突っ込むとシュウは大人しくなった。
「…お前の旦那はマグルか?」
「そうだよー。」
「マグル好きだったお前らしい。」
セブルスが苦笑した。
「アメリカのFBIなんだよー。」
「FBI?」
「警察…闇払いみたいなやつ。」
「そうか。…早く記憶が戻ると良いな。」
「ありがとう…セブルス。そういえばだいぶ前にフェリックスフェリシスをありがとう。
作るの大変だったでしょう…?」
「大した事ではない。必要だったらふくろう便を送ってくれたまえ。貴様の父親に材料は貰ってある。」
「あぁ、なんか送ったとか言ってた。セブルスは使わないの?」
「我輩は不要だ。今現在不幸ではない上にこれ以上の幸福は特に求めていない。」
「セブルスは本当に欲がないよね。研究さえ出来ればって感じ。」
「欲が深いと人間、闇に走る。適度が大切だ。」
「…そうだね。」
紅茶を入れてもらいゆっくり味わった。
しばらく経つとシュウが盆から顔を上げた。
魔法道具の水なので特に濡れたりはしない。
「見えた?」
「あぁ… ナマエ、悪かった。ずっと疑って…。俺は本当に沖矢だったようだ…。」
「さっさとここから出ていってくれ。夫婦喧嘩に巻き込まれてはこっちもたまったものではない。」
「お邪魔しました、スネイプ校長先生。」
「今度来る時は事前に連絡しろ。」
「はーい、じゃあね!」
家へと戻ってスコールがシュウを解放し、ハティとスコールの二人はさっさと帰宅した。
「俺は…なんて事を。本当にすまなかった。」
「分かって貰えればもういいよ。」
「今からアフターピル貰いに行こう。車を出す。」
「大丈夫、こっそり避妊薬飲んだから。」
「本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫よ。」
その時玄関のドアが突然開いた。
「二人して連絡を返さないとは何事か!」
「誰だお前。」シュウが戦闘態勢をとった。
「母親の顔を忘れるとはこの馬鹿!」
「母親?…言われれば俺に似ている…。」
「日本に来て正解だったな。父さんだよ、秀一。」
「俺の親…?」
「何があったんだ?」
「シュウが頭を打って記憶を無くしちゃって…。」
「もしやと思うがナマエちゃんに変なことしてないな?無理やり襲ったりとか。」
メアリーお母さんが睨んだ。
「…。」
「この馬鹿息子!」
「メアリー、ここは任せてくれ。」
「務武さん…。」
「秀一、ちょっと来い。」
ニコニコと笑いながら隣の部屋に連れていった。
…かと思うと数秒後壁になにかトラックでも突っ込んだのかと思うくらい轟音がした。
「…あっちは任せておいて大丈夫だ。
…言いづらい事かもしれないが、アフターピルだとか聞こえてきてしまった。良ければ私が病院に一緒についていこうか?女同士の方がましだろう。」
「大丈夫です、こっそり薬は飲んでいたので…。」
「そうか、本当に愚息がすまなかった…。」
「お母さんが謝ることではないですよ!」
「昔、務武さんも薬で錯乱した時に私を無理矢理襲った事があった。まぁ、その時既に結婚していたけど…その時出来たのが秀一だ。
今でもその時の事を務武さんは後悔している。
私は別になんとも思っていないが
…私達のようになって欲しくないの。」
「お母さん…私の薬は失敗はありません。魔法薬なので。心配しないで下さい。」
「そう…。それなら良いんだけど。」
少しすると務武さんがニコニコしながら部屋にシュウを引きずってきた。
お父さんの秀吉君そっくりの笑顔が今はとても怖い。
「ナマエちゃん、すまない。ちょっと壁を傷つけてしまった。後で魔法で直せるか?」
「あ、大丈夫ですお父さん。そのままにしておいて下さい。後で直しますから。」
「悪いな。」
何をしたのか想像がつく。
シュウが完全に意識を失っている。
胸ぐら掴んで頭を……
想像しただけで怖い。あんな凄い音、普通出せないよ…。
「愚息が申し訳なかった。離婚するなり煮るなり焼くなり好きにしてくれ。」
お父さんが土下座をした。
「やめてください!そんな、大丈夫ですから!別れる気なんて1ミリもありません!」
「…優しいお嫁さんで秀一は命拾いしたな。ありがとう。」
少しすると床に転がされていたシュウが頭を抑えながら目を覚ました。
「ん…俺は………なんで母さんと父さんがここに居るんだ?」
「馬鹿息子!」メアリーお母さんがシュウに思いっきりビンタを食らわした。
「愛する妻の記憶をなくして無理矢理襲うなど笑止千万!お前は男しても人間としても最低だ!」
「ッ……!」思い出したらしくシュウの顔が青くなり冷や汗がどっと出た。
「ナマエ、すまない!本当にすまない!俺はなんて事を…。最低だ。俺を殺してくれ!」
「もういいよ…シュウ、おかえり。」
「ナマエ…。」床に座り込んでいるシュウをそっと抱きしめる。腕の中で涙声でただいま、とくぐもった声が聞こえた。
「無事も分かったし私達は帰るわ。」
「仲良くな、二人とも。」
「わざわざありがとうございました。」
「悪かったな…。」バツが悪そうな顔で謝った。
「…シュウ、お昼食べようか?」
「あぁ、俺の金で好きなものをいくらでも食ってくれ…。」
「…2つ罰を与える。」
「なんでも受け入れよう。」
「これから1週間ライの姿で生活する事。
もう1つは、1週間夕食作りよろしく。」
「…そんな事で良いのか。分かった。」
「さて、ご飯食べに行こ。とびっきり高い回らない寿司食べさせて貰おうかなー♪」
後で壁を見たのだが、完全に穴が空いていた。
数ミリを残して私の部屋まで貫通を免れていた。
いや…お父さん怖すぎる。
絶対に怒らせたくない人ナンバーワンかもしれない。