第3章〈完結〉
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朝起きると隣にシュウがいなかった。
起きてリビングへ行くとシュウがマグカップのコーヒーになみなみと牛乳を注いでいた。
「おはよ…。牛乳…?」
「おはよう。あぁ、これは理由があるんだ。
本当はブラックが好きなんだが…。」
「そう…?」
確か朝食はいらないと言っていた。
私だけパンを食べた。
「コーヒーいるか?」
「ううん、大丈夫。私、ミルクティー派だから。」
私が朝食を終えて一息ついているとシュウが席を立った。
「俺のことは放っておいてくれ。」
「何するの?」
「…昨日病院で、パッパベルのカノンを聞いたら酷い頭痛がして倒れたんだが…その時何かを思い出しそうだったんだ。何度か続ければ何か思い出すかもしれない。」
「それ、身体に負担じゃない?大丈夫?」
「大丈夫だ、怪我はしないように気をつける。座っていれば大丈夫だろう。」
「そう…?でも心配だから近くで見てる…。」
「……分かった。でもあまり止めないでくれよ。意識がなくなったら意地でも起こしてくれ。」
「うん…。」
シュウの部屋に行くとスマホを片手にトイレのそばの廊下に座り込んだ。
「ちょ、こんな所で座ったら冷えちゃう…。」
「具合が悪くなったら周辺を汚す訳にはいかない。」
「具合が悪くなる前にやめてよね!」
「邪魔しないでくれないか?
俺はお前との記憶を取り戻したいんだ。」
キツく睨まれ怒鳴られた。
「今、俺は組織にいた辛く苦しい記憶ばかりだ。
しかしそれすら断片的な記憶だ。
辛い記憶しか思い出せない俺の気持ちが分からないだろうな。
…お前の事はほとんど何も知らないに近い。
だから…思い出したいんだ。」
「シュウ…。」
そう言うとネットで検索しカノンの曲を流し始めた。
「ッ…グゥ…頭が…割れそうに痛い…。」
「やめよ…?」
曲を止めようとスマホに手を出すと手を跳ね除けられた。
「やめ…ろ…うぅっ…。ぅああ!」
頭を抑えてもがき始めたので流石に曲を止めた。
「やめて…思い出さなくて良いから。身体の方が大事だよ…。」
「はぁっ…はぁっ…止めないでくれ、もう少しだ、もう少しで何か…。」
そう言うとスマホをまた操作して曲を流し始めた。
「ッ……。」今度は冷や汗が出て小刻みに身体が震えた。酷く青い顔になってきたと思ったら口を抑えてトイレに駆け込んだ。
急いで曲を止めてえずく彼の背中をさすった。
少しすると体を起こし、青い顔のまま洗面所で口をすすいでまた戻ってきた。
「ナマエ、スマホを貸せ。」
「まったくもう!吐くために牛乳飲んでたのね。
そんな青い顔の人にスマホは渡せません。」
そう言って黙って魔法でスマホを天井に貼り付けた。
「勝手にスマホが浮いて…。俺は幻覚でも見てるのか?」
シュウがフラフラと天井に手を伸ばす。
やっぱりシュウの高い身長だと腕を伸ばせば天井まで手が届いてしまうか。
「しっかりくっついてるから取れません。」
「取れない。どうなってるんだ。」
「私は魔法使いなの。」
「は?魔法使い…だと?」
「そう。こんなふうに。」
魔法で水道を捻り、コップを浮かせて水を入れ、
シュウの目の前でぷかぷかと浮かべた。
「コップが勝手に…水が…。」
随分驚いていた。それはそうだろう。
「前にもそんな反応してたよ。
私はね…FBIでどうしても処理できない事件が起きたり何か町を大破させた時に人知れず事件を解決したり後始末をする"N"という部隊にいるの。私1人だけどね…。
私は元々魔法界の出身でね…ジェイムズ…シュウの上司に誘われてFBIに入った。」
「信じられん…。しかし…さっきのは…どうみても…。」そう言って目の前の水を飲んだ。
「…。」
「私が少しずつ教えるから…無理しないで。」
「…その魔法とやらで記憶はどうにかならないのか?」
「それは…厳しいと思う。魔法で記憶が消えたわけじゃないから。」
「残念だ。」そう言うと一気に水を飲み干した。
「少し映像が見えた。カノンが流れて爆弾が爆発し、巻き込まれた後に鉄板が飛んできていた。」
「多分それ、記憶をなくす直前かも…。」
「やはり効果があると言う事だな。もう1回ー」
「ダメです。」
「スマホ返してくれ。」
「ダメです。」
「はぁ…強情な奥さんだ。」
「そっくりそのまま言葉を返すわ。胃に良くないからお粥でも作ろうか?」
「いや、いい。食欲はまだ出ない。」
「水分はきちんととってね。」
「あぁ。」
諦めたようでタバコとマッチと灰皿を手にベランダに向かった。
ソファーに座りながらタバコを吸うシュウを見つめた。
少し経って私もベランダに出てみた。
「こら、こっちは煙たいから来るな。体に悪いぞ。」
「自分は吸ってるくせに。」
そう言ってタバコを奪って火を消してシュウの胸ぐらを掴んで自分の方に顔を寄せ軽くキスをした。
シュウは一瞬驚いた顔をした後今度は私の後頭部に手を添えてキスをし返された。
容赦なく唇を割られて舌が入ってくる。
「ンッ…。」
シュウの舌が容赦なく口内をまさぐる。
「ハァ…煽ったのはそちらの方だ。責任を取ってもらおうか?」
自分から行動したくせにやっぱり恥ずかしくなって俯きながら頷いた。
起きてリビングへ行くとシュウがマグカップのコーヒーになみなみと牛乳を注いでいた。
「おはよ…。牛乳…?」
「おはよう。あぁ、これは理由があるんだ。
本当はブラックが好きなんだが…。」
「そう…?」
確か朝食はいらないと言っていた。
私だけパンを食べた。
「コーヒーいるか?」
「ううん、大丈夫。私、ミルクティー派だから。」
私が朝食を終えて一息ついているとシュウが席を立った。
「俺のことは放っておいてくれ。」
「何するの?」
「…昨日病院で、パッパベルのカノンを聞いたら酷い頭痛がして倒れたんだが…その時何かを思い出しそうだったんだ。何度か続ければ何か思い出すかもしれない。」
「それ、身体に負担じゃない?大丈夫?」
「大丈夫だ、怪我はしないように気をつける。座っていれば大丈夫だろう。」
「そう…?でも心配だから近くで見てる…。」
「……分かった。でもあまり止めないでくれよ。意識がなくなったら意地でも起こしてくれ。」
「うん…。」
シュウの部屋に行くとスマホを片手にトイレのそばの廊下に座り込んだ。
「ちょ、こんな所で座ったら冷えちゃう…。」
「具合が悪くなったら周辺を汚す訳にはいかない。」
「具合が悪くなる前にやめてよね!」
「邪魔しないでくれないか?
俺はお前との記憶を取り戻したいんだ。」
キツく睨まれ怒鳴られた。
「今、俺は組織にいた辛く苦しい記憶ばかりだ。
しかしそれすら断片的な記憶だ。
辛い記憶しか思い出せない俺の気持ちが分からないだろうな。
…お前の事はほとんど何も知らないに近い。
だから…思い出したいんだ。」
「シュウ…。」
そう言うとネットで検索しカノンの曲を流し始めた。
「ッ…グゥ…頭が…割れそうに痛い…。」
「やめよ…?」
曲を止めようとスマホに手を出すと手を跳ね除けられた。
「やめ…ろ…うぅっ…。ぅああ!」
頭を抑えてもがき始めたので流石に曲を止めた。
「やめて…思い出さなくて良いから。身体の方が大事だよ…。」
「はぁっ…はぁっ…止めないでくれ、もう少しだ、もう少しで何か…。」
そう言うとスマホをまた操作して曲を流し始めた。
「ッ……。」今度は冷や汗が出て小刻みに身体が震えた。酷く青い顔になってきたと思ったら口を抑えてトイレに駆け込んだ。
急いで曲を止めてえずく彼の背中をさすった。
少しすると体を起こし、青い顔のまま洗面所で口をすすいでまた戻ってきた。
「ナマエ、スマホを貸せ。」
「まったくもう!吐くために牛乳飲んでたのね。
そんな青い顔の人にスマホは渡せません。」
そう言って黙って魔法でスマホを天井に貼り付けた。
「勝手にスマホが浮いて…。俺は幻覚でも見てるのか?」
シュウがフラフラと天井に手を伸ばす。
やっぱりシュウの高い身長だと腕を伸ばせば天井まで手が届いてしまうか。
「しっかりくっついてるから取れません。」
「取れない。どうなってるんだ。」
「私は魔法使いなの。」
「は?魔法使い…だと?」
「そう。こんなふうに。」
魔法で水道を捻り、コップを浮かせて水を入れ、
シュウの目の前でぷかぷかと浮かべた。
「コップが勝手に…水が…。」
随分驚いていた。それはそうだろう。
「前にもそんな反応してたよ。
私はね…FBIでどうしても処理できない事件が起きたり何か町を大破させた時に人知れず事件を解決したり後始末をする"N"という部隊にいるの。私1人だけどね…。
私は元々魔法界の出身でね…ジェイムズ…シュウの上司に誘われてFBIに入った。」
「信じられん…。しかし…さっきのは…どうみても…。」そう言って目の前の水を飲んだ。
「…。」
「私が少しずつ教えるから…無理しないで。」
「…その魔法とやらで記憶はどうにかならないのか?」
「それは…厳しいと思う。魔法で記憶が消えたわけじゃないから。」
「残念だ。」そう言うと一気に水を飲み干した。
「少し映像が見えた。カノンが流れて爆弾が爆発し、巻き込まれた後に鉄板が飛んできていた。」
「多分それ、記憶をなくす直前かも…。」
「やはり効果があると言う事だな。もう1回ー」
「ダメです。」
「スマホ返してくれ。」
「ダメです。」
「はぁ…強情な奥さんだ。」
「そっくりそのまま言葉を返すわ。胃に良くないからお粥でも作ろうか?」
「いや、いい。食欲はまだ出ない。」
「水分はきちんととってね。」
「あぁ。」
諦めたようでタバコとマッチと灰皿を手にベランダに向かった。
ソファーに座りながらタバコを吸うシュウを見つめた。
少し経って私もベランダに出てみた。
「こら、こっちは煙たいから来るな。体に悪いぞ。」
「自分は吸ってるくせに。」
そう言ってタバコを奪って火を消してシュウの胸ぐらを掴んで自分の方に顔を寄せ軽くキスをした。
シュウは一瞬驚いた顔をした後今度は私の後頭部に手を添えてキスをし返された。
容赦なく唇を割られて舌が入ってくる。
「ンッ…。」
シュウの舌が容赦なく口内をまさぐる。
「ハァ…煽ったのはそちらの方だ。責任を取ってもらおうか?」
自分から行動したくせにやっぱり恥ずかしくなって俯きながら頷いた。