第3章〈完結〉
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午後に赤井の所へ面会にきた。
部屋に行こうとすると清掃業の方とすれ違った。
ゴミ袋を青い大きなカートに纏めている。
ちらっと見るとゴミ袋から見慣れたものが見えた。
「ちょ、ちょっと待って下さい!」
「え?なんでしょうか?」
「その手に持っている袋、見せて貰えますか?」
「患者さんの所から出したゴミだけど…?」
「そこに手帳がありますよね?それ、多分大切なものなので…。」
「ちょっと待ってください、手袋をして中を確認します。」
そう言ってゴソゴソ袋から出されたのは紛れもなく赤井のFBIの手帳だった。
アルコールの除菌シートで拭いて手渡してくれた。
「間違って入っちゃったのかねぇ。どうぞ。」
「ありがとうございます。すみません。」
手帳を必要以上にぐっと握りしめた。
怒りが湧いて仕方がなかった。
大切な手帳を捨てるなんて、馬鹿な事を。
それにいくら記憶が無いとはいえナマエちゃんに酷い暴言まで吐いて。
でも一番の怒りは自分自身にだ。
こんな事になったのも二人が公安に協力したせいだ。
僕が記憶喪失になったほうが良かった。
…本来ならそうなるはずだった。あの階は元々僕が爆弾解除する予定だったはず。
なんで赤井にさせたんだろう。
赤井を無事に連れて返すと約束していたのに。
最低だ。
怒りにまかせてノックもせず勢いよくドアを開けた。
「赤井…秀一ィ!」
ずかずかと部屋に入ると赤井が驚いた顔をした。
間髪入れず思い切りビンタをした。
本来なら避けられるはずなのに、避けずに無言で食らっていた。
「バーボン…。」
「僕はもうバーボンではありません。貴方も、もうライではないんです。貴方は赤井秀一です。
…僕が悪いんです。
貴方を…赤井を公安の仕事に巻き込んだから。
それに爆弾解除をするのは本来僕の役目だった。
なんでやらせてしまったんだろう。
ごめん…。」
「公安…?俺は…犯罪者だろう。公安の仕事とは何だ?俺は組織の一員ではないのか?」
今まで見た事がないくらい赤井は酷く狼狽えた。それに手が震えている。
「お前が犯罪者?それなら僕もそうだろうな。
よく聞け。全部説明してやる。
お前の名前は赤井秀一、FBIの捜査官だ。
黒の組織を追うために僕や赤井が潜入捜査していたんだ。その時の記憶が中途半端に残ってるんだろ。
ライというのはその時のコードネーム。
僕のバーボンもそうだ。」
「…俺が?FBI?さっきの手帳は…本物だったのか。」
「これだろ、馬鹿!捨てるなよ。」
「君が拾ってくれたのか、ありがとう。
…君の本当の名前は?」
「降谷零。僕は警察庁警備局警備企画課、通称ゼロ所属の公安だ。」
「降谷…君。」
「今はもう黒の組織はない。壊滅させた後だよ。
今回は組織の残党の情報を収集・処理しつつ公安の仕事を手伝ってもらう予定だった。
人身売買に関する事件があって、お前は爆弾の爆発に巻き込まれ頭を強く打った。
分厚い鉄板が後頭部に当たったんだ。
詳しい事は記憶が戻ってから説明するけど、問題なく全員逮捕した。今各国が被害者を救出に当たっている。」
「そうだったのか…。一つ聞いて良いか?」
「なんだ?」
「黒髪の、髪の長い女を知っているか?目が覚めた時隣にいたんだが。」
「…よく知っているよ。お前とどういう関係なのかは本人から聞いたらいいんじゃないか?」
「彼女は…FBIなのか?」
「そうだよ。」
「…俺は…合わせる顔がない。彼女に酷い事を言ってしまった。」
「聞いたよ。何であんなことを言ったんだ?」
「俺が…犯罪者だと思ったからだ。一緒にいたら危険な事に巻き込んでしまうかもしれないと思った。
そもそもこの病院にいるのは何か任務でヘマをしたからだと思った。だから命を狙われると思った。」
「そうか。お前なりに守ろうと考えた結果だったのか。酷いやり方だな。全く、変な所で不器用なのは変わらないな。
…見た事がないくらい泣いてたぞ。」
赤井の目付きが変わった。鋭く殺気立っているようだった。
部屋着の上からジャケットを羽織りカバンを引っ掴んだ。
「まて、何処へ行く気だ?」
「会いに行って謝る。」
「入院してるんだぞ?後で来てもらうから落ち着け。」
そのまま無言で出ていってしまった。
慌てて追いかけたがエレベーターに間に合わず目の前でエレベーターのドアが閉まった。
近くにいた看護師に状況と、連れ戻して来ますと伝えて後から来たエレベーターに乗り込んだ。
病院へ出てナマエちゃんに連絡をした。
「赤井が病院から出ていった。会って謝りたいと言っていたからそっちに向かってるかもしれない。」
「分かった、電話をかけてみる。」
「とりあえず僕が探すから家から出ないで。行き違いになるかもしれない。」
「うん。」
【ナマエ視点】
突然電話がかかってきてシュウが病院から出ていったと聞いた。
急いでシュウのスマホに電話をかけてみた。
「もしもし、シュウ!」
"貴方のお掛けになった電話は現在電波の届かない場所におられるか、電源が入っておりません"
まずい、電池切れかも…。
そうなるとGPSも追えないし場所が分からない。
探すにもすれ違いになるのも困るし…。
そもそも家の場所、分かるんだろうか。
安室が家を教えてくれているだろうと信じて待つことにした。
部屋に行こうとすると清掃業の方とすれ違った。
ゴミ袋を青い大きなカートに纏めている。
ちらっと見るとゴミ袋から見慣れたものが見えた。
「ちょ、ちょっと待って下さい!」
「え?なんでしょうか?」
「その手に持っている袋、見せて貰えますか?」
「患者さんの所から出したゴミだけど…?」
「そこに手帳がありますよね?それ、多分大切なものなので…。」
「ちょっと待ってください、手袋をして中を確認します。」
そう言ってゴソゴソ袋から出されたのは紛れもなく赤井のFBIの手帳だった。
アルコールの除菌シートで拭いて手渡してくれた。
「間違って入っちゃったのかねぇ。どうぞ。」
「ありがとうございます。すみません。」
手帳を必要以上にぐっと握りしめた。
怒りが湧いて仕方がなかった。
大切な手帳を捨てるなんて、馬鹿な事を。
それにいくら記憶が無いとはいえナマエちゃんに酷い暴言まで吐いて。
でも一番の怒りは自分自身にだ。
こんな事になったのも二人が公安に協力したせいだ。
僕が記憶喪失になったほうが良かった。
…本来ならそうなるはずだった。あの階は元々僕が爆弾解除する予定だったはず。
なんで赤井にさせたんだろう。
赤井を無事に連れて返すと約束していたのに。
最低だ。
怒りにまかせてノックもせず勢いよくドアを開けた。
「赤井…秀一ィ!」
ずかずかと部屋に入ると赤井が驚いた顔をした。
間髪入れず思い切りビンタをした。
本来なら避けられるはずなのに、避けずに無言で食らっていた。
「バーボン…。」
「僕はもうバーボンではありません。貴方も、もうライではないんです。貴方は赤井秀一です。
…僕が悪いんです。
貴方を…赤井を公安の仕事に巻き込んだから。
それに爆弾解除をするのは本来僕の役目だった。
なんでやらせてしまったんだろう。
ごめん…。」
「公安…?俺は…犯罪者だろう。公安の仕事とは何だ?俺は組織の一員ではないのか?」
今まで見た事がないくらい赤井は酷く狼狽えた。それに手が震えている。
「お前が犯罪者?それなら僕もそうだろうな。
よく聞け。全部説明してやる。
お前の名前は赤井秀一、FBIの捜査官だ。
黒の組織を追うために僕や赤井が潜入捜査していたんだ。その時の記憶が中途半端に残ってるんだろ。
ライというのはその時のコードネーム。
僕のバーボンもそうだ。」
「…俺が?FBI?さっきの手帳は…本物だったのか。」
「これだろ、馬鹿!捨てるなよ。」
「君が拾ってくれたのか、ありがとう。
…君の本当の名前は?」
「降谷零。僕は警察庁警備局警備企画課、通称ゼロ所属の公安だ。」
「降谷…君。」
「今はもう黒の組織はない。壊滅させた後だよ。
今回は組織の残党の情報を収集・処理しつつ公安の仕事を手伝ってもらう予定だった。
人身売買に関する事件があって、お前は爆弾の爆発に巻き込まれ頭を強く打った。
分厚い鉄板が後頭部に当たったんだ。
詳しい事は記憶が戻ってから説明するけど、問題なく全員逮捕した。今各国が被害者を救出に当たっている。」
「そうだったのか…。一つ聞いて良いか?」
「なんだ?」
「黒髪の、髪の長い女を知っているか?目が覚めた時隣にいたんだが。」
「…よく知っているよ。お前とどういう関係なのかは本人から聞いたらいいんじゃないか?」
「彼女は…FBIなのか?」
「そうだよ。」
「…俺は…合わせる顔がない。彼女に酷い事を言ってしまった。」
「聞いたよ。何であんなことを言ったんだ?」
「俺が…犯罪者だと思ったからだ。一緒にいたら危険な事に巻き込んでしまうかもしれないと思った。
そもそもこの病院にいるのは何か任務でヘマをしたからだと思った。だから命を狙われると思った。」
「そうか。お前なりに守ろうと考えた結果だったのか。酷いやり方だな。全く、変な所で不器用なのは変わらないな。
…見た事がないくらい泣いてたぞ。」
赤井の目付きが変わった。鋭く殺気立っているようだった。
部屋着の上からジャケットを羽織りカバンを引っ掴んだ。
「まて、何処へ行く気だ?」
「会いに行って謝る。」
「入院してるんだぞ?後で来てもらうから落ち着け。」
そのまま無言で出ていってしまった。
慌てて追いかけたがエレベーターに間に合わず目の前でエレベーターのドアが閉まった。
近くにいた看護師に状況と、連れ戻して来ますと伝えて後から来たエレベーターに乗り込んだ。
病院へ出てナマエちゃんに連絡をした。
「赤井が病院から出ていった。会って謝りたいと言っていたからそっちに向かってるかもしれない。」
「分かった、電話をかけてみる。」
「とりあえず僕が探すから家から出ないで。行き違いになるかもしれない。」
「うん。」
【ナマエ視点】
突然電話がかかってきてシュウが病院から出ていったと聞いた。
急いでシュウのスマホに電話をかけてみた。
「もしもし、シュウ!」
"貴方のお掛けになった電話は現在電波の届かない場所におられるか、電源が入っておりません"
まずい、電池切れかも…。
そうなるとGPSも追えないし場所が分からない。
探すにもすれ違いになるのも困るし…。
そもそも家の場所、分かるんだろうか。
安室が家を教えてくれているだろうと信じて待つことにした。