1冊目
『シャオさんこの後暇ですか?暇なら家に来ませんか?』
内容はエミさん宅への招待状。今日は実況も撮り終えたし、あとはすることも無い。ちょうど暇だったのだ。
さすがエミさんやわ、と少し笑いながら返事を打っていく。
『ちょうど暇やったんよ。今からそっち行くから待っててな』
そうと決まれば善は急げ。部屋着から着替え、最小限の貴重品を持って家を出る。
エミさんからの誘いなんて珍しいな、と内心ワクワクしながら家へ向かっていく。
途中コンビニに寄り、一緒に食べる菓子やつまみなどを買う。ちょっと少ないけど、菓子ならこれで足りるよな…?
コンビニから出、しばらく歩いていくとエミさんの家が見えてくる。目的地が見えると向かう足は自然と早まる。
玄関前に着き、インターホンを押す。ピンポンと聞き慣れた音が聞こえた後、
「開いてますよ」
とエミさんの声が聞こえた。
ドアノブを回すと簡単に扉が開き、少し拍子抜けする。防犯大丈夫なんかな。
「お邪魔しま~す」と呟き、玄関で靴を脱ぎ揃える。そしてエミさんがいるであろう部屋に向かった。
部屋の扉を開けると、本を片手に紅茶を飲んでいるエミさんがソファに座っていた。
「エミさん来たよ~」
「あ、シャオさんいらっしゃい」
エミさんは俺に気づくと、すぐに立ち上がり食器棚へ向かう。どうやら俺の分の紅茶も淹れてくれるようだ。
俺はエミさんが座っていた場所の隣に座り、その様子を眺めながら紅茶を待つ。ふと読んでいた本が気になりそちらに目を向けると、紅茶を入れ終えたエミさんが隣に座った。
「…それでエミさん。何で俺呼んだん?」
俺は用事もなく暇やったから来たけど…エミさんが俺を呼び出すのは珍しい。
何か大切な用があるのかもしれないと思い、話を振ってみる。
するとエミさんは紅茶を飲む手を止め、改めて俺の方を向く。
何だろう…大事な話なんかな?
疑問に思いつつも話し出すのを待っていたが、エミさんはなかなか口を開こうとしない。
「結局何の用なんや…」
そう聞いてもエミさんは黙ったまま。本当に何の用なん…?
何も無いって可能性もあるけど、それなら無いって言うからな…
「何?用がないなら無いでええやん」
「いや、用ならあるにはある…けど…」
「何やハッキリせんなぁ。これから告白する乙女か!」
エミさんは用があるのになかなか喋らない。その様子見てると、エミさんまるで告白する乙女みたいなんよなぁ。結局何の用かも分からへんし…
その発言に引っかかるものがあったのか、エミさんはハッと息を吸い込む。
…え?
「あの、シャオさん」
「何?」
「……さっきの人狼、あるやんな」
「やったなぁ。え、あれ根に持ってるん?せやったら謝るけど」
「ちゃうよ」
まじで何なんや。ハッキリ言うてくれ…
「…引かないでくださいね」
「内容にもよるなぁ…実はエミさんが円形脱毛症とかやったらそりゃ引くけど」
「そんなことないわ!」
二人で顔を見合わせ、ふっと吹き出す。
何か、幸せやなぁ。
「そうやなくて…」
「ほんま何なん?」
「その…シャオさんと行動してたロボロさんが、羨ましくて…」
そう言ったエミさんは俯き、自分の膝辺りを見る。
顔こそよく見えないが、その耳は赤く染まっていた。
内容はエミさん宅への招待状。今日は実況も撮り終えたし、あとはすることも無い。ちょうど暇だったのだ。
さすがエミさんやわ、と少し笑いながら返事を打っていく。
『ちょうど暇やったんよ。今からそっち行くから待っててな』
そうと決まれば善は急げ。部屋着から着替え、最小限の貴重品を持って家を出る。
エミさんからの誘いなんて珍しいな、と内心ワクワクしながら家へ向かっていく。
途中コンビニに寄り、一緒に食べる菓子やつまみなどを買う。ちょっと少ないけど、菓子ならこれで足りるよな…?
コンビニから出、しばらく歩いていくとエミさんの家が見えてくる。目的地が見えると向かう足は自然と早まる。
玄関前に着き、インターホンを押す。ピンポンと聞き慣れた音が聞こえた後、
「開いてますよ」
とエミさんの声が聞こえた。
ドアノブを回すと簡単に扉が開き、少し拍子抜けする。防犯大丈夫なんかな。
「お邪魔しま~す」と呟き、玄関で靴を脱ぎ揃える。そしてエミさんがいるであろう部屋に向かった。
部屋の扉を開けると、本を片手に紅茶を飲んでいるエミさんがソファに座っていた。
「エミさん来たよ~」
「あ、シャオさんいらっしゃい」
エミさんは俺に気づくと、すぐに立ち上がり食器棚へ向かう。どうやら俺の分の紅茶も淹れてくれるようだ。
俺はエミさんが座っていた場所の隣に座り、その様子を眺めながら紅茶を待つ。ふと読んでいた本が気になりそちらに目を向けると、紅茶を入れ終えたエミさんが隣に座った。
「…それでエミさん。何で俺呼んだん?」
俺は用事もなく暇やったから来たけど…エミさんが俺を呼び出すのは珍しい。
何か大切な用があるのかもしれないと思い、話を振ってみる。
するとエミさんは紅茶を飲む手を止め、改めて俺の方を向く。
何だろう…大事な話なんかな?
疑問に思いつつも話し出すのを待っていたが、エミさんはなかなか口を開こうとしない。
「結局何の用なんや…」
そう聞いてもエミさんは黙ったまま。本当に何の用なん…?
何も無いって可能性もあるけど、それなら無いって言うからな…
「何?用がないなら無いでええやん」
「いや、用ならあるにはある…けど…」
「何やハッキリせんなぁ。これから告白する乙女か!」
エミさんは用があるのになかなか喋らない。その様子見てると、エミさんまるで告白する乙女みたいなんよなぁ。結局何の用かも分からへんし…
その発言に引っかかるものがあったのか、エミさんはハッと息を吸い込む。
…え?
「あの、シャオさん」
「何?」
「……さっきの人狼、あるやんな」
「やったなぁ。え、あれ根に持ってるん?せやったら謝るけど」
「ちゃうよ」
まじで何なんや。ハッキリ言うてくれ…
「…引かないでくださいね」
「内容にもよるなぁ…実はエミさんが円形脱毛症とかやったらそりゃ引くけど」
「そんなことないわ!」
二人で顔を見合わせ、ふっと吹き出す。
何か、幸せやなぁ。
「そうやなくて…」
「ほんま何なん?」
「その…シャオさんと行動してたロボロさんが、羨ましくて…」
そう言ったエミさんは俯き、自分の膝辺りを見る。
顔こそよく見えないが、その耳は赤く染まっていた。