このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

1冊目

ねえ、ショッピさん。

「っ、えみさん、まさか」

私は貴方のお言葉に甘えます。

「危ない!」

だから必ず、救ってくださいね。


私は一歩後退り、線路へ身を投げた。


――――――――


『あの、ショッピさん』
『なんすか』
『もし、私が今ここで身を投げてしまったら…貴方は救ってくださいますか?』
『…そりゃ救いますよ』


――――――――


ハッと我に返る。その途端、周りの情報が自身へ流れ込んでくる。
ざわめく周囲、向けられる目という目、ぎゅっと抱き締められる感覚、噎せるような煙草の香りと、相対した優しい彼の香り、耳元からは彼の焦ったような荒い息遣い。
嗚呼、彼は私を救ってくれたんやな。
1/13ページ
スキ