▼おや?叔父さん の ゴルーグ の 様子 が …… ?
【ゴルーグとチョロネコ】
特訓の末にテレパシーで喋れる様になった叔父さんのゴルーグ。正確に言うと、叔父さんの様な存在のお兄さんのゴルーグなんだけどめんどくさいので割愛する。
兎も角シュウのゴルーグは喋れる様になった、テレパシーで。自分でも何を言ってるのかよくわからないけど喋るのだ、シュウのゴルーグは。
「いやぁ~本日もいいお天気で何よりですねぇ!シンオウ地方は土地が広いのでお洗濯物も大量に干せて良い事尽くしですね、ロウさん!」
ほら見ろ、当たり前の様に話しかけてきやがる。ゴビットだった頃に会った事はあるけど、進化は兎も角喋れる様になってあんなテンションだと初対面も同然だ。
それなのにご機嫌に洗濯物の皺を伸ばし、器用に洗濯バサミに挟んで次々と干していく。ゴルーグの大きさから見れば洗濯バサミなんてバチュルみたいなものだというのに……いや待ってあれマジどうやって洗濯バサミ使ってんの??つか昨日からだけどなんでエプロンしてんの?どういう用途で作られたエプロンなのそれでかすぎんだろ。
「ゴルーグさーん洗濯物ありがとねー!助かるわー」
「いえいえ!これくらいお安い御用ですとも、どんどんお任せください!」
追加の洗濯物を持ってきた看護師さん達とも気さくに挨拶を交わしていく。何故だ、お前昨日シンオウに来たんだろ、何故もう馴染んでいる。看護師さん達もなんで喋る3m越えのポケモンを受け入れるのです、私はまだ夢だと思いたいのに。いや夢にしては悪夢もいいところなんだが。
そして言い忘れたがここはクロガネシティにあるその名も "クロガネ病院" 、の敷地内。私はクロガネ病院に勤める女医の養子で、病院にお勤めの看護師さん医師の皆様とは顔見知り───というか病院関係者全員に育てられたと言っても過言ではない。
そしてそのおかげで病院のお世話になっている爺さん婆さん とも親交がある、というか孫にされた。年寄りってスゲーよな、「お前も家族だ」を素でやるもん。
「やはり病院は洗濯物がすごい数ですね。これは看護師の皆様だけでは重労働でしょう」
「今更だけどさぁ、ゴルーグ濡れた洗濯物 触って大丈夫なの?じめんタイプじゃん?」
「そこはご安心ください。私ゴーレムポケモンですが泥人形という訳ではなく、しっかり外殻がありますので溶けたりしませんよ、ゴルーグですので!」
「そういう事を言ってるんじゃないんだけどなぁ……あとやっぱなんかちょいちょいウザいな」
「ウザいって言えばロウちゃんこれ知ってる?ゴルーグさんみたいに喋るチョロネコの動画なんだけど」
なんと、ゴルーグ以外にも喋るポケモンがいるなんて頭痛してきた。ていうか今「ウザいって言えば」って言った?やっぱゴルーグの事ウザいって思ってんの?
驚いて身を引いている私の事はお構いなしに、看護師のサツキさんが差し出してきたスマートフォンを覗き込む。そこにはチョロネコの動画が写っていたんだけど、
「……これ喋ってます?」
「え~喋ってる様に聞こえない?ほらっ今 "ご飯" って言った!」
ああ、言われてみれば確かに。動画のチョロネコの鳴き声は「ごあ~ん 」とか「うにゃい 」とか、まるで喋ってる様に聞こえる。トレーナー、というより飼い主は喜んで撮影しているけど、チョロネコのどう見ても不機嫌そうな表情のせいで空耳感覚にしか聞こえない。絶対懐かれてないな、この撮影主もとい飼い主。
「ほほうチョロネコですか……大したものですね」
「うわっ!?」
ゴルーグがぬうっと間に割り込んでくる。いつの間に背後に回り込んだんだ……
「確かに喋ってる様に聞こえますがあくまでも空耳の様なものでしょう!私もこれくらいできますよ!ゴルーグですからね!!」
「これくらいって……
……いやこれくらいって言ってるけどお前これ超えてるからね!?つか私達との会話が成立してる時点でポケモン超えてるからね!!?」
あまりにもスムーズに会話が成立していたので忘れていたが、自信満々にどんがっと胸を叩いているのはゴルーグ、紛れもなくポケモンです。普通は喋れない筈でした。
危ない危ない……この珍妙なポケモンを受け入れてしまうところだった。
「え~ゴルーグさんにこのチョロネコちゃん超えできるのかな~?」
「いやいやいやいや既に超えてんですよサツキさん!?何と話してると思ってんだあんた!」
「望むところです、超えて見せましょう!」
「お前はどういう心境で何の対抗心なんだ!?」
「参ります!!
ごあ~ん、ごあぁ~ん、どうです似てるでしょう!?」
「……超えるって言ってたくせにモノマネかよ!!しかも言い方くっそうぜぇ!!!」
ご丁寧にチョロネコの手の真似までしながら鳴き真似を披露する。サツキさん大爆笑。なぁにこの空間。気のせいだと思っていた頭痛が本格的になってくる。ダメだ、目眩もしてきた。やはりこの珍妙なゴルーグは受け入れられない。
頭を抱えて項垂れていたら肩を叩かれた。いやサイズ感の問題とはいえ指で肩叩くのやめろや。
「ロウさん、こういう時は「お前もう喋っとるがな!!」ってツッコんでいいんですよ☆」
自分の苛立ちをポケモン出さずに自分で水汲んでゴルーグにぶっかけて消化した私、偉いと思う。
「水はヤバいですって……ゴルーグですので……
それにしてもこのチョロネコ機嫌ヤバくないですか?罵詈雑言の嵐ですよ、過干渉気味なんですかねぇ」
「罵詈雑言……?
あっやっぱポケモンだからポケモンの言葉わかるのか!?」
特訓の末にテレパシーで喋れる様になった叔父さんのゴルーグ。正確に言うと、叔父さんの様な存在のお兄さんのゴルーグなんだけどめんどくさいので割愛する。
兎も角シュウのゴルーグは喋れる様になった、テレパシーで。自分でも何を言ってるのかよくわからないけど喋るのだ、シュウのゴルーグは。
「いやぁ~本日もいいお天気で何よりですねぇ!シンオウ地方は土地が広いのでお洗濯物も大量に干せて良い事尽くしですね、ロウさん!」
ほら見ろ、当たり前の様に話しかけてきやがる。ゴビットだった頃に会った事はあるけど、進化は兎も角喋れる様になってあんなテンションだと初対面も同然だ。
それなのにご機嫌に洗濯物の皺を伸ばし、器用に洗濯バサミに挟んで次々と干していく。ゴルーグの大きさから見れば洗濯バサミなんてバチュルみたいなものだというのに……いや待ってあれマジどうやって洗濯バサミ使ってんの??つか昨日からだけどなんでエプロンしてんの?どういう用途で作られたエプロンなのそれでかすぎんだろ。
「ゴルーグさーん洗濯物ありがとねー!助かるわー」
「いえいえ!これくらいお安い御用ですとも、どんどんお任せください!」
追加の洗濯物を持ってきた看護師さん達とも気さくに挨拶を交わしていく。何故だ、お前昨日シンオウに来たんだろ、何故もう馴染んでいる。看護師さん達もなんで喋る3m越えのポケモンを受け入れるのです、私はまだ夢だと思いたいのに。いや夢にしては悪夢もいいところなんだが。
そして言い忘れたがここはクロガネシティにあるその名も "クロガネ病院" 、の敷地内。私はクロガネ病院に勤める女医の養子で、病院にお勤めの看護師さん医師の皆様とは顔見知り───というか病院関係者全員に育てられたと言っても過言ではない。
そしてそのおかげで病院のお世話になっている
「やはり病院は洗濯物がすごい数ですね。これは看護師の皆様だけでは重労働でしょう」
「今更だけどさぁ、ゴルーグ濡れた洗濯物 触って大丈夫なの?じめんタイプじゃん?」
「そこはご安心ください。私ゴーレムポケモンですが泥人形という訳ではなく、しっかり外殻がありますので溶けたりしませんよ、ゴルーグですので!」
「そういう事を言ってるんじゃないんだけどなぁ……あとやっぱなんかちょいちょいウザいな」
「ウザいって言えばロウちゃんこれ知ってる?ゴルーグさんみたいに喋るチョロネコの動画なんだけど」
なんと、ゴルーグ以外にも喋るポケモンがいるなんて頭痛してきた。ていうか今「ウザいって言えば」って言った?やっぱゴルーグの事ウザいって思ってんの?
驚いて身を引いている私の事はお構いなしに、看護師のサツキさんが差し出してきたスマートフォンを覗き込む。そこにはチョロネコの動画が写っていたんだけど、
「……これ喋ってます?」
「え~喋ってる様に聞こえない?ほらっ今 "ご飯" って言った!」
ああ、言われてみれば確かに。動画のチョロネコの鳴き声は「
「ほほうチョロネコですか……大したものですね」
「うわっ!?」
ゴルーグがぬうっと間に割り込んでくる。いつの間に背後に回り込んだんだ……
「確かに喋ってる様に聞こえますがあくまでも空耳の様なものでしょう!私もこれくらいできますよ!ゴルーグですからね!!」
「これくらいって……
……いやこれくらいって言ってるけどお前これ超えてるからね!?つか私達との会話が成立してる時点でポケモン超えてるからね!!?」
あまりにもスムーズに会話が成立していたので忘れていたが、自信満々にどんがっと胸を叩いているのはゴルーグ、紛れもなくポケモンです。普通は喋れない筈でした。
危ない危ない……この珍妙なポケモンを受け入れてしまうところだった。
「え~ゴルーグさんにこのチョロネコちゃん超えできるのかな~?」
「いやいやいやいや既に超えてんですよサツキさん!?何と話してると思ってんだあんた!」
「望むところです、超えて見せましょう!」
「お前はどういう心境で何の対抗心なんだ!?」
「参ります!!
ごあ~ん、ごあぁ~ん、どうです似てるでしょう!?」
「……超えるって言ってたくせにモノマネかよ!!しかも言い方くっそうぜぇ!!!」
ご丁寧にチョロネコの手の真似までしながら鳴き真似を披露する。サツキさん大爆笑。なぁにこの空間。気のせいだと思っていた頭痛が本格的になってくる。ダメだ、目眩もしてきた。やはりこの珍妙なゴルーグは受け入れられない。
頭を抱えて項垂れていたら肩を叩かれた。いやサイズ感の問題とはいえ指で肩叩くのやめろや。
「ロウさん、こういう時は「お前もう喋っとるがな!!」ってツッコんでいいんですよ☆」
自分の苛立ちをポケモン出さずに自分で水汲んでゴルーグにぶっかけて消化した私、偉いと思う。
「水はヤバいですって……ゴルーグですので……
それにしてもこのチョロネコ機嫌ヤバくないですか?罵詈雑言の嵐ですよ、過干渉気味なんですかねぇ」
「罵詈雑言……?
あっやっぱポケモンだからポケモンの言葉わかるのか!?」