様子と機能がおかしい叔父さんのゴルーグと恋に惑う私

※ポケモンの話し方は個体によって異なります。同種のポケモンすべてが同じ話し方をする訳ではありません。
※話し言葉をそのまま翻訳している為、読みにくい箇所もあるかと思います。
※ポケモン達の話し言葉はトレーナーの影響を受けたものではありません。個人の学習能力によって取得したものの様です。
以上の点を踏まえておまけをお楽しみください。



おまけ1【 今朝のヒョウタ 】

「おはようズガイドス。あ、眼鏡取ってくれたの?ありがとう。
はぁ……思い立ってから結構時間経っちゃったな……ロウちゃんと会ってもちょっと世間話して終わっちゃうし」

「ずぎゃう、ギャーウ!ギャギャウッ!(翻訳:ヒョウタ、オメェ今日休みだろ!今日こそあの嬢ちゃんを誘っちまえってんだ!)」

「ズガイドス……そうだよね、緊張して本題を話せないの、良くないよね。
よし、"今日の仕事が終わったら" ロウちゃんに声かけてみよう!ズガイドス眼鏡返して」

「ギャバァ!?ギャウッギャーウ!!ギャオウ!!(翻訳:ハァ!?いやいやオメェ今日は休みだぞ!!仕事ねェって!!)」

「今日はジムは予め閉める予定だったし、炭鉱にそのまま直行するよ。そうと決まれば頑張って早めに終わらせちゃおう!ズガイドス眼鏡返して」

「ギャバー!ギャーウ!!(翻訳:仕事ねぇよー!止まれヒョウタァー!!)」

「ちょっ、こらズガイドス足にしがみ付かなイタタタタ脛!脛に頭 押し付けないで!!痛いよズガイドス!!あと眼鏡返してってば!!」

「ずぎゃうぅ……ギャウッギャオォウ!!(翻訳:くそ、あの嬢ちゃんならすぐ伝わんのにな……いや!俺ァ ヒョウタの相棒だ、この身を挺してオメェの勘違い過ちを正してやらァ!!)」

「どうしたんだよズガイドス、今度は通せんぼなんかして……(もしかして、今日はジムには行かないから自分の仕事が無くて怒ってるとか?挑戦者が来ない日が続くとバトルできなくてちょっとイライラする時あるしなぁ、でも前から今日はジムお休みだよって言ってた筈だけど……)」

「ギャオウゥ、ぎゃうぅぅギャーウ!!(翻訳:気付けヒョウタ オメェ今日は休みだ!炭鉱になんか行かねぇで嬢ちゃんのとこ行けー!!)」

「うーん……ごめんズガイドス、時間無いから後で話 聞くね。ボールに戻って」
「ぎゃう(翻訳:あっ)」

この後、炭鉱で滅茶苦茶笑われた上にズガイドスに頭突きされたヒョウタであった。



おまけ2【 プテラに殴られた真相的なあれ 】

「という訳でプテラ、彼女の事をハクタイシティまで送ってほしいんだ」

「……(翻訳:いやいやいやいや、マジで言ってんのかヒョウタよぉ。トレーナーならまだしもこいつポケモンすら連れてねぇじゃねぇか……)」

「急にこんな事 言っても困るよね、ごめんね、コトブキシティで君の好きなポフィン買って来てあげるから」

「……グゥルル、ぐぉう……(翻訳:いやポフィンはありがてぇけどよぉ……ほっといてもいいんじゃねぇのかこいつ……)」

「(プテラ、プテラー!!)」

「ぐぉっ!?(翻訳:ハッ!?その声はズガの兄貴!?)」
(※ポケモン同士だとモンスターボール越しでも会話が可能な様です)
(※可能という体でご覧ください)

「わっ、どうしたの?鞍のベルトが何処かに引っ掛かったかな……?」

「(俺はボールの中だ!そのまま聞け!
面倒だとは思うがその女はヒョウタの言う通りハクタイまで送ってやれ、降ろしたらすぐに戻ってこい!大丈夫だハクタイには叔父貴がいるからな、命綱やらベルトやらを外すのは叔父貴がやってくれる筈だ)」

「ぐ、グォォウ(翻訳:わ、わかりやした。兄貴がそう言うなら……けどなんでそんなに急いでるんです?若は今日休みじゃねぇんですか)」

「(休みだからだよ!ほらあのでんきタイプみてーな毛色の嬢ちゃんいるだろ、ヒョウタはこれから嬢ちゃんをデートに誘うつもりなんだよ!!)」

「グワォォォ!?(翻訳:マジっすか!?若がデート!?)」

「うわぁっどうしたのプテラ!?やっぱり嫌?!」

「ぐ、ぐお……(翻訳:す、すまねぇ若……つい……)」

「(オメェの気持ちは良くわかる。だからこそだ、あのヒョウタがついに番 持とうとしてんだ。俺ァよぉ、ヒョウタの為に俺が協力できる事は出来る限りやってやりてぇんだ……)」

「グルルルル……グォォォォォ!!(翻訳:兄貴……オレ、若の将来の為ならカントーへでも飛びますよ兄貴!!)」
「(いや今はハクタイシティに行け)」

「あの、ヒョウタさんこれ、本当に大丈夫です……?」

「え?あーうん、大丈夫、大丈夫だよ!ハクタイシティについたら叔父さんが降りるの手伝ってくれるから。
(よくわかんないけどプテラの気迫がすごいや、機嫌悪いのかな……やっぱり咄嗟に思いついたとは言え、ポケモンを巻き込むのは良くなかったよな……次は自分の力で何とか上手く断ろう)
い、ッタァ!?」

「グオーゥ!!(翻訳:これは景気付けだ若ァ!気合い入れて行けよォー!!)」

「えちょっと待っ、いぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァァァァァァ……」

「っ……脹脛 叩かれた……よっぽど嫌だったんだな……ごめんプテラ、ポフィン多めに買ってくるよ……」

「(良い景気付けだぜプテラ……!!)」

※今日のヒョウタに特別 余裕が無いだけで普段はもう少しポケモン達と正確な意思疎通ができているそうです。



おまけ3【 母は襲来しないが見ている 】

IN コトブキシティ

「あ、ヒウンアイスだ!」

「ヒウンアイスって確か、イッシュ地方で売られてるアイスクリームだよね」

「はい、ヒウンシティで売られてるめっちゃ人気のやつです。
あー物産展みたいな感じで出店してるっぽいですね。ヒョウタさん食べます?買ってきますよ」

「すごく並んでるし一緒に行こう。ロウちゃんだけ、に、ごめん電話が……」

「いいですよ、仕事の電話だったら大変ですし。先に並んでますね!
(今の会話デートっぽかった、めっちゃデートっぽい会話できた……!!)」

「ほんとにごめん。すぐ戻るから……!
って母さん?!なんで急に……もしもし母さん?どうしたの」

「ヒョウタ?あらやだ、お邪魔しちゃいました?」

「……邪魔って、どういう意味、ですか」

「ヒョウタっぽい後ろ姿の子が見えたからもしかしてと思って電話しちゃいました」
「待って母さん今 何処!?何処から見てるの!?」

「ここよここ、ヒョウタの後ろにあるビルの美容院ですよ」
「後ろのビル?あっほんとだいる!(手振らないで、ちょっと恥ずかしいから……!)」

「それよりさっき一緒にいた女の子!いつも話してるクロガネ病院の子でしょう?本当にモデルさんみたいに綺麗な子ねぇ!もしかしてあの子とデート中でした?」

「なっ!?あ、う、でっデートじゃありません!」

「あらーデートじゃないの?」

「うぅっ……で、デートだと良いなって思ってるのは僕だけで、ロウちゃんがどう思ってるかは別って言うか、わからないっていうか……」

「ロウっていうお名前なの?少し変わっているけど可愛らしいお名前ねぇ。これからクロガネシティに行くところだったの、折角だからご挨拶に伺いますね」
「人に話 振って急に方向転換するのやめてください。というか待って挨拶とかそういうのは後に」

「ウフフ勿論わかってますよ。デートの邪魔はしません。貴方達が帰ってから、伺いますから」

「……はい(母さん……絶対からかってる……!)」

「あ、そうだ、今日お父さんもヒョウタの様子を見にクロガネに行くって仰ってましたから、買い物してご飯用意してますね」
「えっ、待って母さんどういう事!?父さんも来るの!?」

「それじゃあヒョウタ、デート楽しんでくださいね。ちゃんとロウちゃんをエスコートするんですよ」

「待って母さん、母さん!!ちょっとぉー!」

「えっヒョウタさん何かビルに向かって叫んでる。アイス買いに言ってる間に何が!?」



おまけ4【 家族会議 】

「で、(タイミングは悪かったけど)昼間 連絡くれた母さんは兎も角、本当に父さんまで来ちゃったんだ……」
「来ちゃったんだとはなんだ!折角顔を見に来てやったというのに!」

「突然来ても困るっていつも言ってるじゃないか!せめて当日でもいいから連絡してください!」

「まぁまぁ喧嘩は後にしてまずご飯食べましょう。ね、お父さん」

「……まぁ母さんの作る飯も久しぶりだからなぁ。いただきます!」

「いつもジムか こうてつ島に行ってるからでしょ。いただきます」

「はい、召し上がれ~
昼間と言えばヒョウタ、ロウちゃんとのデートは上手くいきました?」

「「ごふっ」」

「あらー同じタイミングで吹き出すなんてやっぱり親子ですねぇ」

「げほっげほっ、母さん!さっきロウちゃんに会ったよね!?その時 同じ様な、同じじゃないけど似たニュアンスの話してきたよね!?」

「そうでしたっけ?」
「確信犯ですよね!?父さんの為の確信犯ですよね!?」

「デートだとぉ!?どういう事だヒョウタ、聞いてないぞ!?」
「言う訳ないでしょう!?こうなるのが目に見えてるんだから!」

「ほらお父さんもご存じでしょう?クロガネ病院のロウちゃん。私もたまたま、偶然、見てしまったんですけどヒョウタったら、ロウちゃんとコトブキシティでデートしてたんですよ」

「ほぉーおー?ヒョウタがあのロウちゃんとなぁー?」

「ニヤニヤしないでよ父さん!だから言いたくなかったんだよもぉー!
母さんも言わないでって言ったのにどうして言うんですか!しかも、で、デートじゃな」
「デートじゃないなら、ロウちゃんには何て言ってお誘いしたんですか?」

「えっ?それは、その」

「お前の事だ、大事なところでもだもだして、結局ロウちゃんから誘ってもらったんじゃないのか?どうなんだヒョウタ、ん?」

「うるさいなぁ僕から誘いましたっ!こう、普通に……『コトブキシティに買い物に行くから、良かったら一緒に行きませんか』みたいな……」

「ッカァー!!どうしてそこでデートしてくださいとハッキリ言わんのだお前は!この甲斐性無しめ!!」
「なっ!だ、誰が甲斐性なし」
「あらまぁお父さんとすっかり同じ誘い方するなんて、やっぱり親子ですねぇ」

「───え?」

「お父さんも昔、そういう言い方でお母さんの事デートに誘ってくれてたんですよ。
ヒョウタは優しい子だから大丈夫でしょうけどお父さんはほら、不器用で大雑把で、すぐ照れ隠しでぶっきらぼうになるんですよ。ちょっと意地悪して「これってデートですか?」って聞くと「デートじゃない!ただの買い物だ!」って。
いつもそうやってすぐ照れて拗ねちゃって、ふふっ、ねぇ "トウガンさん" ?」

「…………父さ」
「いやぁー母さんの作る肉じゃがは本当に美味いなぁ!!ほらっヒョウタもさっさと食べなさい!!」

「トウガンさんから手を繋いでもらうの、確か1年くらいかかりましたねぇ。ヒョウタもあんまりもじもじしてると、ロウちゃんに先を超されてしまうかもしれませんよ?お母さんもそうで」
「母さん!!おかわり!!!」

「はいはい、もう若くないんですからもう少しゆっくり食べてくださいね、お父さん。
ああそうそう肉じゃがは たくさん作りましたから、残りはタッパーに入れておきますねヒョウタ。明日ズガちゃんと一緒に食べなさい」

「……はい、アリガトウゴザイマス(もしかして僕、ダシにされた上に両親に惚気られた?)」

その日、父と同じ轍は踏むまいもう少し恋愛に積極的になろうと密かに決意したヒョウタであった。



おまけ5【 ロウはヤバめの塩と多めのスパイスとちょっとした乙女心で出来ている女の子はお砂糖とスパイスと素敵な何かで出来ている

「窓から失礼致します、ロウさん。お風呂が沸いたそうなのでお早めに……おや、どうされましたロウさん。そんな目の前で全ての長ネギを失ったカモネギの様なお顔で虚空を見つめて」

「……今日さぁヒョウタさんと出掛けたじゃん」

「出掛けられましたねぇ。デート、楽しかったですかウフフフ」

「たのちかった……楽しかったけど帰りにヒョウタさんのお母さんに出逢った」

「Oh, なんということでしょう。ハッ、もしや何か、嫌味な事を言われたのですか!?『貴女の様なでんきタイプみたいな髪色の子はうちのヒョウタに相応しくないザマス!』の様な事を!!」
「どこの誰だそれ。しかも髪色は生まれつきらしいからとやかく言うな。
違うよそんな事 言われてない。むしろめっちゃニコニコしてた、めっちゃ嬉しそうにしてた」

「おやそうなのですか?では何故そんなに思いつめた表情をされていたのでしょう?」

「……ヒョウタさんのお母さんにさ、『ヒョウタの事、これからもよろしくお願いしますね』って言われたの。で、テンパって咄嗟にわかりました頑張りますって返しちゃったの、めっちゃ元気良く」

「良いじゃありませんか」

「良くねェェェェェェェ!!!!!ヒョウタさんがさぁ自分の母親の前だから何も言わなかっただけで『は?彼女でもないくせに何言ってんのこいつ』とか思ってたらどうすんの!!どうすんの!!!??どうしたらいいの!!!??」

「お、落ち着いてくださいロウさん!お優しいヒョウタさんが、その様な事を考える訳ないじゃありませんか。その時のヒョウタさんのリアクションはどんなものだったのか御覧になってないのですか?」

「……あー……そういうのやめてよ母さんみたいに言ってた気がする」

「表情は?」

「んんー見えなかった、1歩前に出てたから。でも耳めっちゃ赤かった、と思う。んふふふ可愛いよね、ヒョウタさんもお母さんにそういう事 言われて照れるなんて。ね、ブラッキー」

「う˝ぁあ?ヴァウゥ(翻訳:んがぁ?そうなんじゃない)」
「寝てたよねブラッキー、そのリアクションは寝てたよね」

「(それは別の事に対する照れなのではないでしょうか……)」

「そういやその後、お母さんが『私達とも末永くよろしくお願いしますね』って言ったらヒョウタさんもっと焦ってたなぁ」
「ロウさんそれは間違いなく外堀を埋められていますよロウさん」

「え?今何て言った?ハトーボー??」

「ダメだこの人、ヒョウタさんとのデートで浮かれ切っている上にその後の失言をしたかもしれないという焦りで思考力が著しく低下している……!シュウさん、シュウさんをお呼びして収拾を付けなければ!
シュウさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「ゴルーグ寒いから窓閉めてって。つかここ2階なんだけど」

この後、めんどくさがったシュウによってロウは風呂に投げ込まれた。滅茶苦茶 暖まった。
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