一方通行の恋(レイまも)
最初は、本当に興味本位だった。
女子校にずっと通っていて、男の人との接触がない私は、生温い生活に嫌気がさしていた。
刺激が欲しい。そんな時に出会ったのが衛さん。
顔も良いし、頭も良い。その上極めつけが、御曹司と三拍子揃っている。
お嬢様学校に通う私にこれ以上無いくらいピッタリの人。
動機は不純だったけれど、どんどん好きになっていた。本気で好きだった。
振り向いて欲しくて必死だった。頑張ってアタックしていた。
だけど、彼が見ていたのは私じゃなかった。それを見て見ぬふりしていた。アタックし続けたらきっといつか振り向いてくれるって、何処かで信じていたから。
私といても楽しくなさそうなのは明白だった。衛さんが好きだから。ずっと見ていたから。
どこかの誰かさんとは違って、私は鈍感なんかじゃない。
心ここに在らずだって、一方通行の恋だって分かっていた。
頑張れば振り向いてくれるって信じていた。
性格だって私と似た人で、心地よかった。
うさぎをからかっている姿が私と似ていて、楽しそうだと感じた。
でもそれがまさか、実はそう言うことだったなんて……
うさぎとの間には、入れない絆の様なものがあると感じていた。
出会ったタイミングが遅かったとか、そんな言い訳私は大嫌い。関係ないって思っている。
二人の間にいつか入れるって信じていたのに、それは絶対に無理なのだと思い知った。
まさか、二人は前世からの恋人だったなんて、反則もいいところよ!
タイミングとか以前の問題じゃない。太刀打ち出来ない。勝ち目なんて無いわ。
それに、そんな事思い出す前から衛さんはタキシード仮面としてセーラームーンであるうさぎをずっと助けて来た。ずっと、彼女だけを。
前世とか、地場衛と月野うさぎだとか関係なく、ずっとタキシード仮面としてセーラームーンを守っていた。
前世なんか関係なく、タキシード仮面とセーラームーンとしての絆が深いと感じるわ。
完全なる完敗。
そんな二人を見て、胸が締め付けられた。ギュッと心臓を掴まれたように痛い。
最初は興味本位からだったけれど、ちゃんと衛さんが好きだったんだと思い知らされた。
本気で好きだったんだと、気づいた。
完全敗北だったけれど、こんな私でも本当の愛を見つけられた事に嬉しく思った。
いつまでもウジウジ何か、らしくない!
過去は振り返らない。前を向いて生きて行くのよ。
さて、そうと決まればうさぎと衛さんが上手くいくよう、レイちゃん、一番の応援者になるわよ!!!
だからうさぎ、衛さんと末永く幸せにならないと火星に代わって折檻よ!
END
2022.12.01
地球と火星が接近する日と聞いて書きましたので一時間クオリティですすみません。