イースターパーティ


第3巻『美奈子だけは大丈夫』


マシュマロを運んでいた当の本人も自体を把握出来ず呆然と立ち尽くして行く末を見届けるしかなかった。

爆発が止まらないマシュマロはあっちこっちへ飛び散り、衛の部屋が見る見るうちにメレンゲの海と化していく。
どこに飛び散るか分からない爆発するマシュマロに為す術もなく、避ける事も出来ずにいる衛達だが、ただ1人、この状況に対応出来ている人物が存在した。ーーそう、美奈子だ。
その動きはまさに慣れている様子で機敏に動き、とても器用に避けている。まるで忍者かと見間違う程に。
否、美奈子はセーラー戦士リーダーでみんなより戦いの先輩、そして何よりバリバリの体育会系。日々の鍛錬によりこう言った類いのものはすぐに察知出来、動けるのだろうと爆発して何処に行くか予測不能なマシュマロを避ける美奈子を見て誰もが感心した。

「何でマシュマロが爆発するのよ?うさぎ!一体何したの?」

せっかくの服がメレンゲまみれになり汚れてしまい、レイは呆れると同時に爆発犯人のうさぎを責め立てる。

「ごめんなさーーい。レンジでチンしただけなのに、膨張しだしたかと思ったらまさか爆発するなんて思ってもなくて…」
「本当に?」
「本当だよ!でもパーティーの幕開けとしてはクラッカー要らずで景気づけになってよかったよね♪」
「あんたねぇ…このメレンゲまみれの私たちと大惨事の部屋見てもそれが言えるの?」
「こりゃあ~掃除が大変だな…。取り敢えずみんなで掃除してからでないとパーティー出来ないよな…」
「…ってこれ、せっかくの食べ物にもメレンゲまみれよ?食べられるのかしら?」
「何とかなるっしょ?」
『うーさーぎー』

まさか自分が持ってきたマシュマロをレンジでチンした結果、こんな大惨事になろうとは全くもって予想だにしていなかったうさぎだが、そこまで事態を重く受け止めていなかった。
それどころか持ち前の能天気さで脳内パリピ状態である。

「服もどうにかしないと…」
「おしぼりで拭くしかないな…」
「せっかくのパーティーが台無しね…」
「時間、どんどん減って行くわねぇ…」

話しながらもこの大惨事になった衛の部屋をテキパキと掃除し始める。
遅れを取ってしまったが、張本人のうさぎも掃除に参加するが、美奈子同様案の定足でまといになってしまい、戦力外通告を受けてしまう。

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