あさごはん
「お前朝は台所立ち入り禁止」
「なぜだ」
「え?だってお前、めちゃくちゃ料理に時間かけるじゃねえか」
至極当然という顔で、兄さんは言った。
兄さん曰く、朝の台所は戦場らしい。
「朝はやっぱ拳兄に任せるに限るよねー」
透もか。
「私も料理は作れるのだが…」
「ミカ兄が料理できるの知ってるけどさあ、ねえ」
ねえ、と視線をよこす先には兄さんがいる。
「なあ」
「はっきり言え!」
「「凝り性すぎていつ飯出てくるかわからない」」
ぐうの音も出なかった。
確かに私は自分でもわかるくらいに凝った料理を作りたがる。
そういうのが好きな性分なのだから仕方ない。
「拳兄料理作るの上手だし、速いもんね」
「まあな」
そう言いながら兄さんは手際よく朝食を作っていく。
「ほら今日は何が食いたい?お兄様がお前たちのリクエストを聞いてやろう」
「はいはい俺ホットサンド!」
「ミカエラは?」
「…私もホットサンドで」
「お前らほんと楽でいいなー」
レタスを何枚かとって水洗いし、フライパンに卵を落とす。
「あ」
黄身が潰れてしまった。
私ならこの時点で作り直すのだが。
「いいや、目玉焼きじゃなくてスクランブルエッグにしちまうか」
ぱぱっと塩コショウを振って、固まる前に手際よく混ぜ合わせる。
「おー」
「透お前見てないでパン焼け」
「はーい」
「ミカエラ!」
「わかっている!」
4人分のコップと皿を準備して、テーブルをセッティング。
じゅうじゅうと肉の焼ける匂いがする。
「えっお肉?わー豪勢だね!」
「残念スパムでした、安かったから買ってきたんだよ」
パンの焼ける匂い、コーヒーの匂い。
「はい出来上がり。冷めないうちに食え」
起きてきたあっちゃんも席に着き、それぞれ食べ始める。
「んーうまーい!」
「おい し!」
「悔しいがさすがの出来だな…」
「ほい追加」
そう言って台所から持ってきたのは、温野菜のサラダとカップスープ。
「いつの間に?」
「そんなもん作ってる途中に決まってんだろ?いやーク○ール様様ってやつだな」
市販のカップスープに小さく切ったパンの耳とパセリ。
温野菜のサラダはドレッシングがかかっている。
「さてと」
そう言って兄さんも椅子に腰かけてホットサンドにかぶりつく。
「うん我ながらいい出来だな、やっぱ俺天才」
「言い過ぎ」
「なんだと透、罰として明日はお前が作れよ」
「ええ!?俺早起き苦手って拳兄知ってるじゃん!」
「うるせえうるせえ」
「私が作ろうか」
はた、とみんなの手が止まる。
そんなにおかしいことを言ったか私は。
「えーミカ兄?」
嫌そうな顔をするな、傷つくぞ。
「いいんじゃねえ?たまには」
「拳兄?」
「俺も休みてぇしよ、あしたミカエラ頼むなー」
「えっだってミカ兄いつ料理終わるかわかんないのに!」
「今日中にできることやっとけよー」
「ああ」
こういう日常も、悪くない。
明日は腕によりをかけて作ろう。
「なぜだ」
「え?だってお前、めちゃくちゃ料理に時間かけるじゃねえか」
至極当然という顔で、兄さんは言った。
兄さん曰く、朝の台所は戦場らしい。
「朝はやっぱ拳兄に任せるに限るよねー」
透もか。
「私も料理は作れるのだが…」
「ミカ兄が料理できるの知ってるけどさあ、ねえ」
ねえ、と視線をよこす先には兄さんがいる。
「なあ」
「はっきり言え!」
「「凝り性すぎていつ飯出てくるかわからない」」
ぐうの音も出なかった。
確かに私は自分でもわかるくらいに凝った料理を作りたがる。
そういうのが好きな性分なのだから仕方ない。
「拳兄料理作るの上手だし、速いもんね」
「まあな」
そう言いながら兄さんは手際よく朝食を作っていく。
「ほら今日は何が食いたい?お兄様がお前たちのリクエストを聞いてやろう」
「はいはい俺ホットサンド!」
「ミカエラは?」
「…私もホットサンドで」
「お前らほんと楽でいいなー」
レタスを何枚かとって水洗いし、フライパンに卵を落とす。
「あ」
黄身が潰れてしまった。
私ならこの時点で作り直すのだが。
「いいや、目玉焼きじゃなくてスクランブルエッグにしちまうか」
ぱぱっと塩コショウを振って、固まる前に手際よく混ぜ合わせる。
「おー」
「透お前見てないでパン焼け」
「はーい」
「ミカエラ!」
「わかっている!」
4人分のコップと皿を準備して、テーブルをセッティング。
じゅうじゅうと肉の焼ける匂いがする。
「えっお肉?わー豪勢だね!」
「残念スパムでした、安かったから買ってきたんだよ」
パンの焼ける匂い、コーヒーの匂い。
「はい出来上がり。冷めないうちに食え」
起きてきたあっちゃんも席に着き、それぞれ食べ始める。
「んーうまーい!」
「おい し!」
「悔しいがさすがの出来だな…」
「ほい追加」
そう言って台所から持ってきたのは、温野菜のサラダとカップスープ。
「いつの間に?」
「そんなもん作ってる途中に決まってんだろ?いやーク○ール様様ってやつだな」
市販のカップスープに小さく切ったパンの耳とパセリ。
温野菜のサラダはドレッシングがかかっている。
「さてと」
そう言って兄さんも椅子に腰かけてホットサンドにかぶりつく。
「うん我ながらいい出来だな、やっぱ俺天才」
「言い過ぎ」
「なんだと透、罰として明日はお前が作れよ」
「ええ!?俺早起き苦手って拳兄知ってるじゃん!」
「うるせえうるせえ」
「私が作ろうか」
はた、とみんなの手が止まる。
そんなにおかしいことを言ったか私は。
「えーミカ兄?」
嫌そうな顔をするな、傷つくぞ。
「いいんじゃねえ?たまには」
「拳兄?」
「俺も休みてぇしよ、あしたミカエラ頼むなー」
「えっだってミカ兄いつ料理終わるかわかんないのに!」
「今日中にできることやっとけよー」
「ああ」
こういう日常も、悪くない。
明日は腕によりをかけて作ろう。
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