和菓子
「そこの愚兄ども俺にひれ伏しなさい!」
買い出しから帰還した透の謎の宣言に、拳とミカエラはぎょっとした。
「えっどうしたの透?お前まで俺の事愚兄って呼ぶの?兄ちゃん泣くぞ?」
「ととととと透!?コレはともかく私を愚兄だなどと!?くっこの愚兄め!貴様のせいで透が!」
「おいその喧嘩かうぞ?」
「うるさいよ愚兄ども」
「「透!?」」
ずい、と差し出した透の手には白い袋。
袋には、近くの和菓子店のロゴが印字されている。
「どーしたんだそれ」
「ふふふん、聞いて驚け!買い出し途中に雨降ってきたから雨宿りしてたら、近くの和菓子店のおばちゃんと会ったのね。
傘持ってないって言ってたから傘あげたら、お礼っつっていくつか和菓子貰った」
「「け、賢弟~~~~っっ!!」」
ぎゅううと左右から透に抱き着く上二人。
もー暑苦しい!といいながらまんざらでもない末弟。
どこまで行ってもこの三兄弟は仲が良いのである。
がさ、と袋から和菓子を取り出す。
「えーっとなんだったっけ、酒饅頭に栗饅頭、大福もあるよー。どらやきに・・・団子!」
「多いな」
「これ全部貰ったのかお前…しゃあねえ、今度ちゃんと買いに行くか…」
やはりここは長兄の自分がしっかりすべきだと、そう拳は考える。
「さあ、どれにする?俺酒饅頭!」
「あっずりぃぞ透!?俺も酒饅頭貰おうと思ってたのによ!」
「駄目ーっ、俺が貰ったから選ぶ権利も俺にありますぅー!」
「じゃあ私はどら焼きを」
口喧嘩を続ける二人を横目に、どら焼きを手に取るミカエラ。
「マイペースかお前」
「何がだ?ほら兄さんも選べ」
目の前に残った菓子の中から、拳は一つを手に取る。
「塩豆大福?拳兄そんなの好きだったっけ」
「いやなんとなく」
拳はぺりり、と包みを剥がしふにふにと大福の柔らかさを堪能する。
「やわらけぇなあ」
「はむ、ん!この饅頭甘っ!うまっ!」
もぐ、とピンク色の酒饅頭にかぶりついた透は上品な餡の甘さに舌鼓を打つ。
「はぁ~、こういうのいいよね!ニホンジンってかんじする!」
「このどら焼きもなかなかだな、甘さが抑えてあって私好みだ」
ぱくりとどら焼きを一口かじり、ミカエラも気に入ったようだ。
「いただきまぁす」
その様子を見て、拳も手の中の大福にかじりつく。
「ん!」
こしあんは甘いがくどくなく、ほんのりと豆の塩味が感じられて一層風味が引き立つ。
大福の生地ももちもちしていて食べ応えがある。
「うまい」
「なかなか和菓子など食べる機会はないからな」
そう言ったミカエラの手の中を見れば、もうどら焼きが半分ほどに減っている。
「おお?小食のお前がよく食えたな」
「馬鹿にするな、私だってこれくらいは食える」
「ふぅん…」
じぃ、とミカエラのどら焼きを見つめる拳。
「…意地汚いぞ!?」
「いやーどら焼き旨そうだなーって思ってよォ!?」
ぎぎぎぎと音が鳴りそうな形相で取っ組み合う上二人を見ながら、透が拳の手から大福を奪い取った。
買い出しから帰還した透の謎の宣言に、拳とミカエラはぎょっとした。
「えっどうしたの透?お前まで俺の事愚兄って呼ぶの?兄ちゃん泣くぞ?」
「ととととと透!?コレはともかく私を愚兄だなどと!?くっこの愚兄め!貴様のせいで透が!」
「おいその喧嘩かうぞ?」
「うるさいよ愚兄ども」
「「透!?」」
ずい、と差し出した透の手には白い袋。
袋には、近くの和菓子店のロゴが印字されている。
「どーしたんだそれ」
「ふふふん、聞いて驚け!買い出し途中に雨降ってきたから雨宿りしてたら、近くの和菓子店のおばちゃんと会ったのね。
傘持ってないって言ってたから傘あげたら、お礼っつっていくつか和菓子貰った」
「「け、賢弟~~~~っっ!!」」
ぎゅううと左右から透に抱き着く上二人。
もー暑苦しい!といいながらまんざらでもない末弟。
どこまで行ってもこの三兄弟は仲が良いのである。
がさ、と袋から和菓子を取り出す。
「えーっとなんだったっけ、酒饅頭に栗饅頭、大福もあるよー。どらやきに・・・団子!」
「多いな」
「これ全部貰ったのかお前…しゃあねえ、今度ちゃんと買いに行くか…」
やはりここは長兄の自分がしっかりすべきだと、そう拳は考える。
「さあ、どれにする?俺酒饅頭!」
「あっずりぃぞ透!?俺も酒饅頭貰おうと思ってたのによ!」
「駄目ーっ、俺が貰ったから選ぶ権利も俺にありますぅー!」
「じゃあ私はどら焼きを」
口喧嘩を続ける二人を横目に、どら焼きを手に取るミカエラ。
「マイペースかお前」
「何がだ?ほら兄さんも選べ」
目の前に残った菓子の中から、拳は一つを手に取る。
「塩豆大福?拳兄そんなの好きだったっけ」
「いやなんとなく」
拳はぺりり、と包みを剥がしふにふにと大福の柔らかさを堪能する。
「やわらけぇなあ」
「はむ、ん!この饅頭甘っ!うまっ!」
もぐ、とピンク色の酒饅頭にかぶりついた透は上品な餡の甘さに舌鼓を打つ。
「はぁ~、こういうのいいよね!ニホンジンってかんじする!」
「このどら焼きもなかなかだな、甘さが抑えてあって私好みだ」
ぱくりとどら焼きを一口かじり、ミカエラも気に入ったようだ。
「いただきまぁす」
その様子を見て、拳も手の中の大福にかじりつく。
「ん!」
こしあんは甘いがくどくなく、ほんのりと豆の塩味が感じられて一層風味が引き立つ。
大福の生地ももちもちしていて食べ応えがある。
「うまい」
「なかなか和菓子など食べる機会はないからな」
そう言ったミカエラの手の中を見れば、もうどら焼きが半分ほどに減っている。
「おお?小食のお前がよく食えたな」
「馬鹿にするな、私だってこれくらいは食える」
「ふぅん…」
じぃ、とミカエラのどら焼きを見つめる拳。
「…意地汚いぞ!?」
「いやーどら焼き旨そうだなーって思ってよォ!?」
ぎぎぎぎと音が鳴りそうな形相で取っ組み合う上二人を見ながら、透が拳の手から大福を奪い取った。
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