怪獣島ツーリズム・延長戦!







次の「招待」を怪獣達が待つ一方で、その制約や条件を無視して異世界に行く、あるいは残る怪獣もまた存在していた。



バルグザーダン「・・・俺、喧嘩してたのか。」
最珠羅「喧嘩していたのか、じゃない!誰がどう見てもこれはお前が起こした乱闘だ!」
婆羅護吽「もう私達の勾玉に、不用意に触ったら駄目だよ!バランさんが来てくれてたら、もっと早く収まったのに・・・」
呉爾羅「それにしても、そんな必殺技があったなんてな~。俺も次やってみ・・・」
最珠羅「そうはさせんぞ。」
魏怒羅「zzz・・・」



死闘の果てにようやく正気に戻った魏怒羅とバルグザーダンがその例で、前者は以前人間界に居残り、後者は光の柱を利用して人間界へ勝手に行った者であり、バルグザーダンはその後ものの数分も経たぬ内に光の柱に消えたと言う。






ゴジラ・レッド「ここにいたのか!キングシーサー!」
キングシーサー「ゴジラさん!貴方が光の中に消えてしまった間、私はずっとここで待っていました。無事で良かった・・・!」
ゴジラ・レッド「そうか・・・それは悪かったな。詫びと言っては何だが、お前の髪飾りと・・・これをやる。」
キングシーサー「あっ、私の髪飾り!それに、この花は・・・」
ゴジラ・レッド「光の先で出会った、違う世界の怪獣がくれた。手ぶらではいけないって言ってな。」
キングシーサー「そうですか・・・その方、いい怪獣ですのね。それと、時間も遅いですが・・・続きを・・・」
ゴジラ・レッド「分かっている。行こう、シーサー・・・」



中には手違いか、はたまた何者かの悪戯か、本人の意に関わらず異世界に飛ぶ者もおり、最初に「招待」された怪獣達や、元の世界にてキングシーサーとの再会を果たしたゴジラ・レッドがあてはまる。
そして、ここにも・・・






僧バラン「さて!まだ1日も経っておらんが、早速岩屋に帰るとしよう!」


――・・・しかし、何か妙な雰囲気だな。
帰り道からこんなに閑散としていたか?
昔はともかく、少なくとも最近はもっと賑わいや人の気配があるはずだが・・・?



僧バラン「おお、この岩の立て札は間違い無く岩屋の入り口!
・・・だが、何故家屋が軒並み無くなって、廃村のようになっている!?」


――まさか、拙僧が帰るまでの間に時間が異様に過ぎたとでも言うのか!?
これが「ウラシマ現象」なのか!?
なら拙僧は遥か数十年、いや・・・百年の時間を超えてしまったのか!?神よ、拙僧と村人になんと残酷な事をしてくれた・・・!



僧バラン「・・・それなら仕方が無い、拙僧も故郷の怪獣島に・・・んっ?あそこに誰かいるではないか!お~い!」



???――・・・この地に居れば、又彼の者に会えるかも知れない。
異界の隔たりを超えて出会った、私の同族に。
出会いは衝撃であり、別れも又突然だった・・・再び会えるのなら、私は会いたい。
「バラダギ」の名と志を共にする、彼の者に・・・!


僧バラン「おお、お主が岩屋の生き残りか!会いたかったぞ!」
???『むっ・・・貴様、何者だ?無断で此の神聖成るイワヤの地に足を踏み入れるな。』
僧バラン「何を言う!拙僧はこの岩屋と村人達の神『婆羅陀巍山神』だぞ!」
???『何者かは知らんが、虚仮威(こけおど)しなら通用せんぞ。今は亡きイワヤの神名を私の前で名乗ろうなど、私に対する最大の侮辱と取って良いな?』
僧バラン「その言葉、そのまま返すぞ!このバランの名を知らぬなど・・・な、なっ、ちょっと待て。今は亡き?」
???『・・・バラン、だと?』
僧バラン「そ、そうだ。拙僧の名はバランだが。」
「‐」バラン『・・・私の名も、バランだ。』
僧バラン「な、なんとぉーーっ!?」










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好釦