怪獣島ツーリズム・延長戦!




ダガーラ「それで、頼みなんだが・・・彼の恋人、キングシーサーを探して欲しい。」
ビオランテ「ほうほう。あやつにも恋人がおったのか~。」
ゴジラ・レッド「オレがこの湖に飛ばされる直前、確かにアイツはオレの隣にいた。アイツはかけがえの無い、オレの運命(さだめ)そのものだ!飛ばされてすぐに会ったこいつから、アンタがこの湖を管理していると聞いた!探してくれ!」
ビオランテ「・・・んっ?ちょっと待て。よくよく考えれば、今異界から来たお主が何故、キングシーサーを知っておる?キングシーサーが異界に行ったと言う話も聞いておらんぞ?」
ダガーラ「いや・・・レッドが言っているのは、レッドがいた世界のキングシーサーだ。」



補足すると、どちらの世界のキングシーサーも、名前に反して女性である。
彼女の知る「怪獣界」のキングシーサーはかなり昔から怪獣島にいる古株であり、いつもは島の外れの洞窟で瞑想を繰り返している。
そしてゴジラ・レッドの探す「獣人界」のキングシーサーはかつてのレッドの相棒にして、現在は相思相愛の恋人同士であり、日本・沖縄の守護神と言う立場から、ゴジラ・レッドとは離れて暮らしているが、機を見ては逢瀬を繰り返しており、彼が怪獣界に飛ばされたのもその最中だった。



ビオランテ「なんじゃ、そう言う事か。」
ゴジラ・レッド「そういえば、お前は女のキングシーサーと聞いて特に驚かないんだな?大抵の奴は会う前は男だと思ってるんだが。」
ビオランテ「この世界のキングシーサーも女なんじゃよ。しかし、こんな紛らわしい名前を通す者が他にもいたなんての。」
ゴジラ・レッド「そうか。守り神って立場のせいで人間共からそう呼ばれ、アイツもその名を受け入れているからそれは仕方無い。だが、それでもアイツは誰よりも乙女で、オレの女だ。きっとアイツもオレの事を今か今かと待ってるはずだ・・・だから頼む!」


ビオランテ――こやつ、無意識なのかは知らんが、何気にのろけとる。
まぁ、うちのゴジラに煎じて飲ませるなら、こやつの爪の垢じゃな。



ダガーラ「俺からも頼む・・・俺と違って、思いが通じ合っているレッド達の事を・・・放ってはおけない。」
ビオランテ「・・・まぁ、私もちょっと驚いただけじゃ。ちゃんと女を大切に思っているお前になら、私も協力してやろうかの。」
ダガーラ「あ、ありがとう・・・」
ゴジラ・レッド「すまない。オレの知るビオランテは悪趣味な腹黒野郎だが、アンタは女だからか例外みたいだな。」
ビオランテ「何を言うか。私を口説こうとて無駄じゃぞ?それとダガーラ、お前やけに恋愛に積極的になったのう?」
ダガーラ「そ、それは・・・イシュタルと少し、近付けたからだ・・・」
ビオランテ「そうかそうか~。それは今後の進展が楽しみじゃな。よし、早速探しに行くとするかの。」



如雨露を花の下に置き、ゴジラ・レッドとダガーラを連れてビオランテは尋ね人を探し始めた。
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好釦