集合!絶対無敵最強可憐美女姉妹!







同刻、アッシリ湖。
湖畔のイシュタルとダガーラは、また沈黙が続いていた。
デートが始まって1時間程経ったが、その半分以上の比率は沈黙である。



ダガーラ「・・・」
イシュタル「・・・」






シン「・・・も~駄目っ!!こんなの、我慢出来なーーいっ!!こうなったら、あたしがビシっと・・・!」
レオ「い、いけない!シン姉さん!」
「‐」モスラ『お、落ち着いて下さいませ!』



そんな二人の後ろの茂み、モスラ姉妹達はここから二人の様子を密かに見ていた。
しかし、度々沈黙を続ける二人に業を煮やしたシンは二人の間に割って入ろうとし、それをレオと「‐」モスラが静止する。



シン「・・・ふぅ。」
「VS」モスラ「や、やっと落ち着いたのね。」
「‐」モスラ『あの、もしかしてイシュタルとダガーラさんのデートって、いつもあんな感じなのですか?』
シン「あたしも今日初めて見たけど、多分そうね。でも、このままじゃ気まずいのは明らかよ。あんなの全然デートとは言えないわ。」
レオ「で、でもあそこでシン姉さんが突っ込んだらそれこそ・・・」
???「私は賛成じゃがの。」
レオ「けど、それじゃあ・・・って!?」
姉妹達「「『「ええっ!?」』」」






ダガーラ「・・・!」
イシュタル「どうしたの?」
ダガーラ「いや・・・今なんか、後ろから声が聞こえたような・・・?」



ついイシュタルとダガーラに気付かれそうな大声を出してしまう、モスラ姉妹達。
それも当然、何の気配も無く部外者が彼女達と混ざっていたからだ。
深いグリーンの長い髪、胸に飾られた薔薇が目を引く黄と薄緑の服を着た、気品溢れる雰囲気の女性がそこにはいた。



???「しかもお主達、ひそひそとし過ぎじゃ。覗くならもっと、堂々と覗かんか。」
レオ「あ、あなたは誰ですか?」
シン「ビオ!」
「VS」モスラ「えっ、『ビオ』ってまさか・・・」



そう、彼女こそがシンの話に出て来たビオランテその人であった。
焦るモスラ姉妹の様子を楽しむように、ビオランテは麗しく笑みを浮かべる。



ビオランテ「そう、私がビオランテじゃ。お主は異世界のモスラじゃったかの?よく知っとるな。」
「VS」モスラ「シンからここに来る時に聞きました。それで、貴女がどうしてここに?」
ビオランテ「どうしてと言われても、この辺りは私が管理しとるから、何が起こっとるのを知りたいのは当然じゃろう?しかも相手が見知った者なら、余計にの。とにかく、ここからは私も参加させて貰うからの。」



モスラ姉妹に加えてビオランテも共に見守る中、先ほどの出来事で緊張が多少ほぐれたのか、今度はダガーラがイシュタルに話し掛ける。



ダガーラ「・・・そ、そうだ。俺・・・ずっとイシュタルに言いたかった事があるんだ・・・」
イシュタル「言いたかった事?」



シン「言いたかった事って、まさか!?」
ビオランテ「おお、遂に言ってしまうのかの?」



いよいよ自分の想いを伝えるのかと、ダガーラの次の言葉にモスラ姉妹達(+ビオランテ)も期待する。



ダガーラ「そ、その・・・改めて、初めてお前と会った時に、お前を傷つけてしまって・・・本当にすまなかった。」
イシュタル「えっ?」



しかし、ダガーラの口から出て来たのは、かつてイシュタルと戦った時への謝罪の言葉であった。
期待から外れた彼の台詞に、溜め息を付くシンとビオランテ。



シン&ビオランテ「「・・・はぁ・・・」」
「‐」モスラ『中々上手くいきませんわね・・・』
シン「えぇ~っ、そこは愛の告白をするんじゃないの~!」
ビオランテ「なんじゃ、そんな話なら今じゃなくても良いではないか。」






ダガーラ「あの時の俺は感情のままに暴れていて、お前の言葉に中々耳を貸さずに・・・だが、もしお前がいなかったら、俺は・・・」
イシュタル「・・・いいの。わたしはダガーラは悪い怪獣じゃないって、分かってたから。傷ついた事なんて、気にしてないよ。」
ダガーラ「イシュタル・・・」
イシュタル「ダガーラの事を救えて、今でも良かったって思ってるよ、わたし。だから・・・笑おう?」


ダガーラ――そ、その笑顔、いつ見ても・・・
いや、何だかいつも以上に・・・眩しい・・・!



愛しいイシュタルの笑顔に足の先まで真っ赤にしつつ、ダガーラは慣れないながらも、精一杯の笑顔をイシュタルに見せる。
ようやく進展した二人を見ながら、レオは自分の境遇と重ねて微笑んだ。



レオ――私とイシュタルと・・・彼と私の世界のダガーラも、なりゆきはほとんど一緒なのね。
なんだか不思議。


「VS」モスラ「やっと笑ったわ、二人とも。」
「‐」モスラ『なんだか、いい感じですわよ。』
シン「これでもう、あと一押しあれば・・・!!」
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好釦