集合!絶対無敵最強可憐美女姉妹!
???「久々に帰って来たかと思ったら、若者が嘆くな!拙僧が経の一つでも聴かせてやろうか? 」
するとその時、突如彼らの元に一人の男が現れた。
髪先を少し結えた黒い長髪と、白色の僧衣と笠が風になびくその姿はまさに「颯爽」と言う言葉が相応しいものであった。
マンダ「・・・んん?誰じゃったかのう・・・?」
チャイルド『えっ、あのひとだれなの?』
ラドン「うーん・・・かなり前に会った事ある気がするんだけど・・・」
???「おいおい、みんな拙僧を忘れたのか?故郷の風が呼んでると思ったら、冷たいなぁ。おい、ゴローよ。お主なら分かるよな?」
ゴロザウルス「えっ?えっと・・・駄目だ、いたのは分かるけど名前が思い出せない。」
???「おいおい!ゴローまで忘れてしまったのか!このバランの名を!」
青年が叫んだその名に、メガギラスを除く全員が驚く。
そう、彼は怪獣界出身のバランだったのだ。
チャイルド『ばらんさん?』
ゴロザウルス「あっ、そうだそうだ!バランだ!」
ラドン「えっと、そんな名前だった・・・ね。」
マンダ「近頃年のせいか、中々思い出せんのぉ・・・」
メガギラス「ってか、俺最近来たばっかだから別に知らねぇし・・・」
僧バラン「確かに33年振りの帰宅だが、酷いぞお主達!あれ、そういえばシンと・・・えっと、確かイシュタルがいないな?」
ラドン「二人ならアッシリ湖に出掛けてるよ?」
僧バラン「おっ、ラドンも久しぶり。そうか・・・子供が出来たと聞いて、お祝いの愛歌(ラブソング)を歌おうと思っていたのだが・・・」
チャイルド『ねぇねぇ、おじさんもばらんさんなの?』
僧バラン「せ、拙僧は一応まだ二五だぞ、坊や。それより、なんでそんな事を?」
チャイルド『ぼくがいたところにも、ばらんさんがいるんだ。でも、ぜんぜんちがうね。』
僧バラン「世界は広いからな。それにしても、まさか同族がまだいたとは・・・感激だ!」
ゴロザウルス「そういえばあんた、どうしてまたいきなり?」
僧バラン「まぁ、シンの出産祝いと、故郷が恋しくなったからだな。何十年振りに故郷に帰ると岩屋の民に言ったら、一斉に止められてしまってな。確かに岩屋村が拙僧の故郷みたいなものだが、村人達を説得するのに大変だったんだぞ?」
ゴロザウルス――だからあんたは、本当の故郷で陰薄なんだよな・・・
僧バラン「まぁ、そんな事今はもう良い。そこの若者。悩んでいるのなら、読経でも聴いて行くがいい。心が清くなれば、スランプなぞ無くなるだろう!」
メガギラス「えっ?でも俺のセンス的には・・・」
バラン「戯れ言無用!君達も一緒に行くぞ!」
ゴロザウルス「お、俺達もかよ!」
マンダ「たまには良いではないか。無心になる事も大切じゃよ。」
ラドン「チャイルドを連れて行きたい場所はまだあるから、短めにお願いするけど・・・」
チャイルド『どんなうたなのかな~。たのしみだなぁ~。』
メガギラスに拒否権は無いまま、バランはあぐらをかき、目をつぶって読経を始めた。
それからしばらく、広場は厳かな雰囲気に包まれたと言う・・・