集合!絶対無敵最強可憐美女姉妹!
それから一同はモスラ姉妹組とゴジラ組に別れ、ゴジラ組はラゴス・ゴジラとスペースの案内で怪獣島の中央に位置する村に到着していた。
まるで田舎に来ているかのような、のどかな雰囲気である。
ラゴス・ゴジラ「さっ、到着したぜ!」
呉爾羅「なんか、俺の住んでるとこに似てるな~。近親感?」
機龍「それを言うなら『親近感』。でも俺の世界、こういう所がどんどん無くなって行ってるんだよね・・・」
ジラ『・・・んっ?あそこに立っているのも怪獣かい?』
ジラが指差した先にいたのは、まるで静電気を受けたかのような銀と黒のギザギザ頭が目を引く、青を基調とした服を着た青年と、茶色の髪に可憐な顔立ちをした、オレンジを基調にした服を着た少年であった。
???「あっ、バル!来たよ!」
???「ほんとだ。」
ラゴス・ゴジラ「あれ、バルにラドンじゃんか!おーい!」
呉爾羅「バルーン?こいつらもラゴスの知り合いか?」
ラゴス・ゴジラ「あぁ。俺の昔っからの友達のバルグザーダンと、知り合いのラドンさ。」
彼らはラゴス・ゴジラの友達であり、共に怪獣島で育った雷怪獣・バルグザーダンに空の怪獣・ラドン。
その怠惰な性格から今こそ破門されているが、ラゴス・ゴジラとバルグザーダンは同じ棍術を学んだ身であり、ラドンはラゴス・ゴジラの親の世代からの仲である。
バルグザーダン「ゴジラから話は聞いてる。よろしく。」
ラドン「ラドンです。よろしくお願いします。」
「‐」ゴジラ――ラドンか・・・なつかしいな。
あいつら、げんきかな。
「‐」ゴジラ『よろしくな、ラドン。バルグザーダン。』
ラゴス・ゴジラ「おい、バル!手袋!」
バルグザーダン「あっ。」
「‐」ゴジラ『いてっ!』
バルグザーダンと握手した瞬間、苦悶の表情で手を離す「‐」ゴジラ。
その手からは少し煙が出ている。
チャイルド『とうちゃん、どうしたの!?』
「‐」ゴジラ『なんか、バルグザーダンとあくしゅしたら、きゅうにビリビリって・・・』
スペース「すまない。バルは雷の怪獣故、常に静電気に包まれている特異体質だ。常に手袋をしている筈だが、今日は忘れたのか?」
バルグザーダン「いや、ここに。」
ラゴス・ゴジラ「なんでポケットにしまってるんだよ・・・また誰か来るかもしれないから、今度は気をつけろよな?」
バルグザーダン「分かった・・・ごめん。」
「‐」ゴジラ『いいよ、でんげきならくらったことあるし。』
呉爾羅「なんか、魏怒羅みたいだな。あの今にもぐっすりしそうな顔がもうそっくりって言うか。」
機龍「俺が握手してたら、腕がショートしてたかも・・・」
Jr.「えっと・・・君ってラドンなの?」
ラドン「はい。ですけど、そんなに驚く事ですか?」
ジラ『実は私達の世界にもラドンがいるんだけど、あんたと違ってJr.の兄貴分なんだよ。』
Jr.「ラドンさんがいたら、間違いなく新しい妹にしてるな・・・」
ラドン「妹?やっぱり、僕を女の子だと思いました?」
「‐」ゴジラ『ラドン、女の子なのに「僕」っていうのか?』
ジラ『それとも、私みたいに無性とか?』
「VS」ゴジラ「絶対無い。」
バルグザーダン「ラドン、男だけど。」
「‐」ゴジラ・Jr.『「ええっ!?」』
ジラ『あらら・・・ベビーフェイス、ってわけね。』
ラドン「こんな声と顔ですけど、れっきとした男ですよ?」
呉爾羅「こっちは最珠羅みたいなんだな。でも、あのキツそうでうるさい感じは全然しないから、安心安心。」
Jr.「そ、そうだったのか・・・それはごめんよ。」
ラドン「まぁ、初めて会う人からよく言われますし、いいですよ。それより、そこの子は・・・?」
チャイルド『ぼく、チャイルド!よろしくね、らどんにいちゃん!』
ラドン「チャイルドって言うんだ、よろしく。あの・・・ちょっと、チャイルドと遊んでいいですか?」
「‐」ゴジラ『あぁ、いいぜ。』
ラドン「やった!じゃあチャイルド、僕と遊ぼっか!」
チャイルド『うん!』
ラドン――えへへ・・・
怪獣島以外で、こんなに可愛い子がいたなんて。
さて、どうやって楽しませよっかな~。
見かけの割に落ち着いた雰囲気から一転し、急にテンションが上がったラドンはチャイルドの手を取り、走り去って行った。
Jr.「ラドン、物凄く目が輝いてたけど・・・」
ラゴス・ゴジラ「ラドンは一人っ子で弟か妹が欲しがってるから、ああやって小さい子供を見ると構いたくなるんだよ。」
「VS」ゴジラ――こっちのラドンも、ブラコンなのは同じか・・・
ラゴス・ゴジラ「ラドンなら優しいから、大丈夫だって。だから、早く島を回ろうぜ!」
「‐」ゴジラ『そうだな!』
呉爾羅「それじゃあ、行ってらっしゃい!」
Jr.「・・・それ、所さん?」