ラゴス島の主を求めて・・・







呉爾羅「かいじゅーう、さまーがなーいたとさ!!」
ラゴス・ゴジラ「どーしてこのよはすみにっくい!!」



森中に響く、二人のゴジラの騒がしい歌声。
もはや団体旅行のような状態になった一団は、改めて目的地を目指して歩いていた。
それまで木々を柵にして進んでいた道は、人手が加わったであろう開けた道に変わっており、目的地が近い事が誰にも分かった。



スペース「全く、怪獣マーチまで即興で一緒に歌うとは・・・本当に似た者同士だな。」
「‐」モスラ『・・・はっ!そういえば、まだバランと会えていませんわ!』
スペース「バランも来ているのか?」
「‐」モスラ『ええ。今日は早めにこの島に来まして、砂浜でゆっくりしていたのですけど、ちょっと目を離した隙にいなくなってしまいまして・・・』
婆羅護吽「えっ、お姉様はバランさんと知り合いなんですか?」
「‐」モスラ『知ってるも何も、わたくしの大切な仲間ですわ。それと婆羅護吽ちゃん、その「お姉様」と言うのは・・・?』
婆羅護吽「いえ、こっちにも『モスラ』がいますし、それにとても清楚で・・・大人の女性に見えますから・・・」
「‐」モスラ『あら、またそんな事をおっしゃって。可愛いですわね。』
婆羅護吽「だ、だから私を可愛いって言わないで・・・下さい。」
シン「自然と可愛いって言われるなんて、あたしは羨ましいのになぁー。それにしても、バランに別世界の友達がいたなんて意外ね?」
婆羅護吽「バランさんは基本的に一人行動ですから、先に着いているものだと思って合流しなかったんですけど・・・これなら、合流しておけばよかったですね。」
魏怒羅「・・・まぁ、バランなら大丈夫だろうから、さっさと『ラゴス島の主』に会って・・・寝たいよな?」
婆羅護吽「それ、魏怒羅だけだから・・・」



背後からの騒がしい雑談と歌声を聞き流しながら、初代ゴジラは相変わらず黙々と一団の先頭を歩いていた。
すると、そこに最珠羅が歩み寄って来た。



最珠羅「一つ、聞きたい事がある。」
初代ゴジラ「何だ?」
最珠羅「先程の『何度も不審者が来た』と言う発言は先にスペースゴジラ達が来ていたのを踏まえての発言だと思うが、それを考えても用心深いにも程がある。何故、お前はあそこまで『主』と他人を合わせたくないんだ?何か切羽詰まるような事情があるのか?」
初代ゴジラ「・・・こんな何も無い島にわざわざ来る以上、人間の回し者かと思ってな。10年前の戦争の時に『あいつ』の存在が人間に知られてしまってから、何度か人間がこの島に来ている。人間は『あいつ』の安住の地であるこの島を荒らしただけでなく、今度は奪おうとしている・・・そんな人間共が、俺は絶対に許せない・・・!」


最珠羅――・・・彼は、やはり人間を憎んでいるのか・・・
あまり、呉爾羅と会わせるべきではないな・・・
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好釦