ラゴス島の主を求めて・・・




張り詰めた空気が、四人を支配する。
いつ、誰が攻撃に移ってもおかしくない状況だ。



「‐」モスラ『・・・』


呉爾羅――・・・来い、次こそその刀へし折って百点取ってやる!


最珠羅「・・・」
???「・・・・・・、覚悟――」
???「待て!」



今、まさに男が三人に向かって切り掛かろうとしたその時、彼の背後から大きな声が聞こえて来た。
距離を詰めようと左足を出した男は声につられてそのまま停止し、前のめりのまま足だけを出す変な体勢になる。



最珠羅&「‐」モスラ「『!?』」
呉爾羅「・・・ん?あれって・・・」



無論、声は二人の集中力も削いだが、呉爾羅だけは別の反応をしていた。



「‐」モスラ『あ、貴方は・・・!』
最珠羅「中国の者、か?」


呉爾羅――あいつ、準備体操みたいな格好して、変なの。



呉爾羅はさておき、二人のモスラがつい驚き、男が止まった原因こそが、男の背後から現れた声の主だった。
紫の髪留めでまとめた長い銀の髪、青を基調とした異国の服を着た青年がそこにいたからだ。



「‐」モスラ『スペース!スペースではないですか!』
???「お前は・・・」
スペース「音がしたから来てみたら・・・そこの女は異次元で会った知り合いのモスラだ。横の二人は分からないが、彼女が連れて来ている以上、悪人で無い事は保証出来る・・・刀を仕舞え。」
???「・・・」



やや渋々ながら、男は鋭い刀身を腰に差した鞘に戻す。
研ぎ澄ました刃のように神経を集中させ、真剣になっていた所を青年に水を差されては、顔見知りでも不快であったらしい。
刀が鞘に納まったのを見た三人もまた、臨戦態勢を解く。



最珠羅「あの中国の者と、知り合いなのか?」
「‐」モスラ『先程話そうと思っていたのですが、異次元ではもう一つの違う世界の怪獣達とも会ったのです。それがあそこにいる、スペースゴジラですわ。』
呉爾羅「スペース、ゴジラ?中国人のゴジラなんでいるのか?」
スペース「何を言っているのか分からんが、ゴジラ一族なのは確かだ。それにしても、お前もこの世界に来ていたとは・・・驚きだ。」
「‐」モスラ『それはこちらの台詞ですわ!あの方の仲間かと思って、余計に緊張したのですから・・・あっ、そういえば貴方がいらっしゃると言う事は・・・』
???「おい、ちょっと待てってアニキ!」
???「そんなに忙がなくてもいいじゃな~い!」



「‐」モスラの言葉に続いて、二つの声が騒がしくこの場に入って来る。
緑のバンダナを巻いた、赤を基調とした服を着た黒髪の少年と、山吹色の髪を水色の球状の髪飾りでツインテールにした、オレンジ色を基調にした服の女性の二人だ。



「‐」モスラ『シン!それにラゴス!』
シン「あーーっ!!モスラ!モスラじゃない!こんな所で会えるなんて、すっご~い!!」
ラゴス・ゴジラ「よぉ、モスラ!あれ、そこの二人は・・・?」
「‐」モスラ『この世界の未来から来た、招待客ですわ。』
呉爾羅「俺、呉爾羅!お前もゴジラなのか?」
ラゴス・ゴジラ「おう!モチのロンだぜ!なんか、お前とは仲良くなれそうだな!」
最珠羅「私は最珠羅。今後とも宜しく頼む。」
シン「えっ、あなたもモスラなの!?あたしもモスラ一族なのよ~♪同じモスラ同士、宜しくね!」
最珠羅「あ・・・あぁ。」
シン「それと、そこのあなたもゴジラなんだ~。なんかうちのゴジラと感じが似てるから、あなたとも仲良くなれそうねっ☆」
呉爾羅「だってよ、会った瞬間にピンと来るっつーか・・・うーん、言葉にしにくいな・・・」
シン「とりあえず、他人の気がしないって事でいいんじゃない?」
呉爾羅&ラゴス・ゴジラ「「だな!」」



同種族同士の対面は、半ばシンの独壇場となった。
うろたえる最珠羅と、微笑ましく見守る「‐」モスラ。
そして・・・



スペース「お前もゴジラだと言うのに、すっかり忘れられているな。」
初代ゴジラ「・・・どうでもいい事だ。」
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好釦