Ghidorah Tribe, the Three-Headed Monsters











西暦1908年・6月30日。
「宇宙の碧いエメラルド」、地球を遥かな宇宙(そら)より見つめる、一つの影があった。



???『・・・美しい。』



溜め息を付くような一言で、血のように赤く鋭い眼(まなこ)に捉えた地球をそう評する、黄金色の屈強なる肉体と龍を象ったような形状の髪を持ち、両脇と背中にそれぞれ剣を差し、異様なまでの自信と気迫が全身から溢れ出る、頭に黄色い一対の角を生やした一人の男。
空気の無い宇宙空間に、肩から掛けた黒いマント・胸元を覆う金の毛皮・腰に巻いた黄の布のみを纏いながら、平然とした態度を崩さない・・・いや、この宇宙こそが自らの場所と言い張らんとする男の様子は、男が明らかに地球の生物ではなく、宇宙の彼方よりやって来た者・・・地球外生命体(エイリアン)である事を示していた。



???『ここまで美しき星は、初めてやもしれんな・・・ならばこの星は、「王」たる俺様こそが支配するに相応しい星だ。どれ、下見してみるか・・・』



まるで地球をその手に掴むかの如く、男は不敵な笑みを浮かべながら両手を正面に向けた後・・・即座に両手を広げ、重力を操作して周囲に浮遊する隕石を瞬時に自身の周りに集め、自身を守る円形の障壁とし、そのまま地球へと向かって行く。
そして、それから数分後・・・後に「ツングースカ大爆発」と呼ばれる、有史史上最大級の隕石落下事件が起こった。
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好釦