THE BIRTH OF LEGACY KONG




ギドラ兄弟の襲来により、多数のコング族が死亡。
プロメテも応戦するが、ギドラ兄弟の三位一体の攻撃に押される。
更にキコを庇い、ワヒネが死亡。

ワヒネ「いい?キコちゃん・・・心さえ、折れなかったら・・・相手に屈した事には、ならない、の・・・
貴方が誰よりも、折れない心を持っているのは・・・私が知ってるわ。だから・・・最後の最後まで、こんな下劣なよそ者になんか・・・屈しちゃ、駄目よ?
ごめんなさい・・・そして、じゃあね。キ、コちゃん・・・」

その後、キコ死亡。
死因はドゥッカによる絞殺。
じわじわと首を絞められ、今まで言わないようにしていた汚い言葉(「fucking you」)を言った所を喉笛を潰された。

シューニャ「痛いか?助かりたいか?ダメだな。」
ドゥッカ「お前は最後に殺すと約束したな?」
アニトヤ「あれは、嘘だよ~ん!」

仲間が真っ先に狙われた自分を庇って沢山死んでしまった事と、アニトヤによってわざとワヒネの血を自分の髪に垂らされ、

アニトヤ「その白い髪に紅い血って、キレーだね♪」
ドゥッカ「弱く目立つお前のせいで、仲間がこんなに死ぬ事になったようなものだな?」
と殺害される寸前に言われた事で、「仲間の死を気にしたら耐えられなくなる、なら気にしなければいい、そうしなければならない」と言う思想を持つようになり、レガシィのドライな考えに繋がった(現実でもアルビノは真っ先に狙われる)。
プロメテによってギドラ兄弟はどうにか退けられるが、仲間を庇いながら戦ったプロメテもまた死亡する。



・死後、土御門が住まう空間にして死した怪獣の魂が行き着く場所「天上」でキコは死んだ仲間達と再会。

キコ『あっ、ルンフイ様がボクを弔ってくれてる・・・求愛して来ただけのボクにも慈悲を与えてくれるなんて、やっぱりあの人は「怪獣の女王」なんだなぁ・・・
結局・・・ボクの存在した意味って、何だったんだろう?コング族が滅びる為の呼び水だったのなら、転生なんかしないでここで最後のお仲間が来るまで待とうかな・・・』
プロメテ『いや、我らにもまだ出来る事があるぞ。キコ。』
『魂を、この世界に捧げるんだ。』
『もう二度と、このような輩が来ないように・・・』
『左様。』
ワヒネ『・・・貴方の存在した意味は、きっとこれから先にあるわ。だから、キコちゃん。私と・・・私達と一つになりましょう。』

自分の存在した意味に絶望していた所をワヒネを含めた仲間に諭され、転生しない代わりに「GNウォール」と化して魂だけでUWと同族達を護り続ける事を決意。
土御門は二度と「限りある命の獣」には戻れないと警告するも、キコ達の固い意志に了承し、キコ達を「GNウォール」に変換。



・「先代の加護」はUWを覆い、プリカーサーは侵略不可能になった事で獣人界に狙いを変更。
アックスヘッド「僕達の新しい拠点地にはならなかったか・・・まぁいいか、創造主の言う通り次の拠点地を探すだけさ・・・」



・キコは仲間達から自分達の代表としてこの世界の行く末を見届けて欲しいと頼まれ、名前を「レガシィコング」に変え、理から外れた屈強な体を手に入れると同時に、自分はもう普通の存在では無い事を受け入れ、周りに示す為にあえて空気を読まない超が付く享楽者として生きる事にする。

レガシィ『・・・遺産(レガシィ)、かぁ。まっ、これから長い長いこの世界を見届ける旅が始まるし、筋肉モリモリマッチョマンのコングにもなれたし♪どーせなら、思いっきりエンジョイしちゃわknight!
この、絶望と希望が待ってる世界を・・・ね。』



・先代達の時代はまだ「宇宙」と言う概念が無かったので、土御門に会うまではギドラ兄弟も「KAIJU」と同じ存在、異世界から来た怪獣だと認識されていた。



・GNウォールで生成した巨大なコングの状態の事を、レガシィは「ムゲンダイマックス」と呼んでいる。
元ネタは無論ポケモンのムゲンダイナ及びムゲンダイマックス。



・どんな事態になろうと、この世界に生まれた生物の生死に干渉してはならないのが、自由に監視する為のルールになっている。
だが、他の世界の生物や他の世界にいる間はこのルールは適用されない。第八弾でムゲンダイマックスしたのはこれが理由。



・何処かの異世界(人間界)からUWに来ようとした、「バガ・・・とか言う怪獣」に対抗する為、初めてムゲンダイマックスした。
バガ・・・はその後、別の世界(「‐」世界)に追放される。



・当初レガシィはコング族と類似したホモサピエンスから進化した人類に興味を抱き、やがて「最も知的な地球生物」となってタイタンズとの共存や崇拝を始めた事を嬉しく思っていたが、やがて人類がタイタンズを争いの道具に使い、挙げ句袂を分かった事で存在そのものに疑問を抱く。
それから、怪獣が神話・架空の存在となった近代の人間の動向を見届ける内に「やっぱりヒトは最も知的な生物なのに根っこは幼稚で、サル以下の馬鹿な争いを繰り返し続け、地球を枯らしている最も愚かな生物」と判断し、第二次世界大戦後には世界中を争いで荒らした事への失望から「矮小な存在」と見なすようになり、レジェンドの覚醒を機にしたタイタンズの復活をあえて放置した。
ただ、人間がタイタンズが眠りに付いた後の「今の地球」の支配者なのと、文明面においての発展・成長力の高さも事実として認めている。

レガシィ『それにしても、文明が滅んだらと思ったらすぐ復活して、その度に進化するもんだから驚きだよねぇ?ヒトのそう言うとこ、ボクちゃん素直にスゴいって思うなぁ~。
多分、ボクちゃん達怪獣はだいたい長命だからあまり「変化」を求めないんだけど、ヒトは短命な分何かの生きた「証」を求めて、命を燃やすように生きてるのもあるかな?』



・以前から怪獣、 後に「恐竜」がむやみに人間に狙われたり争いになったりしないのと、内心「ヒトの肉体に閉じ込めた方が管理はしやすい」のを理由に、土御門に頼んで生死・善悪を問わず怪獣達に人間の姿を授けるように提案していた。
これにより、UWの怪獣達や「恐竜」は人間の姿を取るようになった。レガシィも「勝手に『神』になった対価として、ツッチー(土御門)にヒトの肉体に閉じ込められた」と言いつつ、ヒトのフォルムや自分の擬人化の姿自体は気に入っている。

レガシィ『・・・えっ?じゃあなんでヒトの姿でいるのかって?
あいにく、このデザインが気に入っていてね・・・人間にしては悪くない、みたいなっ!ありがとね、城村ちゃん☆』



・髑髏島が地上へ現れると同時に、火山の噴火と共に地下空洞からスカルデビルの群れが襲来。
スカルクローラー達が勢いを付け、コング族が生存競争に負けて行くのを静観し続け(「ドライじゃなかったら、間違いなく約束を破って助けに行ってた」)、やがてかつてプロメテが致命傷を負ってまで助けたコング族の夫婦の子孫であるラナキラ(UWキングコング)が、最後の生き残りとなってしまう。
ラナキラの元には最初、一人でたくましく生きていかせる為に接触はしない予定だったが、プロメテの死だけは無駄にしたく無かった事と、昔の自分のようになって欲しくなかったので接触する事にし、ダゴンから掛けられた言葉を受け売りとして言った。



・それからイウィルア達、スカルクローラーを地上から追放したラナキラを最初に「キングコング」と呼んだのはレガシィ。
これはコング族因縁のスカルクローラーを追放した事への賛美と、髑髏島の王と呼ぶに相応しい存在になった証明、そしてラナキラこそが次の「王」であって欲しいと言う願望が入っている。



・1995年、モナークによる髑髏島の再調査に怒ったラナキラは「先代の加護」を使うようレガシィに言い、「いつか外の世界が見たいんじゃないの?」と言うレガシィに対して「それが間違っていた、『空からの人』は二度と招いてはならなかった、この島の存在が双方に災いになるなら髑髏島はいなくなった方がいい」と言って聞かず、レガシィは「先代の加護」を髑髏島に張り、以降髑髏島は2019年のギドラ兄弟復活まで不可侵となる。



・2016年、「ゴジラジオin京都」でブラウニーが「‐」世界に向けて無理矢理クラックを開けた影響で「先代の加護」に「穴」が開き、レジェンドが「‐」世界に行った事で、半世紀前に自暴自棄になっていたラナキラを生かす為、先代達があえて髑髏島の地下空洞に空けた「穴」から何度か髑髏島に来ていたバラゴンの事を思い出し、「‐」世界の存在を認知。
更にチハヤが一度獣人界に行った一件から他にも似た世界がある事を察し、レジェンドをUWに送り返した後に様子を見に来たコンドウを捕らえ、高次元領域へ案内させる。

レガシィ『キミ、水先案内人になって貰うけどいいよね?答えは聞かないけど?』
コンドウ『それって何処のリュウタ・・・ひえっ!!』



・そのまま高次元領域へ行き、招待主達と対面。母蘇羅を見てワヒネへの恋心を思い出し、彼女と一緒にいたいと言う理由で「招待」の参加を勝手に受けてしまう。
当然、先代達からは「もし悪しき存在がこの世界に入って来たらどうする?」と言われるが、それならこの世界に異世界の怪獣を呼ばなければいいとし、話を受けた本当の理由を隠して「異世界の怪獣との交流は怪獣達にプラスになる」「そもそも怪獣がいる様々な世界の中継点となっているUW自体が似たようなもの」「『招待』に参加する怪獣の事は自分が責任を持って送り迎えする」「ラナキラにとっても髑髏島以外の事に気を向けるいい刺激になる筈」と説得し、ワヒネの便宜もあって受け入れて貰う。
無論、本人は母蘇羅に会うのが目的だった。



・2019年、ギドラ兄弟からの「召集」で復活を察したレガシィは憎きギドラ兄弟をラナキラに倒して貰い、ラナキラを「王」にせんと独断で髑髏島のGNウォールを消してしまう。
しかしラナキラはギドラ兄弟の「招集」には応じず、用があるなら自分から来いとして、同じく「招集」に反応したスカルクローラーの残党の暴徒鎮圧に行ってしまう。
レガシィは本当にキミらしいけど、少し髑髏島に閉じ込め過ぎたか・・・としてラナキラに少々の失望を抱き、土御門や先代達からGNウォールを解いた件を非難されるも、こうなる事を分かっていて自分を選んだのはキミ達だと開き直る。



・その後、レジェンドに撃破されたギドラ兄弟と「天上」で一触即発の再会。
一応この世界の生物である彼らに手出し出来ず、少しでも手を出せば代表としての資格を剥奪されて土御門から「意思」を消される事、ワヒネを始めとして復讐に意味は無い・空しいだけ、報復すれば奴らと同類になるから嫌だ、とする穏健派の先代が多かった事から(プロメテのような復讐・報復賛成派も多数いた)、レガシィは煽りや舌戦、スルーと言う名のメンチ切りで済ませる。
ただ、本当は話もしたくない程に憎んでいるのもあり、あえて名前で呼ばず「長男くん」「次男」「三男くん」と呼んでいる(ドゥッカだけ「くん」を付けないのは、「くん」も付けたくないくらい憎いから)。
一方ギドラ兄弟はうろ覚えで、アニトヤに至っては覚えていながらレガシィと煽り合戦を繰り返るも、話にならないとスルーされて癇癪を起こし、ギドラ兄弟の中で一番のレガシィ嫌いに。

レガシィ『やぁ・・・何億年振りだね?ボクちゃんの事、覚えてる?キミ達が髑髏島に来た時に盛大に殺してくれた、元まっしろキコちゃんだよ?』
『ボクちゃん、今はこの世界の神様みたいになったからこの世界の命は奪えないんだけど、それがなかったら・・・百万回でも、三人仲良く殺してあげたいんだけどなっ!』
『寛大なツッチーや、ボクちゃんの仲間に感謝するんだね?ボクちゃんなら百万回殺して~、無間地獄に落として~、二度と転生なんかさせずに永遠に苦しめちゃうから♪』

プロメテ『何故だ、どうして報復しない!レガシィ、いや!キコ!今のお前なら、ギドラ共なぞ一捻りに出来るんだぞ!』
土御門『黙っていろ、プロメテ。彼奴らの命の在処を決めるのは、私だ。』
レガシィ『ボクちゃんも内心はプロさん派だけどさ、ワヒ姉さんがそう言ってるんなら出来ないし・・・こんな奴等の為に「死ぬ」方が馬鹿馬鹿しいよ。ボクちゃん、まだ消えたくないし?』
シューニャ「我らに叶わないと分かっておびえている癖に、あまり見栄を張らない方がいいぞ?ただのカカシよ。」
レガシィ『三人でフルボッコにしないと、ごますりラドン君にも勝てないキミ達もそろそろお口チャックした方がいいんじゃないかなぁ?だから、人間の邪魔がないとレジェっちに勝てなかったわけなんだし・・・こりゃ、袋叩きデスマッチに慣れてるボーちゃんでも勝てたかもね?』


レガシィ『長男くんはギドラ共代表だから誰からも真っ先に憎まれてるだろうし、ボクちゃんには余計な真似をしなかったから、兄弟の中じゃ一番嫌いじゃない事にしておいてあげるよ?まっ、殺(や)っていいなら今すぐ消して殺りたいくらい嫌いだけどね?』
シューニャ「口ばかりが達者なトーシロだな?全く、お笑いものだ。殺れるものなら殺ってみるがいい?何も出来ずに殺された、ただのカカシ風情が。」
アニトヤ「シューにぃ、アメリカンジョークうま~いっ!ざぶと~ん!!」
ドゥッカ「俺達なら確実に、お前は殺れる。覚えておく事だ。」


レガシィ『三男くんのそのふざけたスプリットな二枚舌、再生する度に延々と抜いてやりたいねぇ~♪これぞ、本当のプロメテウスだね☆そう思わない?思うでしょ?思うって言いなよ?』

シューニャーー・・・煽られてるぞ、ニト?

アニトヤ「ふいへひふ(抜いてみる)?おほひほほう(おもしろそう)~?」
レガシィ『・・・へ?なんでボクちゃんがキミの言う事を聞かないといけないの?馬鹿なの?死ぬの?ボクちゃんは「本当のプロメテウスだね?」の返事を聞きたいだけなんだけどね?キミの舌を抜くのに、キミの意見なんか聞くわけないって~!』


レガシィ『次男は・・・何もないや。ボクちゃんの首をへし折ってくれたイカれポンチとなんかなるべく喋りたくないんだ?ゴメンね?欠片でも悪いって思うなら今すぐ消えて金輪際転生しないで?』
ドゥッカ「欠片も悪びれてなぞいるか。喋りたくないなら、ずっと黙っていろ。」
レガシィ『いやいや、黙るのはキミだから。ボクちゃんに意見するなって、馬鹿な弟君を見て分かんない?』



ギドラ兄弟、特に自分を殺した一番嫌いなドゥッカだけは転生させないでと土御門に頼んだが、どんな存在にも公平な土御門はその要求を聞かなかった。

土御門ー清濁合わせもってこそ、世界は均衡を保てる・・・汚れ過ぎても駄目だが、綺麗過ぎても駄目だ。』
レガシィ『・・・そっ。ツッチーならそうするよねぇ・・・ほんと、美しい真理だよ。でも、美し過ぎて・・・ボクちゃん、気に入らないかなぁ?』



・それから数日後、レガシィは髑髏島に行ったきり(「なくなって初めて~」)、行方を眩ましてしまう。
これによりUWの「招待」参加が中止になり、土御門と先代達は困惑しながらもレガシィの心境を慮り、彼を深追いせずに自分から帰って来るのを待つ事にする。
髑髏島では、レガシィと入れ替わりに襲来したカマソッソが連れて来たギドラ兄弟の「嵐」により、イーウィス族がジアを除き全滅してしまう。



・「あるゴジラ族の亡骸」ことダゴンの亡骸を見ながら回想を終えたレガシィは、髑髏島にカマソッソが「嵐」を連れて来る事を分かっていた上であえてその事を言わず、それは「王」にならなかったラナキラへの罰であり、自分にとっては最近髑髏島に移り住んで来ただけのイーウィス族には何の思い入れも無いが、ラナキラにとっては違う事も分かっており、そうして彼をいつか髑髏島の外・・・レジェンドの縄張りに追い立ててレジェンドとぶつけ、今度こそラナキラに「王」になって貰おうと考えている、と隣の「誰か」に話す。

レガシィ『こんなてんで性悪キューピッドなボクちゃんを・・・キミはどう思う?』

それに対し、「誰か」は本当の神とは自分の思いのままにする為にそう言う残酷な事も平気で出来る存在だから、今の貴方は気にしないでいい、と返す。
レガシィはそれなら数億年「レガシィコング」でいて良かったと呟き、ダゴンですらムートーの苗床と化してしまった末路から、この希望と絶望に満ちた世の中に絶対は無い事を悟りつつ、この宇宙が・・・世界が無くなるまで死ねない自分にはいずれそんな事も些細な事になる、として「誰か」・・・「ボクちゃんの恋のハンター」こと母蘇羅に言う。
それを聞いた母蘇羅は、一つの問いを投げ掛ける。

母蘇羅『・・・それでも、消えないものがこの世界には一つあるわ。なんだと思う?レガシィちゃん。』
レガシィ『・・・それは、愛(LOVE)でしょう?ふもっふ!』



そして月日が経ち、レガシィは「招待」を再開させる為に自分を探すレジェンド達が訪れている日本・旧雀路羅跡地へ、あえて向かう事にする・・・
(終)
4/4ページ
好釦