Pray




愛美華「・・・じゃあ、贈り物でも持って行ったらどうかしら?でもテキーラを持って行って、あわよくばアンバーさんを酔わせて火遊びしようと考えているならダメよ?」
カロル「んなメキシコ土産持っていかねェし、火遊びなんか絶対やらねェよ!」
ルンフイ「贈り物・・・と言えば、アンバーからの贈り物も良かったわね。王。」
レジェンド「・・・そう、だな。」










アンバー『・・・すみません、少々手前味噌になるようで申し訳無いのですが・・・今、ルンフイ様を待つ幼少期のレジェンド様に思いを馳せた時、一つ俳句が浮かびました。ご披露しても・・・宜しいでしょうか?』
レジェンド『・・・己は構わない。』
ルンフイ『ええ。是非、聞かせて。』
アンバー『ありがとうございます。では・・・』






君待つと
わが恋ひをれば
わが屋戸の

すだれ動かし
秋の風吹く






アンバー『・・・いかがでしょうか?』
ルンフイ『・・・私はあまり俳句は詳しく無いけれど、いい言の葉だと思うわ。この俳句、貴女からの贈り物にしていい?』
アンバー『は、はい・・・!本当にありがとうございます!未熟者の言の葉で宜しければ・・・どうか、お受け取り下さいませ。』
レジェンド『・・・少し、恥ずかしいな。』
ルンフイ『じゃあ、私はこの贈り物を歌うわ・・・』
アンバー『わぁ・・・ルンフイ様が、光輝いています・・・!』
愛美華『尊いわねぇ。』
カロル『うおっ、まぶしっ!』
レジェンド『・・・』










カロルーー・・・ってか王、また恥ずかしがってら。
女神がくれた贈り物なんて、羨ましさマックスだってのに・・・
こんなに恥ずかしがってんじゃ・・・あの時の事はとても言えねぇか。
王がオレを赦してくれた後に言った、あの言葉はな・・・










レジェンド『・・・それと、謝罪なら己では無く「彼女」にした方がいい。』
カロル『・・・そう、スね・・・許されるなら彼女に、女王に直接謝りたかった・・・!』
レジェンド『・・・否(いや)。』
カロル『?』
レジェンド『・・・彼女には、また逢える。近い内に、必ず・・・
待っている・・・己の、運命の・・・女王(ヒト)。』










カロルーー・・・うん、無理だな。
これ、実質告白じゃねーか。女王が聞いたら卒倒するヤツだぞ?



レジェンド「・・・次の『招待』の時
、アンバー以外の者にも話そう。お前の事を。」
ルンフイ「そうね。私の王の戴冠式を、色んな世界の怪獣達が知るなんて・・・本当に、次の『招待』が楽しみ。」



カロルーー・・・まぁ、以心伝心してるんならオレが気にする事じゃねぇな。
オレは、次の『招待』で女神にどう謝るかだ・・・






・・・待っててくれよ。オレの、女神(アンバー)。



愛美華「・・・って思った?」
カロル「お、おいッ!?勝手にオレの心の声みたいに喋ってんじゃねぇぞ!」
ルンフイ「どうかしたの?カロル?」
カロル「いや、何でもねぇッス!ほんと何でもねぇッスから!それより・・・」
ヒオニ「あっ!ようやく見つけました、王!緊急事態ですわ!」



と、そこへ一行の元に慌てた様子で走って来たのは、南極から脱出して来たヒオニであった。



カロル「なんだ、ヒオニか・・・とりあえず、助かった・・・」
シン・ゴジラ(品川くん)「くも?くもさま・・・?」
チハヤ「どちらかって言うと、イカに近いらしいよ?愛美華さんが言うには。」
愛美華「あら、ヒオニちゃんじゃない。レリゴーは終わったの?」
ヒオニ「残念ながら、レリゴーどころではなくなったんですの、愛美華さん。これで~いいの~、じゃなくて!全然良くないのです!」
ルンフイ「まずは落ち着いて、ヒオニ。頭を冷やしてから、ちゃんと王に報告して。」
レジェンド「・・・どうした?」
ヒオニ「・・・愛美華さんと別れてから、わたくしは成り行きで南極に行ったのですが・・・そこで、目撃してしまいましたの・・・『偽りの王』達を・・・!」
レジェンド、ルンフイ、カロル「「「!?」」」
愛美華「『偽りの王』達って・・・話に出て来た、ギドラ三兄弟?」
チハヤ「さっき少しだけ聞いたけど、絶対最悪な連中なのは分かるよ・・・ギドラのスリーマンセルとか、うわぁ・・・」
シン・ゴジラ(品川くん)「・・・ぽぽさま?おこ・・・?」
レジェンド「・・・地獄から這い上がって来たか、ギドラ達。」
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好釦