Pray










UW・雀路羅市跡では、帰還したレジェンド達に加えて愛美華が呼んだチハヤとシン・ゴジラ(品川くん)が参入し、先程の「招待」についてのトークで盛り上がっていた。



愛美華「こうして、アンバーさんはレジェンドさんとルンフイさんと握手を交わして、三角関係は幕を閉じたとさ・・・めでたし、めでたし。」
チハヤ「へぇ~、やっとはっきりさせたんだね?アンバーさんとの事のきっかけを作った僕が言うのも何だけど、あんたの事を結構見直したかな。」
シン・ゴジラ(品川くん)「ぽぽさま、あんさまじゃあ(な)くて(え)、ふいさまお(と)、ぱぱぱぱ~ん。」
レジェンド「・・・己ばかり見るな。」
チハヤ「まっ、また『招待』されるなら確実にあんたらは『招待』されるだろうし、女王様は絶対にモスラ姉妹・・・特にシン姉さんかハルナ姉さん辺りから質問責めされるだろうから、覚悟だけしといてよ。」
ルンフイ「ええ。モスラ姉妹の事は、アンバーから聞いているわ。私と同じモスラ族に会うのが、とても楽しみ。」
チハヤ「・・・で、何でこの自称『炎の悪魔』はずっと俯いてんの?」
カロル「・・・」



・・・ただ一人、カロルを除いて。
「‐」世界を去ってから彼はずっとこの様子であり、「招待」に参加していないチハヤとシン・ゴジラ(品川くん)にも、この男に何かがあった事が伺い知れた。



シン・ゴジラ(品川くん)「かお(ろ)さま?かおさま~?」
愛美華「心配無いわ。イキってごますって暴れて最後は土下座した只の黒歴史がバレちゃって、フォローしてくれたアンバーさんの優しさが眩し過ぎて逆に避けちゃって、勝手に自己嫌悪モードになっているだけだから♪」
チハヤ「うわっ、それ最悪のデビューじゃん。女の優しさ、しかもアンバーさんの救心みたいなフォローを無駄にするとか・・・」
カロル「はぁ・・・笑え、笑えよ・・・どうせオレなんか・・・」
シン・ゴジラ(品川くん)「かおさま、しょぼぼぼーん?」
チハヤ「何処の地獄兄弟だよ!こっちまでやさぐれるっての!」
ルンフイ「カロルはまだ若いから、アンバーのようなヒトの相手に慣れていないのかもしれないわ。けれど、氷関係だから苦手なだけでなくって、彼女の優しさが仇になるなんて・・・」
レジェンド「・・・小声でアンバーを『女神』と呼んでいた。嫌ってはいない筈だ。」
シン・ゴジラ(品川くん)「あんさま、めがみ?しんも、さんせ~い。あ~、めがみさま~。」
愛美華「アンバーさんは元の世界では『四神』って呼ばれていて、ああ見えて約一万二千歳らしいから、あながち間違ってはいないのよね。問題は自称『悪魔』さんが『女神』とか勝手に呼んでいて、しかもその女性を避けている面倒臭さよねぇ?」
カロル「自称じゃねぇよ、他称だっての。」
チハヤ「ツッコミする余力はあり、か・・・じゃあ、今度はあんたがアンバーさんに謝りに行く?」
愛美華「チハヤちゃん、それを『堂々巡り』って言うのよ?」
シン・ゴジラ(品川くん)「かろさま、ぺこい(り)~。」
カロル「・・・どいつもこいつも、ヒトがやさぐれてるからって色々言いやがって・・・!わあったよ、ケジメを付けてやろうじゃねぇか!
王!女王!次の『招待』が来たら、絶対オレも連れてって下さい!オレ・・・めが・・・アンバーに、ちゃんとお礼と、謝罪がしたいですッ!だから、宜しくお願いしまッス!!」



愛美華達の野次のような言葉に奮起したカロルは、レジェンドとルンフイの前に即座に舞い降りると、先程アンバーに謝罪した時のレジェンドのように深々と頭を下げながら、王と女王に自分が起こした新たな罪を償う機会を乞うた。
レジェンドとルンフイは無言のまま一度だけ、顔を向かい合わせて目線を合わせ・・・



レジェンド「・・・分かった。だが、自分ですると決めたのなら、自分だけで必ず果たせ。」
ルンフイ「それにあなたは、王と私の側近。側近は常に仕える者の側にいる義務がある・・・なら、一緒に行かない理由は無いわ。」
カロル「あ、ありがとうございます!オレ、絶対やり遂げるッス・・・!」
チハヤ「じゃあ、次はあんたも一緒か。多分僕もまた『招待』されるから、あんたがまた『女神』につっけんどんな事をしないか見とくよ。」
シン・ゴジラ(品川くん)「あぁ、けんおん(つっけんどん)?しんも、いく。かおさまとめがみお(の)あんさま、ぱぱぱぱーん?」
カロル「ち、ちげェっての!そんなんじゃねぇよホント!」
愛美華「うふふ。また分かりやすく髪が火遊びしてるわよ?『炎の悪魔』さん?」


ーー・・・これはきっと、あえて距離を取るパターンになったわね。
恋のライバルが一人減ったかと思ったら、また一人増えたのかもしれないわ・・・
アンバーさんに恋する怪獣男子も、怪獣じゃない一般男性も、大変ねぇ~♡
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好釦