Pray











それから、一同は他愛の無い雑談を繰り広げ・・・太陽が橙色に変わりながら西の地平線に沈み始めた頃、レジェンド達は無事に招待主に戻れたレガシィコングがもたらした光の柱の元に、UWに戻って行った。



愛美華「次は兄様達と一緒に行くわね♪さようなら、アンバーさん。」
カロル「じ・・・じゃあ、さいなら。」
ルンフイ「次に貴女と会えるのを、楽しみにしているわ・・・アンバー。」
レジェンド「・・・また会おう、アンバー。さらばだ。」
アンバー『カロル様、愛美華様、ルンフイ様、レジェンド様・・・次またお会い出来る日を、心待ちにしています!それでは、さようなら・・・!』



レジェンド達を見送ったアンバーは奥の院からの帰路に付きながら、今回の「招待」の事を思い返していた。



アンバーーー・・・今回、わたくしだけの参加となった「招待」でしたが・・・本当に、実りあるものでした。
真の王となられて更に威厳ある方になったレジェンド様、そのレジェンド様に時を越えて寄り添い続けるルンフイ様、前と変わらない妖しい魅力をお持ちの愛美華様・・・
それから、わたくしの至らない配慮が逆に負担を掛けてしまったカロル様。こちらは次の課題ですね・・・
次こそはカロル様の本心を察して、わたくしの真心をもっと届けて・・・カロル様と、仲良くなりたいです・・・!
だからこそ、これからも交遊を重ねる為に・・・レガシィ様が「招待主」である事は、わたくしの心に仕舞っておかなければ・・・






レガシィ『それと、アンバーたそ?多分、ルンルン様はうっかりボクちゃんが「招待主」だってポロっちゃったみたいだけど・・・他のみんなには言わないでね?一応この事、ヒミツのケンミンShow!なんだ~。
ヤマトナデシコなアンバーたそに限って、無いと思うけど・・・もし、他のみんなにポロっちゃったら・・・アンバーたそはただの「四神」な怪獣でいられなくなるか、キミの存在そのものを消す事になるかもね?
あっ、ボクちゃんは同じアルビノとしてシンパシーがバシバシ来てるアンバーたそとはこれからも仲良くしたいって思ってるし、モテモテなアンバーたそを消したら色んな男子からのアレコレがコワイしねぇ・・・だから、そうならないように・・・お願いランキングゴールド一位って事で、シクヨロで~す☆』






アンバーーー・・・全てはわたくし次第。心に刻んでおきましょう・・・
それと・・・ルンフイ様。わたくしは今日貴女に会えて、心から良かったと思いました。
何度生まれ変わっても、同じ人を愛し・・・その方と巡り会い、添い遂げる事を選んだ貴女を知って・・・わたくしも心に決めたあの方を愛し続ける、一途な固い想いを持ち続けたいと・・・改めて思えたのです。
だから、わたくしも貴方を愛し続けますね・・・わたくしの最愛の貴方(ひと)、隼薙。
あと・・・時にはわたくしから、動いてみましょう・・・わたくしの「祈り」が、叶うかもしれないのなら・・・!






しばらくしてアンバーが岩屋寺に戻ると、本堂前には彼女の帰りを待つ初之兄妹・・・「心友」である初之穂野香と、「心愛」なる初之隼薙がいた。



穂野香「あっ!おかえり~!アンバー!!」
アンバー『ただいま戻りました。穂野香、隼薙。』
隼薙「おう、アンバー。久々の『招待』は楽しかったか?」
アンバー『はい。心が充実する、本当に良き時間が過ごせました・・・そ、それから・・・あの、隼薙・・・?』
隼薙「ん?何だよ、変にかしこまって?」
アンバー『・・・来週のお休みに、わたくしと・・・どうか・・・!
デ、デートしては頂けないでしょうか・・・っ!!』
隼薙「・・・えっ?デート?」
穂野香「わ・・・わあ~~~っ!?遂に、アンバーからデートに誘った~!!答えは只一つ!分かってるわよね?お兄ちゃんっ!!」
隼薙「お、おう。別に予定はねぇし、穂野香がそんなに言うなら・・・」
穂野香「私が言うなら、じゃないっ!」
隼薙「はいっ!お前が行きたいなら、俺は行ってもいいですっ!」
アンバー『・・・本当、ですか?』
隼薙「あ・・・あったり前だろ!お前といて、不愉快なんかにならねぇし・・・むしろ、穂野香抜きで俺とお前が一緒にいて変に思われねぇか、ってぐらいだしよ・・・」
アンバー『・・・あ、ありがとう、ございます・・・!はや、てっ・・・!』
隼薙「なっ!?なに泣いてんだよ、おい!デートするって言っても、俺と一緒に出掛けるだけだろーが!」
穂野香「分かってないなぁ、お兄ちゃんは・・・アンバーみたいな女の人からデートに誘うって、下手な怪獣と戦うより難しくって勇気のいる事なんだよ?とにかく、アンバー!おめでとーーーっ!!私も嬉しいよーーーっ!!」
アンバー『ありがとう、穂野香・・・!心から、感謝します・・・!』
隼薙「・・・すまねぇ、お兄ちゃんやっぱ今の穂野香も、アンバーも分かんねぇ・・・それで、何処でデートしてぇんだ?」
アンバー『あの、その・・・と、図書館を希望します。』
隼薙「図書館?遊園地とか、観光地じゃなくていいのかよ?」
アンバー『はい。わたくし、今日の「招待」を機に「神話」について調べたくなりまして・・・隼薙と一緒に、知識を深めたいのです。』
穂野香「図書館デート・・・♪アンバーらしい、静かで知的だけど距離感の近いデートね☆くれぐれも、図書館じゃお静かにね?お兄ちゃん?」
隼薙「分かってるっての。つうか昔、お前に図書館で何度も勉強教えたの、俺だぞ?」
アンバー『では・・・わたくしにも、図書館での作法等のご指導ご鞭撻(べんたつ)・・・お願いしますね。隼薙。』
隼薙「俺なんかがお前に教える事、あるか・・・?まぁ、教えて欲しいってなら言えよ。」
アンバー『・・・はい。心得ました♪』



「女王」の光はアンバーの一方通行な恋慕の道をも照らし、誰よりも喜んでいる勢いで彼女を抱擁する穂野香の賛美を受けながら・・・アンバーの「祈り」は、少しだけ為し遂げられる事となった。
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好釦