私と、ワルツを




デストロイア「そう、ここに私が辿り着いた時点で私の勝利は確定していたと言う事です・・・『招待』が出来なくなっても良いなら、遠慮無く攻撃して来て下さい。まぁ・・・貴方達には無理でしょうけどね?これ以上私の邪魔をしないなら、今回は見逃してあげましょう。そして見るがいい、『破壊神』の力を・・・!」



デストロイアはメテオライトを頭上に翳(かざ)し、「破壊」の力を蓄えようとする。
だが、それと同時に呉爾羅の右手が再び動き出した。



呉爾羅「・・・じゃあ、やっぱのやっぱり・・・その漬物石を壊せば、お前の野望はこれっきりになるんだな?なら、俺の中のみんなも全員一致の賛成って事で・・・それをぶっ壊す!!」



呉爾羅は全身のオーラを最大限に解放すると、右手の親指と人差し指を立てて銃のような形にして、左手を手首に添えながら右手をデストロイアに向ける。
すると右手の人差し指の先端に青い閃光が瞬き始め、みるみる内に光は大きくなって行った。



デストロイア「・・・なに?」
婆羅護吽「呉爾羅・・・?」
護国バラン「あんな技、私は見た事が無いぞ?」
魏怒羅「・・・魂の声が、意志が、力となって集まっているようだ・・・」
最珠羅「何をする気だ、呉爾羅!」
呉爾羅「決まってんだろ?あの漬物石を壊すんだよ。でもそれは俺達だけじゃ無理だから、俺の中のみんなの霊力もちょびっとだけ貸して貰う事にした。って言うか、人海戦術?」
デストロイア「人の話を聞いていたのですか?これをここで壊せば、二度と貴方達は「招待」に・・・」
呉爾羅「お前なんかの思い通りになるより、よっぽどいい・・・ざまーみろってんだぁ!!」
デストロイア「そもそもこれは『神』が造った道具、壊せるのは『神』だけです。ただの自縛霊の貴方に壊せるわけが無いのですが?」
呉爾羅「ところがどっこい、俺なら多分壊せるんだよなぁ~?なんせ、俺もめでたく『神』にジョブチェンジしてるからな~。」
護国バラン「そういう問題ではないだろう、呉爾羅・・・!もしも奴の言う事が本当なら、お前はまた皆から蔑まれる存在になってしまう・・・それで、いいのか!」
婆羅護吽「そうよ!お願いだから止めて、呉爾羅!せっかくみんなと仲良くなれたのに・・・こんなのって、無いよ・・・!」
魏怒羅「だがしかし、お前ならそうする気もしていた・・・」
最珠羅「呉爾羅・・・私達は、お前を結局救えないのか・・・!」
呉爾羅「・・・俺がまたそうなっても、お前らはいてくれるんだろ?」
最珠羅、婆羅護吽「「!!」」
呉爾羅「別にハミゴにされる事なんか慣れてるし、俺はお前らと俺の中の人達さえいてくれるなら、一人にはならない。それに、俺にしか出来ない事があるってなら・・・やるっきゃないよな?」
魏怒羅、護国バラン「「・・・!」」
呉爾羅「・・・ごめんな、お前ら。
ごめんな、ガジャ・ナーガ。
ごめんな・・・みんな・・・!」
デストロイア「正気ですか?本当に壊すと言うのですか、貴方は!本当に、私を止めるというのですか!?」
呉爾羅「俺の中の霊達よ・・・この俺に、力をもうちょっとだけ分けてくれ・・・!」
デストロイア「そうですか・・・なら、ここで跡形も無く消えてしまうがいい!!」
呉爾羅「よし・・・みんな、ありがとな!じゃあ、行くぞ!!」
デストロイア「さような・・・!?」
呉爾羅「レイ、ガァァァァァァァァァァァァァァァン!!」



デストロイアの「破壊」の力の塊が解放される、その僅かに早く。
呉爾羅の手から放たれた巨大な光球は、デストロイアを飲み込んだ。
そして全てが凄まじい光の奔流に包まれ、呉爾羅も、デストロイアも、最珠羅達もその中に消えて行く・・・



最珠羅、婆羅護吽、魏怒羅、護国バラン「「「「呉爾羅・・・ッ!!」」」」
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好釦