暴龍乃決意‐三魔獣怪獣島襲撃‐
ウルフォス『「招待」、だっけ?あいつら、また自分達の世界で呑気にやってるよ。』
イーブルス『ゴジラにバラン、そしてあの虫女までもがのうのうと・・・ええいっ!今すぐ奴らに死合をしかけるぞっ!!』
ホーエンス『止めるんだ、イーブルス・・・我らは此処に来たあの時、誓った筈だ。真なる主、大魔獣にして暴龍のアンギラス様が我らに呼び掛けるまで、此処を動かないと・・・』
ブラウニー「・・・お前ら、そうやっていつまでここにボーっとしてるんだぁ!!いい加減にしないと、お前らをまとめて抹殺(ジェノサイド)するぞぉ!!」
悪しき怪獣達が集いし異世界・アンティヴァースでは、三魔獣が次元の裂け目・クラックから「‐」世界での「招待」を観察していた。
彼らはこの世界に来てから、クラックを通して異世界や「招待」の様子を見ながらやっかんでいるだけであり、三魔獣を連れて来たブラウニーが背後から怒号を上げようと、意にも介していない様子だ。
ウルフォス『いや、別に自分達は行くとは言ったけど、お前に従うとは言って無いし。』
イーブルス『こっちも暴れたいのは山々だが、誓いがある・・・!だから、残念ながら断るっ!』
ホーエンス『そう言う事だ・・・すまないが、今は諦めて欲しい。』
ブラウニー「堂々と言い訳しながらサボりってか!いい身分だな、コノヤロウ!ケーッ!」
デスギー「はっはっはっ!自信満々で連れて来ておきながら、とんだ役立たずだったなぁ?ブラウニー?」
ブラウニー「うるせえ!破壊の神様のメッセンジャーボーイってだけで、調子に乗んな!お前こそ、メンバー勧誘じゃまるで役立たずだろうが!」
デスギー「そこ、言うなぁ!!おれの世界の悪の怪獣は、ことごとくキングの野郎やその息子どもが倒しやがった上に、期待していたダガーラとか言う奴はよりにもよってイシュタルに腑抜けやがって、勧誘する候補すらろくにいないんだよ!!『黄金の終焉』、もしくは『零(ゼロ)』か『女王龍』の協力さえ得られれば・・・!」
ブラウニー「そんな首一本すら見せる気のねぇギドラ一族共なんか頼れるか!いいから手始めにあそこに見えるヒジュラスとか言うカラス野郎でも・・・」
ウルフォス『超魔獣同士で争うなよ、見苦しい。』
ブラウニー、デスギー「「なにい!?」」
ホーエンス『何を言われようと、我らは主の命令が無い限りは動かない・・・』
イーブルス『そう言う事だ、文句があるなら主を連れて来いっ!だが死合なら、いつでも受けてやるがなっ!!』
小競り合いをするブラウニーと、デスギーーー異世界の宇宙超魔獣ーーに呆れた三魔獣はその場を離れ、通路を歩く。
通路とは言っても、このアンティヴァースに部屋と言える箇所は限られているので、無数の小さな浮遊島を繋ぐ木の根のような形をした岩の上を歩いているだけだが。
ホーエンス『しかし・・・ここに来て幾つか時が経ったが、主は一向に来られない。いつになれば、主は来て下さるのだろうか・・・?』
イーブルス『主はまだ以前の私達のように、魂だけでさまよっているんだろう?なら、ジャイガーに蘇生させればいいだけだ。また奴の所に行くか?主に恩を作れば、私達の度重なる失態も許して下さる筈っ!』
ウルフォス『いや、そもそも主も自分達と同じ事になってるならジャイガーが真っ先に蘇生させてるって。でも、あいつは主を知らないみたいだし。だから先に蘇ってるなら、来るまで待とうってなったんだろ?』
ホーエンス『主よ、記憶を取り戻すまで我らは何時まで待てば良いのか・・・?新生護国聖獣など世迷い言は早く捨てて、我らを迎えに来て下さらなければ・・・』
イーブルス『おい、貴様!まだそんな都合の良い事を言ってるのかっ!!あのアンギラスは主などでは無いと、何度言ったら分かるんだっ!!』
ウルフォス『自分もイーブルスに同じ。しつこいって、その説。あんな奴、記憶喪失でも絶対主なんかじゃないって・・・』