暴龍乃決意‐三魔獣怪獣島襲撃‐












ウルフォス『で、どうすんの?これから。』
ホーエンス『・・・流れるままに。さすればどうにかなる・・・』
イーブルス『それ、単に考えるのを止めただけだろっ!飄々としてんじゃねぇぞっ!』
ウルフォス『なら、お前はホーエンスに乗るのをやめなよ。と言うか、邪魔。』
ホーエンス『そうだな。某は乗り物では無いのだが・・・イーブルス、某をどう思っているんだ?』
イーブルス『いや、貴様ら話をすり替えるなっ!私だって消耗して飛ぶ力が無いんだ、今くらいその巨体に頼らせろっ!』



その頃、新生護国聖獣に敗れた三魔獣は怪獣島から遠くの海を漂っていた。
ウルフォスに加え、イーブルスまでも体に掴まっているからか、下半身が沈んでいるホーエンスはやや辛そうな表情をしている。



???「ケーッ!オレの予知脳の叫ぶままに来てみたら、お前ら負けたのかよ!」
ウルフォス、イーブルス、ホーエンス『『『?』』』



と、その時空から三魔獣の前に現れたのはブラウニーであった。
ブラウニーは空中から三魔獣を見下ろしつつ、何かを確認するかのように彼らを凝視する。



ウルフォス『また知らない誰かが来たよ。一応聞いとくけど、誰?』
ブラウニー「オレはデスギドラのブラウニー。別名『宇宙超魔獣』!」
イーブルス『宇宙超「魔獣」!?』
ホーエンス『大魔獣の次は、超魔獣とは・・・我らはとことん、魔獣に縁があるらしいな・・・』
ブラウニー「まぁ、今回はオレの方から縁を作ってやったんだがな?同じ『魔獣』として、オレからの『招待』だ。」



不適な笑みを浮かべ、ブラウニーが三魔獣に差し出したのは黒い招待状だった。
無論、これはただの招待状では無く・・・悪しき者共からの「招待」状である。



ウルフォス『何それ?』
ブラウニー「お前らは破壊や混沌が相当に好きと見た。オレ達は近々壮大なる計画を実行し、気に入らないゴジラ共をまとめて抹殺(ジェノサイド)しようとしている。その為に、少しでも戦力が必要なんでな・・・どうだ?オレと一緒に来ないか?このままで終わるつもりは無いだろう?」
ウルフォス『ふーん。イーブルス、ホーエンス、どうする?自分は別にいいけど。』
イーブルス『何でもいいっ!好きなだけ暴れられるなら、私は誰が相手だろうが一緒にやってやるよっ!!』
ホーエンス『・・・今は、誘いに乗るのが最良か。了解した、我らはお主と共に行こう・・・』
ブラウニー「ケーッ!流石は魔獣、分かってるじゃねぇか。今日からお前らも、破壊の神様の一部ってわけだ・・・じゃあ、三名様の・・・ご案内だぁ!」



ブラウニーが空に向かって叫ぶや、雲の彼方から伸びた漆黒の光の柱が三魔獣とブラウニーを包み、そのまま四人は柱と共に光の先に繋がる「異世界」へ消えて行った。






ジャイガー「・・・やはり、奴等は異世界の怪獣じゃったか。」
バルゴン「そんなぁ、ワイの話の続きを聞いてくれるんとちゃう~ん!!ウルフォスのお兄ちゃぁ~ん!!
・・・はぁ、もう嫌やわぁ・・・」



その後方では、マグネチック吸盤を使って海面を浮遊するジャイガーがバルゴンを背中に抱えながら、三魔獣が去るのを見つめていた。
バルゴンはウルフォスとの二度目の別れを悲しむ中、故郷に帰りたい思いと海水が体にかからないかの不安でそわそわする一方、ジャイガーは深刻な顔付きを崩さない。



ジャイガーーーしかし、マンダからゴジラが今日異世界に飛ばされていたと聞いたが・・・奴等と交感出来たのは、その僅かな間に異世界と繋がった事による影響と見て間違い無い。
儂の同類だと思って、蘇生させてしまった事は・・・知らぬ事と捨て置いてはおけんな。
せめて、奴らの言う「アンギラス」が蘇らないよう、策を講じてみようかのう・・・


バルゴン「これはやっぱ、ニューギニアに行かんと耐えられへん・・・!お爺ちゃん!早くワイをニューギニアに連れてってぇ~!」
ジャイガー「・・・いや、一旦ウェスター島に戻るぞ。」
バルゴン「へえぇっ!?そんな、殺生なぁ!ここまで来といて、それは無いんとちゃうん!?ウソ付いたら針千本・・・」
ジャイガー「文句があるなら、お前を今すぐ海に沈めるぞ?」
バルゴン「そ、それは堪忍やでぇ!?」
ジャイガー「なら、戻るぞ。」
バルゴン「しょ、しょんなぁ・・・」



バルゴンの嗚咽混じりの願いも空しく、ジャイガーの進路はウェスター島へ戻って行った。
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好釦