暴龍乃決意‐三魔獣怪獣島襲撃‐
ゴジラ・レッド「ったく、妙な気配を感じたから慌てて帰って来たら、もう終わってたとはな。」
アンギラス「なんか、すみません・・・」
キングシーサー「いえ、アンギラスさんは謝らなくていいですよ。」
テレケ「って言うか、ルシカとフレアと一緒に悪いヤツらを追っぱらったんだろ?おめぇら、やるなぁ!」
ミニラ『アンギラスさん、すご~い!!』
夕方、獣人界に帰還したゴジラ・レッドは怪獣島から不審な気配を感じ、急遽キングシーサーとの逢瀬を中止して、彼女を連れて怪獣島に帰って来た。
キングシーサーの頭にはゴジラ・レッドが「異世界のビオランテ」から貰った、南国に咲いていそうな緑とオレンジ色をした美しい花が付いており、父の帰還を悟ったミニラともう一人・・・この世界のゴロザウルスである、長袖の青いGパンに黄色いTシャツの上から短めの水色のジャケットを羽織った、細長い恐竜の尾と黄色の瞳がトレードマークの薄い水色のショートヘアの青年・テレケも砂浜にやって来ている。
フレア「珍しく、でしゃばってしまいましたが・・・今では良かったと思っています。」
ルシカ「アタイとアンギラスとフレアなら、楽勝さ!それよりキングシーサー、えらくキレイな花を付けてるね?」
キングシーサー「は、はい・・・ゴジラさんが、下さいました。」
ゴジラ・レッド「その花の件は実は色々あるんだが、それは後で話すとして・・・アンギラス。」
アンギラス「は、はい!オイラ、今日は兄貴のいない所で無茶をし過ぎました・・・ルシカとフレアがいなかったらどうなってたか、分かりません・・・ごめんなさい!」
ゴジラ・レッド「・・・」
ルシカ「アンギラス、何言ってるんだ!?アタイがあいつらにケンカ売らなきゃ、戦わずに済んだんだ!だからゴジラさん、責めるならアタイを責めてくれよ!」
フレア「いえ、僕が乱入したから戦わざるを得ない状況になったんです!僕にも責任はあります・・・だからどうか、僕にも責任を取らせて下さい!」
キングシーサー「ルシカさんに、フレアさん!?」
アンギラス「・・・ううん、ルシカもフレアは悪くない。悪いのは、あいつらの言葉に乗りかけたオイラです。全部オイラの責任です!」
ルシカ、フレア「「アンギラス!?」」
テレケ「アイツ、こう言うとこホント変わらんなぁ~。素直にオイラ達でぶちのめしました、って言りゃいいのに。」
ミニラ「えっ?アンギラスさんが悪いの?ねぇ、父さん。だまっていないで、何か言って・・・」
アンギラス「だけど・・・オイラは、兄貴のいないこの島を守れました。ルシカとフレアの力を借りてですけど、悪しき怪獣に勝ちました!オイラは、きっと・・・いや、昔より強くなれました!だから、オイラは兄貴から何を言われようと・・・」
ゴジラ・レッド「・・・お前が無茶をするのは、オレと最初に会った時から変わってねぇだろ?そう言う事が言いたいんじゃねぇよ。」
アンギラス「!?」
ゴジラ・レッド「オレはお前なら悪の誘惑に負けない、ワケの分からねぇ野郎にも勝てるって信じてたし、お前が強い事ぐらい分かってんだよ。だからやっと、お前から自分は強いって言葉が聞けたと思ってな・・・
流石は、オレの一番弟子だ。アンギラス。」
キングシーサー「・・・ゴジラさん・・・!」
アンギラス「・・・はいっ!!ありがとうございます!兄貴!!」
ミニラ「父さんが、アンギラスさんを強いって言った・・・!やったぁ~!!」
ルシカ、フレア「「良かったね、アンギラス!」」
テレケーー・・・オレとゴジラの旦那の、おめぇへの期待は正しかったんだなぁ。
おめぇを旦那の弟子にして良かったよ、アンギラス。
ゴジラ・レッド「ルシカとフレアも、アンギラスと一緒に戦ってくれてありがとな。お前らも立派だったぜ。」
ミニラ「ルシカさんもフレアさんも、すご~い!!」
キングシーサー「アンギラスさん、ルシカさん、フレアさん・・・今日の貴方達は、最高のチームでしたよ。」
フレア「あ、ありがとうございます!」
ルシカ「そ、そんなに褒められたら照れるじゃないか・・・」
テレケ「やったな!アンギラス!おめぇはもう、ゴジラの旦那の相棒だぁ!」
アンギラス「ルシカ、フレア、キングシーサー、それにテレケ・・・ありがとう!新生護国聖獣、バンザーイ!」
テレケ「新生護国聖獣?アンギラスってば、もう新しいチーム作ったのか?」
フレア「あっ、えっと・・・実は言い出したのはルシカで・・・」
ルシカ「・・・アンギラス。やっぱり私、今のあんたもさっきのあんたも・・・大好きだよ。」
アンギラス「ありがとう。ルシカ。キミを守りたいって思ったから、オイラはあの力が出せた。これからもこの島もキミも、守ってみせるよ。」
ゴジラ・レッド「おう、早速言うじゃねぇか。なら、頼りにしてるぜ?相棒。」
アンギラス「・・・もちろん!!」
ーー・・・最初は憎しみからだったけど、ゴジラの兄貴と出会えて本当に良かった。
あのヒトの背中を追い続けて、オイラはなりたい怪獣になれた・・・
今のオイラを、強く誇ろう。
だって、オイラはゴジラ・レッドの一番弟子で・・・みんなを守る、「暴龍」のアンギラスなんだ!
そして、いつかオイラは貴方を・・・ゴジラを、越えてみせる!!
「怪獣王」ゴジラ・レッドの背中を見つめる、「暴龍」アンギラスの瞳は、強い羨望と情熱と決意で輝いていた。